【腐】黒子と高尾が王位継承者な話【にょた】 作:mizuhara_0-0
黒子や高尾や宮地さん他いろんな人がにょたってます
モブ黒、モブ高、高宮高っぽい場所あります
相変わらずの緑高詐欺です
「ねぇ。なーに、やってんですか」
高尾は目を細めた。
下卑た考えの持ち主が考えることなどあらかた想像がつく。高尾は自らの眼を生かすため、庭をざっと見て回っていたのだ。暗がりとはいえ、陰影がはっきりしている場所ではあるのだし、動く人影は少し注視すればそれとわかるものだ。
丈夫な薔薇の低木に押し付けられた黒子を見て、心臓が凍るかと思った。
二人に歩み寄っていく。女一人で助けを呼ぶ様子もないことから油断したのか、男は逃げるそぶりを見せなかった。
「お前……」
「私は高尾だけれど、心、狭い方だと思うなぁ」
高尾の言葉に男は再度、身をこわばらせた。彼はかつて高尾と関係を持ったことがある。肉体の代償は精神の忠誠だと、高尾は薄々わかっていて、だからこそ男は怯えた。
なにせ高尾は大領主。女王の後継を預けられるほどの家なのだから。
「ねー。なに、やってんの」
「あ、こ、これは……」
怯んだ男の手が緩み、その隙を逃がさず黒子は身を滑らした。
「おい! 逃げるな!」
「あんたに同じこと言って良い? 逃げんな、って」
黒子は高尾に視線を一瞬向けた。構うな、と目の動きで示すと、水色の少女はそのまま駆け出していく。察しのいい。
高尾が男に向かって一歩踏み出すと、男は一歩後退した。
「ね、商人ならさ。契約の内容を履行しないとどうなるってわかってんだよね?」
「……っ、煩い!」
叫んだ男との距離を更に詰め、逃げ場がないと感じさせる。
高尾は、男の顔を両手で挟み、至近距離で目を合わせ、言った。
「今ならまだ、見逃してやろうか?」
男が目の色を変える。逃げようとするそぶりがなくなり、高尾の肢体を引き寄せようとしたところで――
「何をしているのだよ」
見知らぬ青年の声がかかった。
緑間は、桃井に黒子を探すのを手伝うよう言われていた。
しかし、客人として扱われている手前、あまりあちこちに顔を出すことはできない。家人用の空間は彼女や青峰側に任せ、庭へと足を向けたのは本当に偶然だった。
外へと通じる階段に足を掛けた所で水色の影が顕れた。
「黒子?」
どうしたのだよ、何かあったのか。桃井達が探していたのだよ。
それらの言葉は、黒子の姿を見て飲み込んだ。
「その服は、どうしたのだよ」
赤司が黒子に見立てた服だったと思う。普段の彼女は地味な服しか選ばないからと、ささやかにレースを用いた、可愛らしい少女らしさを表現したドレスは今は、緑の葉があちこちにつき、足元は草露で湿り、繊細なレースはほつれていた。
「緑間くん……」
黒子は緑間の腕にすがりついた。普段通りの心情ではない。
「どうしましょう、高尾さんが、中に」
緑間は黒子を見た。そして、自分が出てきた方角を確認する。ダンスフロアの明かりが十分に届き、叫べばすぐに人が来るだろう。
「俺が助けに行く。黒子は桃井か黄瀬を探すのだよ」
少女が頷くのを見て、緑間は暗い庭へ足を進めた。
高尾は暗い部屋で目を覚ました。
ぱちぱちと瞬きをして、起き上がる。
自分が助けられた記憶はあるが、その後になにが――ああそうだ。桃井が青峰の名代として謝り、今日はここで休むよう言ったんだった。とっさに思い出せないとは、自分はよほど疲れているらしい。
額を抑え、ぼやける思考をまとめようとしていると、低い声が聞こえた。
「目が覚めたか」
緑色の男がそこにいた。黒縁眼鏡が、神経質な印象を与えている。彼は確か、赤司征十郎の友人の――
「緑間、真太郎さん」
「緑間でいい。同じ年だろう」
その言葉に、確かにそうだと思い直す。
「ここは?」
「高尾に割り当てられた部屋だ。桃井が部屋を準備している間に、お前は眠ってしまったのだよ。部屋を準備して、取りあえず移動させた。女中を呼ぶまで俺が付いているよう桃井に指示されてな。不満があれば言ってくれ、青峰の屋敷には何度か顔を出しているからお前よりは勝手が判る」
緑間の発言に、高尾は首を傾げた。
「緑間って、青峰と交流があったのか?」
「学校で俺個人が赤司や青峰と知り合っていた。今回は赤司に招かれて顔を出しただけだ」
お前だってそうだろう、と言われ、表向きは自分もそうだった、と思い出す。
「そうだ、高尾和成」
「何?」
「桃井が困っていた。今日はお前をここで休ませるつもりなのだが、言付けを頼む相手がいないと。従者の一人もいないのか」
首を傾げる緑間に、高尾は家の内情を言うべきか言わないべきか迷ったが、医師の家系である緑間は口が堅いだろうと思うことにした。
「今なんか、うち、ゴタゴタしてんだよ。だから知り合いの人に同乗させてもらってきたんだ」
「今も残っているか?客の大部分は帰ってしまったようだが」
高尾家の事情に興味のないようなそぶりに、内心安心しながら、高尾は頷いた。
「知り合いいるって言ってたし、あたしがいないことに気付かず帰るような人じゃないよ。探してもらえるかな?」
「俺はわからんが、桃井に頼めば大丈夫だろう。名前は」
緑間に促され、高尾は一緒に来た女性の姿を思い浮かべた。
「宮地先輩。――誠凛の伊月さんと知り合いっぽかったから、黒子に聞いた方が早いかも」
「呼んで来よう。暫く一人にする、何だったら一緒に行くか?」
「いんや。ここで待ってるよ。どーせすぐに戻ってくるんだろ。あたしはもうちょい寝てる」
「わかった。おやすみ」
「おやすみなさい」
扉が閉まる音がして、緑間が去ったことが判る。高尾は瞑目した。
緑間真太郎。緑間家の長男だったか。
医師の家系の緑間の中では医学者を目指すという、比較的変わり種だ。
知りたいことがあると錬金術や神学、魔術や占術にまで手を出すため、彼個人の頭脳には国の学問の最先端が詰まっているという。
彼の支援者が赤司征十郎で、その付き合いは学校の時かららしい。
今日のパーティは商人が出入りしていたから、書物か実験に必要な物でも調達しようとしていたのだろう。
そんなことを考えていると、再び扉が開いた。
明るい場所から一条の光が差し込み、そしてまた暗くなる。
「高尾?大丈夫か」
「宮地先輩」
女性にしてはハスキーな声に、高尾は安堵する。
「近くに来てくれませんか」
「はあ?」
「明かりはつけないで」
宮地はため息をつきながら近寄ってきた。なんだかんだ、この人は高尾に弱い。
「何だよ一体。轢くぞ」
「もっと近く」
「はあ?」
訝りながらもベッドの脇に来た宮地が、高尾の腕の届く距離に来たのを見て。
「これでい――」
高尾はそのまま手を伸ばし、彼女の唇を奪った。
お前、高尾家の。
宮地と初めて出会ったのは、女学校だ。
始めに声を掛けてきたのは宮地。
ええと、あなたは――?
高尾は宮地の名前すら、聞いたことがなかった。
それは高尾の父親の交友範囲に宮地家がなかったということで。
お前、それはおかしいだろう。
学校で習ったことなんて、全部実際に体験していることばかりだ、と宮地にこぼしたら、盛大に顔を顰められた。
それが普通でないということは、宮地が教えてくれた。
宮地の家は、母親が北部出身で。父親はそんな母親を、生まれた宮地諸共に愛していた。
しあわせな、しあわせな、ごくごく普通の家庭。
豊かな南部、格式高い北部、双方の衝突はあれどどちらの利点も知っている両親に愛されて育った宮地は、だからこそ「普通ではないこと」を自信を持って否定してみせた。
高尾。お前のそれは明らかにおかしい。貴族の娘がやることじゃない
宮地の言葉は、普通なら反発したかもしれない。けれど高尾もそれなりの年になっていたので、納得した。
だって、どんな小説を読んでも、幼い少女が親の利益のために体を開くなんて描写はなかったのだから。
高尾。何かあったら言え。あたしが何とかする。
全部は何とか出来ないかもしれないけど、味方になる。
約束するから。
高尾和成は絶望を知らなかった。
それに最初に気づいたのはきっと、宮地だ。
黒バスキャラでバッカーノ!パロディやりたいのは私だけですか。不死者パロやりたいの私だけですか。FBI真ちゃんvsテロリスト赤司様とか、ぱっと思いついた時は自分天才かと思いました。イタリアンマフィアな誠凛とかよくないですか。宗教団体の生贄として生まれて笑い方を忘れて他者を笑わせるために生きる黄瀬とかすごくないですか。恋した人に相応しくあるために絶世の美貌を手に入れる桃井ちゃんとか良くないですか。アフリカで少数民族の英雄になっちゃう青峰さんどこかに落ちてませんか。ちょっとふざけた言動しすぎてコンクリ詰めにして海に沈められるけど数年後に救出される灰崎さんとかいませんか。我が道を行きすぎて巨大企業に雇われながら影の権力者になるむっくんどこですか。とりあえずロニーさん枠は木吉先輩か虹村さんですよね?//前作ではブクマ、コメント、ありがとうございました。
2013年7月14日 pixivに掲載