転生特典が『ステータス』なのは間違ってる   作:謎のダンディ

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駄文です。よろしくお願いします。


プロローグ

 『レベルアップしました』

 無機質な女の声が脳内に響く。初めはビクッ、と驚いてたものだが、連日のように流れるから今ではすっかり慣れた。この声が落ち着くまである。

 まあ、それはそれとして。レベルが上がったということは強くなった証だ。この世界の住人となって14歳。前世を思い出したのがキッカケとなり自分だけの『ステータス』に目覚めて9年。親元を離れて武者修行の旅をすること4年。今の強さなら向かってもいいかもしれない。

 

 「旦那ァ、もうすぐですぜ!もうすぐオラリオに着きやす!」

 「おおっ、速いな。こりゃチップを弾ませなきゃな」

 「あざァす!へへっ」

 

 嬉しそうに馬車を走らせる行者を見て、こちらも微笑ましい気持ちになる。偶然知り合った商人の、荷物運びをしていた下っ端の少年。俺は道中の用心棒として乗せてもらっているのだ。この少年、口調が子分のそれだが、将来は両親を楽させたいと言ってた。良いやつだ。

 馬車は無事オラリオに着いた。

 

 ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 オラリオが迷宮都市、世界の中心、英雄誕生の地と呼ばれる所以。それこそがダンジョンである。  

 モンスターが蔓延り、絶え間なく産み落とされ、神々が降臨する前は全滅の手前まで追い込まれていたそうだ。それでも最後の最後まで足掻いていた人類は流石の一言に尽きる。実際、ダンジョンと密接しているこの土地まで進撃していたという。昔の人すごない?

 神が降臨し、人類に恩恵を授けて強化させ、バベルという蓋をしたことで数千年続く平穏が訪れたというわけだ。

 また、ダンジョンは世界に一つだけしかない。なので、ダンジョンから得られる唯一無二の資源はここから世界中にばら撒かれるのだ。なるほど、世界の中心と呼ばれるわけだ。

 唐突だが俺は英雄なんて御大層なものに興味ない。冒険者になるために来た。いや、どこまで強くなれるか試してみたいから来たのだ。そのためには・・・。

 

 「ファミリアを見つけないとなぁ」

 

 神と眷属はまさに協力関係にあるギブアンドテイク。ダンジョンに潜るための恩恵を神から貰い、その対価としてお小遣いと娯楽に目を瞑らせる。我が強い神々の神意蛮行に対し人類は何も言えず泣き寝入りするのが決まりセオリーと聞いた。正直アホらしいと思う。

 ステータスがある以上、俺には神の恩恵なるものは必要ないが、ギルドが定めたダンジョンに潜るためのルールに従わなければならないらしい。面倒だ。

 

 ・・・ん?

 

 「おっと、どうしたんですか?そんなに慌てて」

 「ううう、うるせぇ!あんな抗争に巻き込まれてたまるか!」

 

 キャーキャーと悲鳴挙げながら住人が逃げ出していた。てか、普通これほどうるさい喧騒に気付くだろ。どんだけ考え込んでたんだよ。

 ぶつかりそうになった冒険者?らしき男に質問したら、抗争だと言う。それはそうと、「うるせぇ」はひどくない?

 ダンジョンというヤバい場所に住んでる割には、こういう争いごとにはしっかり逃げるらしい。てっきり、ビール片手に「またやってるぜ、HAHAHA !」と笑ってるものだと思ってた。偏見はよくないね。

 抗争なんかで派閥探しという目的を遮られるのは癪だと判断した俺は、そのまま進むことにした。何人かに見られたけど気にしない。

 小走りで進んでいくと、ああホントだ、これは抗争だわ。系統が違う人達が目の前の敵に突貫している。血飛沫が飛び散る乱戦状態だ。あっ、顔に血が付いた!

 

 「はいはい、通りますよー。はいそこ、道を開けてねー」

 

 ひょいひょいと人と人の間を縫って進む。またしても見られたが、気にせず進んだ。

 

 「くたばりやがれぇ!クソ猫ォーッ!」

 「・・・ッ。黙れクソ狼が!」

 

 「・・・・・・ク、クククッ、紅き鮮血はこの漆黒の刃の錆となる・・・・・・よって、我が剣の贄となれ・・・」

 「? 何を、言ってるの?」

 

 「邪魔をするな、【ロキ・ファミリア】。今の我々は一秒すら惜しい。それに、貴様らと争う必要性を感じない」

 「眼中に無いと捉えてもいいのかな?最も、君たちの企みが分からない以上、見逃せないけどね」

 

 「「「「う、うわぁーーー!!」」」」

 「信仰心が強過ぎるのも考えものだな・・・」

 

 「そんなものかガレス。貴様の全力は」

 「生意気言うじゃないか、オッタルゥーーッ!!」

 「私のことを忘れたんじゃねぇ、猪野郎ッッ!!」

 「行っっくよぉーー!!」

 

 あっちこっちが混沌としてる。あ、余波でぶっ飛ばされてる。速く退散しなきゃ流石にヤバいかも。

 どちらか一方が全滅するまで行われようとしていた抗争は、女神の一声で呆気なく終末を迎えた。

 

 「そこまでよ」

 「あーあ、どないすんねん。ロイマンからドヤされるでホンマ」

 『!!!』

 

 それなんていう罰ゲーム?という、露出マシマシの変態的な服装で現れた女神二柱。威厳から神だと分かる。

 フレイヤとロキ。争い合っていた人達が口々に言っていた。なんだろ、アイドルと、また別のアイドルのファンクラブが口論の果てに殴り合いの喧嘩を始めたみたいな感じかな。・・・まあ、女優と芸人ぐらいの差があるが。

 なんにせよ争いは無事治まった。これならスイスイと進めそうだ。

 

 「そこの貴方。待ちなさい」

 

 ホワッ!?

 

 「私の眷属とロキの眷属。両方の喧嘩に巻き込まれた・・・訳じゃないんでしょう?」

 

 女神のお言葉に、周囲はざわざわしだす。俺はどう答えようか迷っていたのだが、

 

 「私と来ない?」

 『!!!??』

 

 勧誘をする。この行為を他の神がしても、「ああ、またか」と片付けられる。だが、目の前の神は違う。勧誘を行った女神はフレイヤ。オラリオで最大派閥を張る偉大な神物なのだ。

 そんな神の勧誘を俺は、

 

 「あ、お断りします」

 『!!!??』

 「・・・それは、なぜ?」

 

 蹴った。

 国を傾けられるほどの美貌を誇る美の女神の寵愛をもらうのは、確かに喜ばしいことなのだろう。

 でもなぁー・・・。

 

 「んー・・・、そこまで魅力を感じない、から?」

 『━━━━━』

 

 あれ?空気が・・・なんか間違えた?ま、いきなり殴りかかる真似はしないだろぉお!?

 

 「女神の誘いを断るだけではなく、あまつさえ魅力が無い、だと?クソ野郎が。死ねぇええええええ!!」

 「━━━え?」

 

 狼人と戦闘を繰り広げていた猫人が突貫してくる。驚くべきは速さにあった。音を置き去りにしてないか?どこの会長ですか?

 反射的に腕をクロスして心臓を守った。これは間違ってないようで、強い衝撃が両腕に走り、背後にあった樽までぶっ飛ばされた。

 ・・・俺の冒険者デビューはいつですか?

 

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