『さぁ!今回も始まりました"お仕置きだべ~"のコーナーです!!今回の挑戦者は数ヶ月前、轟沈寸前だった横須賀鎮守府の大鳳達を救った木曾さんです。頑張ってください!!』
「が、頑張るぜ!」
『司会進行はこの私霧島が。そして、解説役には"鎮守府の姐さん"事、天龍さんに来てもらってます!!』
『おぅ!天龍だ!フフフ...怖いか?ビシビシ解説していくぜ!!』
『天龍さん宜しくお願いします。』
『大船に乗った気で任せろ!!』
...なんだこの混沌(カオス)は?俺は自身の部屋にヲ級に頼んで木曾と一緒に待ってもらっていたんだが...部屋に戻ると霧島と天龍がテーブルを勝手に設置し、スポーツ解説宜しく実況をしていた。
『では!司令官も来ましたし、張り切って行きましょう!!』
「...ヲ級さんこれは?」
「コノオ仕置キガ、霧島ボックスニ変ワッタ時カラヤッテイル『オ仕置キダベ~』ノコーナー。」
さも当然に答えるヲ級。...俺、全く知らんがな。
「そ、そうか...」
「武明ハ知ラナカッタダロウガ、前回マデハ私ノ部屋デ隠シカメラノ映像ヲ映シテヤッテイタ。」
「へぇ~、隠しカメラでね~。あれ?前回は司令室で罰を決めていたがカメラの気配は無かったが...「ソレハモチロン、オ義母様ノ技術デ。」お袋なにやってんの!!」
「フフフ、マダマダ隠サレテイルカモ...」
「クソッ!!まさかこの部屋にも!?俺のプライベートは!?」
「...心配スルナ。コノ部屋ダケハ仕掛ケラレテイナイ。」
「よ、良かった~、って他の部屋にはあんのかよ!!」
「ソレコソ、神...イヤ"我"ノミゾ知ルダ。」
「仕掛けたのお前かよ!?」
『さて、外野が五月蝿いですが気にせず行きましょう。毎回すんばらしぃ指令を出してくれる私お手製の"霧島ボックス"!!今回はどんな指令を出すのか!?』
『いつも俺たちの予想の斜め上を行くこの箱!!自分がやるぶんは心臓に悪いが、他人のを傍観...もとい!解説するのは腕が鳴るぜ!!』
『では、知ってる人は知っている。知らない人は覚えよう!!霧島ボックスの簡単な説明をします!!』
「...ヲ級さん達裏でこんなことをしていたんだな。この流れから考えると、毎回説明して実況を...まさか録画したりして動画をアップしてたりする?」
俺は半分呆れた感じでヲ級に聞いてみた。
「オォ!!ナゼソレヲ!?」
「図星かよ...」
「某○コ○コ動画ニアップシタモノハ全テ1万再生サレテル。ソレト、コノ鎮守府ダトハバレナイヨウドコニデモアル背景ニ編集シテイルカラナ大丈夫ダ!!」
そう自慢げに両手を腰に当て胸を張り出すヲ級。
「...さいですか。」
『この霧島ボックスは私がこの鎮守府に着艦する前からある"お仕置き箱"を改造したものです。この箱には私達が考え作成した様々な指示が紙に書かれ入っています。察しのいい方はもうお分かりになると思いますが、よくあるくじ引きと同じようなものだとお考え下さい。くじ引きと異なる点は、ミスや失敗をしてしまった者への"罰"が書き込まれており、ミスや失敗をしてしまった者がくじを引きソレを実行する事です。』
『例を言うと、不慣れな装備で出撃。ヲ級さんみたいな強い奴とのガチ演習...俺の経験談だがアレは演習じゃない!生死を分ける死闘だ!!...そんなのが当たったら木曾、お前の骨...いや、竜骨は俺が拾ってやる。』
「ま、マジかよ...」
『それだけではありません!15個のドラム缶を一杯にするまで帰れないたった一人の遠征。指示された海域まで戦闘を無手でやる出撃。あと、司令官の大切なものに落書きをするという暴挙も入っております。』
「って、うぉい!誰だ最後の入れたヤツ!!」
『天龍さんの妹岡山鎮守府の龍田さんに一部ご協力を頂き、私たちでは考えられない指令を作成して頂いております。私も知っているのは最後のだけなのでどんな指示が出てくるのか予想も付きません!!』
「てか、龍田に頼むなよ!!アイツ俺をどうやって嫌がらせして殺ろうかしか考えてないんだぜ!!」
『さぁ!司令官の事は気にせず、木曾さん霧島ボックスへ手を入れてください!!』
「よーし!よーし!...はぁ~、よし!!行くぜ!!」
『おぉっと、木曾さん意を決して手を突っ込んだー!!』
『この瞬間はどんなヤツでも不安で一杯だ。どんな指令がでるか俺も不安になってきやがったぜ!!』
「俺が引いたのはこれだー!!」
高々と掲げた木曾の右手に持っていた紙には...
◇◆
「...な、なあ降ろしてくれないか?」
「無理だ!これ以上速度を落としたら指示された時間に間に合わん!居心地が悪いだろうが、もうちょっと我慢してくれ!!」
俺は今木曾を抱えてある場所へ移動している。
「...ぜ、全然居心地悪くないし...と、父さんの腕は逞しくて...好きだ。」
木曾は消え入るような声で武明にそう答えたが、
「ん?何か言ったか?風の音でよく聞こえん!!」
聞こえていなかったようだ。
「な、何でもない!!(よ、良かった~。つい本音を口走っちまったけど、聞かれてなくて)」
木曾の奴が何か言ってたが、風の音が五月蝿くてよく聞こえなかった。
「そういえば懐かしいな~。」
「ん?どうしたんだ提督?」
「いや、こうして誰かを抱き抱えて走るのは、ちょっと前までよくやってたからな~。」
「へ、へ~。そ、それは初耳だな。」
武明は木曾を抱き抱えて時速50kmで目的地へ走っていた。所謂お姫様抱っこで。
「あぁ、鎮守府に着任したての頃でボーキサイトも資材も無くてな...お前ら艦娘の燃料の節約の為、ヲ級や電、天龍を抱えて出撃したり遠征したり...移動手段としてよく走ったよ。」
「提督、涙出てるよ。」
「ッ!!感傷に浸っちまってたか...スマンなカッコ悪い所見せちまって。」
「気にすんなって。たまに見てるし。それに...家族だろ。」
「あぁ。だが、親父は娘にはカッコいい所を見せたいのだが...」
「...何時もカッコいいぜ、親父...」
「ん?俯いてどうした?腹減ったのか?」
「んなわけねぇーよ。それよりいいのか?指示された時間迫ってるぜ。」
「うぉ!マジか...」
ダラダラ話している暇は無い!!早く指示された場所へ行かなくては!!
「おい、木曾!首に回した腕にもっと力入れろ!!とばすぞ!!」
「え、急に!?ちょ、待って父さ...うぁぁぁぁー!!」
武明はその速度を急激に上げ目的地に向け駆けていく。上半身はそのままで、足だけを素早く動かし移動している様は見る人が見れば〇傑集だと叫んでいただろう。
◇◆
「お待ちしておりました。阿修羅姫様・・・とお付の方。私が依頼した夕張です。」
「お、お付の方て...」
「...今は気にすんなって。」
「どうされました?」
「い、いや何でもない!で、ここを本当に潰していいのか?」
「はい!!是非潰して下さい!!もう、仲間たちが沈んでいくのを見たくありません!!」
武明と木曾が着いたところはとある鎮守府。艦娘を使い捨ての消耗品として扱いブラック鎮守府と言われている。
「・・・なる程、そういうことか。」
ここにいる3人とは別の声が鎮守府の方から聞こえてきた。
「誰だ!?」
夕張は振り返り叫ぶ。
「よう、夕張...お前の行動を見張っててよかったぜ。まさかここを潰そうと思っていたとは...だが、援軍が二人だけだとはな!!クックック、お前の目論見は失敗だ!!」
「て、提督...」
そこに立っていた男は夕張が着艦しているここの提督だった。
「戦力はそこの木曾改二と...何だ、艦娘じゃないな。唯の付き添いの男かよ。まぁ、いい。どうだ?こっちに付かないか?今なら6百万で雇ってやるぞ。」
「なっ!?」
「夕張何を驚いている?お前はこいつらを金で雇ったんだろ?なら俺がこいつらを雇直しても問題はないはずだ。おい、お前ら欲しい金額を言ってみろ!!なんならこいつの倍の値段を出してやろう!!」
男は得意げに二人に言い放つ。
「ん?それだけでは満足出来ないか?じゃあ、その3倍...いや、5倍出す。これで満ぞ「黙っていろ糞野郎!!」...ん?」
「あちゃ~、やっちゃった~。ささ、そこの君俺の後ろに隠れて。」
木曾は右手を頭に当てヤレヤレと首を左右に振っていた。
「あ、あの方は大丈夫でしょうか?ああ見えてあの男は柔道の黒帯ですよ。」
「問題ない。...いや、あるか・・・あの男生き残ればいいが...」
「えっ!?」
「黙って聞いていれば金、金、カネ!!そんなに金が好きなら一緒に燃やしてやるぜ!!」
「ふん!お前に言ったんじゃない!あっちにいる艦娘に言ったんだ!!...ハハン、君はあれか?木曾が手に入れる金欲しさに金魚のフンの様に付いて回っている小間使いか?」
「...言いたいのはそれだけか?」
「ん?それだけだが?」
「小物だな...」
「聞き捨てならないな!この僕のどこが小物だ!!」
「その言動、他人への態度だ。分かったか"小物"?」
「...フ、フフフ。この僕を小物扱いしてぇ!生きて帰れると思うなよ!!やれ!武蔵!!」
男の後ろに鎖で拘束された武蔵が砲口を武明に向けていた。
「なっ!?そこの貴男逃げてぇー!!」
夕張が叫んだ途端大砲の音が響き、武明が立っていた場所が大きく抉られ土埃が立った。
「フフフ、この僕を馬鹿にするからだ。この僕が一人でここに来るわけないじゃないか。それに僕の艦隊には夕張なんて雑魚よりも強力な艦娘がいるんだよ。君も馬鹿だったね。僕に媚びていればもう少し生きられてたのに「それは真っ平御免だ!」...何!?この声は武蔵の方からだと!?」
「よう!さっきぶり!!傑作だったぜお前の語り。ギャハハお前の方が馬鹿だぜ!!」
そう、下品に笑う武明の足元には武蔵を拘束していた鎖が無造作に転がっていた。
「いつの間に武蔵の鎖が!?まさか他にも仲間が!?」
「あぁ~、ウチの父さ...提督完全にキレてる。」
「えっ!?あの人姫神部隊の提督さん!?」
「そう。瀬戸内鎮守府で"一番強くて怒らせたらヤバイ"男。これ他言は無用で頼むぜ。」
「は、はい!!」
「さて、一つ訂正しておく。俺達は雇われて来た訳じゃねぇ。そこの夕張の"助けて"って手紙を受け取ったから来ただけだ。」
「そ、そんな事ありえない!!」
「それがあり得るんだよ。お前の目の前に俺がいるからな。それと、"モノ"は大事にしろよ。どんなモノでも大切にしてやれば答えてくれるからな!!」
「はっ!!戯言を!!」
「戯言でも何でもないぜ!現に今大切にしてなかった"モノ"がお前に牙をむいているんだぜ。」
「どこにそんなものが...」
「夕張だよ。そんなことも分からねぇのか!!お前は一から教育してやる!!歯ぁ食いしばって、生き残れよ!!」
「は?」
その日とある鎮守府が爆炎と共に全壊した。
「なぁ、提督。これ俺の指令じゃなかったっけ?」
「し、しまった!?」
「霧島達に嘘は通用しないと思うんだが。」
「ムムム、だ、大丈夫だ!!こんな事もあろうかともう一枚メッセージを持ってきている!!」
「じゃあ、次はそれで...」
「よ、よ~し!!次だ次!!」
「はいはい...(でも、父さんと一緒にいる時間が長くなった!!やったぜ!!)」
木曾が引いた指令には"提督とブラック鎮守府潰し"と書かれていた。時折瀬戸内鎮守府にはブラック鎮守府の艦娘から手紙が届き、出撃と称し無償で出向いている。更生の見込みがあるものや、上からの命令で仕方なくやっているものは話を聞き、出来るだけの援助を行う。だが、今回のように悪意のある者や命令した上司にはとっておきのお話(物理)で解決する事がもっぱらである。
姫神部隊はこうしたブラック鎮守府からは某『〇殺仕事人』と畏れられているとかいないとか...
霧島「ヲ母さん二人の様子はどうですか?」
ヲ級「ン、問題ナイ...アラ?」
霧島「どうしました?」
ヲ級「武明ガキレタ。マタ一ツ鎮守府ガ爆発四散スル。」
霧島「はぁ~、またですか。私達の大黒柱は虐げられた者を見ると直ぐ感情的になってしまいます。少し自重して頂かないと...」
ヲ級「ダガ、私ハソコニ惚レタンダガ...」
霧島「まぁ、私も同じ穴のムジナですから自重していただくのは表面に出る感情だけですよ。」
※罰は瀬戸内鎮守府の隠密行動が出来る誰かが、危険はないか監視しています。そして、危険があれば直ぐ駆けつけ助けますので、一般人は絶対に真似しないでください。
ヲ級「マタ、高速デ動キダシタ。引キ続キ飛行部隊デ追尾スルワ。」
霧島「ヲ母さん頼みます。」