噂の"姫神部隊"(本編完結)   作:小此木

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どうも、漸く書きたかった所が書けました。
後日編集するかもしれません。


第24話 レッドデビルの正体!?

 

戦闘海域に鳴り響く爆音。

 

 

 

『貴女達!!良いように操られてんじゃないわよ!!港湾先輩!!SEVENTH MOON!!』

 

ギターを持ったジャマイ子が楽曲を叫び、

 

『任せときな!!おらぁ!!』

 

港湾棲姫がドラムでリズムを奏で、

 

『姉さん続きます!!』

 

タ級が電子ピアノで続き、

 

『皆頑張れ~『って、アンタもやるのよ!!』うぇ~。』

 

タ級に怒られながらレ級がベースで音に重みを持たす。

 

 

 

ここは"戦場"。しかし、各々の通信機に入ってくるのは戦況報告や怒号などの戦場の言葉では無く、ジャマイ子達の"歌"だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~前線基地~

 

「操られていた艦娘達の様子は?」

 

「彼女、ジャマイ子達の歌が流れ始めて徐々に沈静化しています。」

 

「そうか...引き続き、深海棲艦達の動向に注意しておけ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■□■□■□■□

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『そこの戦艦の艦長、応答を願う。』

 

敵味方乱れた戦場に武明の声が響く。

 

「...ん?その声武坊か!?」

 

「えぇ!?た、太郎さん武ちゃんがあの飛行艇に!?」

 

ここは水上機母艦千代田の操舵室。今は艦長の寺岡と戦艦のメンタルモデル千代田が戦場の変わりように目を見開いていた。(注意:ここから方言が多々出てきます。)

 

「まぁ、武坊ならこんな異質な戦場にいても不思議じゃないがな。」

 

「た、太郎さんそれは流石に言いすぎじゃ...」

 

『もう一度問う、戦艦の艦長応答を『ワシじゃ、ワシじゃ!!』ん?今流行りのワシワシ詐欺か?』

 

『違うわ!!ワシじゃ、よう朝会っとろうが、太郎じゃ武坊。』

 

『はぁ!?た、太郎爺さん!?あんたこの前、用事で遠くに行くって!!』

 

『じゃけぇ用事じゃ。...戦場に戻ってしもうとるがな。』

 

『唯の爺さんじゃないたぁ思っとたが、元軍人じゃたのか?』

 

『まぁ、しがない艦長じゃがな。』

 

『はぁ~、んで、千代婆さんは留守番か?』

 

『ハッハッハ、そんな事はないぞ!ワシも来とる!!胡瓜美味かったか~?』

 

『...は?ちょ、千代婆さんの声!?ちょ、ちょっと待ってくれ!!そっちと顔を見ながら通信できるように回線と術式組むから!!』

 

『術式?なんじゃそりゃあ?この戦艦、千代田の回線と繋いでみてくれリアルタイムでのテレビ通信が出来る!!』

 

『ほ、本当か!?お~いヲ級!!あの戦艦の通信回線と白鯨の回線繋いでみてくれ!!あっちの戦艦、太郎爺さんのでボケたのか一緒に千代婆さん連れてきてるらしい!!』

 

『な、なんじゃと!!ワシはボケてなどおら『あ、アナタそれは本当!?太郎さんとうとうボケが進行して!?』...おきゅうちゃんや信じてくれ~!!』

 

 

 

 

◇◆

 

 

 

 

『千代婆さん...本当はババアじゃなかったのか!?てか若!!』

 

『ま、そう言う事なの。今まで騙しててごめんね。武ちゃん。』

 

この世界でのオーバーテクノロジー通信対談で寺岡と千代田は武明とヲ級に自身達の素性を話し、武明達は千代田が老婆ではなかった事に驚いた。

 

『いやいや、只者じゃないって思っとたけぇ大丈夫じゃ!!って、それにしても平行世界から...あれ?そう言えば、孫は?』

 

『ん?孫?それはどう言う事だ千代?』

 

初めて聞いた単語に寺岡が千代田を少し睨んだ。

 

『う、嘘も方便...で、でもね将来絶対出来るわ!!』

 

『ほう...』

 

『ま、まあ私も深海棲艦のヲ級だったわけですし、お互い様っと言うことで...』

 

『『いや、知ってたしバレて無いとでも思っとたか?』』

 

『わ、私のフォローが...』

 

『ハイハイ、近所付き合いのおしゃべりはここまで。じゃあ、本題に入るぞ。』

 

『あぁ。』

 

『察しのとおり、深海棲艦達は何者かに操られている。ダメージを受けた艦娘達も然り。まず、この戦場を俺の部隊が鎮圧。そして、敵味方問わずこの"白鯨"に収容し治療を行う。そうそう、この戦艦には別の空間に通じる所があるから幾らでも収容可能だ。』

 

『そ、そんな技術があったのですか!?』

 

千代田が驚くのも無理もない。この世界で別の空間に移動できる技術を彼女の知る限り無いからだ。

 

『まぁ、お袋の技術だけどな。そろそろ、ジャマイ子の"歌"で正気に戻った奴らが出てきただろうから俺達は収容に移る。爺さん達は引き続き敵にミサイル、ビーム砲等の攻撃で敵の混乱を誘発してくれ。』

 

『了解じゃ。』

 

 

 

 

 

 

■□■□■□■□

 

 

 

 

 

 

「...ごめんね、私一番のお姉ちゃんなのに怒りに身を任せてここまで来ちゃった。...仇、少しは打てたかな...」

 

敵の砲撃が飛び交う中そう呟いたのは駆逐艦白露型1番艦白露。横須賀に白露、時雨、村雨、夕立の4姉妹仲良く着艦したが、度重なる深海棲艦達の進撃により次々と轟沈。最後は白露のみ残り、この作戦には敵を1隻でも落とし妹達の仇を打つことだった。そして、とうとう大破し妹達の事を思い、目を瞑った...

 

 

 

 

 

 

『超絶悶絶きりもみ大旋風!!デラックス、チ級ボンバー!!』

 

「...電の、声・・・?」

 

そして、目を瞑った白露に少し奇妙な声が聞こえた。"構え"でも"発射"でもなく、あろう事か"チ級ボンバー"。

 

「こんなところにも倒れていたのです!!駆逐さん移転宜しくなのです!!」

 

「分かったっぽい。アナタ、大丈夫っぽい?」

 

そして、聞き慣れた懐かしい口調。

 

「あ、あぁ!?」

 

「ん?もう大丈夫っぽいよ。さぁ、私達の船で修理しましょ。」

 

「ゆ、夕゛立゛ぃ!?よ゛がっだ、よ゛がっだよー!!う、うわーん!!」

 

白露はその駆逐艦に飛びつき、泣きながら抱きしめた。

 

「ちょ!?...電たいちょ~、この娘どうしようっぽい!!」

 

「多分、極度の緊張から漸く解き放たれたから安心して泣いてしまったのです。そのまま一緒に移転して、その娘が落ち着いたらまた来てください。」

 

「了解っぽい。さぁ、一緒に移転するよ。しっかり...って言わなくてもいいっぽい。」

 

そして、白露とその駆逐艦の足元に赤い模様、魔法陣が出現し2隻は戦闘海域から消えた。

 

 

 

 

 

「着いたっぽい。アナタ...ありゃ?今度は寝てるっぽい。」

 

白鯨に着いた"駆逐棲姫の肆"と白露。しかし、電が言ったように戦闘と云う緊張からの解放と夕立...に似た駆逐棲姫の肆を見て安堵し精神的疲れから眠ってしまっていた。

 

「提督、この娘お願いっぽい。」

 

「おい!そこの利根小破なんだからちったぁ手伝え!!「うぇぇ!?わ、吾輩が!?」人手が足りないんだよ!!俺の船に乗ってんだから今は従え!!「む、そ、それはそうじゃな。」っと、よう肆。ん?そいつ大破してるじゃねぇか!?」

 

「だから宜しくっぽい。」

 

「あぁ、任せろ!!じゃ、電達の援護に戻ってくれ!」

 

「了解っぽい。」

 

武明に白露を渡した駆逐棲姫は魔法陣を使い再び戦場へ戻った。

 

「さぁ~て、こっちも頑張りますか!!」

 

 

 

 

◇◆

 

 

 

 

「も~う!!"これ"は那珂ちゃんの専売特許なんだから~!!」

 

「Yah-manそう、喚くな。それにしてもアイツの歌は凄いもんだな。」

 

「そ、そこは那珂ちゃんも認めるけど...」

 

戦場で流れた"歌"に敵味方問わず動きを止め聴き入ってしまっている。無論、操られていた艦娘達も正気を取り戻して。

 

「Yah-man、皆聞いてくれ!!今から皆を俺達の戦艦に移動させ、修理を行なってもらう。深海棲艦達も同様だ!!」

 

その言葉を聞いた艦娘達からは「何故こんな奴らと!!」「はぁ?頭おかしんじゃないの?」と不満を漏らしていたが、

 

「喧しい!!"次の来る敵がどんな物か分からない"んだ!!俺達だけならまだしも、お前らを守りながら戦うのはこっちに不利になる!!黙って俺達の指示に従え!!」

 

あれだけの敵をものの数十分で無力化したジャンゴウの怒気によって静まった。

 

「じゃあ、移転...チィ!!遅かったか!?」

 

 

 

 

~???~

 

「クソッ、役立たずの屑鉄共め!!それにしても、本当に何なんだあいつらは洗脳を"歌"なんかで覚醒させるとは...」

 

「ジュンビ、デキマシタ...」

 

「そうか...では、僕も行きますか、戦場に...」

 

 

 

 

◇◆

 

 

 

 

深海棲艦軍の後方数十メートルの海面に幾つもの気泡が上がり出し、

 

<ザパァ!!>

 

大きな水音を立て"ソレ"は浮上してきた。

 

 

 

「チィ!!もう出てきやがった!!オラオラ、さっさと移転しないと"俺達の戦闘"に巻き込まれるぞ!!」

 

「て、天龍様!!何か浮上してきたのじゃ!!」

 

「分かってる!!さぁ、お前も俺達の船で休んでいてくれ。こっからは本当に洒落にならないかも知れないからな...」

 

「て、天龍様。そ、それはどう言う...」

 

 

 

「木曾様!!ここは私に任せてあの正体不明の基地を叩いてください!!」

 

「大鳳すまねぇ!!行ってくる!!」

 

「お気をつけて!!」

 

 

 

「お姉様方早く転移を!!」

「ダメね!!霧島一人には「「「させません(ネー)」」」

 

 

 

「電隊長!!前方10時の方向に敵要塞を確認!!」

 

「皆さんは引き続きこの娘達の移転を!!私が先行するのです!!」

 

 

 

突如浮上してきた黒い円形の要塞。どこから見ても深海棲艦を操っていた敵の本拠地だと推測出来る。

 

 

 

『フフフ、ようこそ姫神部隊の皆さん。僕の創った舞台をお楽しみください。』

 

基地らしきものから男の声が聞こえたと思うやいなや、

 

<ガシャン!!>

 

「「「「皆!!迎撃だ(なのです!!)」」」」

 

円形の基地の周りから砲台が飛び出し、

 

「サンダーノイズ!!」

「電艦隊砲撃用意!!発射なのです!!」

「双月一刀流以下略!八重一輪!!」

「全門マルチロック完了!!全門斉射あぁぁぁ!!」

「オラァ!!」

 

無差別にミサイル、砲弾、ビームが放たれた。敵味方問わず"動いている者を殲滅する"為に。

 

 

 

~白鯨 甲板~

 

「敵の親玉は何を考えているのかしら!?44ソニック!!」

 

中間棲姫はそうごちりながら浮遊要塞をピッチャーの様に投げ船に近づいて来るミサイルを次々と落としている。

 

「ふぅ、電達にッ!加勢したいッ!!けど、これじゃ無理ッ!!」

 

偶に被弾しそうになるが、投げた浮遊要塞がビームやミサイルを文字通り身を呈して守っている。

 

 

 

 

~要塞内~

 

「ふぅ、さて、君はもう用済みだ。さっさと出て行ってくれ。」

 

「ワカッタ...」

 

今まで自身の命令を聞いていた深海棲艦の戦艦棲姫が部屋を出た所で、男は口を三日月の様に歪め"目的のモノ"を見る。

 

「ククク、漸くこれだけの"モノ"を揃えられた。中々もとの世界への空間移転用魔法陣が安定しなかったからな。だが、これなら姫神部隊といえどもひとたまりもないだろう。それに、うまい具合で奴らの周りは"人質"で溢れかえっている。さぁ、最後の舞台は整った!!奴らを殺し、その技術でこの魔法陣を安定させ元の世界に戻ろう!!」

 

 

 

 

◇◆

 

 

 

 

要塞の海面部分が幾つもの四角い形に切り取られていく。そして、そこから異形達が出てきた。

 

「な、なんだ"アレ"は...」

 

それは誰が呟いたのかは分からないが、皆深海棲艦でも艦娘でもない異形を"アレ"としか表現できなかっただろう。

 

『フフフ、気に入ってくれてかな?僕の世界を一度焼き尽くした"ギア"と言う化物共さ。さぁ、化物は化物同士殺し合ってくれ!!但し、君達が闇雲に動いたら後ろの者達はどうなるかな~。』

 

 

 

 

 

 

そして、要塞からの無差別の砲撃と化物"ギア"達が襲い来る中姫神部隊の面々は防戦一方になってしまっている。

 

「クソッ!!俺達だけなら!!早く転移を!?」

 

「木曾様!?」

 

 

 

「Yah-man守る戦いがこうも難しいとは...」

 

「那珂ちゃん達足でまとい!?」

 

 

 

「電隊長このままでは!!」

 

「まだ、です!!まだ助けを待っている人がいるのです!!」

 

 

 

「霧島ぁ!?」

 

「小破しただけです!!お姉様方は目の前の敵に集中してください!!」

 

 

 

「守るもんが多すぎる!!武明達はまだ...漸くおいでなすったか!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

『ガンブレイズ!!』

 

ミサイルや砲弾の雨が降る戦場にその言葉と共に火柱が、数メートルの高さを誇る炎の柱が幾つも現れた。

 

「コ、コレハ...」

 

「ア、アタシ達を守っているのか!?」

 

潜水カ級と摩耶の戸惑った言葉を遮るように一人の男の叫びが響き、

 

『"モノ"を大切にしやがれボケがぁぁぁぁぁぁぁ!!!ガンブレイズ×20ゥゥゥゥゥ!!』

 

深海棲艦軍と艦娘軍を守るように大きな炎柱が出現し、

 

『行け!!艦載機達!!』

 

次に怒気を隠さず底冷えするような女性の声と共に黒い艦載機が現れた。

 

「た、助かったのか!?」

 

迫って来ていたミサイルが艦載機によって次々と撃ち落とされていく様を見て武蔵達が安堵の声を発した。

 

「...手加減は無用だな。」

 

「ええ、敵味方の判別もせず見境無しの攻撃。指揮をする者の最低限の事も出来ない輩は私が根性叩き直す!!」

 

体全体が真っ赤な人型の異形、"紅き魔人"と、一瞬艦娘の大和と勘違いしてしまいそうな服装の女性。女性が着ている服は大和なら赤い部分なのだが、それは黒く白い部分は灰色。そして、トレードマークのマントを翻しヲ級が戦場に出現した。

 

「久しぶりに"アレ"をやる。遅れを取るなよ!!」

 

「フフフ、誰に言ってるの?私はアナタの妻よ!!任せて!!」

 

『タイランレイブVer.α』

 

そう言うやいなや紅き魔人は自身に炎を纏いギア達に突っ込んでいく。

 

『ガンマレイ!!』

 

そして、ヲ級の艤装の口が開き、極太のレーザーが敵を薙ぎ払いながら魔人を追いかけていく。

 

「あ、アレがレッドデビル!?」

 

大鳳は初めて目の当たりにする紅き魔人"レッドデビル"の戦いを驚愕した。

 

「...そうだ。そして、あの姿は父さんが"ギア"の力を解放した姿。」

 

「と、父さ?...ま、まさかあれは!?」

 

木曾の言葉で大鳳は目の前で異形の者達を屠る魔人が瀬戸内鎮守府の提督、"三宅武明"であると予想する。だが、自身が知っている容姿ではなく"魔人"と呼んでも刺し違えない赤い体。その為、大鳳は未だにその事実が理解できていない。

 

『ガラクタ共邪魔だ!!道を開けやがれ!!ファフニィィィィィィィィィル!!』

 

炎を纏った拳をギア共へ叩き込む紅き魔人。

 

『私の進路を妨害するな!!ジャックハウンド!!』

 

ギアを一瞬ですり抜け切り刻んでいくヲ級。

 

「き、木曾様...空母って何なんでしょうか...」

 

そして、艦載機を操り自身も仕込み杖で敵を殲滅して行くヲ級。大鳳の持っている常識は尽く否定されている。

 

「あぁ、母さんだからな。あれが普通だぜ。何でもお婆ちゃんに接近戦はどうすればいいか聞いたらしくて、お婆ちゃんが知っている剣士の技を護身用にって教えてもらったらしい。」

 

「あ、あれが護身用...」

 

敵の化物を蹴散らす雄々しい姿に誰もが畏怖しこう呼んだ。

 

『弐神の戦神』と。

 

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