噂の"姫神部隊"(本編完結)   作:小此木

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第29話 決着

 

「お遊びはここまでだ!!おい!"アレ"やるぞ!!」

「アレって?...あぁ!分かったぜ親父!!」

 

ソルと武明はクロウの要塞の東西に回り込み、同時に

 

『『ドラゴンインストール!!』』

 

ドラインを放った。しかし、普通のものではなくコマンドで表せば632146+S後、P、K、S、HS、D、K、S、632146+HS。聖騎士団時代のソルが止めに多用していたドラゴンインストール・殺界という技だ。

 

ここで、一つ補足。このクロウの要塞の大きさを記述していなかった。(作者は地方の田舎暮らしなので多用したくないが)東京ドーム約3個分の大きさである。

 

「はぁ~、全くもいつもいつもソルは。それに武明君も...ああ言うところは似て欲しくなかったですよ...私は、ソルが撃ち漏らした敵の処理をします!!」

「さて、旦那に美味しい所は持って行かせないわよ!!私は南に!!」

「デハ、ワタシハ...オホン。私は北に!!」

「俺は叔父さんを加勢してくるぜ!!」

「わ、私は弟の奥さんヲ級さんのお手伝いを...」

「ではでは、私は曾祖母(に成りうる)のアリア様に付いて行きます!!」

 

カイが東のソルを追っていった事を皮切りに、アリアとエルフェルトは南。ヲ級とディズィーが北。そして、シンは西の武明を追って走り出した。

 

「オラオラオラ!!」

「待てソル!!あまり先行しすぎるな!!」

「ウダウダ言ってたら置いていくぞ!!」

「ソ...ふぅ、ライトザライトニング!!何時までも貴方の背中を追っていると思わないで頂きたい!!」

「フッ、やるじゃねぇか。」

「オオオオオオ!!」「ハアアアアアアア!!」

 

ソル、カイの東側。要塞内から襲ってくるギアを"要塞ごと蹴散らしながら"進撃中。

 

「ダダダダダダリャア!!」

「さっすが、俺の叔父さん!!オヤジを見てるようだぜ!!」

「そう、な、の、か!!っと...デイヤァ!!」

「行くぜぇ!!R・T・L!!」

「叔父さん置いてくぜ!!」「はっ、ガキが粋がってんじゃねぇぞ!!」

 

武明とシンもソル達と同様壁を殴り、落ちてきたガレキを敵に向け蹴飛ばしながらクロウが潜んでいるだろう所へ向かっている。

 

「さて、よくも私の偽物を使って好き放題してくれてわね...アノ人の言葉を借りると、覚悟は出来てんでしょうね!!」

 

「電や私の可愛い木曾の心を暗くさせる様な事をして、唯で済むと思わないことね!!」

 

アリアの肩にある武装が開く。そして、反対側にいるヲ級の艤装の口が開き杖の形状が変化していく。

 

「あわわわ、アリア様が激怒プンプン丸になってます!?」

「大丈夫、大丈夫。この基地の戦力の大半は外に出てるし...」

 

「ヲ、ヲ級さんの"ソレ"私とお母さんの"あの攻撃"に似てます!!」

「ん?それはそうよ。お義母さんから直に仕込まれたもの。」

「うぇ!?ほ、本当ですか!?(ちょっと羨ましいかも...)で、でも多くの関係ない人が「大丈夫。」ふぇ?」

 

『『"ここから攻撃しても直線上には生体反応が少ないから"大丈夫よ(怒)。』』

(うわ~、私の敵にしたくない人物ナンバーワンに今の言葉と語尾で躍り出ました。)

(ヲ、ヲ級さん本当に大丈夫なんですか!?)

 

そして、

 

『『ガンマレイ!!』』

 

同時に爆ぜた。

 

その光は簡単に壁を壊し中へ中へと侵入していく。

 

「おまけの威力アァァップ!!」

 

「これも持って行きなさい!カルヴァドス!!」

 

南北から放たれた所謂ビームは壁を反対側まで尽く(ことごと)破壊しつくし、とうとう

 

「あ、あれは...反対側からもビームが!?ヲ級叔母様も激怒だったのですか!?」

「エルフェルトちゃんそこを動いちゃダメよ。私達のガンマレイの巻き添えを喰らっちゃうわ。」

「は、はぃ!!」

 

「義姉さん。私の後ろから動かないでください。義母さんの攻撃に巻き込まれてしまいます。」

「わ、分かりました...」

 

その球体の基地を貫通した。

 

 

 

 

 

 

◇◆

 

 

 

 

 

その光が消える寸前、

 

『『ナパームゥゥゥ、デス!!』』

 

二人の竜人とその片方に引っ張られる様に青年一人が基地の上部を突き抜けて出てきた。

 

「オイオイ、中の俺達まで消し飛ばす気か?」

「ハハハハハ、"アレ"を見てそんな事を言えるのは貴方...と恐らく武明君ぐらいですよ。」

 

間一髪の所ソルに静止させられたカイは、少し疲れた様子でそう返しながら出てきた。

 

「ったく、俺達が中にいるのにお袋とヲ級の奴問答無用だな。」

「お、叔父さん。お婆ちゃんとヲ級お...ヲ級さんって怒らせちゃいけないんだな...」

 

シンもカイと同様に武明から静止を掛けられたが、自身の勢いが殺せず武明に首根っこを掴まれ漸く止まった。今シンは首を掴まれた猫の様な情けない格好になっている。

 

『『ん?アイツマジで怒ったらあんなもんじゃねぇぞ。』』

 

そして、カイとシンは"聞きたくなかった事"を急に言われ呆然とし、"妻は強し"と云う物を少し体幹したのだった。

 

「な、なんて事だ...」

 

「ま、マジかよ...」

 

 

 

 

 

 

「「ま、まさかディズィー(母さん)も!?」」

 

一人怒らせてはいけない人物が増えたのは仕方のない事だ。

 

 

 

 

 

 

◇◆

 

 

 

 

 

 

『東西外部からの攻撃への対応の為、全隔壁降ろしました。』

「クソッ!基地内の全勢力を向け<ドゴッ!!>今度は何だ!?」

『外部から高エネルギーの攻撃を感知。南北の隔壁が次々に破られています。隔壁が破られる時間約2秒です。』

「どうなっている!!」

『あちらの戦力が、完全にこちらの防御を大きく上回っていて手の付けようがありません。』

「役に立たたんAIだ!!」

 

クロウは基地のメインコンピュータに悪態を吐く。そんな事をしている間にも敵はこの基地を破壊していく。そして、<ドゴゥ!!>という轟音と共に基地が大きく揺れた。

 

「うわぁ!?クッ、何故だ!あれだけの戦力差だったんだぞ!!"この世界の奴ら"だけならこんなことには「ならなかったってか!!」ッ!?」

 

ここは基地の中心...ではなく、登頂部。クロウは直ぐ脱出が出来るよう基地の中心ではなく、何時でも動ける場所に全システムの中枢と自身を隠していた。しかし、度重なるソル達の攻撃で基地自体が歪み、空中に佇んでいる"白鯨"の驚異も相まって今まで脱出出来なかった。

 

「そんな事はない。各鎮守府はこの大戦で敗れても次の戦いに繋がるよう尽力している。それに、他国もお前の様な驚異は見過ごせない。」

「その他国の戦力も調査済みだ。お前らの様な存在がいなければ!!それに何故僕がここに居ると分かった!!」

「んな事知るかよ!!そりゃ、分かるさ。お前みたいな奴が分かりやすい"基地の中心"にいるわけねぇからな!!」

 

そこに立っていたのは武明。そして、その後ろには

 

リリカル(リリ掻っ切る)マジカル(マジ掻っ切る)の心意気で殺りましょう。」

「お義母さんそれはダメです。ここは生かさず殺さず...殺っちゃいましょう。」

「オイオイ、コイツをシメるのはいいが殺すなよ。聞きたい事が少しあるからな。」

「お二方、冷静になってください。一度、イリュリア連王国で裁判に掛けて...」

「オイ、クソ親父。その前にどうやって戻るんだよ!!」

「あっ、そ、そうでした。」

「カイお義父様、私が慰めましょうか?」

「いえ、貴女の義父になったつもりはありませんから。」

「カ、カイさんは私が慰めます!!」

 

笑顔だが目が笑っていないアリアとヲ級。それを制するソルとカイ。エルフェルトとディズィーはカイをどちらが慰めるか争い、シンは...おまけ。「ってオイ!!俺の扱い酷くね!!」

 

「あ~、後ろは気にしなくていいぜ。改めて、俺は大日本帝国海軍瀬戸内鎮守府提督、三宅武明。お前が今回の騒動の首謀者、元終戦管理局のクロウ博士で間違いないな。」

「ち、鎮守府...武明だと!?」

「あぁ?聞いてるのはこっちだ。こっちの質問を答えてからにしろ。」

「...クッ、そうだ。」

 

そこからクロウは、この世界に来てしまった顛末と自身の計画を話しだした。この世界にはソル達から逃げていた時、運悪くヴァレンタインが出てきたバックヤードに繋がる穴に吸い込まれ気付いたらこの世界に居たそうだ。そして、元の世界に戻る情報を探りながら深海棲艦、艦娘、ギア、人間を使った生物兵器を完成させ海軍を襲撃。最終目標はこの国の技術、所謂"妖精"を数多く手に入れ元の世界で自分を利用した奴らとソル達への復讐を行うことだった。

 

「僕は正直に話したぞ。さぁ、背徳の炎よ答えてもらおう。貴様は何者だ!」

「てか、お前初対面なのに馴れ馴れしかったよな。それに、"背徳の炎"って誰?俺はそんなコードネームで呼ばれた覚えはねぇんだけどな。」

「貴様の事だ"ソル=バッドガイ"。」

「いや、似てるけど俺、親父じゃねぇし。」

「・・・は?」

「アンタが言ってる人物は俺の親父。今は三宅不二雄って名乗ってる。」

 

武明はクロウに自分の事を簡単な説明をした。それに、武明をソルと見間違えるのは無理もない。身長はほぼ同じで、鍛え抜かれた身体。髪型と髪色は違い黒髪でソルより短くソルが付けている付け毛も無い。が、ドラゴンインストール時はソルが赤で武明が黒でほぼ同じだったからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだ、まだだ!まだ僕は...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~白鯨 甲板~

 

 

 

 

 

「さて、コイツがこの戦争の首謀者だ。一応聞きたい事は聞いた。煮るなり焼くなり好きにしろ。」

 

ソルは(くだん)の首謀者クロウを皆の前に突き出した。周りには姫神部隊の面々にソル一族、偽ジャスティスやギアの残骸の数々落ちている。

 

「へー、コイツが俺達を狙ってた奴「ジャースティース!!」ッ!?」

 

木曾がクロウに意識を向けた瞬間、クロウの掛け声と共に木曾の真後ろにあった残骸の中から比較的損害の少ないジャスティスが次々と飛び出し

 

「今だ"ヤレ"!!」

 

"一番近かった木曾"を目掛けジャスティス達が"自爆"して行く。

 

ソル達は油断したわけではない。クロウを侮ったわけでもない。本当に"運が悪かった"だけ。

 

「木曾!!」

 

その炎の拳を届かせるには2秒足りない。

 

「木曾ちゃん!!」

 

その神速の刀を振るうには他のものに当たる為、狭すぎる。

 

「チィ!!」

 

その封炎剣での爆炎は一部届かない所がある。

 

「やらせないわ!!」

 

その攻撃のチャージに後5秒掛かる。

 

「「「!!」」」

 

他の面々も即座に木曾を守るため動いたが、届かない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから、

 

「木曾様!!」

 

一番近くにいた

 

「え!?たい、ほう...」

 

大鳳が木曾を突き飛ばし

 

「キャァァァァァァ!!」

 

自らが盾となった。

 

「大鳳ぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――――!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆

 

 

 

 

 

 

 

「木曾様!今度はあのレストランに向かいましょう!!」

「オイオイ、大鳳。そんなに急ぐとコケるぜ。」

「えへへ、木曾様に気に掛けられました!」

「はぁ~、病み上がりなんだからもう少し落ち着け。」

「分かってますよ~。」

 

木曾を庇いジャスティス達の爆発に巻き込まれた大鳳であったが、ソル達の迎撃により爆発はある程度軽減された。しかし、無事とは言えず轟沈寸前の大破。アリアの技術により今は以前のように動けているが、普通なら解体する提督が大半だっただろう。そして今は、晴れて瀬戸内鎮守府に配属され非番の今日、木曾と外にランチを食べに来ている。

 

あの後クロウは四肢を別々のアリア特性次元牢に囚われ、本体は大日本帝国海軍の厳重な牢屋に入れられている。武明達の要望により『死なれて逃げられるより、自身の世界で刑罰を受けさせる。』ことになった。カイ達は未だに帰れずこの世界にいるが、アリアが向こうに帰る方法を探している。偶に武明達の鎮守府により手伝いをしながらこの世界の事を調べている。あと、瀬戸内鎮守府は大破したが"白鯨"がその役目を果たしている。

 

そして、元帥やこの国のトップはこの部隊に手が出せない。いや"手が出せない"。ソル、アリアの説得(脅迫)で丸く収まった。流石に全コンピュータの制御を乗っ取られ、ギアのドラゴンを片手で燃やしている映像を強制的に見せ『俺達に手ぇ出すと、国ごと燃やすぞ』と説得(脅迫)されたら誰だって応じる。それと、各鎮守府で身を潜めていた武明達に鍛えられた艦娘達も白鯨に居候しているそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~、マスター。ちょっと疲れたからオレンジジュースちょ~だい!!」

「いいぜ!!今日もいい曲聞かせてくれたからな!!コイツは俺のおごりだ!!」

「おぉ~!マスター太っ腹!!」

「ハッハハ、そりゃ、アンタラがこの店に来て歌いだしたら、客が3倍に増えたんだ。これぐらいはするさ!」

「そりゃ、私らの歌は世界一だからね。」

『って、Yah-man。お前は歌ってないだろう!!』

『そーだそーだ!!那珂ちゃんが歌ったから一番になれたんだよ!!』

『はぁ~、またこの娘は...それに、"レ級"!!一人だけ勝手に休まないで!!』

「うぇ~。ジャマイ娘の意地悪~。」

 

ここはとある国にある寂れたバー。・・・だった場所。ジャマイ娘を筆頭にジャンゴウ、那珂が歌とギター。港湾棲姫がドラムとパーカッション。タ級がピアノ。そして、

 

『ギターメインのアンタがいないと盛り上がらない曲が次なんだ!!早く戻ってきな!!』

 

そう港湾棲姫に言われたレ級はギターとベースを受け持っている。

 

「へいへい。んじゃ、もう一仕事やりますか!!」

 

 

 

 

『あ、アンタ無断で休んだから罰として、歌歌いなさいよ。』

 

「おぉー!そりゃいい!!」

「やれやれー!!」

「レ級ちゃん愛してるー!!」

 

「嘘――――――!?てか最後誰!?」

 

廃れていたバーは彼女らの歌のお陰で大繁盛している。ちなみに、霧島は彼女らのマネージャーとして自慢のだて眼鏡を光らせている。

 

 

 

 

とある噂の鎮守府の部隊がある。曰く、艦娘のみならず深海棲艦も仲間に引き入れ、圧倒的戦力差をひっくり返すと。曰く、提督が単身乗り込み素手で敵を鎮圧した。曰く、秘書艦の逆鱗に触れ数時間で壊滅されたブラック鎮守府がある。曰く、その歌を聴いたら誰でも一騎当千の力が溢れる。曰く、鎮守府が空に浮き移動している。曰く...その部隊の噂は数々ありどれも常識からかけ離れていた。

 

その部隊は全世界の戦力から一目置かれ、自由に国家間を移動している。それもその筈、彼らの力は国をも滅ぼすとされ、どの国も安易な接触は避けているからだ。そして、今日もきな臭い噂を聞きつけ数週間近くのバーで情報収集し、向かっていた。

 

「よう、覚悟は出来てんだろうな!!」

「ワタシタチニ隠シ事ハ...ゴホン。私たちに隠し事はできないわよ。全て調べてあるんですから。」

「ヘッ、愛姉さんの刀が疼くぜ!!」

「ちょ、天龍ちゃん!?それ悪役の言うセリフだよ!!」

「ほっぽちゃん。天龍お姉ちゃんは多分...恐らく分かってやってるよ?」

「って、電。なんで最後疑問形なんだよ!!」

(木曾様を知らない生き物)・即・斬で行きましょう。」

「天龍先輩。諦めて、一人でダークヒーローを目指せばいいじゃないか。」

「木曾も!?味方がいない!?」

 

「ま、まさかお前らは!!噂の...」

 

名も知らぬ男は彼女らを見てあの部隊の名を思い出す。その部隊の名は

 

一騎当千の無敵の異色部隊。噂の『姫神部隊』だ!!

 




今まで読んでくださって、ありがとうございました。
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