■末おじさん 作:Z世代のおじさん
日曜が終わる…俺の目の前では独創的な髪型をした主婦がジャンケンパネルでジャンケンをしていた。
それに釣られ不意に伸ばした俺の手はパーを出していた。
『私はチョキを出しました!また次週♪』
思えば負けてばかりの人生だ。選択は間違え…自分の勘というのが当たった事が無い。自分で考えるのが大事と言う世界で自分で考え行動した事が全て失敗してる俺はどうすれば良いんだろうか…
「暗い事ばかり考えるな…少しでも楽しい事を考えろ」
明日からまた仕事だ。だがそれが終わればまた天国が待っている。と言うか昨日も仕事だった。最近週六で残業だからな…有給?知らん。ウチの会社にそんなモンは無い。って言われたっけ…
小さい頃が楽しかったかどうか分からないけど戻れるなら戻りたい。あの頃に…頭空っぽで全力で生きて来た少年時代に…
シャワーを浴びて焼酎を呑んで早めに寝る事にした。明日も早い…頑張らないと…
気づけば意識は落ちていた。
…微かに聞こえるアラームを聴いて手探りで止めるとゆっくりと身体を動かし伸びをする。
「うぅーん…」
やっぱり起きたては頭が働かない。顔を洗ってシャキッとしてから昨日の残りのご飯をお茶漬けにして頂いた。食欲の無い朝はお茶漬けが一番だ。スルスルッと胃の中に入り確かなエネルギーになってくれる。
「ごちそうさまでした」
米一粒残っていない空っぽの茶碗にそう語りかける様に言うとその場を後にした。
顔を洗うと目が覚めた。ゆっくりと支度をしスーツに腕を通した。
「はぁ…行きたくねえ」
靴を履いて玄関のドアを開けた。
駅までといつもとは変わらない道を歩く。只誰一人通行人に会う事は無かった。もしかして今日は祝日なのか?俺は小さく絶望した。
結果駅まで誰一人すれ違わなかった。それどころか両方のホームには俺以外誰もいない。嘘だろ…もしかして俺の会社ブラックすぎるのか?
それから三十分待ったが電車どころか人っ子一人来なかった。何でだ?
携帯も繋がらない。まさか交通機関や携帯会社まで休むなんて…国が動いたのか?
取り敢えず歩いて会社まで向かう事にした。きっと会社に行けば誰かいるだろ。
結論会社にも誰一人いなかった。ドッキリか?テレビ番組とかのドッキリでも仕掛けられてるのか?道中喉が乾いてコンビニにも寄ったが店員がいなかった。セルフレジすぎるだろって思わず呟いてしまった。
一体何がどうなってるんだ?と思ったがどうも似た様な話を見た事がある気がする。
いやそんな訳が無いと否定するが現実は甘く無い。ここまでの道路に車の一台も通らなかった。疑惑が確信へと傾く。
まさか何らかの理由でこの世界に俺だけ残ったのか?まさか他の人達は…
終末の話です