カイリューといっしょ!   作:カイリューはいいぞ

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影の支配者と私とドラゴン

 「で、でかくなった~~~!?何でだ~~~!?」

 

 「貴方、能力者だったの?」

 

 「いいえ、これは別の力ですよ。とにかくルフィさんがゲッコー・モリアを倒すまであいつを足止めすればいいんでしょう?行けるね、カイリュー!」

 

 「でかさにはでかさか!ん~~~スーパーな対応だぜ!気に入ったぜ俺ァ!」

 

 私の声にカイリューが嘶いて返す。よし、意識を失ったりはしてないみたい。だけど、ガラル粒子がないダイマックスなんて前代未聞だ、願い星の力だけでどこまで持つか……!ダイマックス技を3発撃てるかどうかも怪しい。抑え込むのに全力を尽くそう!オーズはいきなり自分並みに大きくなったカイリューを見て好戦的な笑みを浮かべた。

 

 「でかくなった!おめぇ不思議ドラゴンか!よーし!いくぞ!」

 

 「カイリュー!抑え込むことに集中して!」

 

 「グアアアアッ!!」

 

 吠えたカイリューが羽ばたいて加速し襲い掛かる、巨体と巨体がぶつかり合う、単純な力はオーズの方に分があるしリーチも長い。しかも格闘戦が得意ときた、カイリューじゃ分が悪かったか……!?いや、負けないはずだ。バトルの経験値ならきっと、「わたし」じゃだめでも「ユウリ」なら!そのパートナーなら!思い出せ、どうする?何を指示する?今できることは……!

 

 「グル眉!手伝え!あいつがドラゴンに集中してるうちに!」

 

 「指示すんじゃねえマリモ頭!」

 

 「おあああっ!?」

 

 「カイリュー!今!ダイナックル!」

 

 「グルルルルッ!!!!」

 

 ゾロさん、サンジさんが素早くオーズの膝裏に回り込んで蹴りと刀を使って攻撃を加える。カイリューに集中していたオーズはそれを避けきれずにまともに受ける。結果どうなるか、膝カックンのような形で関節が曲がり、オーズが地面に膝をつく。その瞬間カイリューに指示したダイナックルの左フックがオーズの角をへし折りながらこめかみを捉え、その巨体を屋敷のがれきの中に埋めた。やっぱり……!ダイマックスが持たない!3分?冗談!ガラル粒子がないとこんなにも時間が短いなんて……!

 

 「畳みかけて!ダイバーン!」

 

 「グゥアァァァ!!!」

 

 カイリューの口から屋敷全てを燃え尽くしてあまりある巨大な炎が噴き出す。慌てて退避するゾロさんやサンジさんはギリギリ避けたが、オーズは爆炎に飲み込まれる。どうだ……!?カイリューのダイマックスの効果が途切れ、赤い光は消失し急激に縮むようにカイリューの身体が小さくなっていく。そして私の近くまできて元の姿に戻ったカイリューはひどく消耗した様子で倒れ伏した。要素が足りないダイマックスがここまで消耗を強いるなんて……!無茶をさせるわけにはいかない、カイリューはここまでだ。

 

 「ごめんね、ありがとうカイリュー。ゆっくり休んで」

 

 「りゅ……!」

 

 「おい、そいつ大丈夫なのか!?俺は医者だ、診せてくれ!」

 

 「うん、ひどく消耗しちゃったから、ボールの中で休んでもらってるの。もし診てくれるなら……全部終わった後で」

 

 カイリューは消耗しているものの、瀕死の状態ではない。体力を失っただけだ、だからボールの中で休めばおそらく回復はするだろう。チョッパーさんがポケモンの体を診れるかは分からないけど、心配してくれるのはとても嬉しい。カイリューの戦いを邪魔しないために一旦退避していたサーナイトとシャンデラが戻ってきてくれる。屋敷は石造りで燃えるものが少ないからか、ほとんど燃えずに原型をとどめ、消火しつつある。

 

 「キシシシシ!!オーズがこんなやられることがあるなんてな!起きろオーズ!お前はゾンビだ!痛くもねえ、熱くもねえ!人間だったころの感覚は捨てろ!」

 

 「お!おお!?俺の腹コクピットみてえになってるのか!?ご主人様がいる!」

 

 「あれだけやってノーダメージかぁ……」

 

 「いや、ノーダメージじゃないよ。左側頭部は陥没骨折、角は折れてるし見た感じ左の鎖骨も折れてる。痛みを感じないから動けるだけだ!確実に効いてる!」

 

 「確かに痛くねえ!おっ!そっかあ!よーし!動けるぞ!ゴムゴムのぉ~~ピストルっ!」

 

 「っはぁ!?」

 

 間一髪、シャンデラのサイコキネシスで全員逃れたけど、ありえないことが起こった。今まで普通の殴る蹴るの攻撃しかしてこなかったオーズの手が、急にゴムのように伸びたのだ。まるで、ルフィさんのように。だが、何となくさっき初めて見たルフィさんの技とは違う。まるで外部から操られてる……まるでマリオネットに繋がれているような違和感。

 

 さっきのダイナックルで屋敷に突っ込んだ時に腹部に乗り込んだらしい巨大な男……サーナイトが見せてくれたビジョンにあった人物……彼がゲッコー・モリアだろう。彼の能力で何かしているとしか思えない。ポケモンより摩訶不思議だな悪魔の実って!何でもありか!いや、進化したり大きくなったりするポケモンも大概だけどさ!

 

 「キシシシシ!そうだ!これが俺の見せる悪夢、影革命!影とは実体に追随するもの!ならば!影を伸ばせば逆に実体も追随する!ならば、俺がオーズに合わせて影を動かせばどうなる!?答えがこれさ!」

 

 「へっ、ようはルフィと同じになったってことだろ。なら俺らがよく知ってるはずだ、あいつの技なんてのはな」

 

 「つまり鬼強くなったってことじゃね~~か~~~!」

 

 「じゃあ、ゴムになったわけじゃないのね!?サンダーボルト=テンポ!」

 

 「ルオオオオンッ!!」

 

 突如響いた声と同時に、オーズに向かって雷が落ちる。また能力者!?ではなく遠吠えで分かった。瓦礫と化した橋の上で、ザシアンに乗ったナミさんが3つの球が付いたステッキのようなものを振るって、オーズに雷を落としたのだ。ナミさん、良かった無事だったんだ!ザシアンは軽いステップで瓦礫を駆け下り、私たちと合流してナミさんを下ろした。なるほど……雷なら通るのか……!どうやら中にいるモリアにも届いたようで、籠った悲鳴が聞こえた。

 

 「ユウリ、アンタ無事だったのね!良かったわ!この子に物凄く助けられたの、ありがとう!」

 

 「ナミさんこそ、無事でよかった!ザシアン、頑張れる?」

 

 「グルッ!」

 

 「お待たせしました!みなさんっ!」

 

 「ブルック!お前どうしたんだ!?重症だっただろ!?」

 

 「ヨホホホホ!!実は必要になるかと思って、あちこち折れた体を引きずって厨房にお邪魔していました!そしてそこで牛乳を見つけてあらこの通り!復活したのです!ついでにありったけの塩も確保してきました!」

 

 体がしびれているらしいオーズとゲッコー・モリアが回復に時間を取られているのに対し、私たちの態勢は整いつつあった。ザシアンが戻ってきた……!これだけ相手が強いと私が同時に出せる指示も限界がある、6体同時にポケモンに指示を出すのは結構きついんだ、いかにみんなが自分の考えで動いてくれると言っても、ポケモンとトレーナーの息があっていない状態だとすぐにほころびが出る。私ごと巻き込む攻撃が多いからみんながバトルに集中できないのだ。

 

 けど、ザシアンがいれば話は変わる。彼女は伝説のポケモン、それもガラル地方を救った勇者だ。巨大な敵との戦いのスペシャリストだもの。さらにはブルックさんが塩をもってきてくれた!私の塩はサーナイトに渡して使い果たしちゃったし、オーズの猛攻がすごすぎてミロカロスを出す暇がなかったんだ!これで一撃必殺の材料がそろった……!

 

 「皆さん、私とザシアンで隙を作ります!そこから畳みかけてください!」

 

 「おっ!またあの大きくするやつか!?」

 

 「いいえ、違います。ザシアンにそれは必要ありませんから……!」

 

 ザシアンの姿が光に包まれて変わっていく。今までのつわものの姿から、金色が眩しい勇者の姿へ。不倒の剣がその切れ味を発揮せんと鋭く光った。ざり、と地面を踏みしめるザシアンの姿にまた姿変わった~~!とチョッパーさんとウソップさんのテンションが上がる。ザシアンが咥えた剣を見たゾロさんの目に剣呑な光が宿った。怖いなあ。

 

 「行くよザシアン!きりさいて!」

 

 「ウルォォォン!!!」

 

 吠えたザシアンの姿がブンッ!と消えうせる。次の瞬間には、オーズの全身に切り傷が発生して血が噴き出す。私やナミさんを乗せた状態ではザシアンは本気で動けない、まず間違いなく振り落とされて酷い怪我を負う。だから彼女を本気にさせるなら、一匹で!さらに遠吠えが響いてオーズの身体を斜め十字に切り裂く巨大な切り傷が発生して、ザザザと音を立ててザシアンが私たちの傍に戻ってきた。

 

 「今です!塩を!」

 

 「お、おう!行くぜ即席必殺パチンコクワガタ!ビッグソルトスター!」

 

 「いった!」

 

 「キシ、キシシシシ!塩を喰わせられるかもってわかってみてるやつぁいねえよ!ドッペルマン!」

 

 ウソップさんとフランキーさんが即席で作った巨大パチンコでブルックさんが持ってきた塩の塊を見事な狙撃で口の中に入れる。一瞬やった!と思ったがモリアの影らしく黒いのっぺらぼうがオーズの口の中から塩の袋を持って出てきた。さらにその塩をのっぺらぼうが空中に投げ、黒いコウモリに姿を変えてぶちまけてしまう!やられた……!いや!まだ手はある!

 

 「塩が……!クソッ打つ手ねえぞ!?」

 

 「もう一回お願いします!ザシアンと合わせてオーズの両肩を攻撃してください!今度こそ塩を食べさせます!」

 

 「だけど、塩なんざどこに……!」

 

 「あります!もう一回頑張ってください!」

 

 「ヨホホホホ……!何か作戦がおありの様子……!いいでしょう、貴方のその言葉を信じ、私がやります!」

 

 「さっき雷効いたわよね……!ウソップ、手伝って!ロビンも!」

 

 「いいから急げ!防ぐにも限界がある!」

 

 私たちが作戦を伝えてる間、いたるところに負った怪我で動きが鈍くなったオーズが攻撃を仕掛けてきている。当初よりのろくなっていてもそれは脅威だ。ザシアン、シャンデラ、サーナイト……さらにはゾロさん、サンジさんにフランキーさんが必死にこちらを守ってくれている。持ちこたえるにも限度がある!ザシアンと目が合う、彼女は私の意を察してこちらに駆け寄ってきた。彼女の背に跨り、私は次に備える。

 

 ウソップさんはさっき作ったクワガタにブルックさんをセットし、ナミさんがステッキの先に雷を溜め、さらにはロビンさんが連結した手をブルックさんに巻き付ける。準備できた!?出来たね!?じゃあいくよっ!

 

 「行きます!」

 

 「よし!いけぇ!骸骨星!」

 

 「ヨホホホホ!!骨が透けるほど感電した~~!いえ!元から骨だけですが!」

 

 ブルックさんがクワガタから発射され、ロビンさんが回転をかける。さながらそれは銃弾のごとし、ナミさんのステッキから雷を受けたブルックさんは帯電したまま剣を突きの構えにして一直線にオーズの右肩に向かって飛んでいく。同時にザシアンが地を蹴り、咥えた剣を噛み締め、光を集めて巨大化させて飛び出した。

 

 「雷骨剣!革命舞曲(カボット)ボンナバン!」

 

 「ザシアン!きょじゅうざんっ!!」

 

 「ウルォォォォォォォン!!!!」

 

 同時に放たれた一撃は、オーズに避けることを許さずに直撃する。ブルックさんは右肩を完全に貫通して後ろの壁に突き刺さり、ザシアンが放ったいくつもの大斬撃は一か所に集中してオーズの左肩から先を切り飛ばした。驚愕の声がオーズの腹の中、つまりはモリアから発せられたのが聞こえる。動揺してる!これならいけるハズ!私はザシアンから飛び出して、腰からボールを手に取り、投げた。

 

 「ふるぅぅぅ!!!」

 

 「よろしく、ミロカロス!しおみず!」

 

 光に包まれて出てきたのは、当然ながら私の手持ちの水担当、ミロカロス。彼女の口元に水流が集まると、それは一旦圧縮されるように小さくなり、爆発するように前方に発射された。手を切り飛ばされて体を貫かれるという体験に驚いて大口を開けていたオーズの顔面にミロカロスが放ったしおみずが着弾して、オーズの喉がごくごくとそれを飲み干していくのが見える。落下中にザシアンにキャッチしてもらい、オーズの腹を見るとひどく焦った様子のモリアの顔が見えた。

 

 「うっ!?うおおおおおぉぉぉぉぉっ……!」

 

 「バカな……オーズを……てめぇ何しやがったぁ!」

 

 「固形物の塩なら除けるんでしょ……?だから……たらふく飲ませてあげたの、塩水をね」

 

 「ふるっ」

 

 ビタンッと着地したミロカロスが誇らしげに尻尾を地面に叩き付ける。オーズの口から影が吐き出され、意識を失った体が仰向けに倒れ、屋敷を完全に押しつぶす。あののっぺらぼうが悪魔の実の能力なら海水に弱いはずだ。固形物の塩の袋ならもって防げるかもしれないが、大量の液体なら防げない、それも初見の一回なら。一回こっきりの賭けに、勝ったんだ。オーズの体から這い出して来るモリアを睨みつけ、私はべー、と舌を出してやるのだった。




 巨大特攻クソツヨザシアン。そしてようやく決められましたしおみず!さああとはモリアだけですね!次回もよろしくお願いします!
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