カイリューといっしょ! 作:カイリューはいいぞ
「うんんめええええええ!!!」
「美味しいね!ね、みんな!」
「確かにうめぇ……!何だこのソースの味の深み……!」
「ね!はっちんのたこ焼きは世界一でしょ!?」
船上のたこ焼き店、屋台舟という凄くオツな雰囲気のあるお店のカウンターで今、私たちこと麦わらの一味ははっちんさんことハチさんのたこ焼きをご馳走になっています!私たこ焼きにはマヨネーズがマストだと考えてたんだけど!このたこ焼きを食べたら考えが変わるね!なんておいしいんだろう!滅茶苦茶美味しくて手が止まらないやめられない!まるでげきりんのよう!混乱しちゃうほどおいしい!
サニー号の甲板で大きいでお馴染私の手持ちたちが全員でて他の人たちとたこ焼きを囲んでいる。皆美味しいみたいでもう夢中になって食べちゃってる!たこ焼き……あっちだとオクタン焼きって言うんだけど……あ、実際にオクタン入れてるわけじゃないよ?大昔の人は食べてたみたいだけど、今はそういうことはないんだって。人好きする笑顔のハチさんはどう見ても圧政を敷いていた魚人とは思えないけど、どうなんだろ?
「にゅ~~!どんだけ食っても今日はタダだぞ!お前らが俺たちを助けてくれたお礼だからな~~!……それで、その……味は、どうだ?ナミ……?」
「これで、何かが許されるって思ってるわけじゃないわよねぇ……?」
「も、ももももちろんだ!ただ、まずいもの食わせたら余計申し訳ねぇとおもって……!」
「……心配しないで、すっごく美味しいわ!」
ナミさんもナミさんできっと思うことがあったんだろう、にかっと笑ってハチさんのたこ焼きを褒めた。よかった……のかな?いやー、それにしても美味しいなあ。ぷりっとしたタコの触感に出汁が効いた生地、そしてサンジさんも絶賛する美味しいソース、青のりと鰹節もたまらない。
ナミさんのお墨付きもあってかハチさんはどんどん食べてくれ!と6本の手を見事なほどに操っていくつもの鉄板の上でどんどんたこ焼きを返して焼き上げていく。そんな感じでたこ焼きパーティーは和気あいあいとゆったりした雰囲気で進んでいくのかと思ったけど、それを切り裂く陽気な声が私たちの耳を叩いた。
「お~~~い!若旦那がた~~!挨拶なしってそりゃないぜ!ハンサ……じゃなかった!デュバルだぜ~~~!」
「なんか顔変わってるような気が……」
「変えてやったんだよ。もう何も言われる筋合いねえ」
「蹴りで骨を折らずに骨格変えるってどうやったら出来るんですか……?」
私たちの宴会に水を差したのはトビウオライダーズのリーダー、名前はデュバルというらしいその人だ。サンジさんの『手配書』そっくりの顔をした彼は今や立派に変わり者でへんしんを遂げて、似ても似つかない濃ゆい顔に変わっている。整っているっていったら整っているのかもしれないんだけど……うん、私の好みではない。何でもサンジさんがデュバルに叩き込んだ蹴りは、顔面を蹴りで無理やり整形する必殺技らしいの、よくわかんないけど……。凄いね、人体!
「いや、改めて考えりゃ逆恨みなんてして申し訳ぬぇ。またすぐにでも田舎に引っ込もうと思ったんだが、恩を受けたなら返すのが仁義、陸のマフィアにもそれがあるべっちゃ!この海域は初めてだろ!?お役に立つことがあるなら何でも申し付けてほしいん……だ!」
「不満がねえならそれで結構。もう顔見せなきゃそれでいい。もう人魚ちゃんたち攫うんじゃねえぞ」
「ごめんね、モトバロ。頭痛くない?大丈夫?」
「んもぉ~~~」
意外と話せばわかるのかもね、デュバルさん。不憫ってだけで……。一応気絶しただけで体は大丈夫みたいなモトバロの鼻を撫でながら謝ってると気にするなとばかりに手をべろっと舐められた。おっきいだけあって舌も大きいねえ。とりあえずいつでも呼び出してくれ、と電伝虫の番号を渡してトビウオライダーズは去っていった。何というか単純な人たちなんだね……ハンサム顔とはいえ一瞬でナルシストになっていた。
まあ、これでケイミーさんのお願いも叶ったわけだし、万々歳、なのかな。ああ、それよりもたこ焼き……あれ!?私の席の前にあった私の食べかけのたこ焼きがなくなってる!?うぅ~~。だれ~~?私のたこ焼きとっていっちゃったの……と私が涙目になっているとすぐにハチさんがたこ焼きを私の前に置いてくれた。私はお礼を言ってそのタコ焼きにつまようじを刺して頬張るのだった、あっつい!
「進路はこのままでいいよ!行先はシャボンディ諸島!」
「なー、そこへ行かなきゃ魚人島にはいけないのか?」
「みんな、美味しかったね!ボールに戻ろっか」
「俺たち魚人や人魚なら泳げば一瞬なんだけどな、人間が潜ったらぺっちゃんこだぞ」
「確かに潜水艦でも限度があったが……」
潮風に包まれてソースの匂いは洗い流されたサニー号の上で、私は手狭になってしまった甲板から手持ちたちをボールの中に戻してスペースを空ける。可愛い我が子たちなんだけど、大所帯なのでしょうがない。まあ、旅をしている時も一日の大半はボールの中だったから皆慣れてるし、そもそもボールの中は滅茶苦茶居心地がいいらしい。ポケモンってやっぱ不思議。
それでなんだけど、やっぱり魚人島に行くためにはシャボンディ諸島に行くのが必要不可欠みたい。うーーーーーん……白ひげさんの所で聞いた話によるとヒューマンショップの宝庫みたいな島らしいし上陸しても外出歩きたくないかな……不用意にポケモンを出して目立ちたくはないし、ポケモンを出せないとなると私はとても弱いから……決めた!お留守番しよう!うん!
「ユウリだったら行けるんじゃねえか?」
「うーん、行けはしますけど私一人で行くことになりますよ?」
「んじゃダメだ!皆で行こう!」
「にゅ~~!?人間なのに海の中行けるのかお前!?」
「そうそう!ユウリちん深海で海ウサギに飲み込まれてた私とパッパグを助けてくれたの!」
ゾロさんが顎で私を指し示してそんなことを言う。確かにミロカロスと一緒に行けば文字通りダイビングして魚人島に行けると思う。ダイビングの限界深度は図ったことないけど、普通に海底まで行けるからミロカロスが頑張ってくれる限り行けると思う。まあ、行けるのは私一人だけども、それは良くないとルフィさんの否定がありこの話はなかったことになった。当たり前のことだけど、私一人でほっぽりだされるのは寂しいかな。
ハチさん曰く、シャボンディ諸島は木の集まりらしくて磁力が存在しないらしい。だから記録指針の記録が書き換えられてしまうことはないそうだ。何でもシャボンディ諸島を構成しているのは巨大なマングローブ、ヤルキマン・マングローブというものなんだとか。何というかダジャレみたいな名前だね。にしても、とウソップさんが疑問を呈する。
「シャボンディ諸島以外で新世界に行く方法はねえのか?」
「にゅ~……あるっちゃあるんだ。魚人島経由じゃない方法がもう一つ。だけど海賊にゃ絶対無理だ、赤い土の大陸の聖地マリージョアを通っていく方法があるんだが……船は乗り捨てなきゃなんねえしそもそも無法者に許可なんて下りねえ」
「私、赤い土の大陸超えてきたんですけど」
「お前貴族かなんかだったのか!?」
「いや普通にカイリューに乗って空飛んできました」
「何というか……お前何でもありだな」
なんかとても失礼なことをウソップさんに言われたのでじっと~~とジト目で見続けてやる。もう木の実分けてあげないんだもんね。そっかー、お前飛べるんだったよなー、と暢気にメタグロスのことを思い出しているたこ焼きの食べ過ぎで風船のようになったルフィさんを突っつきながら私はハチさんとパッパグさんのシャボンディ諸島講座に耳を傾ける。
「だから、新世界に行くには赤い土の大陸の真下にぽっかりと開いた小さな穴の中にある魚人島に、船ごと行く必要があるの!」
「まってケイミー、船ごとっていった?この船海になんて潜れないわよね?フランキー」
「ああ、潜水なんてとんでも機能つけれるならとっくにつけてらぁ」
「船をコーティングするの!水圧に負けないようにね!そうすれば、船は潜水艇に早変わりってわけ!」
あそこを見て!とケイミ―さんが指さす先には超超々巨大なマングローブが連なる諸島と、シャボン玉の群れ、そして虹色に光るシャボン玉で彩られた町があった。なるほど……
41番グローブにサニー号を停泊させた私たちは早速シャボンディ諸島に繰り出そう、というところで私はお留守番をお願いしてみた。同じくお留守番組は船の補修をしたいというフランキーさんとその手伝いのウソップさん、さらには積んである財宝の護衛役としてサンジさんが居残ることになった。
「ユウリ、いいの?一緒にショッピングしたかったんだけど……」
「お誘いは嬉しいんですけど……天竜人っていうのがいる場所にこの子たちを持ち込みたくなくて……それにこの子たちが出せないと私はタダの子供ですし」
「……そう。残念。いいわ、私が安全を確認してくるから、帰ってきたら一緒に回りましょ?」
「そうですね、それなら」
どうも、私を連れてロビンさんと一緒にウインドウショッピングとしゃれこみたかったらしいナミさんには残念そうにされちゃったけど……白ひげさんとマルコさんの忠告を安く見ることは正直できなくて、気になるのは気になるのだけれどそれでもやっぱり警戒心のほうが先に立ってしまう。
残っていたゾロさんも散歩に行くと言ってサンジさんとウソップさんの必死の引き留めもむなしくサニー号から去って行った。トンテンカン、とトンカチの小気味いい音が響く中、こちらに漂ってきたシャボン玉をヘディングしたりして遊んでいると、電伝虫が着信を知らせる音がした。皆が出発してから結構な時間が経っているし、コーティング職人に出会えたのだろうか。
『もしもし!?おれだよおれ!チョッパー!大変なことになったんだ!』
「チョッパーさんどうしたの?落ち着いてゆっくり話して」
『ケイミーが攫われたぁああああ!!!!』
「なんだと!?」
その言葉に私はそういえば、と白ひげさんの所に遊びに来た人魚さんの言葉を思い出す。人魚はヒューマンショップで売られる値段がべらぼうに高いということ、その額何とアベレージにして2000万ベリー。でも、いくらなんでもおかしい。だって、最低でもルフィさんとハチさんが一緒だったんだ、ルフィさんの前で攫おうものならちょっとした騒ぎになって私たちの方に何かしらの情報が出回るはずなんだけど……!
「行かないと……ヒューマンショップってこの島のどこら辺にあるんでしたっけ?」
「まぁ、待て。おいチョッパー!とにかく落ち着け、居場所を教えろ。そこでしばらく待機だ。俺たちにとっておあつらえ向きのやつらが居ただろうが」
「おいサンジ!これが落ち着いてられるかってんだよ!」
「うるせえウソップ。トビウオライダーズを呼ぶぞ、あいつらの本業を思い出せ。蛇の道は蛇だ」
なるほど!そういうことか!サンジさんが骨格を変形させて濃ゆいハンサム顔に変えてあげたトビウオライダーズのボス、デュバルがこの海域でしていたことは人さらいで、さらにはヒューマンショップに卸していたという話も嬉々として語っていた。私はそれをうっへーと思いながら聞いていたんだけど、今回に限ってはその情報網が役に立つかもしれないんだ。サンジさんがすぐに電伝虫でデュバルの番号に連絡を入れると、事情をきいたデュバルは特急で駆け付けると言って、文字通り10分もせずにサニー号にやってきた。
「黒足の旦那ぁ!電話口で聞いたが、あの人魚の嬢ちゃんが攫われたって!?」
「ああ!面見せんなっていうのは撤回させてくれ。ケイミーちゃんを助けるのに力を貸してくれ、頼む!」
「おうともよ!さっき教えてくれた位置にライダーズをすでに向かわせてる!乗ってくれ!」
「ユウリちゃん、君はおれとだ!ウソップ!フランキー!ナミさんたちとあのクソゴムを頼む!」
「わかった!」
一難去ってまた一難とはまさにこのこと。ダイオウドウとまではいかなくともケンタロスやバッフロンより明らかに大きくて乗りやすそうなモトバロに飛び乗って私ははやる気持ちを抑えるのに集中する。ケイミーさん、無事でいて……!
シャボンディに上陸しないユウリちゃん。なおトラブルは向こうからやってくる模様
それではまた次回に。感想評価よろしくお願いします