カイリューといっしょ!   作:カイリューはいいぞ

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不死鳥と私と火拳

「付いてくるってお前……女ヶ島にか?海賊女帝が何ていうか分からんぞ?」

 

「別に中に入らなきゃ問題ないよい。まぁエースに関しちゃあんまり心配してねぇけどな。よくわかんだろ」

 

「じゃあなんで」

 

「オヤジがな……ユウリのことは気にかけておいてやれって言ってたんだよい。それにユウリお前……顔に書いてあるぞ、強くなりてぇってな」

 

「マルコさん……」

 

 とりあえず私たちについてくる、というマルコさんの話を詳しく聞くと、ようは私が心配だから付いてくるということで良さそうだ。申し訳ない話で恐縮しちゃうんだけど、確かにマルコさんの言う通り私は今猛烈に強さを欲しているのは間違いない。あの戦争で、私は掟破りと言っていいカイオーガ、グラードン、レックウザの3匹の力を借りて戦場を滅茶苦茶にした。私と一緒に鍛えたポケモンじゃなく、ただただ強いだけの力の塊をわがもの顔で振り回したのだ。

 

 たとえ私や私のポケモンたちが圧倒的に強かった場合でもあの状況で白ひげさんを助けられたなどと己惚れる気はないけど、私は弱いんだなぁと痛感する出来事であったのは間違いない。俺でよければ稽古をつけてやると申し出てくれるマルコさんの厚意は有難く受け取った方がいいのかな。

 

「暫くオヤジの墓はジョズが守ってくれる。各隊長も方々に散って情報を集める予定だ。ま、こぶが付いてきたと思って諦めてくれよい」

 

「こぶなんて思いませんよ。ついてきてもらえるなら喜びますよ私は。結局私の見聞色も、皆さんには遠く及びませんし」

 

「マルコが来てくれんなら千人力だな。あ、そーだ俺のストライカーどこ行ったか知らねーか?」

 

「あ?知らねーな。大方ティーチと戦ったとこに置きっぱなしなんだろ」

 

「だよなー」

 

 ストライカーっていうのは多分エースさんの個人の船なのかな?もうすでにしっかり和やかムードの宴会になっちゃってる。まだまだ男泣きしている人はいるけども、笑って白ひげさんを送り出したいという気持ちは共通しているのか泣き笑いみたいな感じで、飲め飲めやんややんやの大騒ぎだ。

 

 飲んでるかー!と物凄く大きいジョッキを掲げて此方に乱入してくるシャンクスさんに私はくすりと笑って、二日酔いになっても知りませんよとお水を渡した。既に酒と水の区別がつかなくなっているらしくがぶがぶと水をあけていくシャンクスさんに私はあきれ顔になっていくのだった。あとエースさんはご飯食べてる時に眠るのやめない?ルフィさんもやるんだけどそれ心臓に悪いんですよ。

 

 

 

 

 

「それじゃ、ジョズ。あとは任せたよい」

 

「ああ、オヤジの墓はお前が戻るまできっちり守ってやる」

 

「うし、じゃあ途中まで乗せてってやるよ。赤い土の大陸(レッドライン)超えるんだろ?俺らは航海に戻るから最後までは付き合えんが、マルコがいるなら何とかなるだろ。あ、ウチのクルーになるか?」

 

「感謝はするが寝言は寝て言うよい赤髪。俺らはもう自由だ、白ひげの旗の元以外につく気はないよい」

 

 どんちゃん騒ぎは2日も続き、最終的にはみんなへべれけになって二日酔いに苦しんでいる。船医はフル稼働、今の会話も表情は二日酔いの頭痛に苦しんでいる状態で顔が歪んでいるのです。私は献杯のお酒以外は飲ませてもらえなかったのでもう完全に素面なんだけど、飲める大人たちはもうある酒全部飲んじゃってるから……。樽のゴミ凄いよ。ラム酒の匂いしかしないもん。

 

 まあ、それはともかくとして赤い土の大陸(レッドライン)まではシャンクスさんが送り届けてくれるみたい。何日かぶりのレッド・フォース号に懐かしさを覚えた私が海面を覗くと、ジト目のカイオーガと目が合った。え、いやすいません。違うんです、赤い土の大陸(レッドライン)超えたら貴方に乗りますので許してください。普通乗られるの嫌なんじゃないの……?

 

「あ、そうだユウリお前……懸賞金でてんぞ」

 

「聞きたくないですっ!」

 

「もう諦めるよい。あの戦争であーんなに大立ち回りしてでねーほうがおかしいよい。おいお前ら!ウチの末の妹の懸賞金がでたよい。オヤジにも報告するよい」

 

「わーんっ!シャンクスさーんっ!」

 

 ニュース・クーから新聞を受け取ったマルコさんが私に遂に懸賞金が発表されたと教えてくれる。私はそれを聞くのを一切合切拒否してシャンクスさんに泣きついたが、この人もやはり海賊、名が売れていいじゃねーかとけろっとした顔をしている。頼みの綱のエースさんは既にワクワク顔だ。おれのも上がってたりしねーかななんて言ってるし。

 

「えー、『厄災の子 ユウリ』懸賞金……2億5千万ベリー!」

 

「に、おく……ごせんまん……!?」

 

「おっと」

 

 おおおおおーーーっ!!!と白ひげ海賊団と赤髪海賊団が勝手に盛り上がる中、私は自分につけられた法外な額とイタい二つ名にふら~~っっとめまいがして後ろに倒れそうになる。エースさんが軽々と抱っこして支えてくれたけども、そんな気分ではない。2憶5千万ベリー!?なにそれ!?ルフィさんが確か3億で一味のナンバーツーであるゾロさんが1億と2千万だったよね!?

 

「た、た、高すぎませんか!?」

 

「初値にしちゃ法外だよい。まぁ、懸賞金の額は政府が出す危険度みてーなもんだ。お前はそんだけ危険だってことだよ、良かったな」

 

「良いわけありませんっ!」

 

「海賊してんだからもうどうしよーもねーよ」

 

 それは、そうなんだけども!というか写真!どこで撮ったの!?どうやって撮ったの!?カイオーガにグラードン、レックウザがそろい踏みして真ん中に立つ私とザシアンとカイリュー!戦争中真っただ中じゃない!ガッツリスタジアムで着る衣装だし!私の悲鳴をよそに、レッド・フォース号は出港する。ジョズさんが手配書をもってお墓に向かうのが、遠目に見えた。白ひげさん、大笑いするんだろうなあ……。

 

 航海は順調に進み、5日ほどで赤い土の大陸(レッドライン)まで付くことができた2週間で戻るってジンベエさんにはいったけど、ギリギリ間に合わないかな?カイオーガのご機嫌次第かも。あんまり本気出して泳ぐと大洪水と大雨が降るのでほどほどでお願いします。

 

 シャンクスさんに別れを告げると、ルフィさんによろしくとカラカラ笑ってそう言った。カイリューに乗った私はそれに頷いて、後ろのエースさんも続く。マルコさんが色々感謝するよいと不死鳥に姿を変えて飛び立つ。私たちはあっさりと赤い土の大陸(レッドライン)を越えて偉大なる航路(グランドライン)前半に戻ってきた。こう何度も行き来してるとあれだね、反復横跳びみたいだね。

 

 待っていたカイオーガに3人で乗せてもらう。若干狭かったけどまさかこのためにゲンシカイキしてもらうのも困るし我慢。どーせ2日で着くのだから。今日のニュース・クーの新聞を受け取ったマルコさんがぷーーっ!と噴き出して大笑いしだす。それを不思議がった私とエースさんが新聞を覗くと、私は眩暈を起こして卒倒し、エースさんは同じく大笑いして海に落ちた。慌ててミロカロスに引き上げてもらってニュースの内容をじっくり読む。

 

「いやー、エース!お前の弟は面白れぇやつだな!まさかもう一度海軍本部に乗り込んでオックス・ベルを16点鐘ときた!」

 

「ルフィらしいな。しかし、何がしてーんだ?」

 

「あー、なるほど。ルフィさん、了解ですはいはい」

 

「何か分かったのか?」

 

 新聞にかかれているのはルフィさん、レイリーさん、そしてジンベエさんが復興できるか怪しいくらいにボロボロになっちゃった海軍本部に乗り込んで軍艦を奪った挙句、広場に花束を投げ入れたのちに黙禱を捧げて広場の片隅にあるオックス・ベルという鐘を16回鳴らしたということだった。行動の意味を私は知らないけども、ルフィさんが何を伝えたいのかはよくわかった。

 

 正面から堂々と撮られた黙祷を捧げるルフィさんの右肩には、3D2Yの文字がある。だけど3Dには大きなバツが付いている。ルフィさんは集合時刻の変更をしたのだ。3日後ではなく2年後へ。きっとシャボンディ諸島で色々あったのと、ルフィさんの目的自体は達成されたものの大きな傷となった頂上戦争のどっちもが、何かをルフィさんに考えさせたんだ。

 

「いやはや……うちの弟は、話題に事欠かねえな!」

 

 そう言って大きく笑うエースさんの目尻には、涙が光っていた。マルコさんがエースさんが被っているテンガロンハットを潰すように押さえつけて、良かったなと言うと、エースさんは満面の笑みでおう!と返すのだった。

 

 

 

 

 

 

「ルフィさーん!目が覚めたんですね~~!」

 

「ルフィ!お前ってやつは……あんなことがあった後でこんなことするやつがあるか馬鹿!」

 

「エ~~ス~~!ユウリ~~!良かった戻ってきた!」

 

 カイオーガに乗って2日、赤い土の大陸から凪の帯に入って、女ヶ島にたどり着いた。海岸では既にルフィさんが待っていて、多分連日私たちが戻ってきてないか確認していたのだろう。包帯にまみれてはいるけど、何時もの元気なルフィさんだった。良かった!そして隣には、レイリーさんの姿もあった。

 

 カイオーガにお礼を告げると、また何かあったら呼びなさいと言う感じでひと鳴きして潜っていってしまった。一瞬で見聞色の感知範囲外に行ってしまったらしく、あっさりしてるなあとは思ったけど、感謝は絶えないようにしとかなきゃ。

 

「レイリーさん!どうやってこちらに?ジンベエさんにローさんの姿が見えないですけど」

 

「ああ、泳いできた。ジンベエはもう行ったしトラファルガーもとっくに出港したよ。ニューゲートとは、別れられたか」

 

「はい、お別れを言ってきました」

 

「レイリー、久しぶりだよい」

 

「マルコくん!ああ、何年ぶりだろうな」

 

 そういえば、白ひげさんとゴールド・ロジャーは知り合いというか昔に滅茶苦茶バチバチやり合った飲み友達だって話聞いたな。白ひげさんの右腕だったマルコさんも知り合いでもおかしくはないんだね。女ヶ島の人たちからの差し入れらしい大量の食糧を平らげながらニコニコしているルフィさんの横にエースさんはどっかりと座り込む。

 

「ルフィ……ありがとうよ。お前が助けに来てくれたおかげで俺は命を拾った。もうお前は俺が守らなきゃいけなかった頃のお前じゃねえ……立派な一人の海賊だ」

 

「気にすんな!ししし!でも、俺だけじゃダメだった。ユウリがあの時来てくれなかったらエースは……」

 

「ああ、俺はお前と赤犬の間に割り込むつもりだった。お前らが拾ってくれたこの命、大事に使わせてもらうぜ」

 

「おう!メシくえよ!うめーぞー!ハンコックが沢山持ってきてくれたんだ!ユウリも!」

 

「まったく……お主らのための料理ではないのじゃが、まあ食べるがよい。わらわがみみっちいと思われても困る」

 

 ルフィさんを甲斐甲斐しく世話していたハンコックさんは、腹が減っているのなら食べるがよいと鷹揚な態度を示してくれる。なぜか私の頭をぽむんぽむんと撫でる彼女にお礼を言って私たちも料理を頂くことにした。おー!おいしい!と暫くカイオーガの上で料理なんてできないから保存食ばっかりだったのもあって夢中になってしまった。お恥ずかしい。ルフィさんがゴム毬のように膨らんで食事が終わったところで話が始まった。

 

「ユウリ、伝わったか?」

 

「はい、3日後じゃなくて2年後集合ですね。私に伝わってるので、多分みんな分かってると思いますよ」

 

「そっか!よかった!……おれは、まだまだ弱ぇ……シャボンディでも、戦争でも……俺一人じゃなんもできなかった。もっと強くなって、新世界に行くんだ!」

 

「私の提案をルフィくんが受け入れてくれてね。散り散りになった彼らに、強くなってからもう一度挑戦しようというメッセージを発信することにしたのさ。きっと今頃、ニュース・クーがそれと知らずにせっせと世界中に運んでいることだろう」

 

 マスコミたちは嬉々としてルフィくんのことを写真に収めていたからな、とレイリーさんはお酒を呑みながらそんなことを言う。ルフィさんはどうやらレイリーさんに師事をするつもりらしくて、ハンコックさんにこの海域にある一番危険な島での修行を提案されたみたい。エースさんはそれを聞いてしばらく考え込み、よしっ!と膝を叩いた。

 

「ルフィ、俺は一回東の海に戻る。不確かな物の終着駅(グレイ・ターミナル)にな。サボに謝らなきゃいけねえし、ダダンにも心配かけたはずだ」

 

「エース、そうだな!サボには色々報告することがあんだ!俺の分まで頼む!」

 

「エースさん、ということは偉大なる航路(グランドライン)を逆走するってことでいいですか?それなら私、ついていきたいです!」

 

「お、おう。それは構わねえけど……なんでなんだ?」

 

「えーーー!?ユウリお前俺と一緒に修行しないのか!?」

 

 はいっ!とエースさんの偉大なる航路(グランドライン)逆走を聞いてそれに便乗しようとする私をルフィさんが物凄く寂しそうな顔で疑問の声をあげる。マルコさんはまあどっちでもいいよいみたいな感じなんだけど、私も私でやることがある、というか2年のモラトリアムがもらえたのならそれでやらなきゃいけないのだ。残りの手持ちたちを見つけるのが急務だし。




 懸賞金安くね?思った方、実際安いのでしょうがないね。上から圧力かかっちゃったんすよねぇ。天竜人が見たら欲しいえ、って言いそうだし。センゴクさんはきっと2重の意味でふざけるなぁ!って怒鳴ってそうです。まあ、映像電伝虫は伝説3匹のプレッシャーで軒並み気絶して写真しか伝わらなかったのでセーフということで。ちなみに写真を撮ったのはアタッちゃんではなくパシフィスタです。ナイスアングル!

 さて、2年の修業中はユウリちゃんには旅をしてもらいます。エースとマルコと一緒に覇気の修行だ!
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