いつも誤字報告、ありがとうございます。
side メテオラ
「どうも、ケイタさん。今日一緒に行動する、メテオラだ。どうぞよろしく。」
今日ともに行動するギルド「月夜の黒猫団」のメンバーに軽く礼をする。
「こ、こちらこそこんな強い助っ人が来るなんて思ってもいませんでしたよ……キリトから色々聞かせて貰ってます。僕はケイタ。今日はメンバーをよろしくお願いします!」
その後、各メンバーとも挨拶を交わし、いよいよ出発となった。
「メッセージで説明した通り、俺はビーターで一部のやつから恨まれてる……それでも、いいのか?」
「そんなの気にしませんよ!隠してたら怒ってましたけどね。」
優しいな……
「……ありがとう。」
というわけでダンジョンに潜り、攻略を進めているとサチが声を掛けてくる。
「……メテオラさん。私さっきからもうしてるので今更なんですが、戦うのがちょっと……」
装備からして前衛職の彼女だが、パーティーの回復をしている……やっていることは後衛職のことだ。
戦うのが嫌いなんだろうな。
キリトを見ると、彼にはすでに話したようで「彼女は今日で戦闘職を降りる」と口パクをする。そんなくらいで怒らんよ……別に生産職でもサポートは十分にできるからな。
「わかってる。ちゃんと守るから安心してくれ。」
「っありがとうございます!」
―――――
side キリト
今日のダンジョンは29層にあるものだ。最前線から離れているとはいえ、メテオラを始めとしたベセスダの酒場のメンバーを中心にした攻略隊が異常なほど進んでいるだけなので、ここもあまり探索が進んでいない。
探索してから3時間ほどが経った頃……
「ちょっとアイテム整理するから、待機してくれ。」
とメテオラが安全地帯でウィンドウを開け、忙しなく操作を始める。
「おい、キリト。あの部屋に宝箱あるぞ!」
メンバーのタンク役であるテツオが声をかけてきて、その方向を見ると、彼が扉を開けた先に一つの箱がポツンと置かれていた。
「まだ見つかってない部屋……敵は?」
「モンスターが一匹もいない!大当たりだ!」
トラップの可能性もあるが……床には何も仕掛けがないな。
5人でその部屋に入り、勢いよく宝箱の蓋を開けた。
それと同時に、部屋中に響き渡るアラーム。
あれは宝箱なんてものではない。トラップボックスだ。この音にモンスターが続々と集まってくるタイプである。
「転移結晶でメテオラのところに……使えない!?」
それに加えて結晶無効化空間の組み合わせ。その事態に、メンバーはパニックを起こす。
「う、うわあああ!?」
「転移も出来ないなんて、ありかよっ……!」
「ササマル、ダッカー! 早く俺の後ろに! 背中合わせになって、死角をなくすんだ!!」
ここで動いたのが、タンク役のテツオだった。同じ壁戦士ということもあってか、サチと同等かそれ以上にしごかれていたからか、自分の役割をこなそうとする。
「わ、わかった。」
「けどよぉ……これじゃジリ貧だぜ?」
敵の数は今尚増えているのに対し、こちらは5人だ。せめてメテオラに合流出来れば……!
「分かってる、このまま少しずつ出口に近付いて、メテオラと会うんだ!……サチは!?」
サチの姿は……大群に、地面にへたり込んでしまっている。
俺は彼女を背中にかばい、周りの敵の動きをよく見る。
「あ、ああ……」
「サチは、俺とメテオラがが必ず守る……だからお前らも早くこっちへ!」
トラップの発動とともに、後ろのドアは閉ざされていた。恐らくこれはトラップの根源であるボックスを破壊しないと、中からは開かないタイプだろう。外からメテオラが訪れるか、中でボックスを破壊しないと、俺達は全員ここで死ぬことになる。
っ……そんなこと、認められるか。俺はサチと約束した。メテオラもさっきしてた……君は死なないと。俺が守ると。それなのに……
「認められるかああぁぁっ!!」
水平に振りぬいた片手剣が、斜め上に跳ね上がり、手前側にいた人形型のモンスターを、合計三体を一気に駆逐する。さらにライトエフェクトを纏ったままの剣が、垂直に振り下ろされ、奥にいたもう一体を葬り去った。
片手剣三連重攻撃の「サベージ・フルクラム」。少し前に習得した連撃系の重攻撃だ。いつもこのスキルを使って慣れているから、これであの箱までたどり着く……!
皆を死なせてたまるものか……!
その思いと共に、俺は剣技も使ってがむしゃらに戦った。それでも余りに数が多く、段々とサチから切り離されていく。レベルが60を超えていても、数の暴力にはまだ対応できないか……!
「キ、キリト!」
その叫びに思わず後ろを振り向くと、サチは腕の長い人形数体に囲まれ、盾の後ろに何とか隠れているような状態だった。俺が急いで戻ろうとすると、今度は反対側からも声が上がる。
「キリトォー!」
「頼む、援護に来てくれ!」
ササマルとダッカーからの要請だ。テツオはどうなってる?
「くぅっ、ゴメン、キリト!俺だけじゃ、二人を守れない!来てくれ!」
その声に、向かおうとした足を思わず止まる。その一瞬が、致命的な遅れとなった。
サチの横にいた人形が盾を掬い上げるように跳ね上げ、サチが無防備となったのだ。
「い、いやああぁぁっ!」
サチの叫び声と共に、周りにいた数体の人形の腕が、ソードスキル特有のライトエフェクトを纏う。
「やめろおぉーっ!!」
その叫びは、無情なモンスターに通じるはずはなく、サチにその攻撃が振り下ろされる―――
「させるかああぁぁーーっ!」
前にこの場にまるで白い隕石のような
―――――
side 流星
「おーい、キリトー?」
俺がアイテム整理をしている間に、キリトのやつどこに行ったんだ?集中しすぎt…………アラーム音?
「このダンジョンの誰かがトラップに……まさかっ!」
急いでモンスターが続々と集まっている部屋に向かう。その途中、敵がこちらに牙を向くが両手にそれぞれ一本ずつ持った片手斧で切り裂いていく。
扉を開けると、モンスターを捌ききれていないキリトにジリ貧と見える男性プレイヤー3人そして、人形モンスターに囲まれ孤立した……
「サチっ!?」
たった今盾を跳ね飛ばされた盾が地面に落下し、周りのモンスターがライトエフェクトの光を放ち始める。
中の奴らは間に合いそうにない。なら……!
「させるかああぁぁーーっ!」
持てる力すべてを持って救助する。守ると約束した以上、死なせるわけにはいかん!
ソードスキルの出し惜しみもしない。
片手あたり5連撃の移動技で、モンスターを一体倒すごとに2連撃追加、更に加速するもので、倒せば倒すほど、その分硬直はとんでもなく長くなるが、そのデメリットも終わったときに敵がいなければないに等しい。
このフロアのモンスターは一撃で倒せるほどのレベル差なので、俺は止まることをを知らない殺戮マシーンとなる。
目に見えて部屋内のモンスターが減っていく。だが、湧くスピードは一向に減らない。何をすれば……
「トラップボックス……箱を壊してくださいメテオラさん!」
周りにいるモンスターが消え去って、回復しているサチが根源を教えてくれる。
その箱を見ると……確かに、あれが原因のようだな。
「どうも、サチ!」
移動の方向を箱に転換する。そして、
「ぶっ潰れろおおぉぉーーっ!!」
箱を2つの斧で力任せにたたき、粉砕する。
すると、さっきまでの状況が嘘のようにモンスターが消えた。
こちらの3分もの硬直が終わるまで待ち、終わった瞬間に口を開く。
「……一旦拠点に戻るぞ。」
座標を購入予定のギルドハウスに合わせた回廊結晶を取り出し、使用する。次々にそのゲートをみんなが通った後、最後に俺が通ると、そのゲートは閉じられた。
―――――
回廊結晶でギルドハウスに戻ってきた。そこでは、やつれた顔をしたギルドメンバーにケイタが目を丸くしている。ハウスは買えたようだな。この家に帰ってくるやつがいてほんとによかった……
ケイタたちのギルドメンバーに向かわせて正座させる。
そして、事の経緯を現場にいなかったケイタに全て説明をした。
「―――そして大事を取って、ここに戻ってきた。」
「そんなことが……でもみんな無事で良かったです。」
そして俺の顔は正面から横……さっきからずっと下を向いてるキリトを見る。
「それはそうだが……キリト。自分が何をしでかしたか、わかってるな?」
「……はい。」
「メ、メテオラさん……そんなキツく言わなくても……」
ケイタが宥めようとするが、そうする訳にはいかないな。
「ケイタ……自分の仲間がこいつの慢心で、死ぬとこだったんだぞ?」
「っ……!」
自分の仲間たちがデスする場面でも脳裏に写ったのか、眉間に皺がよってなんとも言えない感情が渦巻いてるのがわかる。
驚愕や安堵、激怒に怨嗟……
「とはいえ、俺も目を離したこともこのことを引き起こす原因になった……俺も謝る。この通りだ。」
俺も腰を直角に曲げて彼らに向かって謝罪する。周りに気を配っていたらサチに怖い思いをさせずに済んだのだ。
「これだけで解決するなら警察はいらないほどだ……何か罰をくれ。」
「うーん……今回の探索のドロップ品と、消費した道具で、いいですか?」
「……そんなので、いいのか?」
キリトはさらに巨額を請求されるか、退団や自刃といったもっと重いものが来ると思っていたようだ……しかし、本当にそれで構わないのか?
「はい……ミスは誰だってするし、今回も運がなかっただけです。メテオラさんがいなければ、サチ達はもう居なかっただろうし……感謝したいぐらいです。」
「そうか……ケイタがそれでいいというのなら、それでいいんだ。今から渡すな。」
そう言って今回のドロップ品を次々と渡していく。
トラップのときに集めたものが大半だった。
―――――
ギルドホームに泊めてもらった数日後、転移門で最前線に向かう俺とキリトをギルドの仲間たちが見送りに来てくれた。
キリトはその後、自主的に退団した。ケイタ達は惜しがっていたな。
「来たくなったらいつでも来てくださいね……!」
「そうさせてもらうよ。な、キリト?」
「あぁ!」
そう言って後ろを向きかけると、サチに呼び止められる。
「あの……これをもしよければ……下手ですけど。」
そう言って俺とキリトに手渡してきたものは、キリトは黒地に白く「KIRITO」と書かれた金属製の涙型の根付で俺は白地に青文字で「METEORA」と書かれたこれまた同じ形の根付だ。
あれから生産職にジョブチェンジしたサチが初めて作ったものだという。
「ありがとう、大切にするよ。」
「すごいじゃないか……きっといいデベロッパーになるよ。」
「えへへ……これからがんばりますね。」
そうして彼らと別れ、久しく攻略組としての活動をする。おそらく40層までは前線にいるだろうな……
「そういえば、あれから2年経ったのか……メテオラの根付の青色で思い出したけど。」
36層について、安全圏を出てすぐのところにいたフィールドボスを倒したところでキリトがそうこぼす。
「2年前……?そうか、
「メテオラはあの時、どこにいたんだ?あんな
……これ、言い方によったらバレるよな?
「ちょっと人とは違う場所、だな。」
「なんか含みのある言い方だなー?」
「でもあれ解決したの
「……そういやそうだな。青く光るあれ、あのときは緑に光ってたらしいけど……乗ってた人は見つかったのかな……?」
あれを解決したそいつは、意外に近くにいるかもな?
「さぁ、な……ほら、さっさとこの層のダンジョン全部攻略しにいくぞ!」
今日もアインクラッドの攻略は進んでいく。
〇〇とは、生存でした。
ISの方でもそろそろ答え合わせが近づいてるのでここでもプンプンさせときますね……!
想像を膨らましておいてください。
別で投稿しているISと話が繋がっているので、一緒に見ると、面白いと思います。ぜひご覧ください。
下のURLからジャンプできます。
https://syosetu.org/novel/317050/
最近、小説の頭に乗せている誰かの1幕は……
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アリ
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ナシ