アンケート、ユウキやっぱり人気ですね。それに次ぐアルゴもまた……
side キリト
フロアボス?のような敵を5体倒したかと思えば、謎の装備を手に入れて湧いてきたゴーレムを一撃で倒した。
あの武器はナックル型……かと思えばクローのような機能も持っている。
俺は初めて見るが、メテオラはかなり使い慣れているみたいだ。
「……メテオラ、その子は誰なの?もしかしてまた迷い込んできた……」
「いや、そういうわけでもないぞナフィラ。」
そうメテオラが言うと、横にいた子はウィンドウを広げる。そこに書いてるのは『Char』……シャア?
「MCHP?なにかの略か、ち、ちゃーさん?」
ちゃーってガラハド……絶対、麻雀の『西』じゃないぞ……
「私はシャア・アズナブル。ケアボットという人工AIだ。元々は私の他にも、多くの同胞が存在していたが……縁あって、今召喚された。」
彼の名に、ミトが反応を示した。
「シャアってあのアニメに出てくる、本名キャルバス・レム・ダイクンの!?」
「……ああ、私はその人物を参考にして作られたようだな。」
「お前本人そのものだろ……」
「何か言ったかメテオラ?」
「いんや何も。」
聞こえてたんだがな……さっきのは、見た目がということだろうか?
ミトが「かわい~!」と言いながら、ペタペタとあちらこちらを触ったり、頭を撫でている。なんかの道でも開いたかのような顔してる。
「て、丁重に扱ってくれ!あっ……ちょっ……そこは……」
撫でくりまわされて何やらアブナイ事になりかけてないか?
まさかとは思うが、アスナも……
「私も、シャアを撫でたい……」
アスナ、あなたもか。
「というか人工AI?そんなの、ベータにあったか?」
「なかったな……恐らくアルファでおじゃんになった計画か没データかのどっちかと思うが……?この際、この武装と一緒にアルゴに聞くか。」
とりあえず、一行は50層フロアボス戦場を離れてアルゴのもとに向かう。
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「結論から言うと、オレっちはどちらも知らなイ。というカ、すまなかったな……メテオラ。危険な目に遭わせテ。ほんとになんて謝ったらいいのカ……」
「あれくらいならどうってことない。他のやつが興味本位であのクエストを受けて、デスするよりかはマシだ。」
「……そういうわけじゃなイ。」
アルゴ……?もしかしなくても……流星に……
「ん……?ならどういう訳だ?」
「もういイ!」
そういったきり、そっぽを向いたアルゴ。
メテオラは何が全く解ってない様子で首を傾げている。
そっちはそっちで気づく素振りも見せないな……!
「うわぁ……」
「もしかして、女の敵だったりする?」
「……朴念仁。」
見ろ、女性陣からも声が上がってるぞ。
「……どういう訳なんだ。」
それでもわからないなら……もう天然としか言いようがないな。
「いつか分かってくれ、メテオラさん……」
「分かるって……努力はしよう。」
その一方でシャアは今、アスナの膝で抱えられている。アスナの方はまんざらでもなさそうだが、シャアの方は……あれ?
「……あれ大丈夫なのか?」
顔を真っ赤にして……動かないぞ?
「ほっとけ。他意がない状態でああやってされることに耐性ないだけだろ。」
ほんとか……?間違えて変なこと起きたりしないよな?
そんで、このVNの方なんだが……」
メテオラが気まずそうに白い塊の装備ステータスを見せる。
「要求レベル……150以上!?」
「耐久値が、わからない?絶対リズベットの興味引く装備だよね……」
みんなが、口々にそのステータスに舌を巻く中、ガラハドだけ違う反応をする。
「あのボスラッシュだ。それくらいの性能なかったら困るよなメテオラ?」
「そりゃそうだが……なんだ、俺がこんなの持っていいのか?」
「当然だ!似合ってるしな!」
「……そうか。」
ガラハドも、粋なこと言えるじゃないか……
「話は変わるが……明日の夜、一層の俺のギルドに来ないか?……いや、スカウトとかするわけじゃない。」
ベセスダの酒場にか……?なんか行事でもあるのか?
「明日?何かあるのか?」
「……今日は何日か覚えてるか?」
今日は、12月24日……そういうことか。
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side 流星
「麻婆豆腐を作ってみた……見た目も味も、リアルに寄せてるから抵抗は少ないはずだ。たーんと食ってくれ!」
時はクリスマス。一層にあるギルド『ベセスダの酒場』ではクリスマスパーティーを開いた。300人以上が集まるホールでは、歓声が上がる。
もちろん、さっきの麻婆豆腐に加えて、色々な料理がギルドメンバーや昨日のやつらが座っている机の上に、所狭しと並んでいる。見た目は……現実のものより程遠いものが多いが。
「ほんとにこれどうやって作ったんだ!?」
「美味い、美味すぎる!」
「お、おいひい……」
「ここでも、中華を食べれるなんて……思ってもなかった……」
いろいろな方向から感想が飛んでくる。
この感想が作っていて、何よりのご褒美になる。
というかカンザ……そんな涙流すほどか……?
「……この味……絶対に忘れない。」
「そう言ってもらえて何よりだ、カンザ。」
「おかわりは大量にあるから遠慮するなよ!」
『はーい!』
ふぅ……数百人分作るのは流石に骨が折れた。
休む前に……もう一仕事だ。
「……メテオラ、どこに行くの?」
「シャアのとこだよ。あいつにも、飯を食わせたくてな。」
みんながワイワイと騒ぐ中、ユウキの目線を感じながら俺はあいつのもとに向かう。
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別室。始まりの町の広場に置かれた大きなモミの木が見える位置に座ってるシャアに声をかける。
「持ってきたぞー。」
「感謝する……頂くとしよう。」
シャア華奢な腕でスプーンを持ち、それを掬って口に運ぶ。
目をつむって何度か咀嚼した後、飲み込んでから目と口を開けた。
「……美味いな。昔を思い出す。」
「だろ?遠慮なくどんどん食いな。」
するとシャアは料理にがっつく。
みるみるうちに、皿に盛られた料理がなくなっていき……
「腹が満たされる感情……久々に感じることができた。」
その後に「後でおかわりしたい。」と続けた言葉にオッケーを出す。
「そうか、あんたが飯を食えたのは、2……6か7年ぶりか?」
「年齢を数えた年数ならな。ほんとは何年経ってるか、正確なことはわからないが……」
そういや、
「とりあえず……こっちの世界に送り届けてくれたララァや束に感謝しとけ。」
「そうだな……また、彼女達にあったらそうしよう。」
そうしときな。特に束にはVR内とはいえ肉体作ってくれたこと拝んどけ。
おん?まだなにか言いたげだな?
「話は変わるが、そんなにレベルが高いのは……
いまの経験が
二度目……確か、初めてのときはこんなごちゃまぜの世界じゃなかったような……だが、
「そん時のことは……あんまり覚えてないけどな。体のどこかで覚えてんだろ?」
実際数百年も前の話だがら、ほとんど覚えてることはない。
その世界で、何があったかもな。
なんかの拍子で思い出すかもしれないが。
「そうか……やはり、私達の概念を以てしても説明できない事があるんだな。」
「いろんな世界、解らないことだらけだよ……そんでさっき言った世界でも、一つだけ確実に覚えてることがある。」
最後の言葉に、シャアが反応する。
「その内容は?」
「一回死にかけたある女性プレイヤーに誓ったんだ。『そいつの相方は、死んでも守るって。』実際、それするために何回その世界で死んだんだよなぁ……」
脳裏に、軍服を着て敬礼をした場面が鮮烈に浮かんでいる。
「無茶をするのは初期からだったのか。宇宙世紀然り、昨日の件然り……周りの女性のそれにも気づかない辺り、どこか抜けてるな。」
そんな顔して呆れないでくれ。というか、キリトもシャアも、俺が女性に何をしたっていうんだよ。
「……何の話してるの?」
声のする方向を見ると扉が開いており、ユウキの顔がひょこっと見える。
「ま……昔話をシャアに駄弁ってただけだ。んで、どうしたんだ、ユウキ?」
「プレゼント交換大会が始まったから、メテオラも参加しない?」
そういやそんなことするって言ってたな。
「そうか、それなら戻るとするか。」
「……ボクも、メテオラにプレゼントを持ってきたんだ。」
その右手に持ってる箱か?
「それは嬉しいな……あっちで貰うよ。」
……ん?なんで顔赤くして不満そうな顔するんだ?
「できれば……みんなの前では渡したくないな…………」
「そういうところだぞ……」
だから何がだよシャア。
ちなみにプレゼントはふかふかの白いマフラーだった。
実は、誓いのシーンはポンコツNO氏の作品ではまだ出ておりません……然るべき時に、彼が投稿してくれるので、気長にお待ち下さい。
次回よりピナあたりをお届けします。お楽しみに。
最近、小説の頭に乗せている誰かの1幕は……
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アリ
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ナシ