そして何故かいつも見るユウキのラストシーンで涙する……
新年2発目の投稿です。ちょいと長め。
それではどじょ。
「オタコンさん! メタルギア月光のインストール完了しました!」
「会社のサーバーのリソースを全部こっちに持って来てくれ! まだまだ処理が追いついてない!」
「『ユウキ』っていうプレイヤーにテイムされてる『ELS』っていう生き物、意思を持ってるの……!?」
「これで、仮想世界のプレイヤーがどうにかしてくれるといいが……その見込みは、篠ノ之博士?」
「五分五分って言ったことかな……私はあのりゅーくんについてるゴミを妨害してみる。まーくんは『ELS』になにか話してみてよ?」
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side イーライ
「話はもう
……どういうわけか元いた世界の住人で、アメリカとソ連どちらからも敵視されてきた、CQCの生みの親であるザ・ボスに左の欠損した場所を治療してもらいながら話している。
「……間違いない」
あいつは、自分で溜め過ぎて……俺の目の前でそれが破裂した。
そして周りの奴らが必死に止めようとして、一瞬は止まったかのように思えたが……
「……だが再起動して、もっと暴れるようになったと」
今も地響きがして、ここに残っているプレイヤーが今も尚メテオラと闘っている。
この闘いデスしたやつは……ちらほらと出始めているか。今のところ血盟騎士団の奴らが3人メテオラの餌食になった。
「なるほど……あんたはキャルゼイム、だったな?」
俺の説明を最後まで聞いたザ・ボスは、近くで浄化結晶を使っていた男……キャルゼイムに声をかけた。
「なんだい、マダム?」
「あんたのさっきの攻撃は、またできるのか?」
「できるが、やった所で……」
「自信をなくすな……次は他の人と同時に攻撃してみろ、まだ決まったわけじゃない。後、あなたの今自由奔放にしているお仲間にも、ここに来るように伝えておけ」
事前に情報でも把握していたのだろうか……キャルゼイムの仲間も来るように指示をした。
「……お見通しか。わかった……どうにかしてでも、今すぐ来るように伝えておく」
そう言った直後ウィンドウを開けて、小走りしながらキャルゼイムはその場を去る。
そしてここに残ったのは、欠損部位の回復が終わった俺とザ・ボスの二人。
「おい、ザ・ボス」
「何だ、リキッド?」
「……あいつを殺さなくていい、可能性は?」
「ここにいる人達の努力次第だ。流石に私だけの増援では厳しいかもしれないからな……
もう一人……?
ザ・ボスの影から出てきたのは……
「リアルネームが良くないのなら……シャラシャーシカと名乗らせてもらおう」
シャラシャーシカと名乗った男は非常に見覚えがあった。
銃弾が敷き詰められたベルトに、特徴的な金髪……オセロットまで……!?
「またあったな、
奴の象徴的な物と言ってもいいリボルバーを器用に回し、刹那……やつに発砲した。
「……?』
キョロキョロとして、己の頭に銃弾を当てたのか誰だと探し始める。その間にも、プレイヤーと戦闘していることに変わりはないが……辺りを見回す分、ほんの少しだけ動きに遅れが出ている。
「あいつを止める時間稼ぎだ……現実でも、彼を助ける為に多くのやつが動いている」
「……剣の世界に飛び道具とは、随分な神経を持っているな?」
「あいつの実力と今の状態を考えれば、これでも足りないくらいってお前もわかっているだろう?」
「……!』
「さて……今のでスネークは俺にお熱になったようだし、そろそろ今闘っている奴らの応援に行くとするか」
……誰に撃たれたか気付いたメテオラは、オセロットの姿を認めると戦闘場所を徐々にこちらに近づけてくる。
普通なら一直線に来るっていうのに、自我がない状態でもあんな芸当ができるのかよ……
「RAYとREXよりゴテゴテしてるっていうのに、ちょこまかと動く……気をつけろ」
「……BICBOSSの事はよーく分かっている。あいつが今、それ以上の実力を持っていることもな……
先に戦闘に参加しておく。話が終わったらすぐに来てくれよ?」
「こっちだ、化け物!」
「……』
リボルバーの早打ちをしつつ、驚異的な速度のリロードも行いながらオセロットはあいつとの戦いに身を投じていった。
「息子が目の前で死ぬことは、私とてかなりくる……早くいくぞ」
「え……はっ!?」
オセロットの母親発言に衝撃を受けつつも、装備を再度固めてもう一度奴に立ち向かう準備を進める。
盾持ちは優先的に攻撃している様子だ。ガラハドとかいうやつは離脱したようだが、ここに残っているやつはオセロットの次に狙われている……とにかく、動き回る作戦で行こう。
「……まさかとは思うが、あんたも飛び道具を持ってきているんだろ?」
「無論、私も体一つでここに手伝いに来たわけではないからな」
そうして片手に持っている飛び道具を見せてくる。
あんたもあんたで、なんてもの持ってきてるんだよ……
『モー』
……よくわからない二足歩行のやつも出てきたんだが?
後で聞いてみると、メタルギア月光という名前らしい。あれが……メタルギアだと?
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side ヒースクリフ
「ほらほらどうした!」
『……」
飛び入りで参加してきたリボルバーを持つプレイヤーと、その後に続いてやってきた男女二人ににヘイトが向き……今まで闘っていた私達にゆっくり回復アイテムを使う余裕ができた。
先程までは聞こえてこなかった銃声が、戦場に響き渡る。
誰も見ていないことを確認してから、開発者のウィンドウをちらっと覗いてみた。
「少し前にSAOの職員アカウントで入ったものが2名、それも別のVRMMOからデータを移植。そしてカーディナルの一部が外部によって書き換えられているか……」
内容は……意図的にメテオラくんの動きを抑制したり、彼の持つ武器の攻撃力を下げようとしているが……彼をのっとっているナニカが反撃していて、状況は膠着状態。しかし……そちらにも集中しないといけないのか、動きが時折単調になりかけたりしている。
『りゅーくんを助けるまでは手を出すな』というこの一連のことをしたものが残したであろうメモ書きが残されている。
りゅーくんとは、メテオラくんのリアルネームのあだ名だろうか……それほど彼と親密かつカーディナルを書き換えることができる高度な知能を持つ者が、彼の為に動いていることに違いない。
……この件が終わったあとに、是非ともこの事をした本人と喋ってみたいところだ。
追加した覚えの無いモンスターとそれをテイムしているプレイヤー。
自らの意思でゲーム内にも反映された技。
想定外の同時カンストによる、ユニークスキルの重複。
そして……それらを全て跳ね除けるあのメテオラくんの変化した
やはり、RPGでイレギュラーなことは起こるものか。これが醍醐味と言うもの……つくづくやった甲斐があると思えるものだ。
……だがそれよりも、今はこの状況に集中しなければならない。今のところ、奇跡と入れるほどに彼による死者はいない。だがいつ出てきてもおかしくない状況……
今は、ここにいるプレイヤーがアインクラッドの命運を握っている。
「諦めるな、キリトくん」
「……ヒースクリフさん? もう、あいつは「諦めてどうするっ!」っ!?」
近くで、目が濁った……半ば諦め気味のキリトくんを見かけ発破をかける。
これはかなり私情……かもしれないが。
まだ、彼とガンダムの話をたんとしたいからな……
「あいつは……メテオラは、もう帰ってこないんじゃ……」
「……しかし、諦めてない者が今もいる。彼が助かると確定していない中、不純な動機で動いている者たちだろう」
ここにいる誰もが彼を救おうと動いている。かくいう私もその一人に違いない。
「ヒースクリフさん……」
私の持っている十字盾に鋳込まれた、見様見真似で作ったサイコフレームモドキが共振を初め……淡く緑色に光り始める。
こんな贋作でも反応するとは……それほど、周囲のプレイヤーの思いが強いのか。
「きみを死なせるわけにはいかないのだよ……メテオラくん!」
そして、もう一度闘いに身を投じた。
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side ユウキ
『……」
「くっそぉぉおおおっ!」
「……無念っ」
次々に、プレイヤー切り臥せるメテオラ。
どうやっても、どんなに瀕死のプレイヤーを守ろうとしても……スリップダメージで体力が尽きる。
「こっちだ、化け物!」
『……!」
何故か銃を持っている複数のプレイヤーに彼の注意が向いて、戦場がここから離れていく。なんか後ろに変な形のものがゾロゾロとついて行った……あれなんだったんだろう?
目の前に残ったのは……燃えた草原と、さっきまで生きていたプレイヤーが持っていた武器がいくつか転がっている状況。
「メテオラ……どうして……」
……もっと、メテオラは辛いことを自分で抱え込んでいたんだ。あんなふうになるまで、ずっと、ずーっと……
ボクを助けてくれるって言ってくれたあの時にもし、メテオラにもっと食い下がっていたら……
「……ユウキ、そういうのは終わってからでも遅くない。いま全力を出さないと、今悩んでもずっと悩んじゃうだけだよ?」
「元気だしなってユウキ! 終わってからあいつにギャフンと言わせような!」
「カンザ、ゼータ……わかった」
まだ頑張っている皆がいて、ボクがしょげるのはよくないかな……?
これからも……生きていく為に!
「オッケー。ユウキ復活と……それで、このままじゃジリ貧になるね……なにか、打開できるきっかけがあるといいんだけど?」
「それならさっきキャルゼイムさんから……」
さっきメテオラに有効打を与えていたプレイヤーから、ほっつきあるいていた仲間を見つけたのですぐに戻ってくるというメッセージがここで戦っている全員に送信されている。
「あの銃を持ってたプレイヤーが、キャルゼイムさんの準備ができるまでどれだけ粘れるか……」
『……」
『モ゛ォーッ!?』
頭に箱が乗った二脚のものが空中に打ち上げられ、同時に飛び上がったメテオラの持っているエネルギーブレードで両断される瞬間が見えた。続けざまに、同じ頭に箱が乗った二脚の物体から噴き出す血飛沫があちらこちらで見える。
「そう長くはなさそう……待って、なにか来る!」
呆然と戦闘を見ていると、索敵スキルにメテオラ以外の多くのなにかが引っかかった。
これは……私達にモンスターが近寄ってきてる? それも……
「この子たち、この前にユウキがテイムしたって聞いてた……」
「ELS……なのかな?」
おおよそ十数体確認できるELSは、以前見たことのある槍形もあれば、角ばった形状をしている個体もある。
何より驚いたのは……私がテイムにしたことになっていること。
……こんな数テイムした覚えはないんだけど?
「ちょ、ちょっと!?」
「こんな時に……!?」
そのELSの大群はそれぞれのプレイヤー目掛けて飛んでくる。
「ユウキ! こいつらなんで今来たの!?」
「もしかして、ユウキのテイムしたモンスターを……」
……だとしたら、どうしてみんなの所に飛んで行っているんだろう?
ふと気になってみたから、索敵スキルでELS達の能力を調べる。
……レベルが全部同じで、テイムした日も…………
もしかして……一つ一つが別の個体じゃなくて、あれで一つの個体っていうこと?
てことは……
「待って! この子達は……敵じゃない!」
「えっどういうこと!?」
「
なぜかは知らない……だけど、この子は大丈夫。話し合えると……そうどこかで心が分かっていた。
こちらにやって来たELSを受け入れる……
「……痛ったい!?」
……できればもうちょっと優しくぶつかってほしかったけどね。
あるELSは腕に絡みつき、元々あった剣が粘土のようにぐにゃりと歪んで、もう一度固体に戻ったら……緑の縁を持ったボク以上の腕の大きさを持つ直剣に変わる。
胴体までの半分以上まで覆ったものは、色と形が変わり青と白の鎧のような形状に変化し、肘や膝などにくっついたものは、鎧みたいなものと同じように青や白色になった。
きっと、今のボクの外見は白と青のフルプレートアーマーを状態になっているんだと思う。
装備名は……『EXIA』っていうらしい。
(『──―』)
頭の中で、誰かの叫びがノイズになって響いている…………頭が、痛い。
でも、大丈夫……この子に怖がらなくていい。この子達は、話したいだけだんだ。
そう思った矢先に、なにか背中から粒々が噴出して……周囲にそれが漂い始める。
(『──―
痛みが引くのと同時に、聞こえるノイズが消えてクリアな声になった。この声は……ELSの……?
それに、何故かこの粒々の近くにいると心が暖かく感じる。この粒々のおかげで、話せるようになったのかな……
メテオラから出ている緑の粒子と色は似てるけど、真反対の印象を受けた。
(『どうか……お願い』)
……最初からそのつもり。
メテオラとの約束も、メテオラが死んじゃったら元も子もないし、それに……
(『……好きになった人を守りたいんだね』)
……そのこともある、かな。
今は……そっちの方が闘う理由として大きいと思う。
(『⬛はこういう形でしか、応援出来ないけど……彼を任せたよ』)
「……なるほどね。見た目に反して、話せる物からメテオラのこと任されたよ。カンザも?」
「だいたい同じ。にしてもこれ……」
ELSとの話から、意識をこちらに戻して周りを見れば……ゼータやカンザの武器がよりメカメカしくなっていて、身体の随所にはプロテクターのように色々な色の鎧が付いていた。
少し遠くではキリトとか、アスナなどにも似たような装備が付いたのがちらほらと見える。
「私の片太刀鋏、なんか更にイケるデザインになったね?」
「全部に……ロマンが詰まってる」
目を爛々と輝かせるカンザ……やっぱり、カンザってアニメが好きなんだね。
こうやって、ELSに力を貸してもらって使わないのは……あの子に失礼だ。
「早速……試してみよっか!」
『ロストコード』から『GNソード』という名に変わった右手の剣を振るい、拳銃を持っているプレイヤーに飛びかかろうとしていたメテオラの正面から止めに入った。
体にロケットがついたかのように一気に飛び出る。
別にあのプレイヤーは避けれただろうけど、ちょっとちょっかいかけさせてもらうよ。
『……!?」
メテオラの顔? は分からないけど、明らかに動揺の色を隠せていなかった。
エネルギーブレードと……鍔迫り合い出来てるということに。
ちょっと力負けはしてるけど、さっきに比べたらELSがサポートしてくれる恩恵が大きい……!
メテオラが右手のクローを構えたのを見て、GNソードの角度を少しずらし……ボクに当たらないように彼のブレードいなして後ろに下がる。
今度は逆に一気に後ろに下がって、昔……宇宙飛行士が飛んでる様子をそのまま体験したみたいにふわりと着地した。
「ほぉ……さすがはボスの教えを受けていただけある。いいセンスだな、あんた?」
後ろから聞こえてきたのは拳銃を持った男のプレイヤーからの、お褒めの言葉。
正直、お小言貰うと思っていたんだけどね……
「ありがとね、見知らぬおじさん」
「おじっ……俺はオセロットという名前がある!」
「……じゃあ、オセロットおじさん」
「俺は現実でも23歳だっ!」
「ボクから見れば十分おじさんの年齢だよ?」
「ぬぬぬぬ……」
10歳くらい離れてるし……メテオラの年上の知り合いみたいな雰囲気だし。
しょんぼりしたオセロットさんは女性の人と、イーライさんに慰めの言葉をかけられている。
「……ユウキだけで始めちゃってる?」
「ううん、これからだよ」
追い付いてきたカンザやキリト、ゼータ達や仲間を連れてきたキャルゼイムさんも武器を構えて、ここにいる30人ほどがメテオラに向き合う。
『モー』
……それと何体かの箱付き二脚。
『……コイ。オ前タちヲ殺す」
メテオラは、さっきよりも凄みを増して右手のクローを空気を引き裂く音と共に一振りする。
「そのままそっくりお返しするよ、メテオラ!」
闘うんだ……好きな彼のために!
嵐が去るまで、もう少し。次で一応……
このシリアスを読んだ後にポンコツNO氏の〜「その武器なし、ENJOY勢〜」を是非見てほしいです。
話の一話一話が読み甲斐ある上、昔のメテオラのここでは考えられない意外な一面を見ることが出来るのでね……
最近、小説の頭に乗せている誰かの1幕は……
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アリ
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ナシ