SAO 白き隕石の軌跡   作:どこぞの機械好き

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さてここから終盤……そろそろ出口の光がほんのりと見えてまいりました。
……ホーンの少しですが。


第27話 お肉

 side メテオラ

 

 今いるのは、1層にあるギルドホームについている飲食店の席。宴会できるような席の配置を考えるとわかりやすいか。

 

「『ユニークスキルを獲得しました!』だと……これがか?」

 

 おくりものと題されたメッセージを読んでみると……

 一文のメッセージを読み終えた後に広げたスキル欄にはアームドアーマーVNや斧系のずらりと並んだ一番下に、新たに一つのスキルが備わっていた。名を『黒い鳥(かつて世界を滅ぼした物)』と言う……つまり先日の人のサイズまで縮んだアレ(N-WGIX/Vのちっちゃい版)

 

 ……思わず目を押さえた。なんでこんな物を渡してきたのかと。

 

 俺が暴走していた時のことを聞いていたが……あまり使わないほうがいいだろう。コジマ粒子を使っている周り、周囲への被害が計り知れない。

 こいつは、強すぎる……修正が必要だ。今、一プレイヤーである俺はできないが。

 

 …………と、ここでまたメールが来た。次は『FFは決して起こらない』だと? 

 なんで俺の考えている事がわかるんだ……? 

 

「どこから見られて……うおっ」

 

「なんのメッセージが届いたの?」

 

 誰が俺を見ているのか見るために頭を上げて首を回すと、すぐそこにカンザの顔が……近っ。あと少し近かったらぶつかってたぞ? 

 

「ん……ただ、匿名で心配してくれるメッセージが届いてな、ちょっと心に響いてたんだ……あと少し近くないか?」

 

「……へぅぁっ!?」

 

 そのことを指摘すると、顔を真っ赤にしてゼータやミトのいる席に向かって驚異的な速さで戻っていった。

 ……今の技教えてほしいな。絶対戦闘とかでも役立つだろうし。

 

「メテオラは、まーたそんなこと言って……」

 

「そんなことって、今の話になにかあったか?」

 

 一連のやり取りを見ていたユウキが、俺にお小言を与える。

 しかしそんなことって、何だ……? 

 

いつ気づくんだろうね……でも、いつも通りになって本当に良かった」

 

「……そのことは本当に迷惑かけたな。これからは、悩み事があれば話すことにする」

 

 ……これまでのことを、ここにいるプレイヤーに打ち明けた。どうして、今まで話してこなかったんだろうか……

 言葉としては非常に軽いものだが……今までできていなかった結果があれだ。

 

「……それ何ヶ月前の話?」

 

「2ヶ月位……か?」

 

 多少……引きずってはいるが。あの俺が暴走したことは、寄生型モンスターが現れたということで落ち着いている。

 そういうふうに情報を流してくれたアルゴには、本当に頭が上がらない。当の御本人は、俺の座っているテーブル席の前でこの話を聞きながらフルーツジュースを飲んでいる。

 ギルメンじゃないんだが、最近良くわからない理由で来る時がある……なんでかは、いずれか聞くとしてだな……

 

「ずっとそのこと考えてるじゃん……その話題も早く次に進まないと、またおんなじだよ?」

 

「そうだなユウキ。そろそろ、このじめったい話も終わりにする」

 

 また頑張るよ。と言いながらユウキの頭をポンポンと叩くと「んもーっ!」と言いながらカンザと同じく頬を赤くする……俺が撫でたら、どうしてそんな感情が生まれる? 

 

 そうしているうちにウトウトしてきた彼女を横にして、今度はシャアと話を始めた。

 それはもう、いろいろなことを喋ったな……いままでのことを、たんと話したさ。

 

「―――いつも、私も相談してばかりだったからな……」

 

「それを踏まえてやったのが、アクシズだったと……まぁあの結末からしたら、どっこいどっこいなんじゃないか? アルテイシアに手をかけなくて済んだわけだが」

 

「……まぁな」

 

 

「赤い彗星の……」

 

「……生会話!」

 

 少し遠巻きに、青髪の薙刀使いとどこかの団長さんがずっと目を輝かせている。というか団長はギルドの仕事をしなくていいのだろうか。なにかその秘訣があれば是非教えてもらいたいところだ。

 俺のことを知ってもらうために、シャア達は前世のことをカミングアウトしているからか……一部界隈ではぐっとこいつの知名度も上がった。

 

 ……しかし、前世か。

 

「もう話した後だから、どうにもできないが……リアル(現実)のことを本当に話してよかったのか?」

 

 ちょうど、聞かれるだろうと思っていたことがキリトの口から聞こえる。

 あのことを話した後だ。聞かれてもおかしくないと、思っていたからそれに対する答えがすぐに出た。

 

「ああ、キリト……その記憶は今の俺のものじゃない。一度完全に切り離して、その周りで消えていった人と距離をおくことにしてる。それで今は大丈夫だ」

 

「そっか……それで立ち直れたのなら、良かったよ」

 

「……して、どうしてここにいるんだ?」

 

 ここの食堂は特に敵意のないプレイヤーならば、ギルメンじゃなくても出入り自由にしているが……

 キリトが来ることは珍しい。

 

「ちょっとお願いがあって……」

 

 ────―

 ────

 ──―

 ──

 ―

 

「これは……肉だと?」

 

「ああ。【ラグーラビットの肉】だ!」

 

「これは……【ラグー・ラビットの肉】!? S級食材じゃねえか!?」

 

 エギルの店のカウンターに置かれた、S級食材という肉の塊。

 拍子抜けたな……もっと重要な用事があると思ったんだが……

 

 そんな事を思いながら驚いた様子のエギルと相談しているキリトを眺めていると、キリトが俺の方を見てある事を思い出していた。

 

「そういや、メテオラって確か料理スキルも十分にあったよな?」

 

 ……どうやら、売れなかったら自分で食うつもりらしい。

 

「たしかにこのうさぎの肉は美味しい……しかし他にもS級食材じゃないが、うまい肉があるな。俺はそっちのほうが好きだ」

 

「……例えば?」

 

「物によったらうまいのもあるぞ? 例えば……35層のドラゴンクエイブとかは……」

 

「誰があんなやつ食べたんだよっ!?」

 

「食べてる感じがしっかりしていて、スパイシーな味付けにしたらうまいんだがな?」

 

「「本当に食べたんだっ!?」」

 

 ……食ってみないとわからないものなんだがな。キリトとエギル二人して驚く必要はないだろう……

 

「……ともかく、これをどうしたいんだ? 俺が料理するなら、一番うまい作り方でやるから……3ヶ月はかかるぞ?」

 

「三ヶ月っ!? 何作るんだよ!?」

 

「それはだな……あ、アスナだ」

 

 俺が何を作るのか話そうとした瞬間、入口のベルが鳴り……エギルの店に白い服が特徴のアスナが見知らぬ人を連れて店にやって来たことを知らせた。

 

「こんにちはエギルさん……ってキリトくんこのお肉は!?」

 

 ……ここでアスナの後ろから来たサチも参戦と。

 

「どっちも料理スキルカンストしてるはずだが……」

 

「シェフ、2名捕獲」

 

「「へっ?」」

 

 俺がそうこぼした瞬間、キリトはもう動いていた。どうやら俺の料理より、彼女二人に作ってもらいたいようだ。

 いきなり二人は肩を掴まれ、素っ頓狂な声が出てしまっている。

 

 するとキリトがアスナとサチに料理スキルの修得状況を俺の情報があっているか確認し、彼女達が完全修得したと言うとキリトは二人にストレージ欄を見せていた。

 

「これって……!」

 

「【ラグー・ラビットの肉】!? S級のレア食材がどうしてここに……」

 

「取引だ。こいつを料理したら一口「「は・ん・ぶ・ん・こ!」」分かったよ……」

 

 二人共、普段はあまりお目にかからないであろうものだ。食いつきが違う。

 というか、疑問がここで一つ生まれる。

 

「二人が作れるだけの量……あるか?」

 

 恐らく彼女達は色々なレシピを試したいだろうから、その分必要な肉も増えると思うんだが……

 

「……ないな」

 

 キリトも、少し考えた後、同じ結論に至る。

 

「はぁ……そういうのは考えてから言えよ。今回だけだ、多少乾燥してるがな」

 

「ちょっ……メテオラ何個持ってたのよ!?」

 

 いくつか出したラグーラビットの肉を一つはアスナに、残りはズズッずらしてとサチの方にずらして渡す。

 

「こっちは、サチのギルドの分だ。ちょうどいい機会だと思うし」

 

「えっ……こんなにいいんですか?」

 

「それはこの前の……ケイタたちにも食わせてやってくれ」

 

 これで不足分はない……つまり交渉はまとまった。

 交渉がまとまるとキリトはエギルの方をくるりと向く。

 

「じゃあそう言う事でエギル、取引は中止だ」

 

「なあキリト、俺たち友達だよな……一口ぐらい味見を……」

 

「感想文を800字以内で書いてやる」

 

「そ、そりゃあないだろう……」

 

 そう言うとキリトは二人を連れて店を後にした。

 そして取り残された……さっきからアスナの背後に居る護衛らしきプレイヤーが、キリトと俺のことを終始睨みつけていたのを見て、これからなにかがあるという予感がピリッと感じた。というか今も俺を睨んでいる。

 

「……お前は、アスナ様のなんだ?」

 

「なに……ゲームが始まったときからの知り合いだ。特にどうこうといったものは、彼女に持ち合わせてない」

 

「……そうか」

 

 そういう残すと、そのプレイヤーはキリト達の後を追うように店を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだったんだ、あいつ……」

 

「さぁ……アスナを色んな理由で狙ってるんじゃないか? その時はその時だが……あ、ラグーラビットの燻製ならあるが、いるか?」

 

「貰おう……ほう! なかなか美味いな」

 

「ギルドホームに数日に一回は仕入れるくらい在庫あるからな……一本2000コルくらいで融通しようか?」

 

「……最初からあんたに頼めばよかったよ」




風邪で寝込んでいる上、ナインボールと深く関係のあるカーレースゲーで廃周回していた主を、どうかお許しくだせぇ……

最近、小説の頭に乗せている誰かの1幕は……

  • アリ
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