SAO 白き隕石の軌跡   作:どこぞの機械好き

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一層攻略のパートです。

それではどうぞ!


第4話 一人のビーター

side メテオラ

 

会議の翌日、フロアボスがいる一層迷宮区へと討伐組一行は歩んでいる。

 

俺の役割は好きに動いてその都度、パーティーの手助けをするというもの。

キリトのチームは取り巻きのルインコボルト・センチネルっていうボスの取り巻き、通称雑魚刈りとなっている。

 

「なんでディアベルのところがボスだけなのやら……」

 

「今はあまり深く考えんなキリト。ほら、前から3体来たぞ。」

 

「うわっホントだ!」

 

道中、戦闘を開始するキリト一行。

しっかしそれについてはなぁ……あれ狙ってるのか?

 

「ガラハド、スイッチ!」

 

このゲームにはスイッチというシステムが存在し、今のように行動するプレイヤーを交換することで次の行動を素早く行えるというものだ。

 

「わかった、あまり頼らないほうがいいぞっ!」

 

と言いつつも、しっかりと敵の斬撃を弾くガラハド。あの動きはジャストガードか?敵のよろけが大きいな。

 

「エギルさん、やりたくないけどスイッチ!」

 

「わかった!」

 

両手斧を振り下ろし、敵の一体が倒れる。

戦闘はこちらに被害が及ばずに着々とすすんだ。

 

もちろんこのようにボスのところに行くまでにもモンスターが湧くわけで、頻繁に戦闘が起こったが誰一人欠けることなく、ボス部屋の前にたどり着くことができた。

 

ディアベルが扉に手を当て後ろにいるプレイヤーたちに向け、口を開く。

 

「俺が言いたいことはただ一つ……勝とうぜっ!」

 

部屋にプレイヤーが流れこみ、全員が入ったところで扉が閉まる。

 

殺風景だった部屋がだんだんと変化していき、奥に玉座が現れる。

そこにいるのは第一層迷宮区フロアボス、すなわちイルファング・ザ・コボルトロードだ。

 

そして、その前に3体のルインコボルト・センチネルが湧く。

 

ボスが雄叫びをあげると、いくつかのプレイヤーはそれに怯んだようだ。

 

「……情報通りやな。」

 

「どうやらそのようで。」

 

キバオウのつぶやきに反応する。

 

「それじゃあ皆!突撃ぃ!」

 

キリトやカンザが手筈通り、取り巻きの相手を始める。俺も、まずキリトのチームを手伝う。

 

「メテオラ、スイッチ!」

 

ミトから合図が送られる。

 

「任せとけっ!」

 

ミトとスイッチした俺はよろけているルインコボルトを袈裟斬りにし、その命を刈り取る。

 

「終わった!別の班を手伝ってくる!」

 

「ありがとうメテオラ!」

 

「礼はボスが死んでから聞くよカンザさん!」

 

次々と取り巻きを倒していき、ボスの方もHPバーがあと1ゲージとなる。

そして、コボルトロードは別の動きを始める。

 

今まで使っていた骨の斧と盾を雄叫びを上げながら捨てる。

 

「情報通りやな!武器を変えるで!」

 

情報通りだと伝えるキバオウ。

 

腰に差している別の得物……湾刀かあれ?形が少し違うぞ?

 

「次で決めるぞ!B隊は、前へ!」

 

ディアベルが畳み掛ける号令を発する。

 

あの刀身の滑らかさ……まさか!

 

「B隊、今すぐ退け!範囲攻撃だ!」

 

この呼びかけに何人かは咄嗟に身を引いたが、残りのやつとディアベルはコボルドロードが繰り出す刀スキルの範囲技『旋車』を発動して、HPが殆ど満タンだったが誰もが半分近くまで減らされ、吹き飛ばされる。

 

「うぐっ!?」

 

ディアベルはスタンももらったようで、身動きしていない。

 

彼に近づくコボルトロード。トドメを刺すつもりか!?

 

今まで攻撃や速度を抑えてたが、それでは間に合わない!

 

「チィッ!」

 

地面を踏み込み足に力を入れ、爆発的な加速でコボルトロードに突撃する。

そのまま相手が振ろうとしていた野太刀と、こちらの片手斧をかち合わせて、ディアベルに向けた攻撃を防ぐ。

レベル差舐めんじゃねぇ!

 

斧を振り抜き、相手を野太刀ごと壁に吹き飛ばす。

壁に打ち付けられたコボルトロードの体力ゲージは明確な攻撃を受けてないにもかかわらず、7割が一瞬でなくなった。

 

「なんだ、そのパワーは……!?」

 

「細かいことは後で!今は回復しろ!」

 

アイテム欄から回復ポーションをいくつか取り出し、彼に投げ渡す。

 

そして、部屋の中央に立つ。

こちらにターゲットを変更したコボルトロードはこちらを睨み、雄叫びをあげる。

 

「さぁ、いくぞ!」

 

地面を踏み込み、さっきよりも強く地面を蹴って跳躍する。

その反動で、クモの巣状に割れる地面。

 

コボルトロードが俺を斬ろうと野太刀を振り上げるが……

 

「遅いッ!」

 

それよりも速く、コボルトロードの脳天を斧で叩き割った。

 

そして、ボスはガラスの砕けるような音と共に爆散した。

 

「「「「うおおおぉぉぉっ!!!」」」」

 

プレイヤーから、歓声があがる。

今日この日この瞬間、第一層は攻略完了となった。

 

「ふぅ……」

 

「おつかれ、メテオラ。」

 

「そっちこそ、おつかれ様だカンザさん。」

 

そしてまだ、壁に背を預けているディアベルの元に向かう。

 

「お疲れ様……やっぱり、ラストアタックボーナス狙いだろ、ディアベル。ムキになり過ぎだ。」

 

「ベータでそれを知ってたからね……助かったよ、ありがとう。」

 

そう言って苦笑するディアベル。

他にも健闘を称え合う人が多くいる中……

 

「何でや!」

 

キバオウの叫びが部屋に響く。

 

「……どうした?」

 

「なんでメテオラはんはさっきまでそのレベル57っていうおかしな数字と、ボスが使うスキルを知ってて隠してたんや!」

 

「レベルは別に隠してたわけじゃない。ちゃんとレベリングをしてたからだ。

そして、おれもあいつが野太刀を持っていることは想定外だった。もし知ってたらすぐに攻撃を止めにはいってた。」

 

「そ、そうなんか……」

 

こっちの言い分を聞き入れるキバオウ。なんだ、話せば分かるじゃないか。

それでこの話は終わると思ったが……

 

「そこのそいつは情報を自分だけで独占して、俺達の経験値を横取りしやがった!

こいつの周囲にいる奴や、アルゴって情報屋もグルだったんだ!そいつは……最低のゴミ屑野郎だ!」

 

ほう……言ってくれるじゃねぇか。

 

―――――

 

side キリト

 

「そこのそいつは情報を自分だけで独占して、俺達の経験値を横取りしやがった!

こいつの周囲にいる奴や、アルゴって情報屋もグルだったんだ!そいつは……最低のゴミ屑野郎だ!」

 

話が終わりかけていたのに、群衆の中の誰かがそう叫ぶ。

それを皮切りに次々とヘイトがこちらに向いてくる。

 

メテオラやアルゴ達にヘイトを向けさせるわけには……!

 

「あっはっはっ!」

 

自分が話そうとすると、突然メテオラの笑い声が響き渡る。

 

「な、何がおかしいんやメテオラはん!」

 

キバオウが気でも狂ったのかと驚く。

 

「元ベータテスターがなんだって?傑作だなこれは!

あんな素人共と同じにしないでくれ。元ベータテスターの奴らより今ここにいる奴らのほうがよっぽど上だろうな。俺はベータテスターの中で()()()2()0()()まで駆け上がった!

そこいらの低レベルの奴らよりもレベルが高いのも、その経験を活かしてるからだ。

ああそうさ。刀スキルをよく知ってるのも、そのおかげだ。他のベータテスター達はその後にひょこひょことついてきただけだから関係ない!」

 

態度が豹変したメテオラが堰を切ったかのように話し出す。

アスナやカンザ何が起こったかわからないようで、呆然としている。

……まさかβ版の奴らを守るために、自分だけにヘイトを?

 

「何だその態度は!?ふざけんな!」

 

「お前のせいで、ディアベルさんが死にかけたんだぞ!」

 

「どう責任取るんだ!」

 

「ベータあがりのチーター……お前はビーターだ!」

 

プレイヤーが次々に罵詈雑言を浴びせる。

そして、最後の言葉にメテオラが反応した。

 

「ビーター、ねぇ……チーターかどうかはともかく俺にぴったりだな、丁度いい。これからはあんな奴と一緒にならなくて済む。」

 

そういって、メテオラはボス討伐後に出現した階段へと歩みを進める。

 

「そうだ、最後に出てきたこいつをやるよキリト。俺には似合わん。」

 

振り向いたあいつはこちらにラストアタックボーナスでドロップであろう装備、コートオブミッドナイトというものを投げてきたのでそれを受け取る。

 

「第2層の転移門は俺がアクティベートにしておく。

 

……死ぬ覚悟のあるやつだけ、ついてこい。」

 

後ろを睨んだ後、階段を登っていく彼に全員が息を呑む。

まるでいくつもの死闘を生き抜いて来たような……

 

しばらくすると多くのやつは町に戻っていき、この場には俺達のパーティー6人とディアベル、キバオウが残った。

俺は……

 

「俺はあいつの後を追う。みんなはどうするんだ?」

 

「……私も彼を追いかける。」

 

「彼を一人にさせるわけには行かない。」

 

「あら、奇遇ね……私もそう思ってた。」

 

順にアスナ、カンザ、ミトが一緒について来ると伝え、

 

「なら……伝言を頼めるか?」

 

「僕も彼に言っといてほしいことがある。」

 

「俺も、頼みたい。」

 

「ワイも……いいか?」

 

エギル、ガラハド、ディアベルにキバオウが、伝言を頼んでくる。

 

「……わかった。」

 

―――――

 

2層の草原、モンスターを狩りながら町へ向かっているメテオラに追いつく。

 

「メテオラ!」

 

「……死ぬ覚悟はあるんだろうな?」

 

まだ、さっきの顔のままだ。

 

「そんなのはこのゲームが始まってる時からもう出来てるよ。」

 

「……そうか。」

 

そう言ってフッと微笑み、いつもの顔に戻る。

 

「みんながメテオラにだって。まずエギルから【2層のボスも一緒に戦おうな!】次にキバオウが【色々背負わせちまってほんとにすまん!ワイなりに強くなってみせる!】だってさ。」

 

「……ディアベルから【いつかこの恩は返す。】そしてガラハドから、【助けがいらない時、いつでも呼んでくれ!】だって……彼らしいね。」

 

とアスナとカンザが伝言を伝える。

 

「そんなさっきみたいな顔してたらモテないよー?」

 

「んなことないわっ!」

 

ミトの発言に過剰反応を示すメテオラ。

 

「はは……それじゃあ行くとしようか。」

 

「……ああ、行くか。」

 

そのまま5人は2層のメインの町、転移門がある町へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大量のモンスターを狩りながら。




うわぁ……みんながレベル厨になっていく……

次は4層辺りとユウキの辺りの予定です。どうなるのやら……作者は考えてないようです。(おい。)

最近、小説の頭に乗せている誰かの1幕は……

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