書けば出ます教に入信しようと思いました。PU期間じゃないけど。
追記
この道満はお察しの通り絆礼装装備です 最低でも絆10はあります。
両面宿儺の死後、その頭蓋を流用して作られた特級呪物、『虧月』。西暦1018年、寛仁2年に造られたそれは、天元の結界と結合し、日本全土に漂う色濃い呪力を吸収して日本の呪術的安定を保っていた。
その後、60年。1080年に呪力が溢れると陰陽寮が予測し、期限が2年後に迫った、1078年、承暦2年の話である。
安倍晴明と両面宿儺の死後、呪術的混乱を治めて陰陽寮の裏に君臨し、齢180を超えると噂される宿老を超えた宿老は、時は満ちたと腰を上げた。
「ンン……ンンンン!この異邦の同郷に生まれた時から干支が三つ、本来の肉体を切り刻まれた時から二つ、現世全ての悪を敷き続けてから一つほど廻り、漸く、漸く時は満ちた!総てはただ貴方に逢うために!ああ、ますたあ、我が主。抑止力も座も無いこの修羅道に、願望機を用いて界滅の救世主たる貴方を堕としましょうぞ!……あの日、地獄の底までお供すると誓った故。しゃれこうべを渡した日、貴方も拙僧に誓ってくれた故。赤子となってこの異邦の同郷に生まれ堕ちた日から、拙僧は貴方だけを求めて……ゲッホ、ゲホ!おのれ、騙し騙しやってきたこの体も限界に近いか……」
枯れ木のような皺だらけの腕に不釣り合いな鋭い爪。それで彼が畳を引っ掻くと、畳は異臭を垂れ流し変色する。
頬の傷からどす黒い血が垂れ落ちる。畳に落ちると、その畳は一瞬のうちに呪詛満ちる泥に変じた。
菅原道真、安倍晴明、両面宿儺の死後、
天元様が覧ずる、聖なる杯/胚の戦さ争い。宿儺の頭蓋に渦巻く呪いを祓うための蟲毒の儀。天覧聖杯戦争の開催が、関白・藤原師実により布告された。無論、混乱を避けるため、術師やその関係者にのみである。
怨念呪詛渦巻く平安の日ノ本全土(蝦夷除く)から60年間も呪いを啜り続けた呪力の黒点。それを六つに分割して、さらに10年分の呪力を参加者と陰陽寮の術師から徴収することで一つ足す。合計7つの大怨霊、『戴呪英霊』を産みだし、参加者に使役させ祓い合わせることで呪いを解く儀式であると公布された。儀式の勝者には、藤原家に取り立てられる栄誉の他、関白が直々に願いを聞き届けると明言されている。
「で、俺がその大怨霊の御主人様役を仰せつかった訳、か」
「は、はい。神の如しと勇名高き八幡太郎様に参加頂ければ、儀式も大過なく八幡太郎様の勝利で終わるかと……」
時は丑三つ時、平安京の中央からやや外れた場所である。陰陽頭の前に座るは八幡太郎・源義家。八年前に下野守に就いた武士である。身長は六尺(180cm)に少し足りない程度であろうか。時代を考えれば十分偉丈夫である。数え年で齢40になるこの男は、その身にみなぎる気力と潜む呪力を、目の輝きと引き換えにしたかのようにその三白眼に輝きが無い。だが瞳孔は意志を持って動いており、盲目ではなさそうだ。
世を倦んではいないが、世を恨む目だ。だが、口調はわざとらしいほど朗らかに返答した。
「ああ、良いぜ。で、どうすればその主人役になれる?」
「この通りに言霊を唱えて頂ければ……」
頭を少しだけ上げ、章親は巻物を献上する。八幡太郎は無造作にそれを取り、広げて読み解く。
「ふむ……随分と見慣れない文体だな。漢字と平仮名が混じっている。だが読めなくはない。振り仮名も振ってある。——それでは、言祝ごうか」
『
右手に熱が籠る。蠟燭明かりでも分かる赤い刺青は、数日前に刻まれたものだ。
『満ちるは閉ざす、閉じるは満たす。セーマン廻して巡り散らせ』
畳に五芒星が刻まれ、呪力が流れ始めることで蒼い燐光が放たれる。畳は熱を帯び、焦げた匂いを放つ。
『
『————
『
『
『祈りを此処に。吾は常世総ての善と成る者、其は現世総ての悪を敷く者。其は三造化に次ぐ七代、
五芒星から這い出るは、白い細腕。そこから一糸纏わぬ女の身体が這い出てくる。だが、それは胸まで。胸より下は鱗に覆われ、竜の如く宙に浮きあがる。女の頭には、南蛮にいるという山羊の如き角が二本生えており、瞳孔は縦に開いている。
「我は従霊。獄卒獣の鋳型を以って罷り越した。
その端正な口から詩を詠むような声で言葉が奏でられる。しかしその身体を形作る呪いは莫大なもの。主人である自分の総呪力の数倍はあると八幡太郎は判断した。
「お、おう。女禍、聞いたことはあるが……確か宋の国造りの女神だっ「これは、女媧、ですと!中国における創世の神格、紛れもない大神霊ではありませんか!この戦さ、我々の勝鬨で終わるでしょう!」……はぁ」
安倍章親は興奮して口を挟む。八幡太郎のため息で我に返り、再度頭を下げる。
「もっ、申し訳ありませぬ!つい口が……」
「まあ良い。頭を上げてもらって構わんと前も言っただろ。お前は陰陽頭だ。ひれ伏すような地位の人間じゃない」
「しかし、術師としての力量は圧倒的に八幡太郎様の方が……」
「蘆屋の爺よりもか?」
唐突に投げかけられた質問に、冷や汗を流す安倍章親。
「そ、それは……」
「流石にあの老怪には勝てねぇか。まあいい、奴は主催者側、参加はしないんだろ?それなら、儀式の中での俺の優位は変わらん。勝てるとは断言しないが」
屋敷の外に歩き出す八幡太郎とそれに付き従う女媧。それに気づき、安倍章親は困惑して追う。
「ど、どちらに!」
「女媧と稽古。ついてくるな、覗き見もすんな。秘中の秘を使うからな」
同日。朱雀大路、羅城門の上。飢えた下人が、婆から着物をはぎ取っていた。
「悪く思うな。俺も奪わなければ死ぬ身だ」
頬のニキビが目立つ、やせ細った男だ。婆から着物をはぎ取り終え、羅城門を降りて逃げる。
その右手に、呪によって墨が刻まれた。
何もせずとも、下人の右手に刻まれた刺青は赤く燐光を放ち、地から呪霊が這い出して来る。
「咬もうぞ、咬もうぞ。我、従霊といえど従わず。偽徳鬼の鋳型を以って参上した、早速頂くとしよう」
戴呪英霊らしきその化け物は、赤い肌をして、大きな頭と口をした体高10寸ほどの巨鬼であった。尼女のような服を身に纏っているように思えるが、服ではなく、白く変色して余った皮である。
「な、なんだ、何なんだよこれ!」
今まで通常の呪霊すら見えなかった下人は、いきなり現れた化け物に驚く。その隙に口を大きく開け、ごくり。下人は令呪を以って命じようともせず、その体内に収められてしまった。
下人の行方は、その妖しか知らない。
数日前、商人が都に上京してきた。名を王則貞。中華系の日本商人であり、朝鮮の高麗王と深いつながりを持つ豪商である。呪術師を含む大勢の私兵を引き連れ、天覧聖杯戦争に参戦しに来たのだ。
そしてこの日、招来の儀を行う。
「何、ワシは勝つつもりはない。戦争の勝者と誼を通ずるために、自らの従霊など捧げてやろう」
言霊を唱え、右手の墨になけなしの呪力を流し込む。
「『——因果の結び手よ!』……来たか?」
十二単を着る長髪の女性が王の前に現れる。しかし、その容貌は見えず、顔部分には暗黒の闇がそこには広がっている。
「従霊、只今参りました。鋳型は天人、諱は……お判りでしょう」
「かぐや姫か!……ここまでの大物が出てきて、勝利を最初からあきらめるというのも惜しいな……準備だけは、しておくか。我が郎党よ!都の外れに結界を張れ!厳重なものだ!」
「我ら忌部氏の地位を奪った朝廷を許さぬ。敵の儀式と言えども利用して、朝廷を滅ぼしてくれるわ。呪具祟羅場の本性、見るがいい」
注連縄で区切られた鍛冶場で一人鋼を打つ男がいる。右目は濁り、左目だけで炉の炎を見ている。炉を触媒に強力な戴呪英霊を招来しようとしているのか。
言霊を唱えながら、鋼を打ち続ける。そして。
炉から這い出て来るは、単眼で足が片方義足の、背の低い人型の戴呪英霊だった。
「鋳型は大理卿。諱は一本だたら。よろしく」
「我が氏族を否定した朝廷の愚物共を打ち滅ぼすために、協力してくれ。まことに一本だたらであるなら、早速呪具を造って欲しい」
「えぇと、これ……、この刺青に呪力を流せばいいのですか?」
「ああ、
「はい、八幡太郎様!命に代えてもあなたの指示に従えと、父から仰せつかっています」
「気張るな気張るな。そこまで勝利を欲してる訳じゃない……まあ下野を豊かにするための金子は幾らでも欲しいが」
八幡太郎が元服後数年ほどだろう少年の頭を撫でて、招来の儀式について教えている。
少年、伴資は手の甲の熱に耐えつつ、招来の儀を終えた。
「拙者、従霊。鋳型は異畜生。諱を因幡の白兎と申す」
兎耳をした、刀を佩いだ美しい女が現れる。戦装束の上からでも分かる豊満な肉体に、伴資は少々慄く。その目の全てが黒眼であり、白目が無いことと、頭の兎耳だけが異形であった。
「これは……」
「人の身で現れたこと、申し訳ない。兎の身体であれば、強力な術式を併せ持てたのだが」
その黒目は、伴資をじっと見つめていた。
「この第三の眼が叫んでいる。父を呪物として弄んでいる無礼者共は、鏖殺だ、と」
第三の眼を持ち、獣の皮を纏う異形の少女が蝦夷の森で熊の髄液を啜っていた。彼女は平安京の方角を、青い炎のような三眼で睨んでいる。その隣には、既に戴呪英霊が佇んでいた。
「この准胝、我が父が両面宿儺であることを、鏖殺を以って証明する。鬼哭啾啾、嘶けイペタム」
戴呪英霊はすぐさま大太刀にその身を変じ、准胝はその柄を掴んで立ち上がる。
一人と一振りは、暴風と共に掻き消えた。
そして。
「さて、と。拙僧は参加しないと陰陽寮の愚図共には言いましたが、アレは嘘。拙僧も顕光殿に代わる悪霊を従え、参加者共を蹂躙しましょうか。ええと。残っている
枯れた肉体を呪力で励起させる。すぐに肉体は筋肉を取り戻し、六尺半の肉食獣の如き美しき容貌を取り戻す。元より培養した視肉で造られた身体、呪力効率を無視すれば全盛期に戻ることなど彼にとっては容易い。原式の詠唱はその喉より紡がれ、召喚時に流れる呪力は平安京に巡らせた擬製思想盤によって泥抜きされ、正でも負でもない純粋な神秘となる。その神秘は、編まれ、形を成し、呪霊でも精霊でもない存在が生まれる。生きた領域、と言えばよいのだろうか。それが人型を成していく。
そこに術師鏖殺の宿業の呪符を埋め込もうとして、手が止まる。
「え、お、あ、ま……ますたぁ?」
「サーヴァント、フォーリナー。
そこまで長くない人参色の赤い髪を、片方紐で括った少女。身の丈に合わない赤いマントと黄金の衣服を身に纏い、道満に向かって満面の笑みで微笑んだ。
「とりあえず、受肉したいな♡」
額に縫い目のある女が、座椅子に肘をついている。
「私にも一枚嚙ませてほしかったなぁ、猫君」
死蝋と化した20本の指を手で弄びつつ、寝ころんでいる。
「宿儺の魂は頭蓋じゃなくてここにある。だから抜け殻なんてくれてやったんだけど……所詮は抜け殻の再利用で、随分面白い儀式をしてくれるじゃないか。負け猫君の評価を変えるべきかな?」
クスクスと笑う女。その隣には少女なのか少年なのか判らないおかっぱの術師がいた。
「播磨の間抜けが起こした茶番のためだけに私を解凍したのか!?宿儺様のいないこの現世に、たった六十年で!」
「いや、彼をそこまで馬鹿にするものじゃないよ。確かに妻も娘も惨めに殺された男だが、当時から発想には目を見張るものがあった。事実、この天覧聖杯戦争とやら、およそ尋常の術師では思いつかない術が幾つも使われている。介入するには戦力が必要なんだ。生憎、今のこの身体は戦闘には使えないからね……それに、彼は宿儺の頭蓋を所有している」
「そうか。なら、喜んで貴様の駒になってやろう。宿儺様の頭蓋を奪還するためならば」
冷気が迸り、額に縫い目のある女がくしゃみをした。
「えくしっ。喜んで使わせてもらうけど、今の彼は君より強いよ?」
陰謀、暗闘、因縁、怨念。そして呪術が廻る聖杯戦争が、幕を開ける。
1018年は望月の歌が藤原道長によって歌われた年です。宿儺が死んでようやく我が世の春が来る……みたいな気持ちで歌ったんやろなぁ、ということで宿儺の命日1018年にしました。
天道+ムーンキャンサー=天人
従霊:かぐや姫
術式:竹筒再誕
主人:王則貞
術式:悪銭操術
信用を大事にする銭ゲバおじさん。だが信用を捨てるだけの莫大な利益があれば裏切る。
人間道+ルーラー=大理卿
従霊:一本だたら
術式:構築術式・焔
主人:忌部宙成
術式:呪霊封具
逆恨みおじさん。一族は冷遇されて自然消滅しただけで別に滅ぼされてない
修羅道+アベンジャー=応報徒
従霊:イペタム
術式:血啜
主人:准胝
術式:???+???
宿儺に強姦殺人された女の死体の胎から這い出してきた赤子が少女になった姿。実はこれでも80歳超えてる。でもメンタルは子供。
畜生道+アルターエゴ=異畜生
従霊:稲葉の白兎+???
術式:縮地
主人:伴資正
術式:???
源義家の忠臣、伴助兼の息子。ショタ。
餓鬼道+プリテンダー=偽徳鬼
従霊:がごぜ(?)
術式:胃袋?
主人:羅生門の下人
術式:なし
芥川龍之介「羅生門」の主人公だったりする。
地獄道+ビースト=獄卒獣
従霊:女媧
術式:生霊の源泥
主人:八幡太郎源義家
術式:奇岩霊法
史実の源義家その人。当然呪術師でフィジカル強者。呪術抜きで殴り合ったら当世最強。
ビジュは比企谷八幡モチーフ
(外道+)フォーリナー=客人
従霊:藤丸立香(?)
術式:星晶石&???
主人:蘆屋道満
呪術式:黒点呪法
魔術基盤:邪仙道
思想鍵紋:擬製思想盤『羅刹与骸』作成者兼管理者
アルターエゴ・蘆屋道満の記憶を持つ呪術師。術式を集積回路と捉え、それを中心に、非術師に膾炙する共通認識を魔術基盤として魔術(クラウドコンピューティング)を使う。数多の呪術師呪詛師の死骸を材料に作成した思想盤を平安京全体に埋め込み、擬製思想盤として思想魔術(エッジコンピューティング)も使う。呪術的な考えでは魔術も思想魔術も呪術の拡張術式に過ぎないが、通常の拡張術式の枠を大幅に超えた多様性と威力を発揮する。
かつて妻と、藤丸立香と名付けた娘を両面宿儺に殺され、自らも最初の肉体を切り刻まれた。
部外者
羂索
裏梅
裏梅は実はこの中ではそこまで強くない。英霊抜いて4番目くらい。
ランキング乗らない限り続きません。てか誰か続き書いてください。
追記
新作日間に入ったので続き描きます。