―月―日(前回の最後と同日)
私が研究所を去って数時間がたった。1度家に戻り、ラプラスに話を通しておく。するとラプラスはこう言った「幹部はどうしたい?」と
私の考えとしては、あそこの研究員はかなり優秀らしいし、仲間が欲しくないと言えば嘘になってしまう
―だがそれよりも…
「…あの現場の人たちを助けたい…です」
「うむ。よく言った!それでこそ吾輩の幹部!早朝に乗り込もう!早朝は、奴らも眠いだろうからな!」
…奴らも眠いってよく言うよ。早朝なんてラプラスは起きてはいない。ぐっすりだ
だけど…悪くは無い。夜間ではなく早朝に狙うとどのようないいことがあると言うと、夜番の警備員は22:00〜5:00までの時間帯で働く。つまり早朝に仕掛けるとなると、彼らは眠くて仕方ないのだ
そうと決まれば今日は早く寝て明日に備えるとしよう
「幹部〜!今日のご飯何〜?」
「今日はカツ丼にしましょうか!カツを食べて眠気に勝つ!明日は彼らを救いますよ!」
「おーー!」
かわいい拳を天高く突き上げたラプラス
ほんとに早く起きてくれるかなぁ
―月―日
「予想通りだな」
研究所の近くの高台で私とラプラスは双眼鏡で研究所を確認する
警備員は少なく、少し眠たそうにしているのが見て取れる
後ろには私がとあるルートから手に入れた武器達が置いてある
「作戦は?」
「総帥はここで私に指示を送ってください、私はその指示に従って動きます」
「ふっ。任せろ!指示厨は得意だ」
そう言ってラプラスは目の前にパソコンを広げ、臨時基地としてここを活用する。そのパソコンにはルイが収集してきたその研究所に関する様々な資料が入っている。研究所の地図であったり、それに関することが
今回、潜入するのは私だけ。ラプラスにはここで指示をしてもらう
「よいっ…しょ…っと」
私は対人戦闘用ステルススーツに着替え、武器をももや腰につけた
今回は戦闘しに行くわけではない。あくまで従業員を助けに行くだけだ。その際、戦闘になってしまうかもしれないが…
「…無理はするなよ」
「…わかってますよ。仲間と一緒に帰ってきて、暖かいご飯を食べましょ?」
健気に見つめるラプラス。それを見てしまうと母性なのか抱きしめたくなる。でも抱きしめてはダメだ。抱きしめたら彼女が嫌がるから
…でもそんな関係もいいかも
―白く光る月が沈み始めた頃。私は研究所に潜入した
目指すは実験独房室なる場所。そこに昨日見たピンク髪の少女が囚われているだろう。まだ薬を打たれてないとよいが…
「よっ…と…」
天井からスっと地面に降り、某ステルスゲームの主人公になったつもりで頑張る。コードネームは…ホークでいいか
壁を伝いながら見つからないように慎重に移動する
―ここでラプラスからの連絡が来た『かなりセキュリティが固いから、カードみたいなのが必要かもしれない』との事。かなり面倒くさいことだが仕方ない
近くの警備員を背後から襲い、一瞬で気絶させる。そのまま空き室に連れて行って手足と口を縛り、服とレベル1のカードキーを確保する。そしてその服を着用し、そのまま何もなかったかの様に部屋の外に出る
胸がドキドキするも幸いなことに不審には思われず、そのまま巡回を続ける
すると研究室の様な場所が目に入り、そこで行われていることに驚愕した
―無数の培養液の中に入れられた謎の人間たち…一体なんの実験をしているのだろうか
『あーそこの近くに研究者たちの休憩室があるっぽいから、そこでカードキーの変更したほうが良さそう』
言われた通り休憩室に入室する
そこには幸い1人しか休憩しておらず、その人を脅すような形で襲いかかった
床に押し倒し、首元にナイフを突き立てて脅す…まるで凶悪犯だ
「ここは何を実験してるの?」
「ははっ…ちからのお強いお嬢さんだ…」
「誤魔化さないで。培養液に入った人間を見たわ。非人道的的な実験でもしてるんじゃないかしら」
研究員はははっと軽めに笑う
「見た感じここの警備員じゃ無さそうだ」
「だったら何?警報でも鳴らす?」
「いやいや。上手く潜入できたなと思ってね。こんな時になんだが君に頼みがある。他でもない"外から来た"君にしか頼めない事だ」
私が返事をする前に研究員はずらずらと口を開き続けた
研究員の話はこうだ。セキュリティカードや情報は話すかわりに実験独房室にいる少女を助けて欲しいとの事。彼女が唯一"薬"を投与されておらず正常な者は彼女1人のみ
彼女が唯一の”正常者”だから助けてほしいとのこと
「…ちなみにその薬を投与されたらどうなるの?」
「支配者の言いなりになる。思考、行動、その全てが支配者のものになる。私はうまく誤魔化しているが、他の連中はもうだめだ。だから君に頼みたい」
「―分かった。それじゃ、セキュリティーカードを渡して」
研究員は胸元からカードキーをプチッっと取り私に渡す
その際、頼んだぞとの言葉を受け、少し心がぐっと来る。その言葉と願いを無駄にしないためにも、頑張らなくてはならない。その決意を胸に私は実験独房室へと足を運んだのだった