それではどうぞご覧ください。
仮面ライダーリラティブのフォームの1つウィズアングリー。
この形態は怒りを糧に攻撃力を上げることができ、エモーション相手ならば反撃を許さない程の猛攻を可能としている。
「ははははははははっ!! おらぁ!!」
カフェ内で行われる激しい攻撃。
机や椅子、使い物にならない程、燃やされたり破壊されたりと、その光景から攻撃の激しさを物語っている。
『モヤシ、ストップ!!』
「誰が止まるか!!」
リラティブの炎を纏ったパンチで、エモーションは店外へと吹き飛ばされる。
ガラスなどが散り、氷の友人達の方にも瓦礫が飛んでいく。
それに対して氷は怒りを露わにする。
『いい加減にしてよ!! 私の友人達まで怪我させるつもり!?』
「俺が主体だ。黙ってそこで見てろ」
『あっっっっったま来たッ!! このっ!!』
追撃しようとしていたリラティブだが、その動きはぎこちなくなり、やがてその手はドライバーからメダルを抜き取り、変身を解除してしまう。
主導権は氷に移る。
「モヤシィィィィィ……」
『ぼ、僕だってわからないですよぉ…… あっ、来てますって!!』
「なら、貸しなさい!」
『え、大丈夫ですか!?』
「あなたがやれるなら私がやれるもの…… これをこうして……」
氷はメダルを持ち、2枚を青い面にしてリラティブドライバーに差し込む。
《ソロー!》《アイスバーグ!》
《コネクト!》
「そして…… こう─── 変身ッ!!!」
右肘を左手に乗せ、変身と叫ぶと背後に氷山が現れ、氷の身体が名前通り氷、辺りに冷気が立ち込める。
氷山が破壊され、氷が砕かれるとリラティブの新たな姿が誕生する。
《リラティブ! ウィズソロー!》
「さぁ、冷やすわ!」
仮面ライダーリラティブ ウィズソロー。
氷が主体で返信するリラティブの別形態。ウィズアングリーとの違いは体格差やその能力だ。
まだ少女の氷は、モヤシとの身長差が数十センチとかなり離れている。パッと見は先ほどと同一のものとは思えない。
そしてこのフォームの能力は悲しみにより力を増すということ。
ウィズアングリーならパワー、この形態ならばスピードが増す。
「はぁ!!」
モヤシとは違い、荒々しくなく、緩やかでキレのある動き。その動きはまるで蝶の様に舞っている印象を与える。
エモーションの触手を華麗に避け、顔面に蹴りを浴びせる。
「ほら、あなたよりうまいもんでしょ」
『はい……』
素早い攻撃でエモーションを翻弄するリラティブ。
だが、エモーションもその動きに慣れてきたのか、リラティブの足に触手を絡ませて遠くへ投げ飛ばす。
「おぉっとと……」
このままでは勝てないとわかったエモーションは、リラティブに背を向けて走り出した。
リラティブはその後を追う。
「逃がさない───!!」
そしてリラティブはドライバーの上部を長押しすると、真ん中の丸い部分が激しく回転し、彼女の左脚にエネルギーが集約される。
「これでも喰らいなさい!!」
《ソロー! フィーリング!》
逃げるエモーションの背中にリラティブのキックが炸裂する。
「はぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
「ミョルルルルルルルルル…!!」
強烈なキックを浴びせられたエモーションは爆発し、その場から跡形もなく消えてしまった。
氷は一息つくとメダルを抜き取り、ドライバーを外して変身を解除する。
「……… 勝っちゃった」
『氷さん凄いですよ!』
「なんだか変な感じ……」
『氷さん…?』
「ん? あんまりこういうの慣れてないだけよ。とにかく皆んなは────」
そして氷が振り返ると、そこには友人達が集まっていた。
友人達からは称賛の声が上がり、それからリラティブの正体まで知られてしまった。
当たり前だ。目の前で変身したのだから。
「氷ッ! あの姿どうしたの!? エモーション倒してすごい! あとね────」
別に隠すかどうかというのは考えてなかった氷。
ただこうして言い寄られると、知られてはいけなかったのではないかと思ってしまう。
「あーはいはい。私もなんでこうなったかはわからない。とにかく周りには内緒にしてもらえると助かるのだけれど……」
「わかった!!」
聞き分けのいい友人で助かる。
ただこの正体を知ったのは友人達だけではなかったことを後に知ることとなる─────。
*****
「─── との事で。エモーションによる被害は────」
自宅のテレビからニュースが流れる。内容はもちろんエモーションの話だ。
これが日常であり、人間が息を吸って吐くくらい普通な事。
エモーションと戦える様になった日から疑問に思うことが多くなる。
「1つ、このベルトは何なのか、どこから来たのか、何故私たちの元に現れたのか。2つ、私たちは何故1つになってしまったのか。3つ、モヤシ…… あなたは一体何者なのか」
『うーん……』
「私たちに起こった現象。エモーションが関係しているのか、それともあなたが関係しているのか。どちらにせよ、あなたとエモーションに深い関係がある事は確実よ」
『僕もそう思います。僕の記憶は奴らに襲われている時から始まってます。奴らが僕の記憶を…… エモーションを倒し続けたらきっと記憶が解放されるんじゃないかなって……』
謎は深まるばかりだが、氷たちは力を手に入れた。
何はともあれこの力を使えばエモーションと戦える。
「じゃあ早速、エモーションでも探しに行きましょ」
『え、そう簡単に見つかるんですか?』
「ミョルルって言ってる奴が居たら、それがエモーションよ」
『つまり散歩のついでで……』
「まだ学校に行けないし、少し歩きましょ。困っている人がいたら助けなきゃね!」
氷とモヤシは家を出ると、早速人ごみが多そうな街へと向かう────。
*****
街中にあるベンチに腰掛け、人々の動きを観察する。
特に目立った動きはなく、時間だけがただ過ぎていく。
「………… モヤシ知ってる?」
『何をですか?』
「エモーションは感情を喰らい続けると、やがて知能を得るらしいの。そして人間そっくりの姿に化けて、人混みを避けて生活するらしいわ。しかも普通に仕事している奴もいたり、住所まで調べ挙げた上で、その人のことを食べちゃったりするらしいし」
『えぇ……… そんな怖い奴がいるんですか』
「まぁ殆ど噂らしいけど。知能を得た奴がいるのは事実よ」
『知能を得たエモーションが増え続けたら、この街は……』
「人間から見れば地獄、エモーションから見れば食糧の山」
『……… そんなの許せません!』
「だからこそ私たちがやらなきゃいけない。この力はその為にあるの」
そう話していると、ふと視界に入る。
その人物は非常に怪しい動きをしており、何やら落ち着かない様子で辺りをキョロキョロとしていた。
「ん? もしかしてあれって────」
『どうしました?』
「いや、とにかくあの男を追いかけるわよ!」
『ちょ、氷さん!?』
その男の後をつけてみると、氷が通っている愛ノ川高校に辿り着いた。
「やっぱりそうだ。あの人は佐藤先生よ」
『佐藤先生…?』
「私のクラスの担任の先生。何してるのかしら?」
『………』
更に後をつけてみると、職員室で佐藤は楽しそうに別のクラスの先生と話し始めた。
学校もそろそろ再開し始めるので、事前に先生同士で打ち合わせでもするのだろうかと氷は思った。
だが、その考えは一瞬にして消え去った。
「……… ところで最近ボク、お腹が空く事が多くて…… ですね」
「そうなんですか? 前はよく食べてらしたのに」
「良いものがアッタんですよ。肉ヨリも、サカなよりも、モットもっと、モッと美味いモノが……ッ!!」
「佐藤先生……?」
佐藤は人の姿からみるみるうちに変わっていき、やがて全身に触手が生えたエモーションへと変貌する。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」
「ミョルルルルルルルルルル」
明らかにこのエモーションは明確な知能を持っている。
このまま放っておけばまずい。
「モヤシ! 私にやらせて!」
『僕だと制御効かなくなっちゃうのでよろしくお願いします……』
「変身ッ!!」
《ソロー!》《アイスバーグ!》
《コネクト!》
氷はリラティブドライバーを腰に装着し、青いメダルをはめ込んで上部のボタンを押す。
氷山の冷気に包まれて爆誕する仮面ライダーリラティブ ウィズソロー。
彼女はエモーションに向かって飛び蹴りを放つ。
《ウィズソロー!》
「えいっ!!」
先生は驚いた様子でこちらを見ていたが、すかさずリラティブは「逃げて!」と叫ぶ。
それにすぐに応じ、職員室から飛び出していった。
「……… そっか。佐藤先生が今回の真犯人だったんだね。まぁあなたは見た目はそうだけど、中身はただの触手怪人エモーション。前は取り逃がしたけど、絶対倒すから」
きっと本物の佐藤は感情を吸われて病院送りだろう。
まさかまた同じところに行けば感情=餌が食えると考えていたのか。最初からそのつもりであの先生と会話していたようだ。
氷リラティブは構える。あの時逃した責任を今、取り返す。
「さぁ、冷やすわよ!」
知恵のあるエモーション。氷はどう対応する?
次回、第4話「知能=危険」
次回もよろしくお願いします!