仮面ライダーリラティブ   作:辰ノ命

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皆さんご無沙汰しております。
それではどうぞご覧ください。


第4話「知能=危険」

「オマエ、何者」

「ミョルルはどうしたのよ!」

 

 知能のあるエモーションは会話が可能なようだ。

 これはかなりの人数が犠牲になってきたと思われる。

 

「……っ! このっ!」

 

 リラティブはエモーションを蹴り飛ばして壁へと追いやる。

 腕と壁を使って首を絞め、エモーションの動きを制限してから問う。

 

「あなた…… 今まで何人食べてきたの?」

「聞きタイか? 教エてヤル。10人だ」

「10人……!?」

 

 それを聞いたリラティブはエモーションに回し蹴りを浴びせる。

 

「私のせいだ……」

『氷さん?』

「私があの時、あなたを止めていなかったら被害は出てなかった……」

『でもあの時は仕方がないですよ! 僕、暴走して氷さん以外にも迷惑をッ!』

「どんな理由でも結果はこうよ。私がやらなきゃ!」

 

 氷は自分の犯した罪が大きい事を理解した。だから焦ってしまった。

 落ち着かせようとモヤシは何度も宥めるが、彼女もう聞く耳を持たない。

 

『氷さん!』

「はぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」

 

 これを見たモヤシはリラティブドライバーには、感情を増幅させてしまう副作用があるのではないかと睨んだ。

 そうだとするならば危険だ。だからと言って変身解除するのもこの場合は愚策。

 ならばと氷の身体の制御を無理やり奪い、モヤシはリラティブドライバーからメダルを外し、赤色を表にして差し込む。

 

『ちょっと!』

「どうせ氷さんも僕も暴走するなら、同じ事でしょう!!」

《アングリー!》《ボルケーノ!》

《コネクト!》

 

 そしてドライバーの上部を押し、火山が如きウィズアングリーへとフォームチェンジを行う。

 

《リラティブ!ウィズアングリー!》

「さぁ、燃えていくぜッ!!」

 

 先程よりも大幅に上がった火力で、エモーションをパンチの一撃で校外へと吹っ飛ばした。

 

「はっ! こんなもんかよ!」

『私に変わってよ! あれは私がやらないと!』

「知ったこっちゃねーよ! 俺はただあいつをぶちのめしたいだけだ。邪魔すんな」

『あなたは自分が暴走していることに気づいてる!? 明らかにやり過ぎになるの!』

「それはお前も一緒だろうが」

『─── えっ』

 

 そう言われた氷は気がついた。自分が暴走しているモヤシと同じ様に、聞く耳を持たず突っ走ろうとした所。

 

『ごめん……』

「何謝ってやがる?」

『……… とにかく、やり過ぎない様にやっちゃってよ』

「はっ! 言われなくてもこちとらわかってんだよ! おい、エモーション! 燃やし尽くしてやるッ!!!」

 

 リラティブ=モヤシは外に出てエモーションに硬く握った拳で打ち抜く。

 炎を纏い火力もスピードも増し、リラティブは凄まじいほどの連続パンチを喰らわせた。

 

「フィニッシュだ。燃えちまえッ!!!」

《アングリー!フィーリング!》

 

 ドライバーの上部を押し、拳に爆炎を纏うとエモーションに向けて喰らわせた。

 体が燃えてすぐに火山が如く大爆発し、敵は爆散した─── かに思えた。

 

「は?」

『えぇ!?』

 

 エモーションは爆発をなんとか凌いだらしいが、あの一撃を喰らってフラフラとしている。

 

「まだやる気か!?」

『ううん、逃げるつもりよ! 追って!」

「ちっ!」

 

 知能がある分、今の状況は部が悪いと思ったのだろう。

 確かに得策ではあるが、モヤシリラティブがそんなことを許すはずもない。

 

「バイクとかあんのか?」

『持ってる訳ないでしょ』

「…… ったく、使えなやつだ」

『はぁぁぁぁぁぁぁ!!?」』

 

 ブチギレの氷。そんな事はどうでも良いモヤシは、舌打ちしながらもとにかく走って追いかけた。

 しかし、その距離はどんどん離れていく。

 

「ちぃッ…!! あいつ速すぎんだよ!!」

『じゃあ代わって! 私の方が速い!』

「はぁ? そんな根拠もねーこと言ってんじゃ────」

『はい、貸して』

『てめぇ…!!』

 

 氷は無理やりモヤシの主導権を奪い取ると、メダルを反転させてウィズアイズハーグへとフォームチェンジを行う。

 この形態は俊敏である為、ウィズボルケーノよりも速く移動できる。

 その証拠にみるみるうちにエモーションの距離を縮める。

 

「モヤシ! 私がギリギリまで近づくから、タイミングよくチェンジして!」

『えぇ!? や、やってみます!』

 

 氷リラティブは全速力で走り、遂には距離を一気に縮めエモーションと並んだ。

 その瞬間、メダルを再度反転させてウィズボルケーノにチェンジすると、モヤシリラティブはドライバーの上部を押して拳に炎のエネルギーを集約させる。

 

「終いだ」

 

 リラティブの炎の拳がエモーションの背中を捉え、触れた箇所から全身に燃え移り大炎上した。

 そしてエモーションは何か言いたげに、リラティブを見つめ、爆散してしまう。

 

「はっ、こんなもんかよ」

『私の作戦のおかげね』

「黙れ」

『あんたホントに腹立つ…!!』

 

 これで一件落着。氷達は帰路に着く。

 その後ろを見つめる黒い影に気づかずに────。

 

 

 *****

 

 知能がある。知恵がある。知識がある。

 我々はこの2年の間で成長を遂げ、これらを身に付け、人間社会へと溶け込んでいった。

 だが、これではまだ足りない。

 人間を糧にしなければならない。

 

「我々が生きる為には人間の感情が必要なのだ」

 

 その人物は人ならざるものだ。

 見た目は誰がどう見ても人。言葉も日本語を話す。

 スーツもパリッと着こなし、自分の会社まで持っているときた。

 

「エモーション…… 感情。それが我々の名。彼らに与えられた名前だ」

 

 彼は人ではなくエモーション。

 そんな彼の周りには2人。同士であろうエモーション達が各々感情を表に喋りだす。

 

「マジでやっべー! 1人同士がやられたらしいぜ! はっはーーーっ!マージでやばくね!?」

「こ、怖いなぁ…… そんな怖い奴らがいるなんて……ひぃぃ………」

 

 仲間の死を楽観的に受け入れ、喜びの感情を溢れ出させるエモーション。

 仲間の死に震え、怯え、恐怖を露わにするエモーション。

 そして頰に涙を伝わせ、悲しみを表に出すエモーション。

 

「そういえば我々の同士のもう1人はどこへ?」

「ははっ! また無差別に感情でも食いまくってんじゃないの? 新人くんは食欲旺盛でいいこったマジで!」

 

 悲しみのエモーションはビルから下を見下ろす。

 そう、ここが彼の社長室。部屋の中はあまりあるほど広く、喜びと恐怖がいたとしても余裕がある。

 

「残念なことに我々と人は一生分かり合える事はない。世間は知らないのだ。()()()()()()()達が我々を生み出した事がことの発端だというのに」

「ど、どうするの……? これから大変だと、お、思うよ」

「今はあのリラティブという謎のライダーを倒すことが先決だ。我々エモーションが生きていく為に────」

 

 

 *****

 

 

「今日からまた学校よ。大人しくしてて」

『僕、騒いでることありましたっけ?』

 

 暫くして学校も落ち着きを取り戻し、氷はようやく元の生活に戻ることができた。今こうして学校へと向かっている。

 2人で1つになってからの生活には未だ馴染めはしないが慣れた。

 

「さて、私たちがアレになってから、可奈達はどういう反応してくるか」

『そういえば正体バレてましたね』

「えぇ、周りにバラさない事はわかってるんだけど、可奈は口滑らせちゃいそうで怪しいの」

『まぁまぁバレてしまったら仕方ないという事で……』

「あなたねぇ…… バレたら今度は国が出てくることになって、普通の生活送れなくなるわよ? 自由もないだろうし」

『えぇ!? そうなんですか!?』

 

 記憶もないのだから無理もないと思う氷。

 これから先、正体を隠すよりも辛いことが待ち受けている。

 

「─── ん?」

 

 何かが後ろを通った気がする。

 

『氷さん?』

「……… いや、なんでもないわ。早く行きましょ」

 

 その影は氷達の後をついていく。

 目指すはそう、愛ノ川高校────。




以上です。
エモーションを倒した後の被害者達が、その後どうなっているのかは次回わかります。

次回、第5話「友人=影」

次回もよろしくお願いします!!
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