仮面ライダーリラティブ   作:辰ノ命

6 / 30
皆さんご無沙汰してます。
それではどうぞご覧ください。


第5話「友人=影」

 久しぶりの学校だと言うにも関わらず、氷フレンズたちは相変わらずであった。

 心配していた仮面ライダーの正体については全く言う気配はなく、自然に、いつも通りに会話をしていた。

 

「─── って事があってね! ホント楽しかった!」

「へぇー良かったじゃん。私の方も色々とあったけど楽しくやってるわ」

 

 愛ノ川高校はここら周辺ではかなり有名な高校であり、偏差値も高く、優秀な生徒を毎年輩出している。

 氷もそのうちの1人で、その名前は高校中に広まっており、彼女の名を知らない人はいないであろう。

 偶に別の学年からも彼女を求めてやってくる生徒もいるほどだ。

 

「氷せんぱーい!」

「ん? どうしたの?」

 

 後輩からも好かれる彼女は、その頭の良さから勉強を教えることもしばしばある。

 今もこうして彼女を求めて後輩たちがやってきた。

 それから一通り教え終わると授業が始まるチャイムが鳴る。席に着いて準備してあった教科書を開き、ノートを取る。

 

「………」

『……… 氷さんってモテるんですね』

「………」

 

「急に何」と、ノートの端にそう書いた。

 視覚は共有されている為、どちらが前に出ていたとしても状況を見る事が可能なのだ。

 

『なんか羨ましく思えて』

(モヤシも昔はモテてたかも)

『いつか断片的でも思い出したら真っ先に報告しますからね。と言っても、こうして言えるのは氷さんくらいなんですけど』

(あなたを襲ったエモーションが鍵)

『エモーションの見た目全部一緒なので、倒し続けるしかないのが現状ですね』

(そうね。それじゃあ集中したいから静かに)

『あぁ、そうでした! すみません!』

 

 本当に不思議な気分だ。暫く1人だったからこんな近くで日常会話なんてするのは新鮮だ。

 友達とは違う感覚。氷は少し微笑んだ。

 

「……? 氷さんどうしました?」

「…っ! あ、いえっ!」

 

 教室中に笑い声が広がる。

 そして授業が終わり、氷は体育の為、女子更衣室で着替えをする。

 可奈たちは「先に行ってるね!」と言い、更衣室から誰もいなくなると、氷はため息を漏らし、もう大丈夫だということをモヤシに伝える。

 

「もういいわよ」

『…… 一応僕の方で目を閉じることは可能なんですよね』

「全くおかしなシステムよ。本当に面倒」

『すみません……』

「別にあなたが悪いわけじゃないし…… まぁでもこの状況、本当だったら大問題」

『警察だけはご勘弁を』

「その場合、私も一緒に捕まることになるけどね」

『ははっ、確かに』

 

 氷は着替え終わり、更衣室から出ようとドアに手を掛ける。

 その時、友人たちの悲鳴声が聞こえ、ドアを勢いよく開けて廊下へ飛び出した。

 

「これは可奈の声っ!?」

 

 そして氷は急いで悲鳴がした方へ走っていくと、そこには友人たちが倒れた可奈の周りに集まり、彼女を揺さぶっていた。

 

「みんなどうしたの!?」

「い、今エモーションが……… 可奈を襲ってそれから……!!」

「…… わかった。とりあえず落ち着こう。そのエモーションって可奈の?」

「ううん…… 違うよ」

 

 どうやら別の人物から出たエモーションの様だ。これは早々に倒さなければならない。

 エモーションは倒す事によって、今まで食べてきた感情が持ち主の元へと戻る。

 同様にエモーションを倒せば、可奈もきっと目を覚ます事だろう。

 

「エモーションはどこ行ったの?」

「あ、あっちだよ……」

「うん、ありがとう」

「……… 氷ッ!」

「ん?」

「気をつけてね」

「うん! 任せて!」

 

 氷はそう言うとエモーションが行ったであろう方向に走り出す。

 これ以上被害者を出してはいけない。それに知能を持っているとなるとこの上なく厄介である。

 そして校舎の裏側まで行くと、そこには女子生徒を襲うエモーションの姿があった。

 

「やめなさい!」

 

 エモーションに叫ぶ氷。だが、エモーションはゆっくりと食事を済ませ、その場にポイッと生徒を捨てる。

 

「……… お前、そうか。例の仮面ライダーか」

「へぇー、知能がある個体の様ね」

「今まで散々食ってきたからな。お陰で頭が回る」

 

 このエモーションはかなりの人数を食べているらしく、前に倒したエモーションよりも饒舌な様だ。

 

「私の友達の感情。返してもらえる?」

「一度食ったものを吐き出せと? そんな勿体無いことはできないなぁ……」

「なら、力ずくで奪い返すまでよ!」

《ソロー!》《アイスバーグ!》

《コネクト!》

 

 リラティブドライバーを取り出し、装着してメダルをセットし、ドライバーの上部を押す。

 氷は氷の装甲を纏い、「仮面ライダーリラティブ ウィズソロー」へと変身する。

 

《リラティブ! ウィズソロー!》

「さぁ、冷やすわ!」

 

 氷リラティブの柔軟で素早い攻撃。手始めに胸部へパンチを繰り出す。

 

「さっさと返せ!」

「返せと言われて返すものか!」

 

 エモーションは腕を振り払い、攻撃を躱し、リラティブにラリアットを仕掛ける。

 それに対してリラティブは身体をのけぞらせ、ラリアットを躱してすぐに反撃のキックを浴びせた。

 

「ぐぬぅ……!」

 

 優雅に舞う様にリラティブは蹴りを叩き込む。

 反撃の隙も与えないほどの連続攻撃。可奈を救いたいという彼女の想いが込められたそれは、力に変換されることはない。

 何故なら、このウィズソローは悲しみを力に変えるからである。今は寧ろ怒り。モヤシの方へ変身した方がいいまである。

 

「調子に…… 乗るな!!」

「きゃっ!」

 

 エモーションからの強烈なキックに吹き飛ばされるリラティブ。

 その隙をついてエモーションは自身の身体に生えた触手を伸ばし、それをリラティブの身体に巻きつけて動きを制限する。

 

「くっ…!!」

『氷さん! 代わってください!』

「で、でも……!!」

『僕が何とかします! 氷さんはその後僕を…… 何とか止めてください!!』

「なによそれ…… でも、任せたわよ!」

《アングリー!》《ボルケーノ!》

《コネクト!》

《リラティブ! ウィズボルケーノ!》

 

「オラァッ!」という叫び声と共に触手を引きちぎる。

 リラティブはウィズアングリーへとフォームチェンジし、燃える拳をエモーションに喰らわせる。

 

「がはっ!」

「そんなに食いたきゃ、俺の拳でも食ってやがれ!!」

「あちぃっ!」

 

 拳の連打がエモーションに叩き込まれる。

 よろけたエモーションの肩を掴み、もう片手でドライバーの上部を押し、その手に炎のエネルギーを溜め始める。

 

「さぁ、燃え尽きろ」

《アングリー! フィーリング!》

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッ!!」

 

 そしてリラティブは火炎を纏った拳でエモーションの顔面を抉る様に殴り抜いた。

 火山の噴火の如きその勢いにエモーションは耐えられる筈もなく、吹き飛ばされたまま爆発して消え去った。

 

「まだまだこんなもんじゃ終わらせ…… って、てめぇ!!」

『はいはい、もう終わったから変身解除ね』

「この野郎!! 俺に指図すんじゃ──── すみません」

 

 変身を解くと、紐でも切れたかの様に一瞬で元のモヤシへと戻る。

 しかし、モヤシのままで可奈たちの元へ戻れば騒がせてしまうので、パッと姿を氷へと戻した。

 

「それじゃあ可奈たちの所に戻るわよ」

『本当にすみません……』

「もう慣れたかも」

 

 そう言って可奈の様子を見に戻ると、彼女は目を覚ましていた。が、ガチガチと歯を鳴らし、身体が小刻みに震えている。

 どうしたのか友人たちに聞くと、爆発音が聞こえた後、急に起き上がりこうなってしまった様だ。

 

「という事はエモーションを倒した後……? ねぇ、可奈? もう倒したよ? 大丈夫?」

「も、もう……!!」

「もう?」

「いや、だ。いやぁ……!!」

「可奈、どうしたの!?」

 

 明らかに様子がおかしい可奈。

 心配して肩に手をかけた途端、彼女の身体からエモーションが殻を破る様に飛び出してきたのだ。

 

「えっ─────」

「ミョルルルルルルルルル」

 

 再び可奈はバタリと倒れてしまい、それを見た友人たちは悲鳴を上げて尻餅をつき、足をガタガタさせて動けなくなってしまう。

 更に「恐怖」は伝染し、連鎖の様に友人たちからもエモーションが生まれる。

 

「う、嘘でしょ」

 

 合計4体のエモーションを前に氷は再びリラティブドライバーを取り出した────。




5000文字くらいが僕的には○です。が、リラティブは3000文字を基準に書いてます。
今回はテンポよくを目指してみます。多分いいです。多分。

次回、第6話「恐怖=氷山」

次回もよろしくお願いします!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。