仮面ライダーリラティブ   作:辰ノ命

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皆さんご無沙汰してます。
それではどうぞご覧ください。


第6話「恐怖=氷山」

 一度ニュースで見た事がある。

 この2年の間で起きた中では1番酷く、世界の終わり、人類滅亡とまで言われたその騒動は【エモーショナリデミック】と名付けられた。

 これは2年前、突如として現れたエモーション事件から数週間後に起こったもので、奇跡的に被害は最小限に収まった。

 先ほどの様に連鎖的に大勢の人間から生まれるエモーション。なぜ、収まったのかの理由は定かではない。

 だが、その傷跡として残るのが、現在のエモーションによる無差別な食事だ。

 

 

「可奈…… みんなっ……!!」

 

 その光景よりも凄まじいとは言わないが、一度に4体出現するのは、ここ最近では見られなかった。

 氷はリラティブドライバーを腰に装着する。

 

「えっ……?」

 

 すると、驚く事にエモーションは氷を襲わず、互いに掴み合いを始めた。

 気味の悪い鳴き声を共鳴させながら、今度は同士で触手を突き刺して互いを喰らう。

 何が起こっているのか。エモーション同士が互いを食うなんて聞いたことも見たこともない。

 氷はそれを見て震えていた。恐怖心が込み上げる。

 

『氷さんしっかり!』

 

 一緒の身体にいるので、お互いの感情の変化には敏感。

 モヤシは氷を励まそうと声を掛ける。氷もその声にハッとし、ドライバーにメダルを装填して変身する。

 

「変身ッ!!」

《リラティブ! ウィズソロー!》

 

 変身後も今だに互いを喰らい合うエモーション。

 これは大きなチャンスなのではないだろうか。このエモーション達を倒してしまえば、可奈たちを最も容易く救える事だろう。

 

「さぁ、まとめて冷やすわ!!」

 

 好機と取った氷リラティブはドライバーの上部を押して両脚に氷のエネルギーを集中させ、4体のエモーションを同時に蹴り飛ばす。

 

《ソロー!フィーリング!》

「ハァッ!!」

 

 掴み合いになっていたエモーションは、それぞれ廊下の壁に吹っ飛ばされる。

 少々学校が荒れてしまったが仕方ないだろう。

 

「これで終わり……?」

 

 いや、終わりではない。また4体のエモーションが互いを喰らい合う。

 そして段々とエモーションは融合をしていく。

 

「な、なんなのこれ……!!」

 

 エモーションが融合なんて聞いた事も見た事もない。

 もしかしたらこれがエモーショナリデミックが最小限に収まった理由なのかもしれない。互いに喰らい合うのなら、何人居ようとひとつの身体に収まり、数がより少なくなるからだ。

 

「……… モヤシ、今から戦うエモーションの相手いける?」

『え、どうして?』

「多分、さっきよりも遥かに…… 強い」

『…… わかりました。やってみます!』

《アングリー!》《ボルケーノ!》

《コネクト!》

《リラティブ!ウィズアングリー!》

 

 リラティブはウィズアングリーへとフォームチェンジし、モヤシの性格はガラリと変わり、物怖じせずにエモーションに突っ込んでいく。

 火山の様に荒々しく、炎を纏った拳をエモーションへと食らわせる。

 

「なにっ……!?」

 

 拳を片手で止められた。

 炎はまだ燃えているが、エモーションはそんな暑さ関係なく、リラティブを投げ飛ばした。

 

「なんだこのやろう……」

「私に、その攻撃は、通用しない」

「あ──?」

 

 今、こいつは喋ったのか。

 人間の言葉を喋るエモーションはいたが、それは人間の感情をたらふく食べた個体のみのはず。ただこのエモーションに関しては、エモーション同士の融合でなった個体であるので、ここまで綺麗に喋ることなど不可能だ。

 

「お前、なんで喋れるんだ?」

「逆に、問う。人間は、なぜ、喋る? それと、同じことだ」

「小馬鹿にしやがってよぉ……!!」

 

 リラティブの怒りのゲージが上がる。身体から炎が溢れ、それはまさに火山と表すべき姿だ。

 

「燃やされて灰になっちまえッ!!」

「なにを、怒る」

 

 炎の拳の連打が繰り出され、それらをエモーションは両手を使って軽くいなす。

 氷もその時に気づいた。このエモーションは「力」ではダメなのだと。「技」出なくては勝てない。

 

「クソッタレェェェェェェェッッ!!!」

『モヤシ!! 変わって!!』

「誰が変わるかぼけぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 そして隙をつかれたリラティブは、無数の拳の間から抜け出した平手で、廊下の壁にゴムボールの様に叩きつけられながら吹っ飛んだ。

 

「いってぇな……」

『あいつは力じゃ勝てないってわかったの。私なら絶対勝てる』

「お前が先に変われつったんだろ」

『臨機応変にやるのよ。それぐらいわかるでしょ』

「バカにしやがってぇ……!!!」

『はい、チェンジ』

「あ、くそっ!!────」

 

 氷が主導権を無理やり奪い取り、ウィズソローへとフォームチェンジを行う。

 しかし、この形態になったからと言って勝てる見込みはない。絶対と啖呵は切っても、実際は根本部分は何も解決してない。

 

「モヤシの力でも勝てない敵…… 友人達の感情……」

 

 氷の奥底にある不安が表に顔を出し、みるみるうちにそれは「恐怖」の感情に変わる。

 恐怖を覚えたその時、彼女の手には新たなカンジョーメダルが握られていた。

 

「紫色のメダル……?」

 

 氷はリラティブドライバーからソローメダルを抜き取り、紫のメダル「テラーメダル」をセットする。

 

《テラー!》《アイスバーグ!》

《コネクト!》

「これってもしかして……」

『新しい力ってやつじゃないですか!?』

「よーし、行くわよ!!」

 

 リラティブドライバーの上部のボタンを押すと、真ん中のメダルが回転し、紫色に光出す。

 

《リラティブ! ウィズテラー!》

 

 これは恐怖から生まれたメダル。氷の勇気が恐怖を作り、恐怖は新たな力へ変換された。

 ウィズソローとは違い、装甲の色は紫色へと変更され、全体的につららの様に棘が下へと伸びている。さながら着物を着た幽霊の様。

 

「さぁ、冷やすわ!!」

「新たな、姿」

 

 エモーションはそう呟くと彼女に突撃していく。

 それに対してリラティブは両手を前に突き出し力を込めると、両手から水の波動が出てきてエモーションを吹っ飛ばした。

 

「今度は水ってことね…… よしっ!」

「その力、危険だ」

「あなたもね!」

 

 そしてリラティブは水の波動を放って、エモーションから距離を取りつつダメージを与えていく。

 その連続攻撃にエモーションは近づくことができず、段々と後退を余儀なくされる。

 

「私、わかったことがあるんだけど。あなたその力って『量より質』って事でしょ。可奈達の感情が1人10だとしたら、あなた達が無差別に食べてる感情が3。つまり4体分という事は3倍以上は強いって事よね」

「そうだ。私は、強い、はず。なぜ、お前が、私より、上」

「いえ、力の差はあんまし埋まってない。簡単な話よ、あなたは──── 近距離攻撃しかしてこないんだもん」

「あっ……」

「さっさと返しなさい。可奈達の感情ッ!!!」

《テラー! フィーリング!》

 

 リラティブはドライバーの上部を押して、両手にエネルギーを集中させ、巨大な水の波動をエモーションに向けて放った。

 エモーションのいる廊下には扉がなく、逃げる通路もない。

 波動は廊下を抉りながらエモーションを巻き込み、突き当たりまで吹き飛ばし、壁を越えて外へと飛んでいく。

 

「あ、ああぁぁぁぁああぁあぁぁあぁっ!!!──────」

 

 そしてエモーションはたまらず爆発して散っていった。

 それと同時にモヤの様なものが飛び出し、可奈達の身体の中へと入っていく。

 

「はい、私の勝ち!」

『やりましたね氷さん!』

「さて、可奈達の様子を見に行くわよ────」

 

 氷は変身を解いて、感情が元通りになったのか確認をしにいくのであった────。

 

 

 *****

 

 

 またいつもの学校生活に戻った。

 翌日、1人学校に向かう氷。立て続けの戦闘で少し疲労が出ている。

 

「ん〜…… 身体が重たい」

『氷さん大丈夫ですか?』

「一応はね。それよりあのエモーション手強かったわ」

『あれが何度も出てくるとなると困りものです』

「そうならない事を願うばかりよ…… このメダル。これがなかったらもっと苦戦してたかも」

『ベルトといい、メダルといい、どれもこれも急な登場しますね』

「やっぱり不思議よね。これから私たちどうなっちゃうんだろ」

 

 そう心配する氷。

 それを見下ろす新たな影。

 

「─── お前の出番だ。ヨロコビ」

「はっはー! 任せなカナシミ。マジであいつら倒してやっからよマジ」

 

 新たなエモーション。彼女達の運命は────。




早くしようと思ったらめっちゃ遅れました()

次回、第7話「喜び=火山」

次回もよろしくお願いします!!
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