キーノ・インベルンが踏み込むべからざる道へ踏み込んでから13年後の幕間劇。
二代目マーレ、アウラは二百十四歳。
10.
「ほ、本物だ!
今度は……本物だ、ひーーーっ!」
と、我らが大魔王アインズ・ウール・ゴウンはのたもうた。
二代目アウラが双子を出産、の報を受けての話である。
彼らを産んだ初代アウラ、マーレは、姉弟ではあったがあくまでもそれはフレーバーテキストに記述された設定であり、直接の生みの親はギルドの粘液盾ぶくぶく茶釜なのであって、そして彼女が二人を出産したわけでは決してない。
対して、今新たに双子の誕生を告げてきた二代目マーレ、アウラは、初代アウラの腹から産まれて来た正真正銘の血を分けた兄妹である。
無論、自身が人間鈴木悟をその源流におきつつも、こちらの世界で顕現して以降は人間では決してない、ということを自覚して久しいアインズは、自身や
また、彼の依って立つ<アインズ・ウール・ゴウンの
が。
理解していること、と湧き上がる感情は別物であり、有り体に言えばアインズは、表面上は祝福の言辞を弄しつつも
生まれた順に姉ベラ、弟ベロ、となった双子は、性別こそ初代と揃ったが、二代目がああであった以上元の設定に綺麗にそのまま回帰するとは思えず、今度はぼんやりした性格の
だが、アインズにとってはそんなことはどうでも良かった……というのはいささか語弊があるが、三代目が二代目同様ナザリックの貴重な人材、戦力となることは、彼らがどのような性格、能力を発揮しようとも確定事項なのであってそこに疑いを挟む余地などなく、むしろこの時期のアインズの最も願ったことは、ふと気を抜く都度に耳元で聞こえてくる、
(お兄ちゃん、中に出して!)
という、ぶくぶく茶釜の声色による幻聴を誰か止めてくれ!というものだった。
とまれ、よもや至高の
例によって例の如く、両親であるところの二代目マーレ、アウラはこれまた
「おんやー、でありんす!」
シャルティアは、ナザリック近傍の哨戒中については、難敵でない限りどのように処理してもお構いなしの特免をアインズから与えられている。
これは、哨戒中の彼女に対して常にニグレドの目が光っていることを前提としていて、三代目双子の誕生を受けてニグレドが超ポンコツ化している今にあってはその役目を補うべくエントマが伴っているのではあるが、エントマがシャルティアと共に人間、亜人を貪り喰らうことこそあれ抑止力になるなどとは誰も思ってはいないので、エントマに期待されているのは、何はさておき想定外の事態については緊急連絡をおこなえ、というものになる。
そのエントマにしても、目下の事態は緊急、という言葉が想起させるそれとは程遠かった。
まだ遠いが、それでも確実にこちらに真っ直ぐ向かって歩いて来るのは光沢を発するピンク色の仕立ての良い
が、不意にピタとシャルティアが歩みを止めたのでエントマもそれに倣う。
シャルティアは、
「そこのおんし、何者でありんすえ?」
普段なら決してそんなことはしないが、シャルティアは、彼女らが歩みを止めてもなお立ち止まろうとしない少女に声をかけた。そして返って来た言葉はエントマに要緊急連絡を決断させるに余りあるものだった。
「あら!あなたがシャルティアね。」
「何の冗談だ?」
ナザリック地下大墳墓にほど近い無人の野原。
慌てて駆け付けたアインズが、シャルティア、エントマと謎の少女を待たせたまま独り言を呟いている。
事件の発生を知ったアインズは、取り急ぎ自ら<
「あなたがアインズね。
いつも父がお世話になっています。」
と。
至高の
(……なんだいアインズ、藪から棒に?)
無論相手は、アインズのこちらの世界唯一の友人にして腐れ縁の
「ひょっとしておまえ……娘がいるか?」
(いるよ。ボクをいくつだと思ってるんだい?)
「そんな話、聞いたことはなかったように思うが。」
(何も憶えていないキミにそんなことを問われる筋合いはないし、そもそもキミはアウラ、マーレが子どもをもうけたときに知らせてくれなかったじゃないか!)
……え!
まさかこいつも、コキュートスやニグレドと同じ病気持ちなのか?
「そ、それはそうだが……そうだ!
実はそのとき生まれたマーレ、アウラにもまた双子が生まれてな。
見たいのなら……見に来ても構わんぞ。」
(……まぁ、気が向けばそのうち。)
なんだ!特に興味ねーんじゃねーか!
「……それはともかく、おまえの娘らしいのが来てるんだが。」
(ああ……。で?)
「で?
じゃないだろ!
どういうことだ!ナザリックのことを話したのか!」
(キミだってまかり間違えて子どもが出来たら、幼い時分は寝かしつけるのに至高の四十一人の話くらいするだろ?)
「そ、それはそうかも知れないが……所在まで教えるのはいかんのじゃないか?」
(いや、会いたければ探してごらん、とは言ったかもしれないが、教えてはいないよ。
あの子はボクに似ず物事に熱中するきらいがあるから本当に探し当てたんだね。
なかなかどうして大したものだ。)
「大したもんだ、じゃないだろ!
速攻迎えに来い!」
(……なぜ?)
「どうしても何も、おまえの娘だろ!」
(巣立った雛のことなんか知らないよ。気に喰わないなら屠ってもらって結構。)
「……はぁ?」
(……)
「……」
(……)
「……どうした、ツアー?」
(……むにゃむにゃ)
「コラッ!寝るな!」
(……うーん、人の昼寝の最中に突然呼び掛けてきておいてその言い草はないだろう?)
そういう問題じゃないだろ!
どこの世界に己の娘を気に入らんなら殺せと言いつつ居眠りする父親がいる!
何てことだ。
マーレ、アウラといい、ニグレド、コキュートスといい……この世でまともなのはオレだけなのか!
モモンガさん。あのタブラさんや、るし★ふぁーさんですら、存外自分を常識人だと考えていて、僕たちを見て「なんてあいつらは常識がないんだ」と腹を立てていたりするものなのですよ。人は皆、自分自身を基準にしか物を考えられませんからね。
不意に耳元に聞こえた、自他ともにギルド一番の
(……ともかく、だ。巣立った雛についてキミにとやかく言われる筋合いはない。さりとてボクとて子の親だ。生かして
嘘つけ!
これ以上この獣と論じても時間の無駄だ、と悟ったアインズは通話を切った。
振り返れば、興味深げにピンク色の少女が自身を見上げている。
「お茶……」
「ん?茶がどうした?」
「こちらはお茶も出ませんの?」
はぁ?
……親子してどういう頭の構造をしてるんだ、こいつらは!
「……お茶も何も。
飲めるのか?」
「はぃ?」
「いや、それ……」
アインズの目から見れば、こめかみの辺りから一対の
「
「傀儡……あぁ、父の悪趣味なアレですか?」
……よもや、とは思うが。
コイツ、わかってて喧嘩売ってんじゃねーだろーな!
「これは私の
え……ツアーって、人間の女に子ども産ませたの?
そんなこと出来るの?それも獣姦っていうの、この場合?
っつーか、なんでオレの周り、こんな奴ばっかりなの?
オレ、呪われてるの!
「母の血です。母も
……あー、びっくりした。いや、それもびっくりだけど。
胸を撫で下ろしたアインズは、馬々鹿々しくは思いつつも<
ややあって<
手際よく用意を整えたセバスは、まず少女を手招いて椅子を引き着座を勧めたが、そのあたりから少女の様子が見るからに
そんな必要はまったくないのは承知の上で、形式上のこととアインズも着座してセバスが注いだ紅茶を勧めるが、自分で要求しておいて少女はそれには手を出さず、俯いたまま何やらモジモジしている。何しに来たんだよ、コイツ!
「あ……アインズさん!」
何なんだ、こいつ?初対面は呼び捨てだったくせに!
「……何か?」
「こ、こ、こちらの
少女は躊躇いがちに傍らで直立不動を保つセバスに視線を向けた。
正直予想していなかった展開にアインズは、
「あ、うちのセバスです、執事の。」
と、やや鈴木悟の
「セ、セ、セ、セバス……様とおっしゃるのですね!」
と頬を赤らめる。
えっ!……何なのこの流れ?
「わ、わ、わ、私は
「こ、こ、こ、コニーとお呼びください!」
最初からそう言えーーー!
内心突っ込み吹き荒れるアインズに対し、セバスはまったく無表情のまま、常の
「わ、わ、わ、私と……そのぉ……あのぉ……お付き合いいただけませんか!
た、た、た、た、た、た、卵を……温めることを前提に!」
ふぁーーーーーーーーーーーーッ!
アインズは、もしそれが熱を発するものであれば周囲数平方キロを焼き尽くさんばかりの神々しい緑色の光を放ったが、
「セニョリータ・コンスタンツァダラゴーナ・ミナスジェライス。」
ややあって、セバスが無闇に長たらしいその名に未婚女性への敬称を冠して呼んだ。
「
そう語るセバスをコニーはジッと潤んだ瞳でみつめている。
「お嬢様が立派な
右手を肩口からスッと斜めに振り下ろす礼を執ってセバスがそう言うと、コニーは肩を落として見るからに気落ちした様子を見せたが、ややあってぷいと身を起こすと、ぱくぱくと茶菓子を
「アインズさん、ご馳走様でした。
もう少し大きくなってから出直します。」
と言うが早いかちょいと飛び上がると、
「アインズ様、今のは……何だったので御座いましょう?」
オレに訊いてくれるな!
しかしおまえも……大概だな。
結局ツアーの言伝は伝えそびれてしまったが、伝えたところであのじゃじゃ馬がそれに従うはずもないだろう、とアインズは再び溜息をついた。
*
アインズは、アルベドを後ろから静かに抱きしめている。
何を憚ってか薄い
ナザリック地下大墳墓
アルベドは幾度となく達しつつもその頂点を極めるとすやすやと寝入ってしまうのが常なので、少し二人で話したいことがあるときは、今そうしているように、アインズがアルベドを背後から包み込むように抱きながら語らうことがしばしばある。
こうでもしないと、一瞬でアルベドに組み伏せられて主導権を奪われるからだ。
「聞いたか、その……ツアーの娘の話?」
突如の
「伺いました、セバスから。」
「セバスから?」
アインズ自身はもちろんいちいちに記憶しているものではないが、しばしばセバスがアルベドの助言を当てにすることがあるのは承知している。はて、たっち・みーもタブラ・スマラグディナに対してそうであったりしたものだったろうか。
「もし、自分がツアーとやらの娘を娶ることになるとすれば、自分はツアーに挨拶にいくべきだろうか、とあの者らしい真面目な顔で尋ねられました。」
思わずアインズは吹き出しそうになるが、そこはグッと堪えた。
「で……おまえはセバスにどう応じてやったんだ?」
「
ひっでー!
まぁ、ツアーの娘に対する態度を考えれば、あながち間違っちゃいないわな。
あいつだってセバスに「娘さんを下さい」なんて迫られたら困るだろーよ。
いや……それはそれで面白いな!
「アインズ様。」
とアルベドの手の平がアインズの骨のそれを包み込む。
「手が……止まって御座いますぅ。」
アルベドはアインズを背もたれのようにして目を閉じて寄りかかっているが、肩越しにアルベドを抱くアインズの手は丁度アルベドの豊満な胸の上にあり、こうして語らうに際しアルベドはアインズに胸を揉まれ続けることを好んだ。
が、ついさきほどそうであったように、アインズの思考が益体もない着想に囚われると不意にその手が止まってしまい、こうして甘えた声で求められる、という寸法だ。
「すまんすまん、つい、な。」
「あのツアーの娘で御座いましょう?
幼いゆえにかような戯言を申したものでしょうが、長じればまた変わっても参りましょう。
ま、それはオレもそう思うわ。
「しかし……あのツアーに娘がいようとは考えもしなかった。
どうにも、アルベドに申し訳なくて……な。」
「
アルベドが金の猫の目を大きく見開き、アインズの方を振り返る。
「その……なんだ。オレは……その……ナニもないので……アルベドを身籠らせてやることも出来ん。」
もごもごと口籠りながらアインズがそういうと、アルベドは優しげな笑みを浮かべた。
「お心遣いは有り難く存じますが、私はそんなことは望んでおりませんよ。」
「いや、しかし……」
「お考えください、そもそも
「うーん、愛の……結晶、とか?」
口にしながらアインズの中で「自分で言っといて
「アインズ様、また手が止まって御座いますぅ。」
慌ててアインズはアルベドの胸を再び優しく骨の手の平で包み込もうとするが、焦ったこともあってついついアルベドの敏感な部分を強くつついてしまった。
「アンッ!」
と頬を赤らめながら声を上げたアルベドは俄にガバッと立ち上がり、
「よぉっしゃぁーッ!参りますわよ、アインズ様!」
と、見る人が見れば寝技で相手を捻じ伏せんとする
「待って!待って!アルベドさん!待って!
もうちょっと……もうちょっとお話ししよう!」
アインズとしては、期せずしてアルベドの口から発せられた、何故に子は欲されるものか、との言葉の続きが聞きたかった。ここでアルベドがあちらの方に火がついてしまえば、これを聞き出す機会は失われるかも知れない。
取って喰らわんかの如く目を血走らせ立ちはだかるアルベドと睨み合うことしばし。
不意に憑き物でも落ちたかのように日常の表情を取り戻したアルベドは、すっとしゃがみこみながらアインズへ背を向けて、
「だっこ。」
とせがむ。
アインズが、任意の姿勢で固定できる自身の骨格を彼女が身体を預けるに丁度よい具合に調整すれば、アルベドはそこにころん、と転がり込んだ。すぐにアインズの左右の手を引いて自身の胸の上に添えさせ、心地良さげにもたれかかって目を閉じる。
あー、可愛い……たまらんなぁ!
アインズは、守護者統括として怜悧な采配を
「で……さっきの話の続きを聞かせてくれないか?」
「……
「そう、それそれ。」
アルベドは、目を閉じたままアインズに深く身を委ね、ややあって語り始めた。
「人であれ何であれ、己の命に尽きるときが来ることを自覚する程度の知恵を持つ者は、無意識のうちにその生命を……思いを継ぐものを求めます。ですが多くの場合、継ぐ者を己のみで得ることは叶いません。」
「ふむふむ。」
「本来的にその欲求は利己的なもので御座いましょうが、知恵ある者は知恵あればこそ、自身の本能的な要求にそのままに従うことを忌避する傾向を見せます。が、従わねば子は得られません。
そこで愛が語られます。」
「アルベドが言わんとするのは、愛あるゆえに子が欲されるのではなくて、子が欲されるがゆえに愛が語られる……ということでよいのかな?」
「手が止まって御座いますよ。」
「あ、すまんすまん。
……こんな感じ、でいいか?続けてくれ。」
「……アインズ様は、おそらくはお
「愛、などというものは存在しない、と?」
「そうは申しません、むしろその逆で御座います。
順序から言えば子が先で愛が後、であることは揺るがぬ事実では御座いますが、愛、というものが語られるようになって以降、独り歩きを始めたこともこれまた事実。ですが、多くの者はこの真実に思い至らぬがゆえに、ときに相手を、ときに己自身を傷つけも致しましょう。あらゆる戦略戦術において手段と目的の混同が敗北必至であることは殊さらに論じるまでも御座いませんが、それが愛、というものなので御座います。
ですが。」
アルベドはゆっくりと背後のアインズへと振り返る。
「
その猫の目に捉えられて、思わずアインズは息を呑んだ。
「アインズ様も私も共に異形種、尽きる生命を持たぬ者。
そもそも子を欲する理由が御座いませんでしょう?
私たちの愛は、フレーバーテキストに愛していると刻まれ、<
ゆっくりと身体を捻ってアインズに向き合ったアルベドは、
「ですからアインズ様は、私を身籠らせられぬ、などということにお心を傷めずともよろしいのです。
アインズ様と
と楽しげに言いながら、アインズの頬に軽くキスをした。
よろしいですかな、皆さん。近代的な愛、というものは中世欧州の騎士道に端を発するという説があるのですよ。吟遊詩人が語り歩いた物語は、決まって誇り高き騎士が自身の主君の奥方や姫君たちといった高嶺の花に思いを馳せ、情欲としては実らぬ愛に殉じて戦う姿を美しく謳い上げたものですが、もちろんそんなものが実際にあったはずもなく、これは同時に全欧を席巻したキリスト教が掲げる建前上の道徳律と、
一方で、他ならぬ我々が
そのような意味において、かのアーサー王伝説における円卓の騎士ランスロットが、実際にはあるべきでない主君の奥方グィネヴィアへの横恋慕をあろうことか成就させてしまい、でありながら、その不道徳を責められるでもなく英雄性が損なわれるでもなく、かくも美しく謳い継がれたことなどには深い意味合いがあるもの、とお思いにはなられませんかな。おっとそういえば、我らが姫君あんころもっちもち嬢に約束していた秘薬を届けねばならんのでした、それでは皆様ご機嫌よう。
「凄い!
やっぱりアルベドは凄いよ!」
自身が聞かされたものか、他の誰かの記憶を辿ったものかはわからないが、不意に脳裏を走ったギルド迷物タブラ・スマラグディナの蘊蓄開陳が重なって、アインズは、ついつい懐かしさのあまり鈴木悟に由来する
「流石、あのタブラさんの娘だ!」
そう言いながらアインズはアルベドを強く抱き寄せたので、
抱き寄せられたアルベドはややあってその表情を、情欲に満ち溢れた獣のそれに変じた。
「スズキサトル様がお顔をお出しになられたのであれば是非もなし。」
恐るべき膂力で骨の身体は寝台に組み伏せられ、上をアルベドに取られてはアインズには抗う
「どうかそのままで何もお考えになることなく、すべてを
解き放たれた
「あぁアルベド、凄いよ!」
「アインズ、愛しているわ!」
ふと気がつくと、アインズは身体を丸めてアルベドの膝枕に横たわっていた。
ぽん、ぽん、と彼女の手が背に触れてくれるのが心地よい。
え?
オレ……寝てた?
そしてアインズは不意に真実に思い当たった。
神々しい緑色の光、
が、実は違ったのだ。
「ア、アルベド……その……もう一度……」
「いけませんよ、アインズ様
慈母の如き微笑みを浮かべながらアルベドが優しく諭す。
一方でその
思った通りだ。
これがよもや三百云十年を通して初めてのことであろうはずもない。
アルベドはこうしてしばしばアインズを癒やしてくれていたのだ。
だから、自分はここまで耐えて来られたのだ。
そして、それを自分が如何なる形であっても記憶していないのは、アルベドの思いを汲んで敢えて記憶に留めず、常に新鮮な驚きを以てこの愛を受け止めたいと自分が願い続けてきたからだ。
嗚呼、何て嬉しいことだろうか!
「ふふ、そうだったな。
では、今度はオレの番だ。
アインズがまだしっとりと濡れたアルベドの秘所に優しく骨の指を伸ばしながらそう言うと、アルベドは静かに自身の身体を寝台に横たえ、頬を朱に染めた。
「優しく……してくださいませ、アインズ様。」
「無論だ、愛しているよアルベド。」
すぐさまにアルベドは可愛らしい嬌声を上げて身を捩らせた。
その耳元に顔を寄せ、アインズは囁く。
「アルベドはオレの宝だ。
おまえに少しでも辛い思いをさせる者があれば、オレは必ずそいつを八つ裂きにしてやるだろう。」
「嗚呼、アインズ、嬉しいわ!」
アインズの気づきは正しく、そしてそれはやがて忘れ去られ次なる驚きの愛交の機会までお預けとなる。
が、このときのアインズは一つ見落としをしていた。
アルベドが、不意にアインズが見せた鈴木悟の一面に、常であれば
が、アルベドの真意は別にあった。
あれ以上、創造主タブラ・スマラグディナについてアインズから語られることを忌々しく思えばこそ、彼女はアインズを淫乱の魔術で陶酔へ導いたのだった。
と彼女が誓い続けていることを、アインズが知るのはまだまだ大分と先の話となる。
<次話予告>
遂に勃発するナザリック地下大墳墓と互角な
「アインズ様……まさか
億劫のオーバーロード第6話『水晶の塔』
「あの