「触れ得ざる者……だったか?」
大陸の東の果て、城塞都市オークネイスの市庁舎貴賓室で、姿勢正しく背筋を伸ばしてキーノに向かい合った
「キーノが随分なことを言い広めてくれたお陰で、
この物言いに、キーノのみならず並んで座るクレマンティーヌもまた背筋に冷たいものを覚えていた。
奇縁の
その目指すところは、双方にとって無用な衝突を回避することであって、必ずしも
その意趣返しに、わざわざ呼びつけたものだろうか?
「誤解しないでくれたまえ、私にキーノを責めるつもりはない。」
俄かに強張った表情から何かを察したものか、ジャムはそう取り繕う。
「オークネイスの
キーノは、はて、このプレイヤーは本心を語っているものだろうか、との疑念を
そこを見定めようとジャムの視線を探るが、ここに至って初めて気づいたものだが、最初に挨拶を交わして以降、ジャムはずっと目を閉じたままだ。そもそも表情に乏しいことも手伝って、その内面はなかなかに測り難い。
「そして、キーノの遺した
ちょっと予想していなかった話の流れにキーノは戸惑った。
言葉通りに受け取れば、ジャムはまさにキーノたちが永劫の旅の中で
実際、キーノがそうなることを案じたものか、さきほどからクレマンティーヌのしなやかな指先がジャムからは死角になっているであろうキーノの後ろ腰に触れて、何かを訴えている。安易に
「私たちは為すべきことを為してきただけで、感謝されるほどのことではない。
それよりも、不躾なことを尋ねるがジャムは……目が不自由なのか?」
この問い掛けに、表情の乏しいジャムであっても一瞬、ほんの一瞬ではあるが虚を衝かれたかのような様子を見せたことがキーノにもわかった。
「キーノは……」
と、ジャム。
「心根が優しいのだな。」
「……えっ?」
逆にキーノが、これまた予想していなかった返しに狼狽える羽目になったが、ジャムは事も無げにこう言う。
「目を閉じているのは私の
こういった気さくな物言いに、キーノは大魔王アインズ・ウール・ゴウンに通じるものを感じる。少なくともこの人物は問答無用の破壊や略奪を嗜む
一方でアインズが、今まさにこの話を聞く彼がそうであるように、地べたに
いや、ジャムが今しがた言ったように、その見た目自体にはさしたる意味はないのだろうか?
「本題に入ろう。」
やはり何の感情も伝わってはこない口調でジャムがそう言う。
これまた、常に冷静沈着でありながらある一面で野放図に
「まず私の理解しているところを話そう。
キーノの知見と異なるところがあれば追って補足してくれたまえ。」
と、断りを入れてジャムは語り始めた。
「オークネイスの民との語らいを通して、この
一方で、沈黙する触れ得ざる塔、西からやって来た破滅からオークネイスを護り抜いたと聞く
その理路整然とした言葉に、キーノのみならずクレマンティーヌもまた思わず息を呑んだ。
この男は間違いなく頭が切れる。そして、<百年の揺り返し>の
「あぁ……ジャムの言う通りだ。」
キーノが簡潔にその言を認めると、こくり、と頷いたジャムはさらに言葉を重ねた。
「そして直近……もっとも当時を直接知る者は、キーノたちを除けば誰一人生きていようはずもないほど昔の話ではあるが、オークネイス上空をも通過したという空中戦艦の
何を思ってかアインズ・ウール・ゴウンとの対決を望んだプレイヤー、
「東の沖合の海底で、大破
「「な!」」
流石にこのジャムの発言には、キーノもクレマンティーヌも驚きを隠すことができなかった。
クリフ……この名も騙られたそれを真に受けているだけで正しくはないのだが……がアインズに返り討ちになっていたのであろうことは薄々わかってはいたが、触れ得ざる塔で実見した空飛ぶ船のその後については何も知らなかったからだ。
「その様子からすると、空中戦艦がどうなったかは承知してはいなかったようだな。」
「あッ!いや、その……」
それを自分たちが知らなかった、と
「慌てなくてもよい。」
と、変わらず平板なジャムの声に制される。
「キーノは決して弱くはないが、ギルド拠点、ましてや機動力を有する空中戦艦を撃破する力はあるまい。なれば、それを為した
まさにそれは、キーノがジャムに思い至っては欲しくなかったところを言い当てていた。
キーノが
「キーノは、その
むぐぐ、とキーノは言葉を詰まらせた。
よもや状況証拠だけからここまで詰め寄られるとは思いもしなかったことだ。
この、一見理知的に見える男もまた、
ジャムは、キーノが是とも否とも応じぬ前からこう言った。
「そこでキーノに依頼したいことがある。」
「……依頼?」
変わらず平板で、かつ、さらに物腰柔らかな言葉にキーノは意表を衝かれた。
「キーノは冒険者なのだろう?
だから
穏便な話ではあるが、クリフとて初手は同様だったことを思えば安心するのはまだ早い。
「……ひとまず聞こう。」
と応じたキーノに、やはりさらりとジャムは言った。
「私と、キーノの知るプレイヤーの会見を
「
辛うじて口にすべからざる名を漏らすことを
「そのプレイヤーは男なのだな?」
と、ジャム。
クレマンティーヌの注意喚起するところは、どれだけ注意しようとも言葉の端々から情報が洩れるので、余計なことは可能な限り口にするな、といったところらしい。
「
これをキーノに。」
ジャムはそれまで、ぴくり、とも動かさなかった手を挙げて中空をまさぐり、手品のように一本の
「第九位階魔法を操るキーノであれば、使い方はわかろう。」
有無を言わさぬ勢いで差し出されたそれを、キーノは
「彼が指定した地点から
最早この依頼を断ることは叶うまい、とキーノは観念した。
「……わかった、善処を約束しよう。」
キーノがそう言うと、用は済んだ、とばかりにジャムは立ち上り、
「私の客人、と告げればこの街では
とだけ告げて立ち去ろうとする。
これをキーノは慌てて呼び止めた。
「待て!
一つだけ……訊かせてもらってかまわないか?」
「
キーノが案じる必要はない。教えを乞いたいことがあるだけだ。道中の無事を祈っている。」
そしてそのままジャムは、振り返ることすらなく貴賓室から出て行ってしまったのであった。
*
「……で。その
と、アインズが問う。
「まさか!
自分で鑑定してみれば案の定<
と、応じるキーノ。
「同じ理由で、いつぞやの二の舞は御免だからな。敢えて<
以降、クゥイア、クゥイナは何も感じていないようだったから、よもやジャム配下の
「……やるじゃん!」
キーノのユグドラシル戦術上も実に理に適った物言いに、大魔王アインズ・ウール・ゴウンは感心してみせる他なかった。
「なかなかに、興味深い話じゃないか!」
と、アインズは上機嫌だ。その様子が返ってキーノを不安にさせる。
「確かに……ジャム、というのは決して
「クレマンティーヌ!」
キーノのジャム評を遮って、アインズはキーノの参謀兼愛人の名を唐突に呼んだ。
「えっ?ワタシぃ?」
呼ばれた
「そうだ。キーノも決して阿呆ではないが、人を見る目、という点ではクレマンティーヌの
「よ、よしてよ、アインズさん。デミウルゴスでもあるまいに!」
と、引き気味のクレマンティーヌだが、ここでデミウルゴスの名を出したことはアインズを喜ばせたようで、骨の口がカチカチと噛み合って笑うが、キーノたちからすれば不気味極まりない光景だ。
「で、クレマンティーヌの見るところ、ジャム、というのは……どうだ?」
そう問われて、うーん、とクレマンティーヌは唸った。
「悪い奴に見えなかった、という点ではキーノちゃんと同意見ではあるんだけど。」
「……あるんだけど?」
本当にアインズは、クレマンティーヌには一家言あるもの、と期待しているらしい。
そしてその期待は決して間違ってはいなかった。
「とても老成した印象で、下手すりゃアインズさんよりも大人びてたかも知れないけれども。」
「ふふ、言ってくれる。」
「あー、別にアインズさんが子どもっぽい、だなんて言ってないからね!
……それでもあいつは、腹の中に何か隠してるのは間違いないわさ。アインズさんとの会見を設けてそこで不意打ち喰らわそう、とか、そういう単純なやつじゃなくてもっと複雑な……何か、だと思う。」
最初はおどけた調子で喋っていたクレマンティーヌの表情から、次第に笑顔が消えて真顔になっていくのを見て、キーノも、そしてアインズも、彼女の見立てに誤りはあるまい、との印象を得た。
「パンドラはどうだ?」
同席した息子に目を向ければ、
「あ、失敬。もう終わりま……
おそらくかの者は、既に在地の者と協業しての鉱山採掘で、その永続については疑問が残るものの、短期的には安定した拠点維持が叶っておるもの、と見受けられますれば、強いて我らを含め他のプレイヤーに敵対行動を採る必然性は御座いますまい。」
「そこはオレもそう思う。キーノの話通りの人物像であれば、
「……なんだ、それ?」
アインズの物言いに疑問を感じたキーノがぽろりと問う。
秘密にするほどのものでもないだろう、とアインズは鷹揚に応じた。
「
こくこく、と頷くキーノ。
「実際には、完全な
この線上にあって唯一特殊なものが
「父上もそうお考えでしたか。」
と、パンドラズ・アクターが楽しそうに割り込んできて、アインズは「そりゃそうだろう!」と骨の手の平を、ポン、と打った。
「ユグドラシル時代もお目にかかったことはないが、そいつの外見上の特徴は間違いなくアレだ。」
「アレ……とは?」
心配げにキーノが問う。
対照的にアインズは、ひたすら愉快げに語った。
「昔まさにここで、オレとかち合ったプレイヤーをおまえらは覚えてるだろう?」
「あぁ、窮地を救ってもらったときだな。私と同じ
「あぁ、そうだったかな?言ってるオレは自分でブチ殺しといて憶えてないんだけどな!
ゴホンッ……ともかく、だ。そいつ、そしてオレが修めている
「ジャム、は……それに準じる存在、と?」
「そういうことだ。
おそらくそいつは、習得に
骨の両手を振り上げて、自慢話なのか、それとも本気でキーノたちを褒めているのかよくわからないことを叫ぶ骸骨にキーノたちは溜息を漏らすも、呆れられた本人にそれを気にする様子はない。
「もっとも
そんなことより、パンドラ。こいつにどう対応するか、については、
「そこは父上の仰る通りかと。」
改めてアインズはキーノに向き直った。
「何らかの形でジャムとやらには応じることになるだろう。ためにはおまえらには足労をかけるが……」
「元よりそこはそのつもりだ。」
と、即答するキーノ。
「だが、相手が並みの相手でないことは明白だから、オレと言えど即断即決は避けたい。ちょっと待ってもらうことになるが……おまえらはナザリックには」
「あーーーッ、それは遠慮させてくれ!
私たちは一旦村……アインズさんが大昔にド・クロサマー王国を造ったあの村に立ち寄っているから、方針が決まれば<
うんうん、とアインズは頷く。
「ジャム、じゃないけど、キーノたちには何か謝礼を用意しないとな。」
さらりとアインズがそう言うので、キーノ、クレマンティーヌ共に諸手を振って謝絶を示した。
「よしてくれ、アインズさん。
私は……その……友人、には謝礼は求めない主義だ!」
「ドラゴンステーキもご馳走になったことだしね!」
ふふ、と微笑むアインズ。
「そうだな。まぁ……追って何かオレの気持ちは贈らせてもらうさ。
じゃぁ、村とやらで少し待っていてくれ。」
漆黒の
「連中……どうするつもりなのかな?」
と、クレマンティーヌ。
「さぁ。」
と、ホッと一息吐くキーノ。
「穏便なものであればいいんだが。」
*
……かくして奇縁の
ババンバンバンッ、バンバン、バババンッ!
以上、黒の
バババンッ!
並んだまま、ぽかーん、と仲良く口を
ナザリック地下大墳墓
キーノから聞かされた東方での
「申し訳ありません、遅くなりました。」
と、そこへ、何処かへ買い物にでも出掛けていたかのように紙袋を抱えた狡知の参謀、
「
と、アルベドはお
が、噛みつかれた当の本人は気にする様子もない。
「すまないがパンドラズ・アクター、今一度最初から聞かせてくれるかね。」
「……だそうだ。パンドラ、もう一回頼む。バンバンなしで。」
「少し……休ませていただいてから、でよろしいでしょうか、父上?」
「……疲れるんだろ?疲れるんだよなぁーーー!
なら要らんだろ、あのバンバンは!
先にこっちの言い分を聞こうか。デミウルゴスは何をやってたんだ!」
「ご下問とあらばお答えせぬわけには参りません。」
むむ、これは嫌な流れではないのか?
と、
そんな至高の主を
「これを手に入れに出ておりました。」
「「……
アインズと愛妃アルベドが
「東方に
ぽかん、と、パンドラズ・アクターの講談を聞かされていたときよりもさらに大きく口を
「お、おまえ……また勝手なことを!」
「アインズ様におかれましては何か誤解なさっておるようで御座いますが、
「……?」
「かの村を含む人間たちは、カッツェ平野北部の開拓の都合でエイヴァーシャーの森に産する
「コニーだぁ?」
コニーとは、エイヴァーシャーの森の大昔の
「で、この交易がうまく回り出したことを喜んでおるコニーは、
「コニーのところに
よもや、とは思うが……おまえ、まさか!」
「ご冗談を、アインズ様。
口パカパカパカ、ペカペカペカペカペカペカ!
コニーは、自ら望んでナザリックの執事、竜人セバス・チャンとの間に一子、
「失礼いたします。」
アインズが正気を取り戻してデミウルゴスへの反撃を図る前に、本日のアインズ様当番フォアイルが入室してきたため、アインズはその機を逸してしまう。
「デミウルゴスに頼まれたグラスを持って参りました。」
彼女が押して来た
「よい機会なので、
誰の返事も待たずにデミウルゴスは、瓶の
「ひとつ多くありませんか?」
と尋ねたのは、それを配って歩いたフォアイルだ。
「何を馬鹿なことを。最後に残ったそれはキミの分じゃないか。」
「よろしいんですか?」
「よくないわけがないだろう?役得だと思えばよいのではないかね?」
と、
「我らが端倪すべからざる至高の主に、乾杯ッ!」
と音頭を取られては、これに乗らないのは至高の主に対する忠誠を疑われる無作法だ。
「あら!」
最初に声をあげたのはフォアイル。続いてパンドラズ・アクターも、
「喉が渇いておったせいやもしれませんが……意外に悪くないものですな!」
険しい表情のまま、見るからに嫌々口にしたアルベドまでもが、俄かに目元が綻んでいる。
「何とも雑な香りだな。」
と、正直な感想を放ったのは、ただ一人、これを呑むことが叶わない大魔王アインズ・ウール・ゴウン、その人である。骨の手の平に載せた
「互いに調和しない個性的で雑な香りが、せめぎ合っているようだ。」
言葉尻穏やかではないが、
「知っての通りオレは呑めないから実のところはわからんが。」
と、アインズ。
「それぞれの要素が完璧に調和した香りはそれはそれで価値があろうが、それぞれに主張する粗削りな香りが絶妙に拮抗するこれも悪くはない。いや、むしろオレはこれが好きかもしれない。
そう、強いて例えるならばこの
ニヤリ、と骨の相貌が
「オレたち、ナザリック地下大墳墓のようだ。」
「実は、コキュートスが同じことを申します。」
と、デミウルゴスに囁かれて、なおアインズは愉快げに笑った。
「では座興はこのへんにして。
喉が潤ったところで改めて話を聞かせてもらおうか、パンドラズ・アクター。
バンバン、は抜きで頼むよ。」
「では、
デミウルゴス、御馳走様。」
この……いい恰好しいめ!
と、先程の自身の
「まことにもって遺憾ながら、己の不明を恥じいる他御座いませんな。」
改めてパンドラズ・アクターから、一切の演出を廃して簡潔に語られたキーノの体験談を聞き終えた
「まぁ、そこは仕方がないんじゃないか?
実際オレたちは、大地溝帯よりも東にはほとんど関心を払ってなかったわけだしな。」
と応じるアインズは、デミウルゴスの言わんとしたところを正しく理解している。
ここ二百年来に渡ってのカルサナスの地における都市拡大傾向を、ナザリック地下大墳墓の知的種族動向把握を担当するデミウルゴスはもちろん正しく把握していた。
一方で、ナザリックの目ニグレドの
「にも関わらず、密かにキーノ・インベルンたちを派して
……またそれかよ。
んなわけねーだろ!っつーか、おまえ。本当はそんなこと思ってないよな?そーだよなーーー!
と、突っ込んでもどうせ聞いてもらえないので、心の中だけでアインズは叫ぶ。
「して……いかがなさるおつもりですか?」
そう問うたのは愛妃アルベドである。
「まぁ、教えを乞いたい、と言って来てるヤツを敢えて無視する理由はないわな。」
鷹揚にそう応じたアインズに、アルベドの胡乱な視線が突き刺さる。
「よもや、とは存じますが!」
もちろんアインズは、彼女の言わんとするところも正しく察知していた。
「いやいや待て待て、アルベド!単騎でキーノたちと会見に臨む、なんてことはしないぞ、流石に!
今回のプレイヤーの実力、ギルドの戦力規模、いずれも現時点では不明瞭だ。ましてや、オレの想像が正しければ、そのジャムとかいうのは
「
意味するところがわからず言葉のままに復唱して問うたアルベドに、応じたのはアインズではなく、共にキーノの話を聞いてアインズと同じ懸念を
「
つまり、かの
聞かされたアルベドは、黙ったままに指を折った。
「
「サシ、ならばアルベドの言う通りになるだろうね。
だが実際には、アインズ様の攻撃が成就するには十二秒を要する。」
と、割り込んだのはデミウルゴス。
「なるほど……その
「ご明察だよ、アルベド。
無論、
「……そんな使い方もあり得るのね。確かに油断ならない相手だわ。」
「そういうことだ。」
知の
「幸いにして敵ギルド拠点の位置特定手段は既に割れている。キーノたちが沿って歩いたと言う線路の先にそれはあるはずで、拠点そのものがそこになかったとしても、連中が鉱山からの資源をユグドラシル金貨に換えているのであれば、少なくとも<
「ですが……」
と、言葉を加えようとしたデミウルゴスをアインズの骨の手が制する。
「そう……そんなことはジャム、とやらも先刻承知だろうから、当然あちらにはそうした事態に対する鉄壁の備えがあるか、あるいは、自身の搦手を晒してもなお成し遂げる価値のある何らかの目的がある、ということになる。
となれば、まず最優先はジャムの真意を把握することで、あちらが会見を求めて来ているからにはひとまずこれに乗ってやるのが話が早い、というのがオレの考えだが……どうだ?」
「流石は父上、お見事です!」
「それで、よろしいのではないでしょうか!」
「そういうことであれば……」
「……このように取り計らうのがよろしいかと。」
その提案を聞いてアインズは、バンッ、と膝を打ったが、続いてぽそりとこう漏らした。
「名案だが……キーノは嫌がるだろうなぁ。
ま、いっか。」