「い……胃が痛い。」
「
「……いや、そんな気がするだけだ。気遣いは無用に頼む。」
「では先を急ぎましょう。至高の主を無為にお待たせすることは、
「……はぁ。」
大陸を大きく東西に隔てる大地溝帯を越える、道なき道を黙々と歩む六人の人影。
奇縁の
「じゃぁ、ソリュシャンちゃんもここしばらくは活きのいい食事にありつけてないのねん?」
「食べなければ
でも、生活に潤いが足りない、のは事実ですわ。」
「あぁ、わかるわーーー!ワタシもキーノちゃんの手前、手当たり次第に
「今回の任務を無事やり
「いやーん、ソリュシャンちゃんってば気が利くのねーーーん!」
人間に対する嗜虐趣味、という妙なところで意気投合し、和気藹々と語らいながら歩むクレマンティーヌ、
「こいつらと一緒に東方へ向かい、害のない場所でジャムを呼び出せ。」
大魔王アインズ・ウール・ゴウンにそう依頼……事実上の命令だよな、これ?……されたがためのこの仕儀ではあるが、これが何を企図したものなのかの説明は例によって欠いているので、キーノとしては、そんなことはあるまい、とは思いつつも、いつ
「……この辺りかな。
ソリュシャン、あちらに連絡を取って、この辺で大丈夫か聞いてくれるか?」
漸く大地溝帯を越えて、遥か彼方にオークネイス麾下
たちまちに意を
「じゃぁ、腹を括って取り掛かるか。」
キーノは旅の途中、
「<
……あ、聴こえるか?キーノ……あぁ、そうだ。会見の準備が……えっ?あ、いやちょっと……」
「どうしました、キーノ?」
「いや……ジャムにはつながったんだが。
場所はわかったから十日ほどここで待て、だと。」
それだけ告げて、<
「はなはだ礼儀を欠く人物のようですな。これで至高の主がここに同行なさっておれば、問答無用に無礼討ちにしてくれるところですが。」
「あーいやいや、セバス!そういきりたたないでくれ!
そう!多分……だが、ジャムはアインズさんやシャルティアのように<
俄に表情が険しくなったセバスに、その暴走を恐れたキーノは大慌てで宥めにかかった。
「……なるほど、そういう考え方もできますね。
キーノは、流石は我が至高の主が友と認めただけあって、なかなかに聡明とみえる。感心いたしました。」
と、腹に折った手を当てて執事の礼を執るセバスは、キーノにしてみれば不気味の極みだ。これ以上胃痛が広がる前に、話題を転じてしまうが
「クゥイア、クゥイナ、長丁場になりそうだ。
とりあえず日除けを建てようか。」
「
両手の指で牙を作る
かくして六人はやることもなく待ちぼうけとなったのであるが、誰一人として食事も睡眠も必要としない顔触れ。ナザリックの面々やそもそも自発的な意思の乏しい双子忍者はともかく、キーノには
クレマンティーヌはすっかり打ち解けたソリュシャンと、アインズから褒美に生きた人間を賜ったらどういう具合に料理してやろうか、などという物騒極まりない話題で盛り上がっていて取り付く島もない。必然的にキーノの隣には、無言のままのセバスが皺ひとつない執事服姿で、鉄筋でも仕込んでいるのかと問いたくなるようなピンと伸ばした背筋で立ち尽くしていて気まずいことこの上なかった。
今回の旅に出立した直後、キーノはアインズからの妙な<
(よもや、とは思うが、セバスに気をつけておいてくれ。)
「それはどういう?彼が暴走しても私には到底
(いや、そういう意味じゃない。
あいつがはぐれないように目を光らせてくれるか。)
「……はぁ?
爆砕執事がよりによって迷子になる、っていうのか?」
(いやだから、そういう意味じゃない。
……デミウルゴスだ。)
「……?。すまないアインズさん。さっぱり意味がわからないんだが。」
(意味がわからんのはオレも同じだーーーッ!
あ、いやすまん、今のは八つ当たりだったな。
セバスに何か仕事を与えて外に送り出すと、決まって何処かに置いてけぼりにしようと企む困ったヤツがいる。)
「……デミウルゴスが今回の旅を妨害すると?」
(いや、それはない。被害を受けるのはセバスだけだ。)
「……なんでまたそんなことに?」
(それが説明できるくらいなら苦労せんわーーーッ!
あ、いやすまん、今のも八つ当たりだったな。
とにかく隙あらばデミウルゴスはセバスを何処かに置き去りにしようとするから、そうならないように気をつけてくれ。)
「いやー、ちょっとそれは……」
(別に期待はしてないからいいよ、そうなったらそうなったで何とかするから。そうなるとわかってて黙って送り出すのもどうかと思うんで、キーノには駄目元で伝えただけだから。)
「何というか……
(そう思ってくれるか?わかるよな?そうだよな?
……とにかく頼んだぞ。旅の無事を祈っている。)
これから未だその真意定かでない
「なぁセバス。少し話せるか?」
日除けの下に立つ自身の斜め少し前で、ジャムがやって来るであろう東方を瞬き一つせず凝視したまま仁王立ちしている爆砕執事に呼び掛けてみるも反応は皆無だ。
「……はぁ。」
思わず溜息を漏らせば。
「聞いておりますのでどうぞ。」
と、セバス。意外にも会話に応じる気がないわけではないらしい。
不器用なキーノは、単刀直入に関心事を告げた。
「おまえ……デミウルゴスと折り合いが悪いのか?」
「かの者は
「……あぁ、訊き
セバスは、デミウルゴスが嫌いなのか?」
「嫌いです。」
迷いなく即答かよ!
「かの
かつて、リ・エスティーゼ王国の
「
「うーん、デミウルゴスは悪魔だから、そこは仕方がないんじゃないか、という気もするなぁ。それに、こちらの人間、亜人に情け容赦ない、という点で言えば、その……おまえの至高の主も大差ないんじゃないのか?デミウルゴスもアインズさんも、共に
「アインズ様は、死を給うにも慈悲を以てなされる御方なれば、キーノの言うところはいささか
「……そうかなぁ?」
キーノは、自身随分と危うい崖っぷちを進む真似をしていることを自覚しつつも、存外話の通じる爆砕執事との会話に引き込まれていた。
「殺された
それまで、じっと東の方角を見つめたままだったセバスが不意に振り返り、その鋭い眼光をキーノに注ぐが、不思議とキーノは殺気の
「どう言ったら良いのか私も正直なところよくわからないんだが、デミウルゴスが人間、亜人に何をするか、と、おまえがデミウルゴスを嫌うことの間には、本当は何の関係もないんじゃないのか?だってそうだろ?アインズさんだってやってることは大概だぞ、それに付き従うおまえ自身の所業も含めて、だ。」
「……キーノはどうしてそんなことを
隠すことでもないだろう、と考えたキーノは、
「私自身、本来
セバスは私が嫌いか?忠誠を誓ってはいるが、アインズさんが実は嫌いだったりするか?」
「まさかそのようなことは。」
「なら、デミウルゴスとも仲良く……は無理にしても、なんとかならないものなのかな?
まぁ、私から見てもデミウルゴスにはちょっとなぁ、と思うところは多々ある。その点ではおまえは正しい。が、それを言ったらアインズさんにも
「ふふ。」
それまで表情のなかったセバスの口元から微かな笑みが
「キーノは……」
「ん?」
「キーノは……心根が優しいのですね。」
「ハハッ!」
思わずキーノは笑ってしまう。
「
だが、自分で思っている以上に余計なことに気を遣う、遣ってしまう、という点では、こういう物言いはおまえにとっては不本意か、とは思うが、私と……おまえの至高の主の慈悲とやらは通じている、と思っている。」
「確かに、許されざる不遜な物言い、かとは存じますが。」
と、セバス。思わずキーノは息を呑む。
「流石、我が至高の主が友と認めた御方は面白いことを仰る、とも思いますな。」
この言葉を最後に、再びセバスは東の方角を睨んだまま不動の姿勢を取った。
*
「……現れたようですな。」
きっかり十日目。
元から鋭いセバスの眼光がさらに鋭さを増せば、ほぼ同時にソリュシャンが<
キーノの視覚がそれを捉えたのはそれからもう少し経てからのことになるが、地平線の彼方から恐ろしい速度で歩んでくる何者かがある。セバスもかくあらんが如く背筋をピンと伸ばし、ほとんど上下動しないその歩みは滑稽ですらあった。
問うまでもない。
アインズとの会見を求めたプレイヤー、
「キーノ・インベルン。」
キーノたち一行から五十歩ほどの間合いを空けて、ピタ、と立ち止まったジャムはキーノの名を呼んだ。
「新しい顔が二人増えているが、いずれもNPCだ。
話が違うようだが。」
これにはキーノではなくセバスが応じた。
「
その声色は堂々としたものだが、キーノは、それでもセバスの微妙な姿勢の変化に、彼が若干身構えていることを感じている。爆砕執事を以てしても、目前のプレイヤーは難敵と認めるに吝かでない相手であるらしい。
「私はプレイヤーと
対するジャムにも、セバスを恐れる様子はまったくない。
無警戒、というわけでは決してないのだろうが。
「あなたの望みは叶えられるでしょう。」
セバスはそう言いながら、道中ずっと肩に担いでいて、今はキーノたちが張った日除けの下に東面して置いてあった荷を覆う布を、バッ、と取り払った。
現れたのは。
<
「さぁ、あなたたち。出番ですわよ!」
数歩下がって控えていたソリュシャンが両手を左右に
いずれも、アインズが召喚した中位の
ややあって。
(あー……マイクテスッ、マイクテスッ。聴こえてるか?)
と、
「近過ぎだ、肋骨しか見えてないぞ!」
(えっ、そうなの?
ちょっと待てよ……これくらいでどうだ?)
キーノに突っ込まれて立ち位置を変えた声の
金糸銀糸に
「はじめまして。あなたの知己を得るのは大いに喜ばしい。」
ジャムはたちまちに意図を察したようで、キーノとの最初の語らいがそうであったように、姿勢を正したまま、礼を執るでもなく、ただそう言った。
「確認するまでもないが……アインズ・ウール・ゴウンの、モモンガ、だな?」
これまでの多くの
(あぁ、オレのことをご存知でしたか。
生憎とオレはあなたのことを知りません。名を伺っても?)
鏡の中のアインズは、非礼にならないように、でありながら鷹揚にそう問うた。
ひとまず無難な滑り出しになったか、とキーノはない胸を撫で下ろした。
のだが!
「用は済んだ。名乗る必要もない。」
(……はぁ?)
ジャムは既に背を向けて歩み出していて、アインズの口からはなお増して間抜けな声が漏れる。
「キーノ・インベルン、謝礼だ。」
背を向けたまま、肩越しにキーノに向けて革袋が一つ投げられて、キーノは慌ててこれを受け
(おい、ジャム!ちょっと待て!
何か訊きたいことがあったんじゃないのか?)
そんなことをしても何の意味もないのに、あちら側の
「会見に応じてくれたことには感謝する。御機嫌よう。」
とだけ告げて歩みを
俄に、ギリリ、と握りしめたセバスの
(待て、セバス!一旦撤収だ!)
それに気づかないはずのないアインズからも声がかかって、あわやの事態は避けられた。
そうこうするうちに、現れたとき同様の滑稽な
「敵が一定距離離れた後に<
ややあって予告された通り<
「ちゃんとセバスはついてきたか?」
あぁ、この
キーノにとって、ナザリックの作戦行動に同行するのは今回が初めての体験となるが、もちろんキーノは、これがさきほど邂逅したプレイヤーが万が一にも追跡を試みている場合に備えての欺瞞措置であることを承知しているものの、これをさも当然のように粛々と進めるアインズの徹底振りには呆れを越えて感銘しかなかった。
「ほんに、そなたらはいつも
いくつかの中継地点を経て辿り着いたのは今回の旅の出発地点、エイヴァーシャーの森
これまた対プレイヤーの欺瞞措置で、
そこにあるのは狡知の参謀デミウルゴス、その助手として
もちろんその女はナザリックの目、情報収集特化型
結局のところジャムにそういう意図はなかったようで、それらの備えは空振りに終わったのであるが、アインズにとっては代えがたいナザリックの守りの
「見事に想定外だったな。あいつ、どういうつもりなんだ?」
と、アインズ。
「私たちが見抜けていないだけで、今もジャムの
そんなことはよもやあるまい、と思いつつ、他に何も思いつかないキーノは不安げに口にしてみるも、
「オレの防護措置は完璧で、おまえが受け取った謝礼の金貨も帰路の途中で検疫したが何も出なかっただろ?これで
と、アインズに断言されて、そこに異議の余地はなかった。
今回の作戦は、
もちろん、アインズはある程度の事前予測をした上で本作戦に臨んでいた。
キーノが見聞してきた情報からその可能性は低い、とは考えられつつも、過去に少なからぬ遅れてやって来たプレイヤーたちに問われた、何が起こっているのか、この世界はいったい何なのか、といった質問に対する耳障りのよい回答は用意していたし、拠点維持資金貸付の準備も整っていた。
加えて、ジャムは既に記憶の制約の問題に自ずから気づいて何らかの対策を採っているように思われ、自分よりも先にやってきたプレイヤーたちの間に闘争があって、その一部……つまりアインズたち、であるが……が、こちらの世界の側に立って無分別なプレイヤーを殲滅したことにも思い至っている様子であったことから、もし、ジャムがその真意はともかくアインズ同様の立ち位置を取り得るのであれば、大地溝帯を境に東側をその手に委ね相互不可侵を約せば面倒事が一挙に解決するじゃないか、などという夢想すらアインズは
これをジャムの目前で議するのはあまりに格好がつかないので、どの辺りまで譲っても問題ないか、
「お見事で御座います、アインズ様ァ!」
と、両手を高々と振り上げたデミウルゴスが、恍惚とした表情で叫ぶのを見て、アインズは、
……またいつものそれかよ!
んなわけねーだろ、想定外だよ、想定外!
と内心憤りを覚えたのであるが。
「敵方の狙いが明らかになったからには、早急にナザリックに帰投し
「「……はぁ?」」
と、間抜けな声で
「デミウルゴス、ふざけるのもほどほどにしろよ!アレでいったい何がわかったって言うんだ!」
「アインズさんは名を尋ねただけじゃないか?」
と、揃って疑問を呈するも。
「えっ?」
「「……えっ?」」
デミウルゴスに「どうしてこんな簡単なことがわからないんだ?」という顔で返されて再び
「そういう
只今は人型を採って鬱陶しそうに草編みの
「いや待て待て、デミウルゴス。
おまえ……いったい何に気づいたんだ?」
「えっ?」
「いや、だからそーいうのはいいからさ。」
「
「そーだよ、試してんだよ!わかったならさっさと言え!」
と、どこまでも我儘勝手な大魔王。
「<
「「……はぁ?」」
流石に
「よろしいですか?」
ようやく真面目に説明する気になったのか、デミウルゴスが指を一本立てて
「かの
「……あぁ、そうだな。それで?」
「つまり、そこにかの
やはりアインズには意味がわからない。
「すまん……それであいつに何がわかったっていうんだ?」
「えっ?」
「いや、頼むからさー!それ
おまえが思ってる以上に
「……はぁ。
まず、アインズ様も
「だからー!
それが
「……はぁ。
まず、かの
「はぁ?
なんでおまえにそんなことがわかる?」
「えっ?」
「だからーーー!」
「……失礼しました。
キーノの話によれば、カルサナスの地の原住民は、かの
「……だから、ジャムはフランス人だと?」
「フランス語を話すからと言ってもフランス人とは限りません。たとえば……」
「そういう脱線はいい!」
自身の思い至らぬところに教えを乞いつつも、どこまでも傲慢な大魔王。
「わかった、わかった!フランス人かはわからんがフランス語話者なんだな、そうだよな?
で……何なんだ?」
「えっ?」
ギロリ!
「あー、失礼いたしました。
かの
「そりゃ……そうだわな。で?」
「ですがジャムには、アインズ様のお言葉がフランス語で聞こえるわけです。」
「……でも、それはキーノたちの言葉だってそうじゃね?」
「いえいえ、そういうことではなくて。
ジャムからすれば、こちらの原住民がフランス語で話しても、元からフランス語が通用しているのか、それとも翻訳されているものかは判断がつきません。」
「ふむふむ、それで?」
「明らかに日本人であったはずのモモンガ様、目前のアインズ様が流暢なフランス語で語るのを見て、初めて、翻訳がおこなわれていることを確信するので御座います。」
「あー、なるほど。言われてみれば確かにそうだ、ちょっと
「そして、既にご記憶ではないかとは存じますが、この世界に<翻訳の神秘>をもたらしたプレイヤー、<
「ほぅ!」
「ユグドラシルにフランス語話者などそうそうはおりませんから、ジャムはエドモン・ウェルズと知己があり、何をしておったか承知であったと仮定しても無理はありませんでしょう?」
「……まぁ、そうだな。」
「となれば、かの
つまり、アインズ様がフランス語で話すのを聞いて彼は確信したわけです。
この世界のどこかに、
「「「「おぉ!」」」」
アインズ、キーノに加えて、クレマンティーヌ、コニーまでもがデミウルゴスの推理に唸り声をあげた。
「つまりアレか?あいつは、こちらに来て以降、自分の言葉が通じることを不思議に思っていたが、キーノに託せば自分以外のプレイヤーと
「流石で御座います、アインズ様!」
だからーーー!
そこで、さすアイはないだろ、さすアイは!
んなもん、わかるかーーーーーッ!
「つまり、ヤツの狙いは……」
「左様です。
日本人でないかの
「そうじゃないか、とは思ってたんだ。」
今なお高々と諸手を振り上げて「流石はアインズ様!」と悦に入るデミウルゴスを
「アレ、を憶えているのは私たちの他にはツアーくらいしかいないんじゃないかと思うが……」
云千年に及ぶこちらの世界に渡り来て以降のナザリック地下大墳墓の歴史の中ではその最初期、と呼んでもおかしくない転移歴107年、一夜にして<翻訳の神秘>が失われ、種族や出身地、出自階層の異なる人々の間で会話が通じなくなる大事件、
これは、ナザリックよりもさらに千年近く前にこちらに渡り来たプレイヤー、エドモン・ウェルズが、自身がユグドラシル時代に開発した万能翻訳機<
この時点で帝国自由都市エ・レエブルで冒険者稼業についていたキーノは、自身、<バベルの災厄>による混乱に巻き込まれると共に、当時の仲間、<
「……アインズさんが関わっていたんだな。」
とキーノ。
ふふ、とアインズは
「念のために言っておくが、オレは元に戻しただけだぞ。ツアーと話が通じないと困るからな。」
もちろん、記憶能力に致命的な制約を負っているアインズはその仔細を憶えてはいない。が、自身がツアーとの
「ちょっと想像の埒外だったのは事実だが、デミウルゴスがそう言うのなら多分そうなんだろう。
オレたちはナザリックに戻って今後の対策を考えるが、キーノたちはどうする?どうせ何箇所か適当に転移して帰るから、何処にでも送ってやるぞ。」
問われたキーノは一瞬考える素振りを見せた
「カルサナス平原へ送ってくれるか?」
「……わかってるとは思うが」
「あぁ、そこは承知している!」
アインズの懸念を察したキーノは断言する。
「ジャムのギルド拠点に乗り込む、なんてことはしないさ。デミウルゴスの推理が的を射ているにせよいないにせよ、たちまちに彼がカルサナスの民を蹂躙する、ということはなさそうだから、むしろ
「そうか……おまえがそうしたいのならオレには
あのプレイヤーにたちまちの危険がない、というおまえの読みには同意するが、あいつは想像以上に頭がキレるようだから、決して油断はするなよ。」
「あぁ、わかっている。」
と、ない胸を張るキーノに、アインズは握った骨の手を差し出した。何か受け取れ、ということらしい。
「気配封じの指輪だ、キーノとクレマンティーヌの分。双子忍者はそもそも生得の
「……ありがたく頂いておこう!」
と、受け取るキーノ。
「ニグレドが気づかなくなるから、この前やったグルグルの儀式でオレを呼び出すときは外せよ。」
「ふふ、そうだな。憶えておくよ!」
「じゃぁ、行くか。すまんコニー、騒がせたな。
<
アインズが骨の手を振ってデミウルゴス、ナーベラル、ニグレド、の順に
「ん?セバスは?」
きょろきょろ、とキーノは周囲を見回すが、何故かセバスはコニーの横に立っていて、片腕をセバスに色っぽく絡ませたコニーは笑顔満面だ。
「アレはいいんだ、そういう約束だ。
すまんな、セバス。楽しんでくれ!」
この作戦を起草したのはデミウルゴスに違いないが……結局セバスがここに置き去りにされるのならデミウルゴスの思う壺じゃないか!と、キーノは