億劫のオーバーロード   作:wash I/O

27 / 144
帝国軍が城塞都市エ・ペスペルを殲滅した(いくさ)最中(さなか)、我らが大魔王アインズ・ウール・ゴウンはアゼルリシア山脈にて白金の竜王(プラチナムドラゴンロード)ツァインドルクス・ヴァイシオンと不意の遭遇を迎える。


血塗れの連判状(2)

「やぁ、アインズ。こんなところで奇遇だね。」

 

との頭上からの呼びかけに、アインズは書付(メモ)で確認した相手の名を返して応じた。

 

「よぉ、ヘンナリュー(変な竜)。」

「ツアー、だ!」

 

 即座のツッコミに、ふふふ、とアインズは笑う。

 

「相変わらず冗談のわからん獣だな、おまえは!」

 

 

 

 こちらの世界で顕現してより二十余年、この時期のナザリック地下大墳墓はその存続を支えるユグドラシル金貨獲得の方法を模索する過程にあった。何度かの臨時収入はあったものの、転移直後に比して宝物殿の金貨が若干目減りしていることは否めなかった。

 

 一方で、その(あるじ)である死の支配者(オーバロード)、大魔王アインズ・ウール・ゴウンは存外状況を楽観視していたのもこれまた事実ではある。

 

 ユグドラシル時代のアインズ、すなわち鈴木悟が操るところのモモンガは、敵対(ライバル)プレイヤーとの戦闘に際し、たとえその序盤、中盤においてHP(生命力)が相手のそれを下回っていようとも引け目も(あせ)りもまったく感じなかったものだ。

 極端な話、相手が地に倒れ伏したとき、連戦に陥らない状況さえ確保できているのであれば、自身のHPは残り僅か1であっても構わない。

 

 それは勝利なのだ。

 

 そもそも戦闘が開始される以前に、想定される戦況の各時点においてどこまでの被害(ダメージ)が許容可能かについては見積もり済みで、万が一その閾値を超えたときにどう応じるか、さらに想定外の事態に陥ったときどうするかはすべて計画されていたし、それは戦闘中であっても展開に応じて柔軟に更新されていったものだ。

 モモンガのこの感覚(センス)は、ベルリバーがそうであったような数理的証明、ぷにっと萌えのような大戦略、死獣天朱雀のような哲学的裏付け……つまり、言葉で以て他者と共有可能な知、を伴っていたわけでは決してないが、だからこそその直感的判断力は、ユグドラシル非公式ラスボスの恐るべき力として、遍く知れ渡り多くのユグドラシルプレイヤーを震え上がらせていたものである。

 宝物殿の金貨もまた同じで、金貨漸減がこのままの傾向で推移するとして、残高がアインズの許容閾値を割り込むのはまだ七、八十年は先の話だ。それだけの時間があれば自分とナザリックの仲間たちは何らかの活路を見出すはずだ、とアインズは確信していたし、万が一拙くそこに至ったとしても、目前の白金の傀儡が、世界を(けが)す者、と忌み嫌うところへ堕ちることを厭わないのであれば……

 

 何とでもしようはあろうさ!

 

「こんなところで何をしていたのか訊いても構わないかい?」

 

 開口一番の随分なご挨拶に溜息つきつつ、傀儡がアインズの傍らに音も立てずに着地しながらそう問うた。

 

 二人はアゼルリシア山脈西方、標高高く植生を欠き、彼方に()もなくその終焉を迎えようとしているリ・エスティーゼ王国を擁する沃野を望む岩肌で、立ったまま会話をしている。どちらも語らうに着座など必要とはしない存在だからだ。

 

「鉱山の調査だ。」

 

と簡潔に応えるアインズ。

 共にこれに当たっていた下僕(しもべ)たちは既に撤収済みだ。彼らをそのまま引き合わせるほど、まだアインズはツアーを信頼はしていない。

 

「鉱山?」

 

「おまえと(ちが)ってオレたちは(かすみ)を喰らっているわけじゃないからな。」

 

 その理屈までは承知していないが、既にアインズは、ツアーが食物連鎖の枠外の存在であることは理解している。

 

「それとも何か?

 山を掘り返すのも、おまえの言う、世界を(けが)す、になるのか?」

 

「……まったくキミときたら。

 記憶が続かないのに、根には持つのだね。」

 

 はぁ、と再び溜息をつく傀儡に、アインズも再びカカカと笑ってこう応えた。

 

「冗談だ、と言ってるだろ!」

 

 実のところこの時期のアインズは、こうやってこの破格の化け物の、文字通りの()()が奈辺にあるものか、半ば確信犯的に探りを入れていたのだが、言われている当人は存外これを言葉通りの冗談だと受け取っており、その理解はこの時点でまだ卵の中にいたツアーの娘(紅水晶の竜王コニー)へと語り継がれていくことになる。

 もっともアインズ自身も、繰り返しやっているうちにすっかりこれがツアーに対する態度の標準設定(デフォルト)になってしまい、自分でもどこまで本気でどこから冗談なのかわからなくなっていったのだから、必ずしもツアーの理解も間違っているとは言えない。

 

「で、おまえは何をやってるんだ?

 三度の飯よりも昼寝が好きなおまえが、傀儡とはいえ日中飛び回るなんて珍しいじゃないか!」

 

 ひとつ間違えれば自身の弱味……ナザリック地下大墳墓の維持にはユグドラシル金貨が必要で、目下その獲得手段を模索中であるという事実……を晒すことを憚って、アインズは強いて話題を転じた。

 逆にツアーはそこには思い及ばず、言葉通りに「ボクは三度の飯なんか必要としてないのは承知だろ?」などと思いつつも、それは口にせずにアインズの問いに答える。

 

「こちらの世界の者が操るにしては規模の大きな位階魔法の発動に気づいてね。

 ちょっと気になったから様子を見て来たんだ、まぁ、キミと比べれば屁のようなものだけれども。」

 

「ほぉ?」

 

 アインズは興味をそそられた。

 位階魔法体系(システム)が遥か昔、こちらの世界の住人からは八欲王の名で語られる来訪者(ユグドラシルプレイヤー)によって持ち込まれ、以来、こちらの世界の住人もまた少なからずそれを利用してきたことは、既にツアーから語られて承知している。

 ツアーが関心を持つくらいだから、それは余程のものであったのだろう。はて、ツアーの言葉を言葉通りに信じる限り、新たな来訪者がやって来るのはまだ七十年は先のはずだが?

 

「キミは興味なかろうが、エ・ペスペルと人間たちが呼ぶ城塞都市がある。

 ものの見事に廃墟になっていたよ。」

 

「それもアレか?世界を(けが)す……」

「アインズ!」

 

「冗談だ、と言ってるだろうが、わからんやつだな!

 で……その力の行使者に心当たりはあるのか?」

 

「あぁ。

 確証はないが、おそらく三重魔法詠唱者(トライアッド)フールーダ・パラダイン。

 人間種としては破格の化け物で、齢は既に二百を越えていたはずだ。」

 

「……おまえに化け物呼ばわりされたら、そのパラなんとかも立つ瀬がないだろうよ。」

 

「!」

 

「冗談だ、と言ってるだろう、何度も同じことを言わせるな!

 ……その古田(フルタ)某、と面識はあるのか?」

 

「いや、直接には。彼のことはボクの古い友人から伝え聞いていたものだ。

 それと、どうせ忘れるだろうから無駄だろうけど、フールーダ、ね。」

 

 その友人(リグリット)に、ツアーは「接触(コンタクト)しようものなら少なからず粘着(ストーキング)されるのは必定ゆえ無視するがよかろうて」と助言されていた。

 

「おまえの友人、というのも人間の魔法詠唱者(マジックキャスター)なのか?」

 

「彼女は死霊使い(ネクロマンサー)で、フールーダよりはキミに近いかな。まぁ、その力もキミに比してしまえば微々たるものに過ぎなかったがね。」

 

 デミウルゴスの近隣知的生物調査に引っ掛かっていなかったのであれば……単に報告を受けつつも自分が既に忘れ去っているのかも知れないが……どちらも興味深い存在だ、とアインズは好奇心をそそられた。

 しかも……人間で二百歳越えとは。

 どうやらこちらの世界の人間種は、かつてのアインズ自身、その本体であった鈴木悟がそうであったような人間種、それそのものではないらしい。

 

「その……彼女、もやっぱり二百歳越えなのか?」

 

 興味の赴くままにアインズは問う。

 

「女性の年齢を云々するのは紳士的ではないね。

 それに既に故人だ。キミがこちらへやって来たすぐ(あと)に天寿を全うしたよ。」

 

 紳士的どうこうはともかく、さらりと発せられたツアーの言葉にアインズは息を呑んだ。

 

 油断して無遠慮なおしゃべりが過ぎた!

 こいつは、やたらと人懐こい妙な竜で、それゆえに少なからず存在する人間亜人の友は必ずツアーを遺して先に逝ってしまい、しかもアインズと(ちが)ってツアーは……それを忘れ去ることが出来ないのだ。

 

 アインズにとっての、至高の四十一人、がそうであるのと同様に。

 

「それは……お悔やみを言っておこう。無遠慮に悪いことを訊いてすまなかったな。」

 

「いや、気にしてくれなくていいよ。ボクは感傷を抱いているわけではないからね。」

 

 ツアーは、アインズが不意に見せるこうした気遣いを不思議に感じている。

 アインズが、元いた世界で共に冒険したという仲間たちとの離別を経て今に至っていることは、これまでに幾度となくその思い出を、半ば無理やり聞かされて承知はしていた。が、それを嬉々として語るアインズは……実際、その物語はどれもツアーからしても実に興味深く面白いものだった……再会望むべくもない仲間たちに、感傷を抱いているようには、少なくとも表面上は見えなかったからだ。

 

 そんなアインズが……自身同様にこの世界の遍く存在に対して破格の化け物、紛うことなき大魔王アインズ・ウール・ゴウンが、ツアーの亡き友のお悔やみを口にし、自身の心情を慮ってくれている。

 

 本当に……。

 

 本当に、この死の支配者(オーバーロード)は興味深い存在だ。

 

「しかし……城塞都市を廃墟に、というのは剣呑だな。」

 

 キミの存在に比すれば剣呑なものなど何もないよ、とツアーは思うが、やはり口には出さない。

 

「戦争、というのかな?人間同士の小競り合いでどうということのものでもあるまい。

 フールーダは確かキミのお気に入りに仕えていたはずだから、その辺りの事情だろう。」

 

「……はぁ?

 

 オレのお気に入り?

 何だそれは?」

 

「……わかってはいるが、本当にキミは全部忘れるんだね。

 ジルクニフ・エル・ニクス、バハルス帝国の皇帝だよ。数年前に、日記、とかいうものを手にボクの城を訪れたキミが語ってくれたんだよ?」

 

 

 

「ジルクニフ、って知ってるか?

 バ……何とか帝国の皇帝だ!」

 

 ツアーは、唐突に自身の居城に姿を現したアインズが、挨拶も抜きに喋り出して始まったやり取りを回想する。

 

「帝国……というと、バハルス帝国かな?」

 

「そう!それだ!」

 

 本当かよ?と思いつつも、どうせやることもなく暇で微睡んでいた昼下がり、退屈しのぎにこの腐れ縁とのひとときの対話を楽しむのもわろかりなん、とツアーは閉じていた瞼を(ひら)いた。

 

「ジル……という名は知らないが、評議国代議員を通して当代のバハルス帝国皇帝がなかなかの人物であることは聞き及んでいる。代替わりがあったとは聞かないから、多分彼のことじゃないかな?」

 

 アインズは愉快気に骨の手をパンパンと打ち鳴らしながら「そうか!やはりそうか!」と(はしゃ)いで見せた。

 聞けば、何か要があってナザリックの仲間が書き留めてきた過去の記録を遡って読み進めるうちに、二十年ほど前にアインズがちょっとした好奇心からナザリックへ招いて対話に及んだ人間があって、それが読み返して存外面白かったので、この世界における著名人であったに違いない、そうだ、ツアーも知っているものか訊いてみよう、と思い立つが早いか<転移門(ゲート)>を(ひら)いて此処へやって来たのだそうだ。

 

 勝手気儘な化け物め!

 

 と思うも、やはりツアーは口に出さない。

 むしろ、大魔王アインズ・ウール・ゴウンの関心を惹く人間、とは果たしてどのような人物なのであろうか、と常ならぬ興味関心をそそられた。

 

「オレと似てるんだ、ジルクニフは。」

 

 それは、言われた相手からすると決して喜ばしい話ではなかろうよ。

 

「おまえにはわかるまいが、ユグドラシル時代のオレは随分と他のプレイヤーから(おそ)(おのの)かれていてな、大魔王(ロール)の権化、非公式ラスボス、なんて呼ばれていたものさ。」

 

 それ……今と何か違うの?

 

「だが、実のところオレ自身は、そういう皆の期待をオレが裏切ってしまわないか、いつも不安に感じていたんだよ。無論、オレはやり切った。至高の四十一人ですら、その大半はオレの葛藤には気づいていなかったはずだ。

 ジルクニフも同じでな。なんちゃら帝国の皇帝……そう!鮮血帝とかいう二つ名が課す重圧に耐えながら、それでも皇帝として踏ん張っていやがる。しかもこいつは、オレのこの姿を見ても身じろぎ一つせず……まぁ、魔法の品(マジックアイテム)の助けを借りて、ではあったようだが、あくまでも皇帝として堂々とオレに対峙し、死の支配者(オーバーロード)として歩んでいかざるを得ないオレに、共感すら示して見せたんだ!」

 

「うーん、ちょっと脈絡が()せないところがなくはないが、キミに共感を示す人間がある、というのは、確かに驚きに値するね。」

 

 ツアーに、おまえの話はわかりにくい、と明言されつつも、アインズの関心はそこにはないようで、ただ、

 

「そうだろう!そうだろう!」

 

と無邪気に喜んで見せる。

 

「オレはな。」

 

とアインズ。

 

「こちらの世界に来て、自分が化け物になってしまった、と悩まないでもなかったんだ。」

 

 いや、キミは今も昔も紛うことなく化け物だろう?

 違うのかい?

 

「おまえとはこうして話が通じる。」

 

 キミは……通じているつもりなんだね。

 まぁいい、そこはそういうことにしておこう。

 

「だが、おまえも化け物だ。化け物同士、そりゃ、話は通じるだろうよ。」

 

 その、無遠慮に他人(ひと)をキミと同じだ、とする言説は……ちょっとどうかと思うよ。

 

「だから、人間の中にオレと話が合うやつが居て、ちょっとホッとしたんだ。」

 

「なるほど、そこはわかった。ボクとて、人間、亜人の友人にそういう思いを抱くことはままある。」

 

「そうか!おまえもそうか!そうだよな!

 いくら強かろうが永久不滅だろうが、誰ともわかり合えない存在なんて、(みじ)めだもんな!」

 

「で。」

 

とツアー。

 

「キミはどうするんだい?

 そのジル……を支援して大陸に覇でも唱えると?」

 

 ツアーの念頭には、六百年ほど昔にスレイン法国を建国した六大神がある。

 

 幸か不幸か、六大神は百年遅れてやって来た八欲王に全滅の憂き目にあったが、もし五百年前にやって来たのが八欲王ではなかったら、彼らはこの世界の大半をスレイン法国の名の(もと)に支配するに至っていたかも知れない。

 そして、六大神よりもさらに強大で、なお増して存外気さくでありながらその(じつ)冷徹な頭脳を誇るこの大魔王が、同じ(てつ)を辿るのだとすれば……。

 

 が。

 

「まさか!」

 

とアインズは骸骨頭(かぶり)を振った。

 

「そんなことをしたら、ジルクニフの輝きをオレが消してしまうことになる。二十年前のオレも、そう思ってそのまま別れてそれっきりだった……みたいだぞ。」

 

 その、みたいだぞ、にいつもそこはかとなく不安を覚えるんだが……

 まぁ、それはいい。

 

「オレが元居た<現実(リアル)>では……」

 

とアインズ。

 

「……主に金持ちたちの(あいだ)に、お気に入りの動物を飼って愛玩する習慣があった。」

 

「こちらの世界にもなくはないよ。家畜だろ?」

 

「いや、少し違う。

 家畜はその動物自身やそれが産するところを利用するために飼うものだ。愛玩動物(ペット)は、ただその動物を()でるためだけに(そば)に置くものだ。そしてその飼い主は、動物を自身の家族か友人であるかのように嘯いたものだが、オレはアレがあまり好きではなかった。」

 

「ふむふむ。」

 

「人間と動物の間には大きな力の差がある。いくら人間の側が歩み寄っているつもりであっても、動物からすれば自由を奪われ囲われていることに(ちが)いはあるまい。それをわかった上で飼うならまだしも、自分はこの動物をわかっている、わかり合えている、なんて無邪気に言うのは何かが間違っている。」

 

 この物言いは……とツアーは思う。

 以前アインズの話に登場した、ブループラネットとかいう昔の仲間のそれだ。

 

 自然保護、という、未だツアーには理解し難いその概念は、どこかに強者の思い上がりにも似た何かを覚える半面、不思議と共感しないでもないものもある。

 

「ジル……をペットにはしない、と?」

 

「あいつはオレがこの世界で見つけた数少ない友……の一人だ。

 が、悲しいかなおまえとは違って力の差があり過ぎだ。(そば)近くに置けば、望むと望まざるとにかかわらず、オレはあいつ本来の輝きを奪ってしまうだろう。だから、こうしてたまに思い返して、あぁ、そういうやつも居たな、元気にやってるかな、と思いを馳せればそれで十分だ。

 

 どうせすぐに忘れるしな。」

 

 カラリとそう言い切るアインズに、あぁ、なるほど、とツアーは得心した。

 

 アインズに、自身に似ている、などと言われるのは言われた側からは迷惑千万だろう、と判じたのは間違いであったかも知れない。むしろ、ジル……とやらは、この僥倖を大いに喜ぶべきだろう、と。

 

 

 

「……といったことを、(ほか)ならぬキミ自身がボクに語って聞かせたんだが。

 覚えていないんだね?まあ、そんなことは(はな)から期待はしていないけれども。」

 

「全然。」

 

 アインズはあっさりとそう応じた。

 

 ツアーは、そもそも自身が、フールーダの第七位階魔法行使に気づいてわざわざ傀儡を飛ばしたのは、その主君がアインズが嬉々と語ったジルクニフであることを承知していて、よもや、とは思えども、その背後にかの大魔王の暗躍があるのではないか、と懸念してのことであったことは敢えては口にしない。

 

「フールーダはそのジルクニフ第一の側近であり、切り札であり、そして師父でもある人物だ……と聞いている。よもや彼に個人的に城塞都市を陥落させる事情などあろうはずもないから、これは帝国皇帝としてジルクニフが命じたものだろう。」

 

 ツアーのこの言葉に、しばしアインズは西面(せいめん)して腕組みしながら呻吟する様子を見せたが、

 

「ま、オレの知ったこっちゃないわな!」

 

と、ポンと手を打った。

 

「おまえとて、介入するつもりなんかないんだろう?」

 

「彼らがそのままアーグランド評議国まで()め上って大陸全土の征服を試みる、とでも言うのであればいささか関心を惹かれもしようが、よもや彼らはそんな誇大妄想を抱いてはいまい。それに……」

 

「それに……何だ?」

 

「上空から一瞥しただけだが、都市住民の虐殺を目論んだにしては、随分な生存者が周囲へ溢れ出していた。思うにこれは政治的な見世物(ショー)示威活動(デモンストレーション)といったところではないかな。」

 

「さもあろうよ。皆殺しなんてのは馬鹿のやることだ。」

 

 ……キミがそれを言うのかい?

 

 とツアーは思うも、やはり口にすることはなかった。

 

 

                    *

 

 

 フールーダの放った三重最強化(トリプレットマキシマイズ)された<焼夷(ナパーム)>は、実際にはその時点で人気(ひとけ)のなかった市街中央の広場を標的(ターゲット)に発動されており、随分な数の周囲の建物を一瞬にして塵へ帰したのでまったく被害がなかったわけではなかろうが、必ずしも市民を焼き尽くすことを狙ったものではなかった。

 これを皮切りに麾下の魔法師団が上空から散発的に<火球(ファイアボール)>を落とし始めると、俄に城塞都市全体がざわめき出し、着るものすら覚束ない住人たちが押し合いへし合い雪崩の如く南北の城門へと向かって流れ始めた。

 再充填時間(リキャストタイム)が経過するのを待って、フールーダは今一度<焼夷>を、今度はボウロロープ一党が潜んでいるであろうペスペア侯の居城に向かって放ち、たちまちにその城楼は崩れ去った。反撃らしい反撃はまったくなく、そもそも反撃のしようもなかった。

 

 南北の城門を固めていたバジウッド、ナザミの両将は手際よく押し寄せた市民を捌いて、明らかに一般市民である者には一日飢えない程度の乾燥糧食を与えて王国方面へと向かう街道へ放ち、都市守備兵については素直に武装を解いた者は一般市民に準じて扱い、少しでも抗う様子を見せたものはその場で組み伏せ、縛り上げた。

 

 このエ・ペスペル殲滅戦は長く王国民の間で語り継がれていくこととなるのだが、その仔細、すなわち敗残のボウロロープ侯がペスペア侯を追い出して居座ったこと、皇帝が都市を囲んで二日の猶予と共に最後通牒を突きつけたこと、爆撃開始に先んじたフールーダの前口上、誰も見たことも聞いたこともない途轍もない炎の魔法が街を焼き尽くしたこと等々、が存外広く知られているのは……これが真に殲滅戦であり皆殺しが試みられたものであれば、仔細を語り継げる者もまた居なかったはずである……バジウッドとナザミのこの行動に由来する。

 が、運良く近隣の王国町村まで逃げ(おお)せた人々は、帝国軍のこうした計らいではなく目にした惨劇を喧伝して歩いたので、以降百年以上の間、()王国民の間には()()()()の帝国に対する反感が燻り続けることとなったのだが、そんなことは皇帝はもちろん、バジウッドもナザミも(はな)から承知のこと。むしろ、彼らが稀代の名君と仰ぐ皇帝がそうなることを覚悟の上で下した決断なればこそ、その範疇において最善を尽くすことこそが帝国軍人の努め、と彼らは理解していたし、実際にそのように行動したまでのことだ。

 

 ボウロロープ一党は、流石に自分たちが助命されるとは(つゆ)とも考えてはいなかったようで、大半は都市内を逃げ惑ううちに<焼夷(ナパーム)>か<火球(ファイアボール)>で焼き尽くされた。

 稀に恥も外聞も捨てて城門に至り助命を乞う者もあったが、その時点でバジウッドもナザミも、ボウロロープ一党が皇帝が与えた猶予の二日間を都市内の婦女を犯すことに費やしたことを避難する市民たちから聞き及んでいたので、問答無用に一刀両断斬って捨てた。

 

 当の首魁、ボウロロープ侯爵は、呆れたことに女物の装束を纏いかつらを被って避難民に紛れているところをバジウッドに見咎められて捕縛された。

 ジルクニフは「可能であれば生かしたままオレの前に引き立てよ」と命じていたが、そんなことは到底不可能で、彼を待ち受けた運命は、(いか)りに(われ)を忘れ主君の勘気も顧慮せずに放たれたバジウッド・ペシュメル渾身の脳天唐竹割りだった。

 

 これを(のち)に知ったジルクニフは、ただ、

 

「さもあろうよ。」

 

と無関心に呟くのみで、バジウッドの命令無視を咎めることはなかったと言う。

 

 

 

「で……実際のところどうなんだ、(じぃ)よ?」

 

 寝座椅子(カウチ)に深く身を預けたままのジルクニフが傍らの老魔法使いに改めて問う。

 

「そう……じゃな。

 確かに……(わし)は一度()()をやってみたかった。」

 

 同じく天井をぼんやり仰ぎ見るフールーダがそう答える。

 

「が。」

 

とフールーダ。

 

「あまり……良いものでもなかったの。」

 

「それを聞いて安心した。

 (じぃ)があれに味を占めて、冥土の土産に今一度やりたい、と言い出したらどう応じたものかと気を揉んだぞ。」

 

 ふぉ、ふぉ、ふぉ、と笑うフールーダ。

 

(たわむ)れを!」

 

と蓄えた顎髭をさする。

 

「ジルを非難する意図で言うわけではないから誤解せんでくれよ。

 じゃが、そもそも圧倒的な火力で個々は無力の多勢を焼き払わねばならん、などという局面に至ったこと、それ自体が、そこに至る過程(プロセス)に何らかの失策(エラー)があったことを意味しておる。」

 

 師父のその指摘にジルクニフは苦笑する。

 まさにその通り、ボウロロープ侯爵の自軍を見捨てての逃走、ニンブルに命じた猛追、までは事前に描いた青写真そのままであったが、ぺスペア候があの馬鹿者を、ぎりぎり追い詰められていたがゆえにエ・ペスペルへ招き入れてしまう事態を読み損ねたことは、まさにフールーダの言う失策(エラー)そのものであり、反省するところ大ではある。

 

「レエブン侯の密書を拝見するまで(わし)は了解してはおらなかったが、あの時点で事態を決着させることをジルが至上命題として自身に課しておったのであれば、憚りながら(わし)の提案が最善かつ唯一の手段であったことは疑いなかろう。

 じゃが、それは成り行きであるがゆえに過剰に過ぎたのもこれまた事実。そのようなこともあり得よう、と事前に気づけてさえおれば、より洗練された解法があったものじゃろうな。無論これは後知恵ゆえに言えることであって、ジルの決断の背景にすら思い至っておらなかった(わし)にどうこう言えたものでもないがの。」

 

 原則としてジルクニフは、自身のあらゆる決断について、それが自身に付き従う誰から見ても鮮血帝のそれとして妥当であるよう演出することには余念がないものの、決断の理由、正当性を殊更に語って聞かせることはない。

 何故ならそれは、聞く者に決断の責任を分かち背負うことを強いるものであり、一人その責を負うこと……それこそが、皇帝の皇帝たる所以(ゆえん)、とジルクニフは考えているからだ。

 

 彼のこの考えは当然師父フールーダも承知するところで、ゆえに「決断の背景にすら思い至っておらなかった」とする自嘲は、決して「なぜ事前に(わし)に仔細を明かさなかった」と責めているわけではなく、言葉通り、フールーダもまた自身がそこに独立して思い至れなかったことを恥じているのだ、ということをジルクニフは理解している。

 

「過剰な火力を以て卑小な多数を一息に薙ぎ払う魔法戦術は、確かにかねてより夢想しておったもので、こうしてその有効性は立証されたわけじゃが、その(わし)をしても発動の間際に無意識のうちに無人の広場を標的としてしまったことは、同時にこの戦術が無意味極まりないことも証明しておるのじゃろう。

 逆に、具体的にそのような場面を思い描くのは難しいが、まかり間違えて、(わし)がそうであったように弱者の群れに向けてこれほどの火力を有する魔法を放つことを躊躇せず、嬉々としてそれを為す者がこの手段を手中に収めることがあるとすれば、それは……空恐ろしいことになるじゃろうて。

 

 詮ずる所、この世にあっておよそ(わし)のみが辿り着いた第七位階魔法は、それに相応する相手に行使してこそ価値あるもの、と悟りましたわな。そして……」

 

 不意に切られた発言に、続く言葉を予測しつつジルクニフの視線が師父に注がれる。

 

「そういう機会は……ないに越したことはありますまいよ。」

 

 予想した通りの言葉にニヤリ、と北叟笑みつつも、フールーダが今後決してそのような機会はあるまい、と考えているのに対し、ジルクニフは逆に、師父の言葉通りそのような機会を迎えることなく生涯を終えたいものだ、と祈りにも似た思いを抱いていた。

 

 この世界には、(じぃ)の第七位階魔法を以てしてもまだ足りぬ……やもしれぬ者が存在する!

 

 だが、それをこの者に語って聞かせるのは、今、このときではまだあるまい。

 

「本題に戻ろう。」

 

とジルクニフ。

 

今度(こたび)の顛末は遠からず王国諸都市を震え上がらせ、レエブン候がうまく立ち回れば、エ・レエブル、港湾都市リ・ロベル、うまくいけば王都リ・エスティーゼまでもが共和都市化し、ヴァイセルフ王家は自ら廃絶を宣言することになるだろう。」

 

「然り。かの者の健闘を期待したいところじゃな。」

 

「これらの都市を帝国麾下に加えるは容易い。

 が、かつて()()エ・ランテルがその時点で不死者(アンデッド)の跋扈する無人の都であったのに対し、これらの都市には以前からの住民があり、積年の絡みに絡み合った複雑な利害関係が埋伏されている。

 これの直接支配に乗り出せば、連中は如何にオレに取り入って自身に有利な新たなお墨付きを得るか、に狂奔するだろう。先頭切って駆け込んで来る阿呆を、巷間噂されるところに従って逆さ串刺しにして晒してやるか、連中の期待に応えるべく?

 無論、そんなことは無駄であるどころか有害だ。

 そんなことをすれば、確かにオレに取り入ろうとする者は皆無となろうが、連中はただ絶望するだけで何の益もないし、北方には、最早恐れるものでもないがさりとてこちらが弱味を見せればそこに付け込むことだけにはよく奸智の働く旧態依然とした糞貴族どもが控えている。彼奴(きゃつ)らに隙を見せるなど以ての外だ。」

 

「緩衝地帯、ということじゃな?」

 

「そういうことだ。こいつらには、貢納なり安全保障税なりの名目で形ばかりの負担を背負わせ、自分たちが帝国の支配下にあるのだ、ということを実態として理解させつつ、後は己の裁量で勝手にさせる。」

 

 フールーダは無言のままに、やはり目玉だけをぎょろりとジルクニフに向けて「で、(わし)に何をお望みか?」と問う。

 

(じぃ)の忌憚のないところを聞きたい。」

 

「……これは()()に相談する(たぐい)ではないかな?」

 

 まもなく齢五十に達するジルクニフにはこの時点でも正妃はなく、フールーダが奥方、と揶揄気味に呼ぶのはジルクニフが政治民情を判じるに最もよき相談相手として信を置く愛妾(ロクシー)のことだ。

 

 今なお後宮(こうきゅう)に多数の側室を囲うジルクニフだが、鮮血帝の諢名に(たが)い存外純愛の人であることは、知る人ぞ知るところである。

 自身()まず()であったがゆえに、エル・ニクス皇家の嗣子を得る責務を負ったジルクニフの立場を気遣って、常に一歩退()く立ち位置を取り続けたロクシーであったが、その心持ちを含め明晰な頭脳となお増して繊細な配慮を兼ね備えた彼女をジルクニフが深く愛していることは、彼の側近(そばちか)くに仕える者で気づかぬ者はいなかった。

 四十代に達し、自身もまた無種(たねなし)であることに気づいて以降も後宮には帝国子女が集め続けられているが、実際のところそれは、分不相応に高過ぎる家格や逆に才色備えつつも貧しい育ちで行き詰まった彼女らに後宮仕(こうきゅうづか)えを名目に礼法教養を授け、追って然るべき軍団の有望な士卒に(めあわ)すことを目的とする組織と化していた。

 ジルクニフの真意に思い至らぬ者は「鮮血帝はお手つきを次から次へ臣下に下賜なさるものよ!」と下卑た陰口を叩いたものだが、逆にこの厚遇に浴した士卒たちは、迎える妻がことごとく未通女(おぼこ)であることに自ずと気づいて、想像を遥かに超える皇帝の深慮に、(みな)感嘆の声を漏らしたという。

 

 最近になって、ロクシーはジルクニフの「(しとね)を共にせよ」との求めに、常に、でこそないが応じるようになった。ジルクニフには、鮮血帝の諢名を戴く自身が人並みのささやかな癒やしを未だ求めて()まぬところに忸怩たる思いがないでもないが、互いに子を得ること叶わぬ身なればこそこの愛は、ただただ互いのみを求め、(おもんぱか)り、(いつく)しみ、そして(むさぼ)る純粋至上の愛であろうよと、自身を納得させていた。

 

「茶化すな、(じぃ)

 それに()()は、紛うことなく聡明ではあるがいささか情に厚すぎる。

 もちろん、オレの考えに概ね同意は確認済みだがな。」

 

「聞くに()えぬお惚気(のろけ)ぞ、ジルよ!

 それに、ついさきほど(わし)を、情義に通じん、と評したのはどこのどなたじゃったかの?」

 

 カカカ、とジルクニフは笑う。

 

「いや、いささか口が悪かったのは詫びよう。

 だが……事実だろ?

 

 無論、オレの腹は既に決まっている。

 アレも異論がないところを思えば大筋間違ってはいないのだろう。

 

 だが!

 

 だからこそオレは、師父である(じぃ)の思うところに耳を傾けたい。

 似た者同士の見解の一致は、必ずしもその妥当性を示すものではないからな。」

 

 ふぉ、ふぉ、ふぉ、と再び高笑いをしつつフールーダは長髭(ながひげ)をさすった。

 沈黙することしばし。

 

 そして。

 

帝国自由都市(フライエライヒスシュタット)……というので、如何(いかが)かな?」

 

「……ほぅ?

 その含意は?」

 

「わかっておって今更!」

 

「いや、オレは(じぃ)の言葉でそれを聞きたい。

 師父の教えを乞うに、何を憚る必要があろう!」

 

「……白々しいにもほどがあるぞ、ジルよ。

 

 まぁ、それはよいとしよう。

 

 奥方は厚い情とやらでジルの考えに賛同したものじゃろうが、(わし)はむしろ苛烈な(ことわり)で以てこの名を連中にくれてやるべきだ、と思うのじゃ。」

 

 いつの間にかジルクニフは体を起こして両手を膝の上に乗せ、形ばかりは師父の教えを乞う姿を見せていた。

 

「王国民は、どの権威が己の権益を後ろ盾してくれるか、だけを考えて生きてきた腑抜けよ。

 そやつらに言うてやれ。

 

 ヴァイセルフ王家、王国貴族は駆逐された!

 汝らは自由(フライ)じゃ!とな。

 

 連中は泣いて喜び咽ぶじゃろうか?否、そんなことはあるまい。

 むしろ不安に(おのの)き喚くじゃろうよ。

 

 自由と、権利と義務は表裏一体じゃ。

 帝国民、就中(なかんずく)軍団(レギオン)の兵士はよくこれを理解しておる。

 己には皇帝を選ぶ権利があり、ゆえに皇帝に付き従う義務がある。

 がゆえに、(われ)(まこと)自由人(フライエ)なり、とな。

 

 それを未だ(かい)せぬ連中に、帝国自由都市の名を以て、最早そなたらは、帝国からも、自由からも、逃げることは決して叶わぬ、真の自由を己で体現せぬ限りは……と(のろ)いをかけるのじゃ!」

 

 パン、とジルクニフは柏手を打った。

 

「嗚呼、我が意を得たり!

 流石、老いたりとは言え我が師父、比類なき三重魔法詠唱者(トライアッド)フールーダ・パラダインである!」

 

「……おだてても菓子なんぞやりはせんぞ、ジルよ。」

 

「世辞であるものか!

 (じぃ)は、ものの見事にオレの中で(くすぶ)っていた理念を言語化してくれたともよ!」

 

 ジルクニフは上機嫌で、フールーダもまんざらではない気分になっていた。

 

「実は、細目については既にロウネに命じて素案を書かせている。」

 

 ロウネ・ヴァミリネンは長くジルクニフを補佐する実務畑の秘書官だ。

 

「あいつに任せていればゆめゆめ粗略なものは()がってくるまい、とは思っているが、大枠は朧げに夢想しつつも、画竜点睛を欠く、と思っていたところだ。

 

 帝国自由都市(フライエライヒスシュタット)、はまさに、その欠けていた龍の目だ!」

 

とここで、ドンドンドン、と扉を叩く音。

 

「噂をすれば、だ。」

 

 とジルクニフは立ち上がった。

 

 この部屋は覗き見、盗み聞きに対する魔法防御がなされており、こちらから外の音は聴こえるが中の音は外には漏れない。ゆえに入室を許すには自ら扉へ赴き(うち)から(ひら)いて迎える他なく、それを老体に求めるほどジルクニフは無情ではなかった。

 

「疲れているだろうが、(じぃ)も読み合わせに付き合ってくれ。何なら最後の仕上げに(じぃ)手づから、帝国自由都市、と揮毫するも一興だろうよ!」

 

 そう嘯きながらジルクニフが扉へと向かう最中にも、再びドンドンドン、と扉が叩かれる。

 

 はて?

 ここで皇帝自ら首席宮廷魔術師に諮問することは前以て申し渡していたものだから、そこへ割り込むにドンドンドン、はいささか無作法だ。ロウネほどの男がそんなことをするものだろうか?

 

 扉を(ひら)けば案の定、そこに立っていたのはロウネ・ヴァミリネンだ。

 

 が。

 

「丁度おまえの……」

 

 話をしていたところだ、と続く言葉は発声されることなく途切れた。

 

 明らかにロウネの顔は色を失っておりやや息が上がっていて、何事であるかはともかく、凶報を言上せんと駆けてきたことは一目瞭然だったからである。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。