億劫のオーバーロード   作:wash I/O

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真面目基調(シリアスムード)な展開の合間に、出オチ感溢れる一服の清涼剤をお楽しみあれかし。


余18話 転移歴1444年 正義降臨
正義降臨


「変身ヒーロー……だとぉ?」

 

 ナザリック地下大墳墓第九階層(ロイヤルスィート)執務室。

 アルベドが、なにやらフィオーラ、アウラ、シャルティアと議することがある、と席を外した隙を見計らったかのように、<遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)>をえっちらおっちらと(かか)えたデミウルゴスが姿を(あらわ)し、この時点で大魔王アインズ・ウール・ゴウンの不安は早くも最高潮(クライマックス)だ。

 

「左様で御座います。

 昨今人間どもの自由都市にてそのような者が目撃されて……」

「出オチだ。」

 

 現地住民の間で正義の変身ヒーローが話題になっている、と言い出したデミウルゴスに対し、その話を遮ってアインズはそう返したが、デミウルゴスは何のことやら、という表情だ。

 

「はっ?……いかがなさいましたか、アインズ様。」

 

「おまえがわからんはずがないだろう!

 あー、(みな)まで言うな!嫌な予感はしてたんだ!

 そう、オレが悪い。すべては色ボケ馬鹿(コニー)の相手をセバスに押し付けた……」

 

 アインズが、オレのせいだァ!と叫ぶよりも前に、デミウルゴスの右手がすっと差し出されその発言を封じた。左手の平は耳に当てられていて、どうやら何者かからの<伝言(メッセージ)>を受け取った模様。

 

「……あぁ、そう。アインズ様とご一緒している。

 早速こちらへ繋いでくれたまえ、ありがとうニグレド。」

 

「オレは見たくないし、知りたくもない!」

 

 既に鏡にはどこかの人間の街の様子が映し出されている。

 アインズは骨の両手で自身の顔を(ふさ)いだ。

 

「まぁ、そうおっしゃらずに。

 折角ニグレドが見つけてくれたのですから、一緒に楽しみましょう!」 

 

 ……段取りが良過ぎるだろ、いくらなんでも。常識的に考えて。

 

 そんなアインズの思いを知ってか知らずか、デミウルゴスはいつものように口を三日月型に歪めてすこぶる上機嫌だ。

 

(きゃー、およしになってぇ!)

 

 若い女の声が突然聴こえてきてアインズは驚く。

 

「ニグレドに、傍受した音声を中継させております。」

 

 あーそーか。

 ナザリック地下大墳墓の主人たるこのオレには、見たくないものを見ない、聞きたくないものを聞かない権利すらないんだな。

 

(ねぇ)ちゃん、そう言わずにちょっと付き合ってくれよー、へへへ。)

 

 しかも何なんだ、このベタな悪役台詞は。

 今日日(きょうび)、よほどの三文役者でもこれはないだろう、これは!

 

 とアインズは憤るも、

 

(待てぃ!)

 

と、これまた威勢のよいベタな台詞が聴こえてきて、思わず鏡の方に視線を向けてしまう。

 

 決して不細工ではない若い女が一人。

 これに絡む不細工な男が五人。

 

 そして、片手をこれまたベタに大きく振りかざしながら止めに入った男。

 歳の頃は十七、八、といったところか。筋骨隆々(たくま)しく見るからに熱血漢な若者である。

 

(なんだぁ、テメェは?)

 

(貴様ら如き無頼に、聞かせる名は……ない!)

 

 はぁ……とアインズは溜息をつく。

 くそっ。こんなにベタなのに……続きが気になってしまう自分がいる!

 

「ここからが見せ場で御座いますよ、アインズ様!」

 

 デミウルゴスが寝座椅子(ソファー)から身を乗り出すようにして鏡を覗き込んでいる。

 おまえのその前向きさ、ちょっと分けてくれないか?

 

 鏡の中の五人の男たちが、銘々に小剣(ショートソード)だの短剣(ナイフ)だのを抜刀した。

 きゃー、誰かー!と女が悲鳴をあげている。

 

 すると若者が、身体を右に捻りながらL字に立てた右腕に、水平に伸ばした左腕を重ね、ギリリと(こぶし)を握りしめた。やおら左腕を腰の辺りに引くと同時に左斜め上に突き上げた右腕を大きくぐるりと回しながら……

 

(へんー)……(しん)ッ!

 とぉぅ!)

 

 両手を振り上げて若者は飛び上がり、中空(ちゅうくう)で一回転。

 その身体が眩い光に包まれる。

 

「な!……あ、アレは!」

 

 思わずアインズは声を漏らしてしまった。

 光の中から飛び出し、スタッ、と着地したその姿は明らかに異形の者。

 

 一見して純白の全身鎧に見えるそれは、コキュートスがそうであるような甲殻のようだが蟲のそれではない。むしろその形態(フォルム)蜥蜴(トカゲ)、あるいは(ドラゴン)を想起させ、顔の仮面のように見えるせり出した上部からは下に向かって牙らしきものが生えていて、腰からは短いながらも硬い鱗に覆われた尾も見える。背中に真っ赤な翼を袖なし外套(マント)のように翻し、ご丁寧に胸の中央には瑠璃色(るりいろ)に輝く蒼玉(サファイア)まで。

 

正義白鉻の竜王(ジャスティスクロームドラゴンロード)タチウスドラコーナ・ミルザーゲッバーティアヴィチ、見参っ!)

 

 聞かせる名は……ないんじゃなかったかーーー!

 んでもって、(じぃ)さんや(かあ)ちゃん以上に大層な名前だなー、おまえは!

 

 だがしかし。

 奇妙なことにその姿は変身前……いや、こいつからするとこっちが本来の姿なんじゃないのか?……に比して一回り小さくなっていて、何なら(たくま)しい若者姿の方が強そうだ。

 

 しかも、その背後にぷかぷかと浮かぶ文字がある。

 

  <正義降臨>

 

「……またおまえかーーー!

 だよなーーー?そうだよなーーーっ!」

 

 たちまちにアインズはデミウルゴスに食ってかかるが、

 

「ご冗談を。

 こちらを御覧ください。」

 

と、デミウルゴスは鏡の一部を(きっ)と指差す。

 

(せい)の字が鏡像(きょうぞう)反転しております。

 (わたくし)が仕込んだものであれば、このような失態(ミス)を犯すはずは御座いません!」

 

 おまえは……。

 それでいったい何を証明してみせたつもりなんだ?

 

(やっちまえ!)

 

 アインズたちがそんなことをやって遊んでいる間にも、五人の男たちは全身甲冑を取り囲んで襲いかかった。

 

 おいおいおぃ……よくもまぁ、こんな見るからに化け物に喧嘩を売るな、おまえらも!

 

 ところが。

 五人の男たちが得物を手に襲いかかると、自称竜王(ドラゴンロード)は頭を抱えてしゃがみ込んだ。

 

(痛い痛い、()めて()めて。)

 

 はぁ?

 ……何これ?

 

 ペカーーーッ!

 

 五人の男たちが力任せに振り下ろす小剣や短剣の刃がその身体(からだ)に触れても、血が流れるどころか傷一つつく様子はないが、それでも純白の全身鎧は反撃一つするでもなく、ただひたすら頭を抱えて「痛い痛い、()めて()めて」と気のない声色で呟き続けた。

 

(けっ、馬々鹿々しい!

 興が冷めちまった、行こうぜ!)

 

 五人の男たちはそういい捨て、攫おうとしていた若い女を(ほう)ったままに得物を鞘に収めて立ち去っていく。

 それを見送った後、全身鎧はすっと立ち上がり、

 

(お嬢さん、お怪我はありませんでしたか?)

 

 パンドラかおまえは!と突っ込みたくなるような芝居がかった口調で問うたが、問われた女は寒々しい一瞥を投げた後は、いかな形であれ自身の窮地を救ってくれた存在に対し、一言も口を利かずにどこかへ行ってしまった。

 

 バンバンバンッ!

 

 デミウルゴスが低卓(ローボード)を手の平で(たた)きながら、宝石の涙をこぼして笑いを噛み殺している。

 

「傑作!で御座いましょう?」

 

 あぁ……。

 おまえがとても楽しそうで……オレも嬉しいよ。

 

「ではアインズ様、お召し替えを。」

 

「……はっ?」

 

 とここで、執務室の扉の外からアインズ様当番(インクリメント)の声。

 

「セバスが参りました。」

 

「……えぇ?」

 

 困惑するアインズを余所(よそ)に、いつものように乱れ一つない執事服に身を包んだ竜人セバス・チャンが、鉄筋でも入ってんのか、と問いたくなる背筋をぴんと伸ばした姿勢でつかつかと入って来た。

 

「アインズ様が急遽お出掛け、とのことで近衛を務めるべく参上いたしました。」

 

「ささ、参りましょうアインズ様。」

 

「デミウルゴスも同行するので……御座いますか?」

 

「待て待て!

 いったい何処へ行くというんだ!」

 

 ニッ、とデミウルゴスが三日月型の笑みを浮かべる。

 

「もちろん……」

 

「嫌だ、絶対に嫌だ!

 オレはあんな面倒臭いものに関わりたくない!」

 

 アインズは自分で問うておきながら、デミウルゴスの言を中途で遮って鏡を指差しながら叫んだ。

 自然とセバスの視線が骨の指の先へ走る。

 

「これは……」

 

 見るからにセバスの表情が不快そうに歪む。

 そりゃそうだわな、創造主(たっち・みー)にそっくりだもんな。

 

「この者をお狩りあそばすのですな。参りましょう、アインズ様!」

 

 たちまちに竜の闘気(ドレイコニックオーラ)(まと)ったセバスは()る気満々だ。

 

「セバスもこのように申しておることで御座いますし。」

 

 どいつもこいつも……。

 どうなってもオレは知らんぞ!

 

 半ばやけくそになったアインズは、自ら<転移門(ゲート)>を(ひら)漆黒の英雄(モモン)姿を採って、二人の碌でもない下僕(しもべ)を引き連れその中に消えた。

 

 

                    *

 

 

「キミたちは……私の活躍を遠くから覗き見ていた人たちだね?

 揮毫(サイン)が入り用かな?」

 

 名前もわからない小さな人間の町の裏路地。

 アインズ一行が目前に現れるや、正義白鉻の竜王(ジャスティスクロームドラゴンロード)は開口一番そう言った。

 

 なんと!

 活躍……のつもりだったのか?

 

 アインズの脳裏を占める疑問は、いつものように焦点が斜め半分ずれている。

 

(なん)……なのでしょうか、この者は?」

 

 流石のセバスも、目前のこの何だかよくわからない存在に闘気を()がれたものか、アインズにそう尋ねる。尋ねられたアインズとしては「オレに聞いてくれるな!」としか言いようがない。

 

「セバス、キミの息子だよ。」

 

 さらりとデミウルゴス。

 

「何を馬鹿なことを。」

 

 あー、お互い空っぽ頭でつける薬ねーよなー。

 

「証拠を見せよう。」

 

 そう言いながらデミウルゴスが懐に手を差し込んだので、アインズは慌てて、

 

「<時間停止(タイムストップ)>!」

 

 時間を止めた。

 右手を懐に差し込んだままのデミウルゴスに近づいて、その手が(つま)んでいるものを確認すれば、案の定セバスと紅水晶の竜王(コニー)の秘め事の盗撮写真だ。こんなものをセバスに見せて、またキレて金剛石竜王(ダイヤモンドドラゴンロード)に転じて街中(まちなか)で暴れられたら洒落にならん!

 

「<魔法遅延化(ディレイマジック)><獄炎(ヘルフレイム)>!」

 

 この様子を純白の竜王(ドラゴンロード)が興味深げに覗き込んでいる。

 どうやら祖父(ツアー)同様に時間系魔法は効かないようだ。

 

 要注意だな。

 

 そして(とき)は動き出す。

 

「これだ!……(あち)っ!」

 

 デミウルゴスが懐から颯爽と手を出すと、指先で地獄の業火が燃え上がっている。

 セバスには、意味するところがわからない。

 

「一人で何をやっているのですか、デミウルゴス?」

 

「……なるほど、そういうことで御座いますね、アインズ様!」

 

 わかってくれたのならさっさと帰ろう!

 

「キミたちは、何か困ったことがあるのかね?」

 

 いち早くここから立ち去りたいと願うアインズの思いとは裏腹に、首を突っ込む必要のないところにばかり首を突っ込んで騒ぎを起こしつつ、当の本人だけは自身のお節介を顧みることがまったくなかった旧友そっくりの口調で純白の竜王(ドラゴンロード)が問う。

 

 あぁ、困っているよ……おまえの存在になァ!

 

「私でよければ力になろう。何でも言ってくれたまえ!」

 

 その言葉に俄にセバスが苛立ったのがアインズにはわかった。

 あれだろ?同族嫌悪……とかいうやつ?

 

「おまえ如き餓鬼が我が至高の主に対し……いささか礼を失する言葉、だとは思いませんか?」

 

 だが、問われた側は悪びれもせず、さらりと禁句(NGワード)を口にした。

 

「誰かが困っていたら助けるのは当たり前!」

 

 セバスの瞳が怒気に満ちる。

 

 しまった!

 <時間停止(タイムストップ)>は再充填時間(リキャストタイム)待ちで使えない!

 

 次の瞬間!

 

 ズガッ!

 

「痛い痛い、()めて()めて。」

 

 純白の竜王(ドラゴンロード)が頭を抱えてしゃがみ込んでいる。

 立ち位置はさきほどからまったく変わっていない。

 その足元は彼中心に球形に石畳がへしゃげて窪んでいる。周囲の建物の外壁が崩れ、屋内にいて突如丸見えになった数人の人間が「ひーーーっ!」と声を挙げて逃げ散っていった。

 

 その目前で拳を突き出したままの姿勢で立ち尽くすセバスは、その目を見開いている。

 

「……金剛不壊(こんごうふえ)、とは!」

 

 アインズの見る限り、見境のないセバスは一切の手加減なしに、爆砕瞬殺のつもりで踏み込んだように見えた。

 が、まだ幼体であるはずの純白の竜王(ドラゴンロード)は、傷一つないばかりか、山をも砕き飛ばすセバスの正拳(せいけん)突きを真正面から受けたにもかかわらず、微動だにしなかった。

 ただその場にしゃがみ込んで、

 

「痛い痛い、()めて()めて。」

 

と呟くだけ。

 

 これはまた……。

 トンデモない化け物だな!

 

「……これでわかったか、セバス。

 こいつはおまえの息子、白金の竜王(プラチナムドラゴンロード)ツアーの孫だ。」

 

 ん?と、ここに来て初めて、しゃがみ込んだままの化け物の視線がアインズに向かった。

 

「キミはお祖父(じい)様を知っているのかね?」

 

 これにアインズはさらりと返す。

 

「おまえとて会って話したことはあるまい。先だって不死者(アンデッド)の積み増しにいったときも、まだ鼻提灯ぷかぷかで寝ていやがったからな。」

 

「なんと!」

 

 純白の竜王(ドラゴンロード)は、セバス渾身の一撃などまるでなかったかのように、すっと立ち上がって問う。

 

「ということは、キミが噂の……アインズさん、なのかな?」

 

「ほぅ……オレのことを知っているのか?」

 

「母上から聞かされた。

 お祖父(じい)様、白金の竜王(プラチナムドラゴンロード)ツァインドルクス・ヴァイシオンの親友に、比類なき大魔王にして愉快な死の支配者(オーバーロード)、アインズ・ウール・ゴウンがあると。」

 

「愉快な、は余計な気もするが……まぁ、事実だわな。」

 

「挨拶が遅れてすまなかった。私は正義白鉻の竜王(ジャスティスクロームドラゴンロード)タチ……」

「いや、待て待て!」

 

「……はっ?」

 

「おまえらの糞長い名前は憶えておれん!

 愛称(ショートネーム)だけ教えてくれればいい。」

 

「そうか。

 では……私のことはタッチ、と呼んでもらえれば。」

 

 だと思ったよ!

 

「では、さきほど私に殴りかかってきたのが?」

 

 タッチの視線が自然とセバスに向かう。

 

「あぁ、誠に遺憾ながらおまえの父親、ということになるな。」

 

 流石に初対面の(じつ)の父親に()る気満々の一撃を喰らって衝撃(ショック)を受けたのではないか、とアインズは余計な心配をしたが、言われたタッチにそれを気にする様子はまったくない。

 

「キミが私のパパなのだな。」

 

 パ……パパ!

 

「キミについても母上から聞いている。

 ()()()の方が随分と凄いそうだな。今でも母上は、時折思い出してはうっとりと遠い空を眺めておいでだ。」

 

 パパとよばれても顔色一つ変えなかったセバスは、息子のこの言葉にやや目を()らして頬を赤らめた。

 

「して……そちらの悪魔は腹でも下したか?

 あいにく薬の持ち合わせはないのだが。」

 

 見れば、デミウルゴスが地面をのたうち回って笑い転げている。

 

 ペカーーーッ!

 

「……そいつはそれが平常運転だ。気にしなくていい。

 それはそうと、タッチ……よ。二つほど訊かせてくれるか?」

 

 躊躇いがちに名を口にするアインズに、タッチは無言のまま頷いた。

 

「まず、それは……何だ?」

 

とアインズが指差したのは、タッチの後背に浮かぶ<正義降臨>の文字だ。

 

「はて。世を忍ぶ仮の姿から竜に転じれば自然と浮かぶもので、私自身何であるかはわからない。」

 

 世を……忍んでんのかよ?

 

「アインズさんはこれが何か心当たりがあるのか?

 文字であるらしきことはわかるが、私には読めない。」

 

「厳密には少しおかしなところもあるが、正義降臨、とあるな。わかるか?」

 

「正義降臨……か。私にはいささか不似合いだな。」

 

 いや、ぴったりお似合いだよ!

 

「おまえの(じぃ)さん、ツアーでない方の父方の祖父の形見だ、とでも思っておくといい。」

 

「なんと!

 それは、パパのパパ、ということか?」

 

 ペカーーーッ!

 

「……まぁ、そんなところだ。

 オレの親友であり、恩人でもあった男だ。おまえは彼によく似ている。」

 

「そうか……アインズさんは随分と厄介な性癖の持ち主と交友があったのだな。」

 

 まったくもってその通りだが……それ、おまえが言うか?

 

「して、もう一つ、とは?」

 

「なぜ反撃しない?」

 

 簡潔にアインズは問うた。

 最初に見た五人組はともかく、タッチはセバスに対しても頭を抱えてしゃがみ込むだけでまったく反撃の素振りすら見せなかった。防御力だけが突出して高い、という可能性もなくはないが、それはあまりに不自然にアインズからは思われたのだ。

 

「すべきだろうか?」

 

 タッチは、首を(かし)げながら逆に尋ねた。

 

「この世に私を傷つけられる者など居はしない。

 皆、しばし放置すれば疲れ果てて抗うを諦める。

 そんな者たちに反撃など不要だ。」

 

 こいつ、本気で言っているんだろうか?

 その一点のみについて言えば、二人の祖父、ツアーとたっち・みーよりもまともだ、と言えなくもないが……極端だ、という意味では(じぃ)さんたちと血は争えんわな。

 

 おれの必殺(コンボ)を喰らわせてやったらどうなるんだろう。

 いや、これで「痛い痛い、()めて()めて」で応じられたら衝撃(ショック)だからやめとくか。

 

「あぁ、こんなことをしている場合ではなかった!」

 

とタッチ。

 

「救いを求めて私を待つ者たちの元へ駆けつけねばならん。

 キミたちも、困ったことがあれば私の名を呼びたまえ。」

 

 冗談……のように聞こえるが。

 呼べば本当に()ちゃうんだろうなぁ、こいつ。

 

「では、さらばだ!」

 

 タッチはひょい、と飛び上がって真っ赤な翼を開き、それをパタパタと羽ばたかせて飛行を開始した。

 その速度は、鳩でももう少しマシだろう、と思われる牧歌的なもの。

 

 わざとボケているのか?

 あるいは、本当にあいつは極端なまでに打たれ強いだけ……なんだろうか?

 

「アインズ様。」

 

 セバスが深々と頭を下げつつ言う。

 

「愚息が至高の御身に対し無礼な物言いをいたしまして、慎んでお詫び申し上げます。」

 

 あ、意外と素直に息子だと認めるのね?

 まぁ、逆に認めないと、竜人渾身の一撃で仕留められなくておまえも立つ瀬ないわな。

 

「よい、セバス。

 いささかおかしなところもありはするが、なかなか見どころのある餓鬼じゃないか!」

 

(きた)るべきユグドラシルプレイヤーとの決戦において、防御(タンク)役として有用であろう、と愚行する次第で御座います。」

 

 いつの間にやら立ち上がってアインズの傍らにあったデミウルゴスが楽しげにそう言う。

 

「馬鹿を言え。あんなのを当てにするようになったらオレも終わりだ。」

 

 まだ視界の片隅をパタパタと飛ぶその後ろ姿を見送りながら、アインズはそう呟いた。

 

 

                    *

 

 

「おまえはトンデモない餓鬼を世に放ってくれたもんだな!」

 

 唐突に(あらわ)れそう言う骸骨姿の魔法詠唱者(マジックキャスター)に、人型を採って何やら分厚い書物に目を通していた紅水晶の竜王(ローズクォーツドラゴンロード)コンスタンツァダラゴーナ・ミナスジェライス、ことコニーは、見るからに鬱陶しげな胡乱な視線を向けた。

 

「お訪ねの際は事前に一声(ひとこえ)掛けておくれや、と申したであろうに。」

 

 南方(なんぽう)、エイヴァーシャー大森林。

 ツアーの娘コニーは、かつて森妖精(エルフ)の王デケム・ホウガンが暮らした植物で編み上げられた王宮に住み着いている。

 

 当地の森妖精(エルフ)たちは、ホウガン亡き(あと)はスレイン報国の庇護下にあったが、同国の流儀に馴染んで()()()に差配されることを好み移り住んだ者を除き、森に残った森妖精(エルフ)たちは村落単位の自治を続けていた。

 空き家のまま放置されていたホウガンの王宮を見つけたコニーは、森妖精(エルフ)たちに断りを入れて自身の(ねぐら)とし、森妖精(エルフ)たちからは<大森林(エイヴァーシャー)の魔女>と呼ばれている。アインズたちがトブの大森林に対してそうであるような守護者としての盟約を森妖精と交わしたわけではないが、実質上の庇護者として振る舞っているのは事実だ。

 

「ご覧の通り人型も採れる(わらわ)が、森妖精(エルフ)の愛人と(まぐわ)っておれば何とする?」

「んなもん、知るかッ!」

 

 コニーの言葉にアインズはそう返しつつも、そうだったっけ?と不安になり、左手は所持品(インベントリ)書付(メモ)を探る。案の定そこには、(いま)コニーに言われた通りのことが書かれたそれがあった。

 ちなみにアインズは、何度かツアーの居城でアーグランド評議国の代議員たちと鉢合わせたこともあるが、都度アインズは大慌てで引き返したし、代議員側も「ヴァイシオン卿がまた妙な者とおかしなことをしている」程度の反応しか返さなかったので、問題になることはなかった。

 

「そなたも長い付き合いで少なからず(わらわ)の色香に恋着(れんちゃく)していよう。(わらわ)が他の男と交わるを見てそなたが傷つかぬよう、配慮しておるつもりなのじゃがな。」

 

 ペカーーーッ!

 

「その様子からすると、(わらわ)の言をお楽しみいただけたようじゃの。」

 

 ったく……ツアーの一族はどいつもこいつも碌でもないことこの上ない!

 と、アインズは自分たちもそうであることを棚上げして憤る。

 

「して、何用かな?

 その様子からすると、アレと出食わしたか。」

 

 パタン、と書物を閉じたコニーは身を委ねていた吊床(ハンモック)から身体(からだ)を起こし、王宮同様に生きた植物から編み上げられた寝座椅子(ソファー)に座ってアインズにも席を勧めた。

 

()()について訊きたいことがある。

 どうして愛称(ショートネーム)がタッチなんだ?

 ツアーから教えられたか?」

 

 自身もコニーに対面するよう着座しつつアインズがそう問うと、コニーは不思議そうな顔をする。

 

「タチウスドラコーナ、がタッチで何がおかしいのかえ?」

 

「そういう意味じゃない。

 よりによって縮めてタッチになる名を付けたのは何故だ、と訊いている!」

 

 コニーは、アインズの真似をしているつもりなのか、ぱかりと(くち)()けた。

 

「……なんだ、その顔は?」

 

「名を……付けた?」

 

「……そんなに驚くようなことをオレが訊いたか?」

 

「名は当人が名乗るものであって付けるものではなかろうに。」

 

「……はぁ?」

 

 聞けば、竜王(ドラゴンロード)は孵化するや、自身の特性を示す称号を含め、姓名を自ら名乗るのだと言う。

 

 そんな馬鹿な話あるかぁ?

 古代インドの聖者が生まれてすぐに七歩(ななほ)(あゆ)んで「天上天下唯我独尊」と嘯いたんだっけか?

 いや、それは後世に言われたことで本当は違う、とかタブラさんが言ってたか?

 

「アインズさんも、自らアインズ・ウール・ゴウン、と名乗ったものであろう?」

 

「それはまた意味が違う!

 と言うか、生まれた竜王(ドラゴンロード)は何故自分の名前を知っている?」

 

「そなたとて現実(リアル)とやらで人間として生まれた瞬間の記憶はあるまい。(わらわ)たちとて同じこと。何故(なにゆえ)(わらわ)紅水晶の竜王(ローズクォーツドラゴンロード)コンスタンツァダラゴーナ・ミナスジェライスであるかを、(わらわ)が知るわけがあるまい。」

 

「ふぁーーー?」

 

 このコニーの言には流石のアインズも呆気に取られ、コニーを鏡写しにしたように口をパカリと()けて応じることを強いられた。

 

「そもそも、タッチ、だったら何だ、と言うのかえ?」

 

 あ、本当(ほんと)に知らんのか。

 

「タッチ……正しくは、たっち・みー、だが、それはタッチの父親セバス・チャンの創造主、ユグドラシル時代のオレの親友の一人の名だ。しかも、タッチの外見は、しっぽが生えていることを除けば、たっち・みーの完全(フル)装備時にそっくりなんだよ!」

 

 アインズがセバスの名を口にすると、その瞬間だけコニーは切れ長の目を物欲しそうに妖艶に潤ませたが、なおまして奇っ怪なことを言い始めたのでアインズの関心はそこへは向かなかった。

 

「ほぅ……それは奇妙な一致じゃの。

 されば(わらわ)をセバスに(めとら)せたのはアレ自身の望み、やも知れんなぁ。アインズさんもそう思うであろう?」

 

「……はっ?

 いったい何を言っている?」

 

「さして驚くことではあるまい。この世に生まれる者は(みな)、自ら望んで生まれるものだ。そなたとて、自身望んでこの世界にやって来たのではないのかえ?」

 

 コニーに平然とそう問われ、アインズは困惑した。

 オレが……自ら望んでこの世界へやって来た、だとぉ?

 

「他の種族がどうかは知らぬが、竜王(ドラゴンロード)の雌性は、この世に生まれ出たいと願う次なる竜王(ドラゴンロード)に仮の宿を提供するに過ぎぬ。タッチは(わらわ)(らん)として宿った時点で、(わらわ)がセバスと交わることを望んだのやも知れんよなぁ。それほどにかの者は、産み落とすべき(らん)(かか)えた(わらわ)にとっては、実に魅力的であったゆえ。」

 

 な……!

 それじゃまるで、タッチが、たっちさんの生まれ変わり、じゃないか!

 

「されど、何人(なんぴと)も生まれた瞬間は元より生まれる以前の記憶などというものは持ち合わせまい。(わらわ)が語ったのも、そうであれば面白かろう、と語ったもので真実であるかどうかは誰にもわからぬ。アインズさんも真に受けてくださるなよ。」

 

 この世界の真理について深い知識と洞察を有しつつも迂遠に断定を避けて語る傾向の強いツアーに対し、娘コニーは存外無遠慮に思ったことをそのまま口に出すきらいがある。

 アインズは、コニーの語るそれが、天下り的な真実を問わず語りに示したものなのか、彼女の雌性竜王(ドラゴンロード)の感性だけが覚えるところを文学的に表現したものに過ぎないのか、俄に判断することができなかった。

 

「しかし……アインズさんの言で、ひとつ得心のいったことがあるぞな。」

 

とコニー。

 

「何が、だ?」

 

「<翻訳の神秘>ぞ。」

 

 ん?

 唐突に持ち出されたその意味がアインズにはわからない。

 

「タッチが孵化して、初めて名乗りをあげたときなぁ。」

 

 目下人型(ひとがた)を採るコニーは、そう言いながらアインズから見てもはっきりとわかる、母の微笑みを見せた。

 

(わらわ)には……竜のタチウス(タチウスドラコーナ)極悪(ミルザーゲッ)執事(バーティア)の息子(ヴィチ)、と聴こえたものよ。以降はただ、音のままに聴こえるがな。」

 

 なんと!

 

「ふふ……はははっ!

 そいつは、傑作だな!」

 

 アインズは思う。

 その真相に関心を向け、コニーに問うて何の益あろう。

 これは……笑うしかない話だ、と。

 

「さもあろう?

 アレが、そなたの友人、たっちさん、とやらの生まれ変わりであるや否やは誰にもわかるまいが、アレは疑いなくそなたの下僕(しもべ)セバス・チャンの息子となるべく、自ら望んで生まれて参った者に違いあるまいよ。」

 

「あぁ、コニーの言う通りだ!

 ツアーが目を覚ますのが楽しみだな、(タッチ)を見てどんな顔をするか!」

 

「父も大概変わり者じゃが、我が子には(かな)うまいて。」

 

 親馬鹿の発露にしては変わった物言いだ、とアインズは思うも口にはしない。

 この親娘孫の三代竜王(ドラゴンロード)は、皆それぞれどこか突き抜けて狂っていやがる!

 だがそれを言ったら、こいつらとの交流を存外楽しんでいるオレ自身も偉そうなことは言えまいよ。

 

 アインズとコニーは、しばし未だ目覚めぬツアーをネタに笑い合った。

 

 

                    *

 

 

「……とまぁ、そんなことがあってな。」

 

 ナザリック地下大墳墓第十階層最古図書館(アッシュールバニパル)

 大魔王アインズ・ウール・ゴウンは、この世界の実相について語らう相手にしばしば二本(つの)骸骨の魔法使い(スケルトンメイジ)、司書長ティトゥス・アンナエウス・セクンドゥスを選ぶ。

 

「興味深い話……では御座いますなぁ。」

 

 ティトゥス率いるナザリックの司書団は、今も気儘に種々の実験観測を通してこの世界の実相を理解する研究を進めているが、必ずしも大きな成果を上げているわけではない。

 一方で、この世界がすべてを必然足らしめる共通の基盤、一意の法則を有しておらず、個々の事物がかくあるべくしてそうあるように見える、というのは随分と早い段階からティトゥスたちから指摘されていたものだ。

 直近の例では、転移歴1300年代に現れた来訪者(ユグドラシルプレイヤー)がギルド維持資金に当てたことから俄に鉱物資源に改めて関心が集まった。が、それらが地層の形で各地に散見される一方で、ティトゥスたちはその形成要因であるはずの火山活動、地震、大陸移動(プレートテクトニクス)の類をまったく観測していなかった。地震、については例外的に転移歴50年前後に大きなそれがあったが、それはアインズたちが鉱山開発を断念するに至った過程で自ら起こしたものだ。

 鉱物資源は、そこにかくあるべくそうあるだけで、それを必然足らしめる来歴がない、とティトゥスたちは考えている。丁度ユグドラシルにおける鉱山が、<現実(リアル)>における地質学を土台(ベース)にそれらしく演出されつつも、とどのつまりは何がどれほどの埋蔵量あるか以外の定義を欠いたのと同様に、である。

 

「コニーはオレに、自身望んでこの世界にやって来たのではないのか、と問うた。

 これを……おまえはどう考える?」

 

 アインズとしては、既に関心の中心はセバスとコニーの子、タッチが何者であるか、ではなく、コニーから語られた竜王(ドラゴンロード)の誕生の秘密、そこから示唆されるこの世界の実相へと移っている。問うても仕方のない問いであることは百も承知だが、この下問にティトゥスがどう答えるか、には興味津々だ。

 

「世界を形作っているのは、(きわ)めればそこに我在(われあ)りと認識する(おのれ)の意思である、とする思想は、古来より様々語られていたものか、と存じます。が、これは結局のところは、そう考える(おのれ)が世界をどう見るか、その見解、解釈の一つに過ぎないのであって、原理的に客観的な証明が可能なものでは御座いませんから、常に科学の道程にあっては傍流にあったもの……で御座いますな。」

 

 ティトゥスは、まずさらりとそう言った。

 

「敢えて想像を(たくま)しくいたしますれば。」

 

と言葉を切るティトゥス。

 真偽定かではないがこのように考えることもできましょう、というときに、しばしばティトゥスはこういう言い回しを好む。沈黙は、何の益体もないことを申しますが構いませんでしょうか、とアインズの承諾を求めてのことだ。

 

 黙ってアインズは頷いた。

 

「アインズ様……この場合、ユグドラシルのモモンガ様、と言った方が正しいかと存じますが、モモンガ様が余人の手にせぬ膨大な魔力を有しておられたのは事実で御座います。

 そして、ユグドラシル最後の瞬間に、モモンガ様、ひいてはスズキサトル様が、この上なくも有り難いことに我らナザリック地下大墳墓の永続をご祈念あそばされたのであろうことは疑いようも御座いませんから、モモンガ様の膨大な魔力がそれを実現すべく今在るこの世界を生み出した、と考えることは可能で御座います。」

 

「しかし……オレたち以前にこちらの世界に来ていた者もあるだろう?」

 

 <翻訳の神秘>をもたらしたエドモン・ウェルズ。

 今なお在地の人間たちの文化に色濃く影響を残す六大神。

 位階魔法をこの世界に持ち込んだと言われる八欲王。

 <現実(リアル)>の知識を断片的にながらばら撒いた口だけの賢者。

 

などを想起しつつアインズは問い返す。

 

「恐れながら。」

 

と前置きしてティトゥスは言う。

 

「アインズ様は、世界をお望みあそばすに際し、すべてが(おのれ)の思うがままの世界を望まれたわけでは決してなく、むしろ、思いのままならぬ世界、七転八倒、試行錯誤、暗中模索する冒険の世界をお望みあそばされたであろうことも、これまた疑いようも御座いません。アインズ様の申されます(もの)たちは、その要素として前以て招かれた者、と考えて悪い理由はありますまい。」

 

「うーむ、ティトゥスには悪いんだが。」

 

とアインズ。

 

「正直なところ……物は言いよう、という印象も受けるな。」

 

 下僕(しもべ)を不用意に傷つけぬよう発せられたその言葉に対し、ティトゥスは、カカカ、と笑って応じた。

 

「それは仰せの通りで御座います。

 (わたくし)が只今申し上げましたことは、立証も反証も叶わぬただの言葉。コニー、とやらの申すところも、とどのつまりはその域を出るものでは御座いますまい。観測事実としては、これまで、ユグドラシルの終了時点にログインしていたプレイヤーとそのギルド、という組み合わせが<百年の揺り返し>で出現する以外の形でのユグドラシルからのこちらの世界に対する干渉は知られていない、ので御座います。

 むしろ、コニーとやらとセバスの息子がたっち・みー様に似ることも、アインズ様がそれをお望みになられたからだ、と考えたほうが納得がいきましょう。」

 

 いや、オレはそんなややこしいことを望んだ憶えはないぞ……憶えてないだけなのか?

 

「ただ、疑う余地もないことは。」

 

とティトゥスが居住まいを正す。

 

「ユグドラシルからやって参ったすべての者が次の<百年の揺り返し>を待つことなく滅び去っていくのに対し、我らがナザリック地下大墳墓が千年の(とき)を越えてますます盛んであることは、ただ(ひとえ)に、有り難くも我らが至高の(あるじ)アインズ・ウール・ゴウン様が、勿体なくも我ら下僕(しもべ)と共に在れかし、と願い続けて下さっているがゆえ、ということで御座いましょう。

 誠に以て、有り難いことで御座います。」

 

 実際のところ。

 ティトゥスもアインズもたちまちには記憶の中にないが、この時点でも転移歴300年にやって来たカーター・ツィマーマン、1200年にやって来た光輝(ルミナス)はギルドとしては健在であり、後者にはアインズ同様に不死者(アンデッド)のプレイヤーが今なお君臨している。

 が、それがユグドラシル時代と変わらぬ、あるいはそれ以上の繁栄を呈しているか、と問えば、確かにティトゥスの言う通り、ナザリック地下大墳墓が唯一無二の存在であることは、アインズ自身とて疑いようもないことではあった。

 

「ふふ……千年以上経っても、相変わらずわけのわからんことだらけだな。」

 

 そう呟くアインズに、ティトゥスはやはり、カカカ、と笑いながらこう返した。

 

「それもまた、御身がお望みになられたことで御座いましょう。」

 

 

                    完

 

 




<次話予告>

 五百年の<永い眠り>から、遂に白金の竜王(プラチナムドラゴンロード)が目を覚ます

「アインズ様が白金(プラチナ)(ドラゴン)に騎乗して魔鬼(デーモン)どもを殲滅しておられますぞ!」

 億劫のオーバーロード余19話『鬼顔城(きがんじょう)

 降り積もった違和感がツアーに問いを発させる。

「で、アインズ。
 本当のところを聞かせてもらおうか。」

11月吉日公開予定。
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