それは、決して困難ではないが存外大掛かりな作戦になった。
そこで、まずコキュートス、セバスが送り込まれ、放置されていたギルド
続いて、アインズ自身がアルベドの姉、ナザリックの目ニグレドを伴ってそこへ赴いた。
ナザリックに居たままではニグレドの探索範囲は当地はおろか大地溝帯すら越えることが出来ない。が、ニグレド以外にあれを見つけられる者が居ようはずもない。そして、自身はレベル総計二十に過ぎないニグレドは、よもやそんなことはあるまい、とは思いつつも、こちらの世界の住人であっても相応の猛者でさえあれば屠ることができなくはない存在だ。
ナザリックの守りの
「アインズ様とお出掛けェーーー!」
警護される当の本人……思えば彼女がナザリック外に出るのは転移以来初めてのことになる……は、無邪気に喜んで、アインズとアルベドの頬を否応なく緩ませた。
これまたよもやない、とは考えられつつも、
オークネイスの東に拡がる干潟の岸辺から二十三キロほど真東に進んだ沖合にそれは浮かんでいて、まるで<
位置がわかれば<
そこで、まずシャルティアが艦砲の射程ギリギリに転移し陽動をおこなった。主砲弾の速度は音速を超えはするがシャルティアに回避できないものではない。が、課金等の手段で追尾能を有していない、とも言えないので、シャルティアには、撃たれた場合は敢えて避けずに<
この、何処か、が曲者で、言葉のままに適当な何処か、と命じると、これがツアーの居城に降り注ぐ、などというのはこの作品世界のお約束であることはアインズも承知している。一方で、シャルティアにとってまったく未知の座標に<
あからさまにシャルティアが陽動をかけても、<
この時点でシャルティアをナザリックの守りに戻し、三人は拠点内に侵入した。
少なくない拠点防衛NPCが存在したが、反撃らしい反撃はなかった。いや、厳密に言うと、百レベルに達しているアインズたちには意味のないものだった、という話で、応戦が皆無だったわけではない。
というのも、NPCのほとんどすべては、ルーシェンやジュリーがそうであったように、SF
このような戦術を弄するギルドがユグドラシル時代に皆無であったわけではなく、むしろ拠点NPCの
このときまでアインズは、ルーシェンの、仲間を使い捨てにする思考様式、は創造主クリフがルーシェンに与えた個性だ、と考えていたのだが、どうやらそういうことではなく、そもそも
同様に、
要するにクリフには、アインズたちがそうであったような、自分の創造物を
アインズは、自身の前身鈴木悟を含む至高の四十一人が、ナザリック地下大墳墓とその
でありながら、やはりアインズはクリフが描きルーシェンが身をもって具現化して見せたそれを許し難く感じるのであるが、よくよく考えてみれば、クリフにそれをやらせたのは、非公式ラスボス、アインズ・ウール・ゴウンのモモンガの存在感、つまるところアインズ自身なのである。
空中戦艦の艦橋、すなわち玉座の間に相当する場所で、羽蟻の母体に相当すると思われる子機生成能を有した強行偵察特化NPCを始末し、残る探索箇所は宝物殿となった。そもそもこの侵入の最重要目標は、アインズの気紛れで
必ずしもそれが惜しかったわけではない。まったくそうでない、というわけでもないが。これを放置すれば、追ってやって来る次なる
宝物殿は戦艦の機関室に当たる場所がこれに当たっていた。特別にそこを防衛するNPC、というものは居なかった。空中戦艦、という特殊性のなせるものだが、自身が機動力、火力を有する拠点は、通常は侵入を許せば敗北必至、がユグドラシル的常識であり、そこに防衛戦力を割く必然性はない。
むしろ驚かされたのは、パンドラズ・アクターが残されたユグドラシル金貨の計上を開始してすぐ、<
つまり。
<
「何がしたかったんだ、アイツは?」
思わずアインズはそう呟いたが、これには傍らにあってギルド武器を検分していたパンドラズ・アクターが答えた。
「おそらくは、父上の極限、と対峙することを望んだものではないか、と。」
「オレの極限?」
「父上は、かの者が必殺
この問いにアインズは無言のままに頷く。
「そんなことを、ユグドラシル時代はもちろん、こちらの世界に渡って参って以降も父上に強いた者などおりませんし、今後も恐らくは現れんでしょう。すなわち、そこには父上のユグドラシルプレイヤーとしての極限が現出したので御座います。」
デミウルゴスがこれに参加する。
「パンドラズ・アクターの申す通りで御座います。
そもそもかの
そして、それは幸いにも果たされたので御座います。かの者は、この
……羨ましいなら、おまえも同じ目に遭わせてやろうか!
既にこの時点でアインズは、デミウルゴスが最終決戦を劇的に演出すべく故意にキーノ・インベルンたちを使嗾してルーシェンにエンリネの存在を知らしめ、以てこの顛末に至ったものだろう、と確信していた。
結果的にアインズがこれを心底楽しんだのは否定できない事実なので、これもまたデミウルゴスの余りに行き過ぎた忠誠心の発露であることは承知しており、これがムカつくからデミウルゴスを閉時曲線に閉じ込めてやろう、などと考えるほどアインズは阿呆ではない。というか、そんなことをして困るのはアインズ自身だ。
一方で、寿命を持たない
あいつの罪はそこまでされるほどのものであったのか、
そして、仮にそのような者が現れるとして。
おそらくそれをも打ち倒すであろう自分は……いったい何者なんだ?
……ま、いっか。
どうせ忘れるんだし!
「超位魔法<
最後にアインズは、自ら対拠点破壊魔法を放って<
過去に例を見ない長期戦となった対
*
「え!縛り上げたままなの?なんで?
……いや、そりゃ命じたのはオレだけどさ。
とりあえず解いてやれ!」
そんな声がした途端に急に戒めを解かれたキーノたちは、身構える猶予もないままに、どさっ、と地面に落ちた。途轍もない
嗚呼、いよいよ終わりのない処刑の始まりだ……とクレマンティーヌは既に観念し、頭を抱え込んだまま地面に臥せっていた。一方キーノは、駄目元で抗弁を試みようと大慌てで身なりを整え、正座して大魔王の臨御を待つ。
果たせるかな、目前に金糸銀糸に
「巻き込んで
「すまなかった、アイ
第一声丸
「……はぁ?」
「えっ?」
互いに目を丸くして顔を突き出し、向かい合う骸骨と吸血鬼少女。
「おまえの話から
「まずアインズさんの
再びの丸
「いや、これじゃ話進まないからさ。」
とアインズ。
「なんでおまえが謝るんだ?」
問われた側は恐るべき断罪が待っているもの、とばかり思っていたので、何を問われているのかがさっぱりわからない。
「いや……その……私たちがエンリネを守り損ねたばかりか、私たちのせいでその存在がクリフに知られてしまって……なんとか取り返そうと追いかけたんだが……」
「……んなこったろう、とは思ってたよ!」
これで、デミウルゴスがこいつらを巻き込んで、やらされている本人たちも気づかぬうちにルーシェン……あいつ、キーノたちにもクリフ、と名乗ってたのか?……の視線をエンリネまで誘導する役目を押し付けたのは確定だな、とアインズは溜息をつく。ほんっと、大概にせいよ、あのとことん
「詫びるのはこっちの方だ。」
詫びる、と言いつつもその口調は随分と横柄ではある。
「小娘はこっちで回収して無事だ、おまえらは気にしなくていい。」
「……はぃ?」
キーノは、今この瞬間も大魔王アインズ・ウール・ゴウンが難民の帰還事業の黒幕だったこと、その中核を担った森の少女を守りたいと考えていること、そのすべてを、本当だろうか?と疑っていたので、このアインズの発言に大いに驚かされた。
「むしろ、おまえが気を遣って小娘を追ってくれてたのにこの有り様とはな。
だが、おまえらもこの森で騒ぎを起こせばオレたちが動くのは承知だったはずだ。まぁ、今回は笑い話で済んで良かった。今後は気をつけてくれ。」
「ちょっとそれ……どゆこと?」
ここで、頭を抱えてがたがた震えていたクレマンティーヌが、ひょいと顔を上げた。
「……誰、おまえ?」
どこまでも身勝手な大魔王。
「ア、アインズさん、私の眷属だ。」
「あっそ。」
キーノの執り成しにアインズはそっけない相槌を打ったが、これがクレマンティーヌの心の琴線に触れたらしい。
「おいこら、ちょっと待ったれよ、骸骨野郎!」
「お、おぃ、よせよせ、クレマンティーヌ!」
慌ててキーノがクレマンティーヌの袖を引くが、感情の堰が切れてしまったものか、彼女は止まらなかった。
「笑い話で済んで良かった、だとぉ?
今後は気をつけてくれ、ったーどういう了見だ!」
今にも噛みつかん勢いでクレマンティーヌは捲し立てた。
対してアインズは、しばし呆然と立ち尽くしていたのだが……
「……そうだな。確かにいくらなんでも、だよな。」
と呟くと、二人に視線を合わせるためか、ぺたん、とその場に座り込み、土下座こそしないが、ぺこり、と頭を下げて、
「ごめんなさい。」
と告げた。
「「……はぁ?」」
これにはキーノはもちろん、返り討ち覚悟で食ってかかったクレマンティーヌも驚天動地だ。
一方アインズは、そのままの調子で続ける。
「礼を失していたのは謝る。オレはおまえらのことが決して嫌いじゃないし、おまえらがやってることの意味も理解はしてるつもりだ。」
この物言いに、さしものクレマンティーヌも気勢を削がれて腰から力が抜けた。
「おまえらに理解してもらいたいとは思わんし、多分無理だし、そもそもその必要もないんだが、残念ながらオレも全知全能というわけにはいかん。ナザリックの
目線を合わせて首を傾げながらそういう骸骨顔は、変わらず恐ろしげではあるが、キーノにもクレマンティーヌにも、恐怖や畏怖ではない、何か他の印象を醸していた。
「あの森の小娘もそうだが、オレはそういうのが好きなんだよ。それが出来るやつには、みんな自由気ままに跳び回ってもらいたいんだよ。決してやらせたいわけじゃないんだよ、どうして欲しい、こうして欲しいなんてのはないんだよ。
今回の一件にしても、実際何が起こってたのか、おまえらに説明するのは簡単だが……いや、ちょっとおかしなことが多過ぎでそうでもないかもだが……おまえら自身が自分で手が届かないことまでオレが語ってしまえば、もうおまえら、元には戻れないだろう?」
この言葉にキーノもクレマンティーヌもハッとさせられる。
ここに至って、二人はこの大魔王らしからぬ物言いの含意が何となくわかってきていた。
「だからオレはこういう
だが、おまえらを捕らえたのがマーレだ、と聞いてホッとしたのは本当だ。アウラだったらおまえらは既に魔獣の餌にされてて、こうして話すこともなかったはずだからな。」
仮にそうなっていたとしても、アインズはいっとき、あーぁ、と思うだけで、そしてすぐに忘れてしまうのだが、だからこそ、そうならなくてよかった、と思っている気持ちに嘘はない。
「こりゃ……」
と、クレマンティーヌ。
「こりゃ、参ったわさ。」
そう言いながら後ろ頭をぼそぼそと掻き毟る。
「アンタ……いや、アインズ……さんのことは決して好きにはなれないけど。」
そう言いながら、クレマンティーヌは初めて意識的にアインズと目を合わせた。
アインズの
「アインズさんは……凄い
「よせよせ、デミウルゴスでもあるまいに。
あ、デミウルゴス、というのはいつも赤い
「そのデミウルゴスとやらも、アインズさんにそう言われたら立つ瀬がないでしょーよ!」
「ん?
ふふ……アハハハ、それもそうだな!おまえも存外面白いやつだな、アハハハ!」
隣では、何なんだこれは?とキーノが、ポカンと口を
こうして、<黒の百合>の四人は解放された。
話の流れがこうだったので、キーノはアインズに問うてみたかったこと……二十五年前の<
最早彼女の中で、それを問う意味も……。
完全に消え去ったわけでは決してないが、その重みを失っていた。
*
「……閣下?」
「いかがなされましたか、将軍閣下?」
「どこかお具合でも悪いので、閣下?」
エンリネは、見届けることこそ叶わなかったが自身が図らずも立ち会うことになった、触れ得ざる者同士の果たし合いに思いを馳せている。
あの後、エンリネを抱き上げて飛翔した赤服の悪魔は、まっすぐ西に飛んでトブの森の端にエンリネを放置した。
立ち去るに際し悪魔は、
「至高の御方がキミに対して特別な感情を
と、んなもん言われんでもわかっとるわーーー!と言い返したくなる言葉を残して飛び去っていった。
勝手に無関係な……関係ないでしょ?……私を巻き込んでおいて、せめて結末がどうなったかくらい教えてよ!と思わないでもなかったが、そういうものはなかった。
先生は自分に対して<
が、エンリネは直感的に、勝利を収めるのはアインズ・ウール・ゴウンであろう、と考えていた。
どう表現したらよいのか彼女自身にもよくわからないのだが、ルーシェンは何の迷いもなくあの戦いに身を投じていったのは確かだが、それは迷いがなかった、というよりはむしろ、迷う余裕すらなかった、と評すべきものに思われた。
一方で、アインズ・ウール・ゴウンは、あの時点でも強いてルーシェンが期待するところのアインズ・ウール・ゴウン……のモモンガ?……を演じているように彼女には見えていた。ルーシェン自身「アインズ・ウール・ゴウンのモモンガは決して期待を裏切らない」と創造主の言葉を引いていたが、その言葉通りなのだろう、とエンリネは考えている。
そして、そのアインズ・ウール・ゴウンが「とりあえず、そいつ、返してくれる?」とルーシェンに問うた口調は、限りなく彼の
だとすれば、もちろん悪魔が言い残したように、アインズ・ウール・ゴウンが女としての自分を愛している、などという妄想こそ
だが、そのアインズ・ウール・ゴウンが、二十五年前の<
「「「閣下ッ!」」」
「……え!
あ、ごめん。考え事しちゃってたわ。
ナニ?何かあった?」
自分を呼ぶ声……と今でも決して認めたくはないのだが……にハッとエンリネは我に返る。
森の外れから転移の指輪で
族長ダンベルグや
「流石は血塗れの再来、自力で魔物を倒して帰還されるとは!」
「まさに覇王!」
「将軍閣下、万歳!」
ちょっとーーー、勘弁してよーーー!
だが、もう手遅れだ。
覇王、血塗れ伝説は生まれた。生まれてしまったのだった。
「ひょっとして、先の魔物との戦いでどこか痛めておいでなんですかい?」
「なんならクルシュルを呼んで来ましょうか、あの
「それとも身体の凝りか何かであれば、あっしが
最後にそう言ったフリニゲに、ジューゲームとゴトーが「抜け駆けは
百歩譲って……いや本当は譲りたくなんかないが、もうどうしようもないだろう。
百歩譲って、私は覇王だ、血塗れの再来で将軍閣下だ、と認めるとしよう。自分で言うのもどうかとは思うが、確かに自分には、他の
ルーシェンは「私に、エンリネのように向き合う者はいなかった」と言った。最後まで感情がよくわからない、そもそもそれがあるのかすら定かでない人物だったが、そう語るルーシェンは確かに楽しそうだった。そういった特別な何かが、世界を滅ぼす大魔王をして、人質に取られた私を助けに
いや、これは理屈に合わない。
先生は、私に限らず、クルシュルとも楽しそうに話していたし、ダンベルグ族長とは随分長い時間いろいろ議論していたようにも思う。帰還事業本部の小屋の前に独り腰掛けて、集まった
私だけが特別なわけじゃない。先生は、森の
では、森、が特別なのだろうか?
<
「閣下!何か心配事を
「そりゃ、オイラたちじゃ将軍閣下のお考えには及ばねぇでしょうが。」
「でも、三人寄れば何とやら、とも言いますしねぇ。」
気持ちは嬉しいが、はて、これを彼らにどう伝えればよいものやら。
「そうねー。
<
敢えてエンリネは、何故やったのか、ではなく、どうして起こったのか、と真意を誤魔化した。
「あっしにゃ、難しいことはわからないんですがね。」
意外にも、ジューゲームには何か考えがあるらしい。
「あっしはあの直前にちょいと街々を旅してましたんで、もちろん、ちょいと覗いただけの話で、それで以てこんな
「全然構わないから是非聞かせてちょうだい。」
「何て言ったらいいのかわからねぇんですがね。街の連中はあっしの目には……疲れて見えましたねぇ。」
「疲れ?」
「ええ。ほんとに難しいことはよくわからねぇんですけどね、大きな屋敷に住んで旨いもの食ってる連中も、狭苦しい長屋で今日の食うものに困ってる連中も、みんな一様に、何かに疲れてるように見えたもんでさぁな。あっしはこれを、世の中うまく出来てるもんだ、富んでも貧しくても、大きな違いはねぇもんなんだな、なんて思ってたんですがね。
んでもって森に戻ってみりゃ、そりゃ森のみんなだって疲れることはもちろんありましょうけれど、森のみんなは疲れるのも楽しんでるように見えるんでさぁな、贔屓目かも知れやせんがね。だからあっしは、後から街々が滅んじまった、って話を聞かされたときまず最初に、あぁ、お疲れさん、だなんて思ったもんなんですよ。まぁ、おかしな話ですがねぇ。」
このジューゲームの話に、エンリネに不意に霊感が走った。
森の民の
彼らは、まるで我が子を扱うかのようにそれはそれは蜜蜂たちを恭しく大切に育てるのだが、ときに、一部の巣にどうしようもない病気や寄生虫が蔓延ってしまい、他のまだ健全な巣を守るためにそれらを焼かねばならない場合があることをエンリネは知っている。
こちらは蜂ではなく人間なのだから、
エンリネは、アインズ・ウール・ゴウンが自分たちを愛している、と感じてはいたが、それは森の民の相互の親愛とはまったく異質なものだった。むしろ、養蜂家が蜜蜂に注ぐ愛情に近いものだ。
諸都市国家は、ジューゲームが言うところの、疲れ、の病に侵されており、これが森の民に伝播するを憚って、アインズ・ウール・ゴウンはそれらを焼き払った、と考えると、賛同する、しないは別にして理路は通る。森の難民を平野部へ帰還させる事業を自ら推進したのも、今一度彼らが健全な共同体を育むことを期して、ではないのか。
だがしかし。
仮にそうだとしたら。
アインズ・ウール・ゴウンとは……いったい何者なんだ?
と、ここまで考えて、エンリネは考えるのを
そう、
そして、私たちの身を案じて森から逃げろ、と勧めた先生に、生意気にも自分は、血塗れの覇王の顰に倣うのだ、と誓ったではないか!
「……閣下?」
「<
「あっしの話はお気に召しませんでしたかい、閣下?」
「そんなことないわよ!
流石ジューゲームはキレる!私は配下に恵まれた将軍だわ!」
「「「……え?」」」
エンリネが、自身を将軍、と認めたのはこれが初めてのことだ。
「私、腹が決まったわ!
これからもよろしくね、ジューゲーム、ゴトー、フリニゲ!」
「……そ、そりゃぁーもちろん。」
「……い、いやだなぁ、閣下、そんな改まって。」
「……ま、まだ今なら後戻りも」
「何言ってんのよ、私は血塗れの再来、覇王よ!ハ・オ・ウ!」
ここに至って漸く