クソ雑魚サイヤ人は原作通りに進めたい 作:DB原作無印勢
強盗犯の逮捕に協力した私は、警察に任意同行及び事情聴取などを求められた。
しかし流石にそれは面倒だし、帰りが遅くなったらブロリーが心配する。
なので急ぎの用があるのでと断り、申し訳ないが瞬間移動で自宅に帰らせてもらった。
ちなみに家に帰ると、色々変わっている私の姿を見て弟はとても驚いていた。
しかし変化したのは見た目だけだ。
中身は全然変わらないから大丈夫と伝えると、ブロリーは納得したように静かに頷く。
「良かった。ミズナ姉に間違いない」
「それはどういう意味ですか?」
晩御飯を済ませてお茶を飲んで一服している私は、ブロリーと普段通りに会話をする。
「少しだけ、気を感じにくかった」
「そうですか?
私としては色程度しか、変化はないと思うのですが」
それ以外は、至って普段通りだ。
自分にはわからないので、はてと首を傾げる。
「でも、ミズナ姉はミズナ姉」
「ええ、私は私です」
神龍が叶えてくれた願いは、相変わらず良くわからない。
しかしブロリーが落ち着いているし、同じような野生児の悟空も大丈夫だろう。
そんなことを考えていると、弟がおもむろに尋ねてくる。
「悟空は?」
「元気でしたよ。
友達もできたようでした」
ここまで伝えた後に、私はあることを思いつく。
湯呑をテーブルに置いて、ブロリーを見つめて口を開いた。
「彼らならブロリーとも、打ち解けられるでしょうね」
ブロリーは別に、世間知らずではない。しかし別に、友人が欲しいとは思っていなかった。
いつまでも私が面倒見るわけにもいかないし、独り立ちのときが来る前に、家族以外にもある程度は交流を持っておくべきだろう。
ならば、あの破天荒な悟空の仲間がちょうど良い。
彼らなら、ブロリーともすぐに打ち解けられだろう。
「俺は、……別に」
「別に友人になれとは言いませんよ。
ただ、知り合いぐらいにはなっておいても良いかと」
そこで私は今この場にいない悟空のことを思い浮かべながら、彼に続きを話していく。
「ブロリーは、悟空が憧れる立派な兄なんです。
その友人たちに、挨拶ぐらいできないと恥ずかしいですよ」
「……むうっ、それは確かに」
彼らがこんな人里離れた山奥に来るかはわからないが、悟空がブロリーを尊敬しているのは本当だ。
年齢的には弟二人は同い年のように思えるが、それでも兄として慕ってくれている。
原作からは外れていても、私も含めて家族仲は良好だ。
のんびりとそんな話をしていると夜も更けてきたので、今日はお開きにしてまた明日ということになり、私はいつも通りに一番風呂に入らせてもらうのだった。
<ブロリー>
俺には姉がいるが、血が繋がっているわけではない。
しかし自分にとっては、本当の家族と同じぐらい大切な人だ。
何しろ生まれたときからずっと一緒に居て、俺の姉や親代わりに色々と世話を焼いたり、親身になって教育してくれたのだ。
なので俺は、そんな彼女を尊敬を込めてミズナ姉と呼んでいる。
これまでずっと一緒だったのもあり、今では本当の家族以上に親しい間柄だと思う。
もし血が繋がった両親が自分の目の前に現れて迎えに来たとしても、俺はミズナ姉の元を離れないだろう。
それぐらい、彼女の側は居心地が良かった。
飯が美味いのもあるが、一緒にいるだけで楽しいのだ。
そして俺は、話すのはあまり得意ではない。
しかし彼女と接するときだけは口数も増えて、こちらから話題を振ることも良くある。
その理由はきっと、俺にとっての大切な家族だからだ。
ミズナ姉は俺にとって特別で、唯一心を許せる存在であり、気を張ることもなく自然体で話せる。
なので彼女が地球に行くと言ったときも、迷うことなく付いて行く決断をした。
何故急にそんなことを言い出したのかは良くわからないが、ミズナ姉は俺よりも遥かに頭が良い。
普段は優れた頭脳を存分に振るい、何かと頼りになる。
だが時々考えすぎて色んな意味で空回したり、オロオロして戸惑ったりもするが、そういうちょっと抜けていて可愛いところも俺は気に入っていた。
やがて地球に到着すると、いきなり大猿化したサイヤ人と遭遇する。
幸いすぐに鎮圧できたが、その正体はというか同い年ぐらいの男の子だった。
名前は悟空と言うらしく、ミズナ姉よりも弱かった。
それに育ての親である老人を踏み潰してしまい、見て見ぬ振りはできずに成り行きで俺たちが家族になる。
なお、戦闘力の低いサイヤ人は、辺境の星に飛ばされる。
そこで大猿化させて原住民を全滅させ、無人になった惑星を手に入れる計画があった。
下級戦士は使い捨ての駒なのだと、ミズナ姉が教えてくれた。
孫悟空もその一人だと考えれば納得だが、俺は例外である。
他のサイヤ人は姉と弟以外は知らないので何とも言えないが、潜在能力はサイヤ人の中でも並外れて高いらしい。
なのでミズナ姉的には、エリート戦士は確実とのことだ。
しかし現実はそうなっておらず、何の因果か辺境の星に飛ばされる寸前だった。
そこにミズナ姉が惑星ベジータから逃げ出したかったので、飛ばし子のボットにこっそり忍び込んだのだ。
何とも大胆で信じられないことをするものだが、おかげで過酷な環境の小惑星バンパに飛ばされずに済んだ。
さらにミズナ姉と孫悟空という大切な家族と出会えたので、俺を下級戦士として宇宙に放逐してくれたことを、今では逆に感謝したいぐらいだった。
自分はフリーザや惑星ベジータどころか、実の親についても全く覚えていない。
なのでボットで目が覚めてから、今現在に至るまでの記憶の殆どは、ミズナ姉との思い出ばかりだ。
これからも穏やかで、今のような楽しい日々が続けば良い。
しかしミズナ姉が言うには、宇宙にはとんでもない力を持つ悪人が大勢いるらしく、地球もいつ侵略されるかわからない。
なので、鍛えことを止めてはいけない。
宇宙の地上げ屋であるフリーザも、その一人だ。
惑星ベジータを破壊したのはそいつらしいが、あいにく俺は顔も見たことがない。
それでもいつかは対峙して決着をつける時が来ると考えると、毎日の修行にも身が入るというものだ。
ちなみに俺は自分で言うのも何だが、戦闘力はとても高い。
しかし、技や特殊能力の引き出しの多さでは、ミズナ姉には到底及ばない。
それに賢さでも負けているので、彼女のことはやはりとても尊敬している。
弟の悟空はまだ弱いが、修行は嫌いではないようだ。
純粋な強さで、最近ミズナ姉にようやく勝てたと嬉しそうに話していた。
そんなミズナ姉は、厳しくして接しているつもりでも、頼まれたら断れない。
最初は渋っても結局手を貸してくれるし、決して見捨てたりしなかった。
俺が弟の悟空に甘い自覚はあるが、ミズナ姉も大概だと思う。
ただしそれを指摘すると、図星を指されたと感じて不機嫌になるので、言及はしないほうが良いだろう。
そしてヤードラット星から移住してきた地球だが、住みやすくて居心地がよく、飯も美味くて良い星だ。
しかし、いつ悪人が攻めてくるかわからないし、この星には目に見えて強い気は殆ど存在しない。
だが宇宙にはフリーザのような悪人が他にも大勢いるため、いよいよとなれば俺が前に立って戦うことになるだろう。
そのために今日も弟と一緒に、畑仕事を終わらせて真面目に修行に打ち込む。
悟空も少しずつ成長はしているし、いつかは肩を並べて戦うことができるようになるだろう。
ただ、それがいつになるかは全くの不明だ。
現時点では俺が大きくリードしているため、今は弟が強くなるのを気長に待つのだった。