クソ雑魚サイヤ人は原作通りに進めたい   作:DB原作無印勢

20 / 38
第二十ニ回天下一武道会(1)

 天下一武道会は参加者が増えて、三年に一度になった。

 ブロリーは桃白白と一緒に真面目に修行をし、今回は出場しても良いかと許可を求めてくる。

 

 私はどうしたものかと大いに悩む。

 

 理由は、ブロリーと地球人との戦闘力の差は圧倒的だからだ。

 間違いなく原作は崩壊するし、天津飯が悟空と戦って優勝するという大きな流れすら、保てるかも怪しかった。

 

 しかし、前世の知識がああだこうだとは言えないし、墓まで持っていくつもりだ。

 

 

 

 そういうわけで私は悩み、屋敷の食堂で夕食を食べながらウンウンと唸っていた。

 するとそこで桃白白がすっと手を上げて、おもむろに口を開く。

 

「女神様、私も出場したいのだが、よろしいですかな?」

「桃白白もですか?」

 

 サイヤ人ほどではないが、地球でもトップクラスに強い桃白白が出場の許可を求めてきた。

 

 だが彼の出番は、今回ではない。

 次の天下一武道会である。

 

 もし天津飯に正体がバレようものなら、原作に与える影響は計り知れない。

 

(おまけに、光落ちしてるしなぁ)

 

 もっと言えば傷も完治して、機械化もしてない。

 

 だがまだ原作の流れが完全に崩壊して、未来が予測できないわけではない。

 現時点では桃白白は行方不明であり、ここまでは変わらないのだ。

 

 

 

 あとは三年後にチャオズを予選で倒し、天津飯と戦って負ければほぼ原作の流れと言えなくもない。

 

(問題は天津飯が勝てるかだし、桃白白に手を抜けと言うのもなぁ)

 

 こんなややこしい事態になっているのは、全て私のせいだ。

 しかし見て見ぬ振りはできなかったし、今さら過去には戻れない。

 

 悪の道を進むよりも、桃白白が更正して良かった。

 そう考えると、後悔はない。

 

 しかし今の状況を解決する案が、なかなか出てこない。

 取りあえず近くにある果実を手に取って、小さな口に運び込む。

 

(ううん、どうしたものかなぁ)

 

 モグモグと咀嚼しながら考える。

 

(ブロリーも最近は、桃白白と街に出かけることが増えてきた。

 私以外にも、外の世界に興味を持ってくれるのは良いことのはず)

 

 今までのブロリーは山奥に籠もり、鍛錬の日々を送って私や悟空以外と話す機会はほぼなかった。

 しかし最近は桃白白が従業員兼修行相手になって、少しずつ変化が見え始める。

 

 具体的には桃白白は世間を良く知っており、週末は変装してブロリーを連れ出して、色々な街に遊びに行くことが増えた。

 

 弟は色気より食い気で、人付き合いが苦手だ。

 なので目的は美味い飯でそれ以外はないが、それでも最近のブロリーは地球に興味津々と言える。

 

 これまでは姉さえいれば他は何もいらないという思考だったが、これは大きな一歩と言える。

 姉としても着実に自立に向かって進んでいるようで、嬉しく思うのだ。

 

(前回の天下一武道会は断ったし、流石に二回も拒否するのはなぁ)

 

 弟は姉の言うことなら、二つ返事で従ってくれる。

 そして心穏やかなサイヤ人だが、戦闘民族なのは変わらない。

 

 強敵と戦うのが大好きだし、気を高めると闘争本能が解放されるのだ。

 最近は完全に制御できるようになったが、あまりストレスを溜めすぎるのは良くない気がした。

 

 私はかなり悩みながらも、やがて結論を出す。。

 

「わかりました。二人の天下一武道会への出場を認めましょう」

「ありがとう! ミズナ姉!」

 

 ブロリーが嬉しそうに礼を言うが、まだ話は終わっていない。

 

「ただし、条件があります」

「条件?」

 

 出場条件が出たことで、ブロリーは首を傾げる。

 しかし桃白白は大人らしく、茶を飲みながら冷静に話を聞いてくれていて、私は続きを話していく。

 

「変装して正体を隠してください。

 重い服を脱いではいけませんし、ブロリーは気の解放を禁じます」

「わかった。手加減して戦おう」

 

 ブロリーは地球人が、まだ自分と戦えるレベルでないと知っている。

 なのでサイヤ人特有の舐めプと言うか、良い勝負がしたいので迷うことなく首を縦に振る。

 

 そして桃白白も、現時点では地球人としては最強格だ。

 重りを外して大暴れすれば、天下一武道会で優勝してしまいそうである。

 何より彼は世界一の殺し屋として、名前が広く知られすぎていた。

 

 原作の流れが変わる危惧もあるが、行方不明になって三年では人々の記憶から忘れ去られるにはまだ早い。

 

 そう考えたのは不明だが、彼も素直に承諾してくれた。

 

「わかりました。女神様の御心のままに」

「ええ、わがままを言って、すみません」

 

 本当に申し訳ないと思ってはいるが、私なりに彼らの希望もできる限り叶えてあげたかった。

 両方の良いとこ取りなどはできないし、この判断がどのような未来に繋がるかも不明である。

 

 頭の悪い自分にしては色々考えすぎて知恵熱が出そうだが、何とか顔には出さずに即興の理由を伝えていく。

 

「貴方たちが本気を出せば、天下一武道会の優勝は確実でしょう。

 しかし、誰もが向上心に溢れているわけではありません。

 あまりの実力差に、心が折れる選手もいるでしょう」

 

 場合によっては、もう二度と天下一武道会参加する気が起きなくなる。

 もっと言えば武道家としても引退して、山奥に引き籠もるかも知れない。

 

 特にブロリーが気を解放するのは、マジでヤバい。

 できれば伝家の宝刀のように、ここぞという時が来るまで抜かずに鞘に収めておきたかった。

 

 そして桃白白には心当たりがあるのか、ふむと顎を弄りながら静かに頷く。

 

「承知した。私も選手の心を折る気はない」

「わかった。気をつけて戦う」

 

 二人が承諾してくれたことで、私はホッと息を吐く。

 

「約束を守ってくれるのなら、良いのです。

 では私は、観客席から応援しましょう」

 

 あとはどうやって原作通りに進めるかだが、今回は運を天に任せるしかない。

 悟空たちが勝利してくれるのを、神に祈るだけだ。

 

(この後のために準備もしてるけど、本当に休む暇ないよ)

 

 私は天下一武道会のあとに起きる悲劇も、防ぐつもりだ。

 アヒルのバタ足のように外からは見えないが、忙しいしストレスが半端ない。

 

 幸いサイヤ人は頑丈なようで、胃に穴が開かずに済んでいる。

 

(今回の騒動が終われば、しばらくは休めるはず)

 

 原作では今回の天下一武道会から、かなり長い物語が始まる。

 それは終われば、三年ぐらいは休めるはずだ。

 

 しかし本当に一難去ってまた一難が続くのが、ドラゴンボールの世界の怖いところだ。

 

 けれど取りあえずは、今は目の前の天下一武道会に備えることが重要である。

 私はそう考えて、気持ちを切り替えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 大会当日になり、私たちはパパイヤ島に瞬間移動で飛んだ。

 現時点で地球で飛べない場所はほぼないし、本当に便利な技である。

 

 ちなみに今回は、ブロリーたちとは別行動だ。

 現地では別れて、私はのんびり街の観光をする。

 

 弟たちはこっそり覆面レスラーに着替えて、先に大会選手として登録を済ませるのだ。

 もし私とずっと一緒に行動していたら、桃白白はともかくブロリーは正体がバレる危険がある。

 そして巻き添えに、世界一の殺し屋のことも追求されるだろう。

 

 まだ完全には崩壊していないし、原作への影響が少なくなるように関わりは持たないほうが良い。

 

 

 

 そういうわけで私と弟たちは、天下一武道会が終わるまでは別行動で赤の他人である。

 

 しかしブロリーは、ここ三年でかなり大きくなった。

 

 逆に私は全く変わっておらず、神龍に神っぽくしてくださいと願ってからは、ずっとこの容姿のままだ。

 どうにも嫌な予感がするが、まさかそんなことはないだろう。

 

 まだ成長期が来ていないだけだと、そう前向きに考える。

 

 取りあえず気晴らしに外行きのおしゃれな服装で街をぶらつき、公園の時計を確認する。

 

「そろそろ受付が終わる頃ですね」

 

 今ならブロリーも桃白白も受付を終わらせて、一足早く競武館に入っているだろう。

 私は念のために彼らと鉢合わせする時間を避け、少し遅めに天下一武道会場に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 前回の大会で色んな意味で目立ち、女神のことは全世界で知られている。

 なので話しかけられることが多いが、愛想笑いで無難に避ける。

 

 少し時間がかかったけど、入り口付近まで来ることができた。

 ホッと息を吐くと、見覚えのある少年がこっちに走ってくる。

 

「おーい! 姉ちゃーんっ!」

 

 どう見ても悟空だった。

 

「姉ちゃんの匂いがしたから、すっ飛んできたんだっ!」

 

 ブロリーや桃白白は香水をしているので、正体がバレないと信じたい。

 そんなことを考えつつ、勢い良く抱きついてくる悟空を受け止める。

 

 続いて、ぐるんと一回転して優しく地面に下ろす。

 

「悟空は、相変わらず鼻が利きますね」

 

 なお悟空の道着はボロボロだ。

 片乳首が見えそうになっていたので、今のうちに軽く修繕しておいた。

 

「サンキュー! へへっ! やっぱりこうでなくっちゃ!」

 

 一瞬で新品同然になった亀仙流の道着を見て、悟空も嬉しそうである。

 

「皆さんも、お久しぶりです」

 

 周囲には、ちょうど悟空の師匠や友人が揃っていた。

 私はにっこりと微笑みながら、頭を下げて挨拶をする。

 

「ミズナ、久しぶりね。

 今日は弟さんは一緒じゃないの?」

「ブロリーは用事があって、今日は別行動です。

 何処かで試合を見ているとは思いますけど」

 

 ブルマの質問に、あらかじめ考えていた言い訳を口にする。

 彼女はその辺りはあまり興味はないのか、それ以上は尋ねてこなかった。

 

 すると今度はブルマではなく、他の人が声をかけてくる。

 

「あの~」

 

 クリリンが頬をかきながら、何か言いたそうにしていた。

 なので今度はそちらに視線を向けると、続いてヤムチャも照れながら口を開く。

 

「俺たちにも、……もし良かったら」

「ええ、構いませんよ」

 

 道着は作成し慣れてるので、特に苦労はない。

 すぐにクリリンとヤムチャの分を作り終えたが、彼らは今は別の服を着ている。

 

 そこで折り畳んだ物を、袋に入れて創造した。

 地面に置くように出現させる。

 

「ありがとうございます!」

「感謝する!」

 

 彼らは厳しい修行をして、かなり鍛えてきたようだ。重い服を軽々と担ぐ。

 

 そしてクリリンがまだ頬をかきながら、こちらを見て口を開いた。

 

「着心地は良いし体も鍛えられるから、最近はこれを着てないと落ち着かなくてさ」

「クリリンもか? 実は俺もなんだ」

 

 毎日着用するのだから、着心地にはこだわっている。

 まだダメージ軽減はつけていないが、原作通りに界王様に出会ったら付与する予定だ。

 

 あとは悟空とその仲間が、強いに越したことはない。

 原作が大きく変わらずに死なない程度に、活躍してくれれば良いなと思っていた。

 

 私は前世の知識があっても、具体的な物差しがない。

 何処がどう変わるのかはわからないが、ドラゴンボールがあるからと大勢死んでも良いとは思っていないのだ。

 

 

 

 私がそんなことを考えていると、ブルマが何か思い出したようだ。

 

「そう言えばミズナ」

「何でしょうか?」

「例の重力室だけど、完成したわよ」

「本当ですか!?」

 

 そう言えば、三年前に依頼していたと今思い出した。

 とうとう完成したようだ。

 

「ええ、カプセルコーポレーションにあるから、天下一武道会が終わったら取りに来るといいわ」

「もちろんです! すぐに行かせてもらいます!」

 

 これでブロリーの修行も捗るだろう。

 取りあえず天下一武道会が終わったら、カプセルコーポレーションに向かうことに決める。

 

 

 

 そのあとも雑談していると、選手は競武館に集まるようにと放送が流れた。

 私は悟空たちに、観客席で応援していることを伝えて別れる。

 

 そして他の観客の流れに逆らわず、のんびりと最前列を目指すのだった。




ミズナ 80
ブロリー 7億
悟空 280
亀仙人 139
クリリン 160
ヤムチャ 160
天津飯 180
チャオズ 90
桃白白 170
鶴仙人 120
神 220

登場人物が多すぎて、誰がどのぐらいかよくわからなくなってきました。
こんな頭がこんがらがる戦闘力テーブルを管理できる人は、普通に凄いと思います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。