クソ雑魚サイヤ人は原作通りに進めたい   作:DB原作無印勢

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第二十三回天下一武道会(2)

 マジュニアを引き取って三年近く経って、いよいよ天下一武道会が開催される日になった。

 今回もブロリーと桃白白が参加し、正規の従業員になった天津飯とチャオズもやる気満々である。

 

 その際に亀仙流の道着をアレンジして、水と大きく書かれたのを希望されたが、どう考えてもミズナの水だよねと思いはした。

 

 だがうちの従業員だし、日頃からお世話になっている。

 少々恥ずかしいがたまには良いかと四人にプレゼントすると、かなり喜ばれた。

 なお重いのはデフォだし、そこは変えるつもりはない。

 

 

 

 瞬間移動で会場の入り口まで飛ぶと、悟空と再会したのだが凄く背が伸びていた。

 ブロリーのほうも大きくなっているけど、私は相変わらず小さいままである。

 

 神龍に神っぽくしてもらったときから、あまり成長していない。

 しかしドラゴンボールを集めて大人の女性にしてくださいと頼むのは、貴重な願いを浪費しているようで申し訳ないのでやらない。

 

 一応あの頃よりも身長はほんの少しだけ伸びているので、クリリンのように一般人よりもちょっと低いだけだと考えて、良しとしておくのだった。

 

 

 

 とにかく今回は、ブロリーも桃白白も顔を隠さない。

 前の大会で派手にやらかしたので、変装してもすぐにバレると考えたのだ。

 

 原作の流れを変えて成長の機会を減らすのは不味いが、最後に悟空が勝って優勝すれば問題はないだろう。

 成長の機会や仲間フラグも弟とマジュニアに偏ってるし、内心で何とかなれーと投げやりに祈った。

 

 ちなみに私はクソ雑魚なので、天下一武道会には参加しない。

 いつものように観客席に移動して、神頼みをしながら成り行きを見守るのだった。

 

 

 

 ちなみに人々にバッシングされることはなく、何度かドラゴンボールに世界平和的な願いをしたのが効いたのか、私がピッコロ大魔王の側に立って世の中を混乱させたことを知っても、今までとあまり変わらなかった。

 

 

 

 

 

 

 それはそれとして、私は最前列で観戦しつつ、張り出されたトーナメント表を眺める。

 

 第一試合は桃白白対天津飯、第二試合は孫悟空対ブロリー、第三試合はマジュニア対クリリン、第四試合はシェン対ヤムチャとなり、二人の弟が戦う以外はほぼ原作通りと言える。

 

 武舞台が壊れるから全力は出さないように言ってあるが、戦いとなれば我を忘れる人ばかりだ。

 何処まで自重してくれるやらと、心配になってしまう。

 

 ちなみにチチと悟空の出会いから結婚までは、予選で全て済ませたらしい。

 何とも超スピードで消化したものだが、悟飯や悟天が生まれなければ地球を守る戦士が足りなくなる。

 

 まだ彼らが無事に誕生してくれるかはわからないが、取りあえず原作通りに進んで良かったと私は安堵の息を吐くのだった。

 

 

 

 そうこうしているうちに、第一試合が始まった。

 武舞台の中央に進み出た天津飯と桃白白が、互いに構えて向かい合う。

 

「覚悟はできたか?」

「……はい」

「だが、緊張しているようだな」

 

 天津飯は桃白白に憧れていて、今も変わらない。

 天下一武道会という大舞台で戦うのだから、色々思うところがあるのだろう。

 

「武道家としての素質は、お前のほうが上なのだ。

 その有様では、実力の半分も出しきれんぞ」

 

 気を感じ取ったところ、確かに彼のほうが潜在能力的に上に思えた。

 しかし、勝負は時の運とも言われる。

 

 様々な要因で天秤が傾くので勝敗はまだ分からないが、緊張していては実力を出し切ることはできない。

 

 だが桃白白の励ましで緊張がほぐれたようで、両者はほぼ同時に動いた。

 修行で戦うことが多いこともあり、相手の出方や技などは殆ど知り尽くしている。

 

 攻め手が目まぐるしく入れ替わり、先に手を読んで裏をかいたほうが有効打を与えられるようだ。

 

 まさに目にも留まらぬ速さで、私も心を無にしたり感覚的に追ってはいる。

 けれど戦いのレベルが高すぎて、全然ついていけそうにない。

 

 やがて天津飯の蹴りが桃白白の顎にクリーンヒットし、そのまま場外に落下して勝負ありとなった。

 何が何だかわからないが、凄い白熱した試合だったし良しとする。

 

「強く、……なったな。天津飯」

「貴方が鍛えてくれたおかげです。桃白白さん」

 

 天津飯が場外負けした桃白白に、笑顔で手を差し伸べる。

 すると彼もにっこりと笑って握り返し、ゆっくりと立ち上がった。

 

「ふっ、言うようになったものだ。だが、次は負けんぞ」

「俺も負けるつもりはありませんよ」

 

 そのようなライバル同士の心温まるやり取りを交わして、天津飯の勝利となった。

 なお、鶴仙人もこっそり試合を見に来ており、何故かもらい泣きしていたことから彼も武道家であることには違いないようだ。

 

 とにかく概ね原作通りなのでヨシとしておき、現場猫のようにガバガバではある。

 しかしこうなってはもう仕方ないと諦めて、大雨が降るのは避けられないなら堤防が決壊しなければセーフと柔軟に切り替えつつ、私は次の試合に意識を向けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 第二試合は悟空対ブロリーだが、先程と同じように手の読み合いだ。

 そしていくら神の元で修行をしても、兄にはまだ勝てない。

 

 互角に打ち合っているように見えても、ブロリーは重力修行でパワーもスピードも頑丈さも全てが跳ね上がっていた。

 

 心眼を修得した悟空が辛うじて動きを先読みして避けてはいるが、一発でも受けたらその時点で勝負が決まりかねない。

 

「へへっ! 流石は兄ちゃんだ! ワクワクすっぞ!」

「俺もだ! 成長したな! 悟空!」

 

 二人は戦闘民族サイヤ人で、強い奴と戦うのが大好きだ。

 私には良くわからない感情だが、とにかく嬉しそうに試合をしている。

 

 双方ともまだ一撃を受けてはいないけれど、どちらが有利かは私には良くわかっていた。

 

「けどっ! このままじゃヤベエな!」

 

 悟空も自分が不利だとわかっているようで、一か八かの賭けに出る。

 そういう状況判断ができるのはサイヤ人だからか、それとも天賦の才なのかはわからない。

 

 しかし彼はブロリーのパンチを避けずに、腹で受け止めても距離を詰めることを優先する。

 

「がはぁっ! やっぱり痛えやっ!

 だが、今だぁっ!」

「何ぃっ!?」

 

 ブロリーに接近した悟空の気が急激に高まっていく。

 

「界王拳ーっ!!!」

 

 叫びと共に気の色が赤に変わり、かなり痛そうだが不敵に笑う。

 そして右拳に気を集中させて勢い良く殴りつけ、界王拳でさらに増幅する。

 

 ブロリーは咄嗟に防御したが、踏ん張りが効かずに大きく後退させられた。

 気づけば場外にまで押し出されていた。

 

「へへっ、名付けて! スピリッツブローってとこかな!」

 

 ブロリーは両腕が少し痺れるぐらいなので、大したダメージは受けていない。

 だがまさか負けるとは思わなかったのか、とても感心していた。

 

「まさか界王拳を修得しているとは、驚いたぞ」

 

 ブロリーは久しぶりの悟空との戦いで、次は何を見せてくれるのかとワクワクしながら、隙だらけでもあえて手を出さなかった。

 なので攻撃をまともに受けて負けてしまったのだが、本人は弟の成長を見られて嬉しそうだ。

 

「界王拳は姉ちゃんに見せてもらったし、スピリッツソードは伐採で使ってたからな!」

「私は一切、教えてませんけどね」

 

 マジでいつの間に覚えたんだと言いたくなる。

 確かに彼は猿真似小僧と亀仙人に言われていたが、まさか界王拳とスピリッツソードを独学で修得するとは思わなかった。

 

 本家本元のあの世の界王様に教わって欲しかった私としては、大変複雑である。

 

(スピリッツソードの刃は構築できなくても、気を拳に集中して維持することを覚えちゃったかぁ)

 

 原作の悟空よりも気のコントロールが上手いかも知れないと、私は大きく溜息を吐いてしまう。

 

「こうなった以上は仕方ありませんね」

「もしかして、教えてくれるのか?」

「スピリッツソードはともかく、界王拳は肉体への負荷が大きく、命を失いかねない危険な技です」

 

 原作でのベジータとの戦いでは、悟空は界王拳を使いすぎて体がガタガタになってしまった。

 今も短時間の使用でたったの二倍なのに、多くの気を消耗して苦しそうにしている。

 

 原作通りではないが、修行で無理をして体を壊すよりはマシだと割り切り、基礎だけしっかり教えることに決めた。

 

「仕方ないので、帰ったら教えます。

 今後は安全に気をつけて使用するように」

「サンキュー! 姉ちゃん!」

 

 やったぜと嬉しそうに笑う悟空を、場外負けしたブロリーは羨ましそうに見ていた。

 

「ブロリーは界王拳を覚える前に、半超化を安定させてください」

「何だ? 半超化って?」

「悟空にはまだ早いです。まずは界王拳を覚えてください」

「ちぇーっ! 姉ちゃんのケチーっ!」

 

 さっきはお礼を言ったのに今度はブーブー文句が出るし、本当に感情表現がストレートな弟である。

 だがケチでも何でも、こういうのは順番というものがあるのだ。

 

 ブロリーは現時点で超サイヤ人になりかけているので、そっちを安定させないとヤバい。

 ヤードラット星でのスピリット修行で抑制できるようになってなければ、地球を破壊し尽くしてもおかしくなかった。

 

 正直あまり想像したくないので、首を振って雑念を払って話題を元に戻す。

 

「悟空も、いずれはできるようになります。

 なので今は焦らず、基礎から順番に積み上げていってください」

 

 何しろ彼は主人公だ。

 私が原作ルートを破壊しなければ、いつか必ず覚醒する。

 

 だが悟空はそんな姉の顔をじっと見つめて、何の気なしに口を開く。

 

「なあ、姉ちゃんって心眼はできるか?」

「心眼ができないと、私程度では貴方の動きを追いきれません。

 なので、覚えてはいますね」

 

 自分の肉体はサイヤ人にしてはクソ雑魚なので、サイヤ人襲来でピッコロさんが悟飯に言っていたように、第六感的な心の目で動きを見て対処している。

 

「兄ちゃんもできるのか?」

「ああ、俺はミズナ姉に教わり、できるようになった」

 

 ブロリーは考えるよりも、本能で戦うタイプだ。

 なので心眼ではなく野生の勘で対処するため、感情による振れ幅が大きい。

 ゆえにどんな状況でも対処できるようにと、気の感知や心眼を修得してもらった。

 

 それを聞いた悟空は何を思ったのか、頭をかいて大きな声をあげる。

 

「オラ! 神様じゃなくて、姉ちゃんに稽古つけてもらえば良かったー!」

 

 今の悟空の発言を聞いて、選手控室で様子を見ていたシェンがガックリと項垂れてしまう。

 まるで私が悪いような気になってしまうので、何とか弟の意見を変えようと口を開く。

 

「私は仕事で忙しいですし、悟空の修行の指導がマンツーマンでできるほど、暇ではありません!

 それに神様は長年の経験がありますし、師匠には向いていますよ!」

 

 私は普段は大農場の経営をしているし、修行は自主トレーニングだ。

 打ち合いなどの痛いのはあまりやりたくないので、人に教えるにしても座学やイメージトレーニングや瞑想ぐらいだった。

 

 あとは後方腕組師匠系なポジションであり、教育者としての腕はそこそこといったところだろう。

 

 とにかく私はさらに、神様の株を上げるべく大声で訴えかける。

 

「どちらが師匠に向いてるいるのか、明らかでしょう!」

「でも姉ちゃんって、色々な技を知ってるよな?」

「技の多さだけが、全てではありません!」

 

 多彩な技を持っていても、負ける時には負ける。

 ドラゴンボールの世界では、最終的に気がでかいほうが勝つのだ。

 小手先の技術など容易くねじ伏せられてしまうことを、はっきりと悟空に伝えていく。

 

「技の多彩さよりも、気の大きさのほうが重要です!

 それで勝敗がほぼ決まると言っても、過言ではありません!」

 

 だが、ただ気を膨れ上がらせるだけでは駄目だ。

 そのことも、しっかり教えておく。

 

「ただしいくらパワーがあっても、当たらなければ何の意味もありません!

 破壊力だけを求めるのではなく、全てをバランス良く鍛えるのです!」

「そっか! じゃあ、気ってどうすれば大きくなるんだ!」

 

 若干押され気味な私は、少し焦りながら考える。

 悟空に最適なプランを、順序立てて答えていく。

 

「悟空の場合は地力を底上げし、界王拳でさらに倍々に増幅すると良いでしょう!

 まずは、二倍の状態に慣れることです!」

 

 心身の負荷に慣れていけば、いずれは三倍や四倍も体を壊さずに扱えるようになる。

 だがここでブロリーが、おもむろに尋ねてくる。

 

「ミズナ姉、俺は?」

「ブロリーは半超化の安定ですね!

 界王拳よりも倍率は上ですが、その分だけ消耗も大きく凶暴化してしまいます!」

 

 悟空だけでなく、ブロリーもなるほどと頷いている。

 しかしいつまでも、武舞台で修行談義しているわけにはいかない。

 

 審判の人もどうしたものかとオロオロしていることから、そろそろ次の試合に移行しないと不味い。

 

「とにかく、修行に関して話すのはあとにしてください!

 今は天下一武道会の最中です!」

「おっとっ! そうだったな! すまねえっ!」

「……すまん」

 

 私は手を叩いて話題を切り上げる。

 悟空もブロリーも謝罪し、選手控室に戻っていく。

 

 取りあえず神様って実は大したことないのでは疑惑は、何とか有耶無耶にすることができた。

 

 私は少しだけ冷や汗をかきながら、心の中でこれで原作に戻れたなと、現場猫のようにヨシと指差し確認をするのだった。




戦闘力は旅に出ました。探さないでください。
キャラ数が多すぎて成長度合いを把握できず、作者の脳が壊れました。
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