クソ雑魚サイヤ人は原作通りに進めたい   作:DB原作無印勢

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第二十三回天下一武道会(4)

 第五試合は悟空対天津飯だ。

 この戦いはあまり変わっていないが、それでも違うところがある。

 二人共、私お手製の重い道着を着用していることだ。

 

 なので、三年前からスピードが変わっていないことを指摘するのはそのままだが、両者が重りを外して脱いで本気で戦い出す。

 ギャグ要素であるズボンを脱がされることもなく、天津飯のプライドは守られた。

 

 だが最終的には四人になったのは失敗だったなで、原作通り場外に押し出して悟空が勝利する。

 

「天津飯、さっき姉ちゃんが言ってたろ?

 どんだけパワーがあって多彩な技が使えても、当たらなけりゃ意味はねえんだ」

 

 天津飯も戦いの中で、もっとも重要なのはスピードだと指摘していた。

 ここまで言われてるのに、筋肉モリモリになって父さんを越えてしまったと言っていた未来トランクスは、戦い方を教えてくれる師匠が独学で強くならざるを得なかった別世界の悟飯だけだったからだろう。

 

 そんな私の考えはともかく、悟空は場外負けをして一人に戻った天津飯に説明する。

 

「おめえらしくねえ失敗だったな。天津飯。

 四人になったのは、凄え作戦だったけどさ」

 

 次に悟空は私の方に顔を向けて、困った表情を浮かべる。

 

「姉ちゃんの技を教えてもらって、嬉しいのはわかるけどよ。

 おめえじゃあ、分身したら力を四人に分けちまう。

 攻撃も守りもスピードも全部、四分の一の力になっちゃったもんな」

 

 たったあれだけで、弱点を見抜いた悟空はやっぱり凄い。

 

「その技は、天津飯向きじゃねえな。

 まともに使えるのは、姉ちゃんぐれえだ」

 

 私は肉体は貧弱だが、転生チートで技に極振りしている。

 そして天津飯は天才武道家で鍛えれば鍛えるだけどんどん強くなるが、肉体の伸び率が高いタイプだ。

 双方に得手不得手があるので、悟空の言った通りだろう。

 

 やがて審判から悟空の勝利がマイクで伝えられて、第五試合は終わったのだった。

 

 

 

 

 

 

 次は第六試合で、マジュニア対シェンである。

 こちらも原作通りとは言いたいが、外野がちょっとうるさい。

 

「姉ちゃん! 二人が何言ってるかわかるか!」

「まあ、わかりますけど」

「わりいけど、教えてくれねえか!」

「内緒話を教えろとか、鬼ですか」

 

 私は心を読んでいるので、どんな言語でも問題ない。

 しかし悟空たちは、さっぱり意味がわからないようだ。

 古い魔族の言語だろうとイメージを読めば平気なのだが、流石に内緒話を暴露するようなことしたくない。

 

 しかし、この場の全員が知りたがっているのは事実だ。

 なので当たり障りがなく、秘密に触れないように気をつけて内容を簡単に説明していく。

 

「二人は昔からの知り合いで、因縁の相手でもあります。

 この大会で、シェンさんはマジュニアさんを倒すと決意していますね」

「ほへー、なるほどなー。でも、どうやってだ?」

「そりゃあ、アレしかないでしょう」

 

 悟空ははてと首を傾げるが、私には原作を知っているし自分も使える技なので見当はついている。

 

 そしてシェンが大魔王封じと書かれた瓶を取り出して、地面に置いたことでマジュニアが大いに驚く。

 

「まっ、まさかっ!」

「魔封波だっ!!!」

 

 シェンが叫び声と同時に両手を前に突き出すと、気の奔流がマジュニアを包み込む。

 だが彼は不敵に笑って踏ん張り、同じような構えを取る。

 

「これが母から教わった! 魔封波返しだっ!!!」

 

 すると気の奔流が跳ね返されて、驚愕するシェンを飲み込んだ。

 

「はねかえしたーっ!」

「おおおお! なっ、何ちゅうもんを教えてくれたんだぁ! ミズナァ!」

 

 そんなこと言っても、もし魔封波が成功してしまったら原作ルートから外れてしまう。

 保険として返し技を教えるのは、仕方ないことだと割り切る。

 

 それを誇らしげに暴露するとは思わなかったが、ちょっと恥ずかしいが流れが変わらなければヨシだろう。

 

「俺の母はシロナだっ! 二度と間違えるなっ!」

 

 最初は魔封波に抗っていた神だったが、やがて完全に巻き込まれて人間の体から分離する。

 

「ミズナよ! 私は封じられても構わん!」

 

 原作では悟空に託すのに、何故か私の名前が出てきて少し驚く。

 

「今後はお前が私の後を継ぎ! 新たな女神となれ!

 そしてマジュニアの野望を挫いて、世を清めてくれーーーい!」

 

 わざわざ名指しで指名する神に、私は露骨に嫌な顔になってしまう。

 

「返事はどうした! ミズナよぉ!」

 

 もちろん返事などせずに、マジュニアに声をかける。

 

「マジュニアさん、早く封じてください」

「おっ、おう。……お前も大変だな」

 

 育ての親であるシロナの本体なので、他の人間と比べると普通の対応である。

 やがてマジュニアは私が引き継ぎを承諾するまで粘るつもりっぽい神を、何とか無事に魔封じの瓶に閉じ込めた。

 

「……ふうっ」

「お疲れ様です」

「お前はどっちの味方なんだ」

「私に面倒事を押しつけない人の味方ですかね」

 

 神を継ぐなんて冗談ではない。

 原作ではこのあとすぐに解放されるのだから、今ここで女神になります宣言をする必要はないのだ。

 

 そして呆れた顔をするマジュニアはともかく、隣で見物しているブルマが何度も言い辛い表情で尋ねてくる。

 

「ミズナ、何か言うことは?」

「ありません。私は正式な女神ではないので」

 

 自分は善に寄った中立といったところで、これで神が何日も封印されっぱなしなら言われずとも重い腰を上げるが、それでも大々的に宣言する気にはなれない。

 

 そんなことを考えていると、シェン選手がいつの間にかテンカウント負けになっていた。

 

 そして武舞台の上で気絶している彼に審判が近づいて、目覚めたあとは状況がわからずに困惑しつつ、観客の称賛を浴びて恥ずかしそうに家族の元に戻るのだった。

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