クソ雑魚サイヤ人は原作通りに進めたい   作:DB原作無印勢

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第二十三回天下一武道会(5)

 決勝戦は悟空対マジュニアで、初っ端から激しい攻防が繰り広げられていた。

 両者が重い服を脱ぐかボロボロになってからが本番で、戦いはヒートアップする一方だ。

 

 やがてマジュニアが空高く飛び上がり、大声で叫ぶ。

 

「会場もろとも吹き飛ばしてくれる!」

「やべえ! 皆が巻き添えをくらうぞ!」

 

 そう言って悟空が大きく跳躍して狙いをずらす。

 

「オラはこっちだー!」

 

 だがマジュニアは弟の行動を読んでいたのか、不敵に笑う。

 

「馬鹿め! そう来ると思っていたぜ!

 この俺が、母を巻き添えにするわけがないだろ!」

 

 善性の塊のような悟空だからこそ、まんまと引っかかってしまった。

 だが時間は戻らず、迫りくる気功波に対処しなければいけない。

 

「しっ、しまった! 今度はオラが避けねえと!」

 

 何とかギリギリで避けた悟空だったが、マジュニアが放った強力な気功波は遠くの山を向かって突き進んでいく。

 このままだと大爆発が起きて、広範囲が吹き飛ぶのは確定だ。

 

 私はあらかじめ溜めておいた元気玉を手に持ったまま、射線上に瞬間移動する。

 ベジータにぶつけたときもそうだったが、小さく見えても高純度の気が圧縮されている。

 

 なので現時点のマジュニアの気功波を、真正面から相殺するぐらいわけもない。

 

「あとはお願いしますね」

 

 私は元気玉にお願いしてひょいっと放り投げ、瞬間移動でまた試合会場へと戻る。

 そのすぐあとに高エネルギー同士が空中でぶつかり合って、ほんの一瞬だが大爆発が起きた。

 しかし優しく包み込むように展開したことで、衝撃波を押さえ込んで地上への被害は殆どない。

 

 

 

 その間にも試合は進み、ドラゴンボールがあるからと悟空が超かめはめ波をマジュニアに撃ち込む。

 彼は止むを得ず相殺するために気功波を放つが、神様が死んだら神龍も死ぬのだ。

 

 殺しちゃっても大丈夫かしらと内心で震えるけれど、私は手出しはせずに成り行きを見守る。

 

 原作と違って両者の共通認識は相手を倒したいが、殺す気はないだ。

 こっちのピッコロが少しだけ優しくなり、母がいる会場を吹き飛ばすこともなかった。

 

 その割にはポンポン気功波を撃っているが、母ならいざという時は自分で何とかするという、息子からの信頼されているとも言えた。

 しかし目の前で大勢の人々が死ぬと悲しむため、ちょっとぐらいは自重してくれている。

 

 さらにピッコロ大魔王の悪行は、原作よりは少しだけ抑えられている。

 地球の女神(仮)にされた私の監視下にあるので、そこまで恐怖は抱かれない。

 

 なので息子だとバレても観客は逃げ出さず、審判の人がビビってこっちに飛び込んで実況するぐらいだ。

 

「言っとくが、おめえなんかに優勝はさせねえからな!」

「そういう自信に溢れた台詞は、次の技を見てから言うんだな」

「何!?」

 

 マジュニアの気が急激に高まっていくので、アレをやるつもりなのだと察する。

 

「母から教わった技は、魔封波返しだけではないぞ!

 かあああ……!!!」

 

 やがて技が完成して、マジュニアの体がみるみる大きくなっていく。

 ヤードラット星で修得したのは良いものの、日常生活ではあまり使う機会がない巨大化であった。

 

「うっ……うそ」

「ははははははっ! いよいよこれで、貴様の最後が見えてきたな!」

「で、でっけえ! たっ、たまげた!」

 

 しかしこの技は体格は巨大になっても、気が高まるわけではない。

 発動の際に多くの気が必要なだけで、戦闘力は殆ど変わらないのだ。

 

 ただまあリーチの長さや質量などの面から、小さいよりもでかいほうが強いのはあるだろう。

 

 だが悟空がやられていたのは最初だけで、すぐに適応して小回りを利かせて的確に反撃していく。

 続いて山のように巨大になったマジュニアの口の中に飛び込み、飲み込まれた神を救出して解放する。

 

 

 

 この辺りは原作通りなので、特に語ることはない。

 しかし神が不在の期間が終了したのは喜ばしいことだ。

 

 やがて悟空とマジュニアの戦いは、最終局面になる。

 彼は一瞬こちらをチラリと見つめて気を高め始めたことから、何をやるのか大体想像できた。

 

「……わかりました。私が防ぎましょう」

「悪いな! 姉ちゃん!

 オラは、堪えてみせる!」

 

 他の人たちが心配そうに見ているが、悟空なら大丈夫だ。

 即死でなければ回復できるし、マジュニアもボロ雑巾のようにボコボコにして再起不能にはするが、殺すつもりはないと言っていたのだ。

 

 とにかく私は急いで地球の元気を集めて、武舞台を囲むように水色のバリアを張り巡らせる。

 自身に取り込まなければ、割と応用が効くのが良いところだ。

 そうでなければ肉体が破壊されるか、ゲーゲー吐きまくりになってしまう。

 

「準備はできました。いつでもいいですよ」

 

 私の発言を聞いたマジュニアは、勝ち誇った笑みを浮かべて極限まで高めた気を解放する。

 それに対して悟空は腰を沈めて両腕をクロスさせ、完全に守りの姿勢だ。

 

「死ねい!!!」

 

 次の瞬間、目が眩むほどの閃光と爆発が荒れ狂い、バリアに遮られて殆どのエネルギーが上空へと流れていく。

 完全に閉じ込めると中央の彼らも無事では済まないので、突風やキノコ雲は普通に天下一武道会の上に向かって広がっていった。

 ほんの一瞬だが、小さな台風のような被害が発生する。

 

「お……終わった」

 

 全力を出し尽くして勝利を確信したマジュニアがやりきった顔で呟くと、クリリンが大きな声を出す。

 

「悟空ーっ!」

「何っ!?」

 

 弟は武舞台の表面が吹き飛ぶ爆発を、見事に防ぎきったのだ。

 

 そしてここからは、ほぼ一方的な展開となった。

 全ての気を使い果たしたマジュニアを、耐え忍んだ悟空が怒涛のラッシュで追い詰めていく。

 最後に空中に飛び上がり、かめはめ波を撃ち込んでトドメとなる。

 

「審判のおっちゃん、カウント!」

「へっ? あっ、はっ……はい!」

 

 マジュニアは息も絶え絶えではあるが、神が生きているので彼も辛うじて生きていた。

 そのままカウントがナインまで進み、誰もが弟の勝利を確信したときに、それは起きる。

 

 突然起き上がったマジュニアが口から気功波を放ち、悟空の右胸を貫いたのだ。

 

「ぐああっ……ごほっ!」

「悟空ーっ!」

 

 もはや立つことすらできずに武舞台に横たわる悟空に、満身創痍ではあるが何とか起き上がったマジュニアが、一歩ずつ近づいていく。

 

「手こずらせたな。流石だったぞ。

 だが、残念ながらここまでだ」

 

 そして拳を握り、堂々と宣言する。

 

「ピッコロ大魔王の仇は! マジュニアが討つ!」

 

 原作とは違って、彼は自分をピッコロ大魔王とは名乗らなかった。

 そこは違うが起き上がった悟空と殴り合うのは変わらず、念入りに両手足を折って空から気功波で吹き飛ばそうとする。

 バリアを張っているので観客席には被害は出ないが、二人共やりたい放題だなと呆れてしまう。

 

 怪我も即死でなければ私が治療すると思っているからか、ギリギリまで相手を追い込もうとしている。

 

 因縁の対決なのでそのぐらいやらないと気が済まないのもあるけど、苦労するのは私なんだけどと思いながら、悟空の舞空術を使っての頭突きで場外負けするマジュニアを見届けて試合終了となり、私は早速二人の治療を行うのだった。

 

 

 

 

 

 

 その後、神が私に後を継ぐように頼んできたが、謹んで辞退させてもらう。

 あとは原作通り悟空が勝ったし、個人的には満足だ。

 

 これ以上この場に留まると、何を押しつけられるかわかったものではない。

 なので一足早く自宅に帰らせてもらい、ただの大農場の経営者に戻るのだ。

 そしてサイヤ人が襲来するまでの約五年間は、いつも通りに山奥でのんびり過ごさせてもらいたい。

 

 

 

 このあとも色々と厄介事が舞い込むだろうが、皆がいればきっと乗り越えていける。

 そのためにも被害を抑えて安全第一で、それでいて原作通りに進めなければと、私は決意を新たにするのだった。




原作はまだまだ続きますが、お付き合いいただきありがとうございました。
中途半端な打ち切りエンドになってしまい、申し訳ありません。

やっぱり読み専がストレスもなく一番気軽だと良くわかりました!
マジで何も背負わないし評価も気にしない読み専は無敵で最強やな!

最後にドラゴンボール二次創作が活発になって、面白いのがいっぱい出て来ることを願っています!

強引にでもタイトル回収したので、本当にこれにて完結です!

ここまで読んでくださり、支援絵までいただき、重ね重ねありがとうございました!

ドラゴンボール二次創作にせめてもの爪痕ぐらい残せれば、作者としては満足です!
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