クソ雑魚サイヤ人は原作通りに進めたい   作:DB原作無印勢

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ミズナに起きた変化

 神龍に願って神っぽくしてもらった私は、せっかくなので何処か適当な街に立ち寄って買い物をしてから帰ろうと思った。

 だがその途中で舞空術で夜空を飛んでいると、あることに気づく。

 

「何で、気が水色に?」

 

 前は黄色っぽかった。

 なので今は水色に変わっており、もしかして願い事で変化したのかも知れない。

 

 しかし、それに一体何の意味があるかは現時点では不明だ。

 外から賢い姉に見えるように振る舞っていても、実は私は頭があまり良くない。

 

 それでも何となく想像はつくが、飛びながら考えてもなかなか結論が出ない。

 

「ふむ、気の色に近い翼と輪っかが出てますね」

 

 体感的に理解したが、気を解放すると半透明な翼と輪っかが勝手に出るようだ。

 なるほど、確かにこれは神っぽいと思えた。

 

「ほほう、気と合わせれば、見た目だけなら神っぽいですね」

 

 これなら代理になっても、威厳が崩れることはなさそうだ。

 何しろ私は神の能力を欲しがったり、後を継ぐことなど一切願ってない。逆に結構ですと断固拒否である。

 

 せいぜい不在の間に神っぽい立ち振舞ができて、地球人たちにアレが地球の神とかないよねーと思われなければ、それで良かった。

 

 最低限の仕事はして、復帰したらバトンを返す。

 そして自分は、元の山奥暮らしに戻るのだ。

 

 神龍にもその辺りの詳細を、イメージ映像込みで念で送っておいた。

 組み分け帽子に、スリザリンだけは入れるんじゃねえと伝えるようなものだ。

 

 おかげで間違ってもナメック星人とサイヤ人のハーフとか、そんな珍妙な存在にはなったりしなかった。

 

 実際に要望通りに、見栄えだけは取り繕えた。

 細かい部分に関してはお任せしたが、私は流石は神龍。完璧な仕事ですねと思いながら、上機嫌で空を飛ぶ。

 

 だがその途中でふと気になることができて、それについて呟く。

 

「ですが、いくらドラゴンボールで生き返るとはいえ、悲劇は避けたいですね」

 

 原作から逸脱した流れは、先の展開が予想できない。

 それが新たなる厄介事を、呼ぶかも知れない。

 

 しかしだからと言って、悲劇が起きるとわかっていて見逃すのは良心が痛む。

 

「私は山奥で、のんびり引き籠もってるほうが好きなんですけどね」

 

 だが何年も地球で過ごしていると愛着が湧いてくる。

 元々前世の故郷だったし、こっちもそうなるのは時間はかからなかった。

 

「犠牲は少ないほうが良いですが、難しいですね」

 

 物語の本筋から外れないようしないと、主人公の成長の機会や仲間フラグをへし折りかねない。

 自分に上手く調整できるかと言えば、答えはノーだ。

 

 絶対に何処かで破綻するに決まっている。

 だからといって見捨てることなどできないし、どっちを選択しても心身に多大なストレスがかかるのは避けられない。

 

 

 

 そんなことを考えていると、大きな街が見えてきた。

 一旦問題を棚上げして舞空術を解除し、なるべく人がおらず目立たないところに降りる。

 

 しかし今の自分は、水色の気と半透明の翼と輪っかが出る。

 騒ぎになったら面倒なので、人気のない公園を選んで気を抑え、何喰わぬ顔で夜の街を歩く。

 

「食料を売っているお店を探しましょう。

 営業時間内に見つかれば良いのですが」

 

 千里眼で調べればすぐにわかるが、初めて訪れる街は気ままに散策して、自分なりの地図を作っていくのが楽しかった。

 

 なので今回ものんびり歩いていると、途中で大きなガラス窓に映った自分の姿を見て、思わず足を止める。

 

 そして、マジマジと二度見してしまう。

 

(黒髪だったはずなのに、水色になってる?)

 

 さらに良く見ると、元々サイヤ人よりも可愛らしかった容姿が、より目鼻立ちが整っているように思えた。

 

(神っぽく振る舞うには、容姿も重要なのはわかるよ。

 でも私的には、雰囲気だけで十分だったんだけど)

 

 身体能力は変わりないため、本当に見た目だけなのだろう。

 この辺りが神龍のサービス精神なのだろうと、取りあえず納得はしておいた。

 

 だが大通りで人とすれ違うたびに、驚いて振り向き二度見されている。

 何もしなくてもとても目立つのがわかり、内心で少々頭を抱えてしまう。

 

 だが弟に会ったときに何を言われるやらと、歩きながら想像してみる。

 

(ブロリーなら、見た目が変わっても気を感知できるし問題ないかな)

 

 ちなみに悟空は、基礎が身についていない。

 まだ気を感知することはできないが、原作ではそのうちできるようになる。

 その点については、特に心配はしていなかった。

 

 ぶっちゃけ、転生チートで気の制御が得意の私と、サイヤ人の天才であるブロリーがおかしいだけだ。

 

 

 

 そんなどうでも良いことを考えながら歩いていると、やがて食料品店を見つけたので扉を開けて中に入る。

 

 だが屋内に一歩踏み込んだところで、店内の様子に困惑してしまう。

 

「……何かのイベントでしょうか?」

 

 店内には覆面をつけて自動小銃を構えている人が、大勢居たのだ。

 彼らは店員や客に銃口を突きつけ、大きな袋にお金を詰め込ませようとしている。

 

 そして私の存在に気づき、こちらにも武器を向けてきた。

 

「おいっ! 女っ! 死にたくなければ──」

 

 覆面男がこちらに近づいてきたので、私も一歩踏み出して声をかける。

 

「悪いことをしてはいけませんよ。

 大人しく警察に自首してください。

 もし聞かないようなら──」

 

 私は突きつけられた自動小銃を、小さな手でギュッと握る。

 そして、そのままぐにゃりと握り潰した。

 

「なっ!? こっ、こいつっ!?」

「いっ! 一体何者だぁ!?」

「何だっていい! 撃てっ! 撃ち殺せえっ!」

 

 銃口を捻じ曲げられたことにビビったらしく、覆面男が大きく後退する。

 続いて驚いた他の強盗犯たちの自動小銃が、全て私に向けられた。

 

 人質から注意がそれたほうが、個人的には好都合だ。

 しかし、一つだけ問題があった。

 

(店内に被害が出そうだし、……だったら)

 

 私は手をかざして、自身の周囲にバリアを張る。

 放たれた弾丸を全て受け止め、弾くのではなく運動エネルギーをゼロにして空中に留めた。

 

 犯人グループは、しばらく大声で叫びながら自動小銃を乱射していた。

 しかし、やがて全弾撃ち尽くしたようで、引き金を引いても弾が出なくなって焦り始める。

 

 私もこれ以上は、店内の被害を気にする必要がなくなった。

 手を下げてバリアを解除すると、押し留めた弾丸が一斉に地面に落下して、覆面連中は愕然する。

 

「なっ、なっ!? なんなんだお前はっ!?」

「天使なのか!?」

「いっ、いやっ! 女神に違いない!?」

 

 どうやら特殊能力を発動する際には強制的に神化するようで、輪っかと翼が出てしまう。

 もちろん、これは演出面以外に意味はない。

 

 しかし周りで見ている人たちに、神っぽいと思わせる効果があったようだ。

 

 逆に言えば、それ以外には何の効果もない。

 

(でもこれ! 思った以上に恥ずかしいかも!

 神龍に神っぽくなる発動条件を、指定しておくべきだった!)

 

 だが仕様変更のために、貴重な願いを一回分使うわけにもいかない。

 普段は見えないように気を抑えて、一般人のフリをすれば良いだけだ。

 

 なので今回は仕方ないと諦めて、堂々と振る舞う。

 

「これで気は済みましたか?

 では、捕まえさせてもらいますね」

 

 そう言って私は、人数分の鎖を創造する。

 さらに遠隔操作で操り、彼らを強制的に拘束した。

 

 相手が強ければ、この程度は避けるか引きちぎるかできる。

 しかし普通の地球人なら、脱出不可能だ。

 

「くそっ! 動けねえ!?」

「こっ、こんなのありかよっ!?」

「おおっ! 女神様が捕らえてくださったぞ!」

「それっ! 奴らを捕まえろ!」

 

 この後についてだが、私は基本的には山奥に籠もって出てこない。

 ここの街の人たちとは、二度と会うことはないだろう。

 

 いちいち説明や言い訳を考えるのも面倒なのもあり、あえて何も答えずにマイペースで行動する。

 

 私は縛りあげた犯人グループを無視して、店内の籠を持ってのんびり歩き始める。

 

 元々この店には食料を買いに来たので、犯人グループも大人しくなったし目的を果たすのだ。

 

「ふむふむ、鶏肉と白菜が安いですね。

 そうですね。鍋料理にしましょうか」

 

 もう今夜の献立は決まっていて、分身体が調理作業をしている。

 購入した食料は次の日のお楽しみということで、業務用冷蔵庫にしても保存しておこうと思った。

 

 やがて警察が続々と駆けつけて犯人グループを逮捕する横で、我関せずと食料品の棚を見て回るのだった。

 

 

 

 

 

 

 ちなみに悟空たちについて簡単にまとめると、私がドラゴンボールの願いを叶えることを伝えたことで、渋々だが今回は諦めて急いで壁を壊す必要がなくなった。

 

 なのでじっくり計画を練ってあれこれ試した結果、原作通りに悟空のかめはめ波で吹き飛ばす。

 

 だがその頃には神龍はとっくに去ったあとで、外の満月をまともに見てしまう。

 

 当然のように大猿になるが、時間が遅くてかなり空腹でパワーが大幅にダウンしたのが幸いだった。

 おかげで一連の流れは変わらずに隙を突いて尻尾を切り、悟空は無事に人間に戻ることができたのだった。

 

 

 

 結果的にはほぼ原作通りに進んだが、ギャルのパンティという名シーンは消えてしまう。

 しかし、大きな流れは変わっていないので良かった。

 

 私はことが全て終わって大団円のときに、悟空たちに念話を送る。

 そして彼らが閉じ込められている間に、何があったのかを伝えておく。

 

 こういう連絡はタイミングが重要だ。

 なるべく原作に関わらずに影響が出ないようにと、第一部が終わるまでまった。

 

 どのぐらい効果があるかは不明だが、とにかく勝手に願いを叶えてしまったお詫びとして、今度家に来たとき何かお返しをすることを伝えて謝罪する。

 

 それ以外にも簡単な説明を終えると、念話を切って一息つく。

 一応やるべきことはやったので、現場の猫のようにヨシとしておくのだった。




疲れてきたので、ピッコロ編が終わったら筆を置いて完結です。
そして下書きが終わったので、毎日投稿に切り替えます。

続きはないので、作業時間も一話ごとに複数回の見直しだけで済みます。
多分時間的に間に合うはず。間に合え。何とかなれー。
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