呪術の子   作:メインクーン

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夏油「百鬼夜行を行う!」

クリス「というわけで皆で逃げてね」

ルビー&あかね「わ、分かった」

幼女邪神「頼むよ星野クリス」



母娘の再会

──20XX年12月24日、午後3時過ぎ。

 

この日、新宿を中心とした周辺一帯の住民が避難のため郊外へ移動していた。

 

 

「おい押すなよ、危ないだろ」

 

「ねぇ今誰か足踏んだでしょ!」

 

「ちょっと待って、ウチの子がいない!どこに行っちゃったの!?」

 

「何でクリスマスイブの日に避難しないといけねぇんだよクソ。デートの約束してたのに」

 

「爆破テロってホントに起こるのかな?」

 

「どうせただのハッタリでしょ?わざわざ避難させるとか大げさだよねー」

 

 

ざわざわと好き勝手に騒ぎながらも、一塊になって歩く集団。昨晩、突然政府に大規模爆破テロの予告が届いたとのことで、新宿を中心に緊急避難命令が出された結果である。

 

東京だけではなく京都の方にも、同一犯と思われる者からの犯行予告が届いたらしく、現在京都の方でも住民が緊急避難のため街の外へ疎開している。

 

というニュース映像が流れるスマホを片手に持ちながら、MEMちょは一緒に行動している皆の方へ顔を向けた。

 

 

「何か、大変なことになったねー」

 

「そうね。まさかクリスマスイブの日に爆破テロの予告が来るなんて予想外だわ。こっちは仕事がまだまだ山積みなのに……」

 

「まぁ犯罪者は日を選びませんからね。いや、むしろ今日だからこそ犯行予告を出したのかも」

 

「テロを起こすなら特別な日にってやつ?勘弁してほしいなぁ」

 

 

ミヤコと有馬が肩を落とす姿を見て、「今日の生配信は結構力入れてたのになぁ」と残念そうにぼやいて落ち込むMEMちょ。

 

そんな共に落ち込む3人の後ろ姿を眺めながら、アクアは妹のルビーと一緒に歩いていた。

 

 

「ねぇ、お兄ちゃん大丈夫?凄く顔色が悪そうに見えるけど」

 

「いや、体調はそこまで問題ないから心配ない。ただちょっといきなり過ぎて驚いてるだけだ。こんなこと初めてだしな」

 

「そうだよね。私もびっくりしてるよ。せっかくのクリスマスなのに、こんなことになるなんて思わなかった」

 

 

本当はクリスから事前に話を聞いているルビーだが、皆に呪術のことを悟られないためにも驚いたフリをしている。

 

 

「お兄ちゃん、あかねちゃんは大丈夫なの?彼氏なら彼女のことはちゃんと気に掛けないと」

 

「それは問題ない。さっきあかねに連絡したら、今は両親と一緒に避難してるって返信が来たからな」

 

「そっか、それは良かった。私もさっきみなみとフリルに連絡したら、2人とも事務所の皆と避難してるって返ってきたし」

 

 

あかねはアクア達とは行動を共にせず、一先ず家族を安全な場所に避難させていた。今回の集団避難の裏事情を知る者として、手分けして行動した方がいいとルビーと話し合った結果である。

 

 

(これで最低限避難させたい人の安否は確認できたかな?壱護さんからもさっき返信きたし、何とかなるでしょ)

 

 

家族、友人、事務所の人間、etc……。ルビーは自身と交流のある人達へ手当たり次第に連絡し、避難してるか逐一確認を取っていた。

 

幸い全員から避難中との連絡が届いており、これにはルビーもほっと胸を撫で下ろした。

 

 

(クソッ、こっちはアイを殺した真犯人が別にいると分かってそれどころじゃないのに……。こんな時に爆破テロで緊急避難とか、タイミングがあまりにも悪すぎる)

 

 

一方でアクアは、自身の母親である星野アイを殺した真犯人が生きていると最近知り、現在精神的に酷く消耗している状態だった。しかもそれが原因で有馬との関係が拗れているため、今彼女と行動を共にするのはかなり気まずかった。

 

そこへタイミングを見計らったかのように訪れた大規模テロの予告。ただでさえボロボロだったアクアの精神は過度なストレスで更に摩耗し、加速度的に疲弊していく。

 

それでも家族、特に妹に対する不安は健在で、無意識の内にルビーに尋ねる。

 

 

「なぁルビー、クリスは大丈夫なのか?今日は新宿に出掛けてるとか無いよな?」

 

「大丈夫だよお兄ちゃん。さっきクリスから返信きたもん、寮でのんびり過ごしてるって。ほらこれ」

 

 

クリスの安否を確認するアクアへ、ルビーがスマホの画面を見せた。

 

そこにはクリスとのやり取りが記録された部分が映し出されており、『今寮でゴロゴロしてる。そっちは大丈夫?』と、何とも呑気な返事が返っていた。

 

 

「クリスの学校は郊外だし、とりあえず問題なさそうだが……結構呑気だなあいつ。こっちは今それどころじゃないくらい大変なんだが」

 

「あはは、まぁ無事なだけでも良かったじゃん」

 

 

深い溜め息を吐いて肩を竦めるアクアに、ルビーはいつもの笑顔を張り付けて当たり障りのない言葉を返した。

 

 

(ごめんねお兄ちゃん、呪術のことは気軽に言えないの。あれは知らない方がいいってクリスが言ってたし、実際私もそうだと思ってるし)

 

 

3人兄妹の中でただ1人事情を知らないアクアに申し訳なさを抱きつつも、クリスの言葉を思い出してそのまま黙秘に徹するルビー。

 

 

(私はやれるだけやったよ。とりあえず知ってる人は全員避難するように呼び掛けた。だからクリス、どうか無事でいてね)

 

 

現在は高専の寮ではなく京都にいる妹の無事を切実に願うのであった。

 

 

 

 

 

 △▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

 

 

それから数時間後、12月24日の日没直前。

 

住民が消えた東京の新宿では、全国から駆け付けた呪術師達が準備万端の状態で待ち構えていた。

 

そんな彼らの前に現れたのは、夏油一派が引き連れた1000を超える呪霊の軍団。それを目にした五条は、中でもビルの屋上で待ち構える1人の男に注目した。

 

 

「……1人面倒臭そうな奴がいるな」

 

 

サングラスに白色のベレー帽を被った黒人の術師。

 

その風貌をクリスから何度も報告で聞いていた五条は、夏油一派に属するミゲルという名の呪詛師であると断定した。

 

 

(という事は、あの右腕に巻かれている縄が黒縄か。確か効果は『あらゆる術式を乱し相殺する』だったか?まるで天逆鉾……早めに潰すべきだな)

 

 

クリスが何度も苦戦する原因となった呪具『黒縄』。それを六眼を通して実際に確認した五条は、いかに素早くミゲルを沈めるか戦略を立てていく。

 

 

「ナルホド、アノ包帯ガ……」

 

「ええ、そうです。他は私達で引き受けます。何度も言いますが、私達の役割は……」

 

「分カッテル。俺ラハ足止メデショ?ノラリクラリ、夏油ノ仕事ガ終ワルマデ遊ビマショ」

 

 

一方でミゲルも、地上に佇む五条を目視で確認し、どれだけ長く時間を稼ぐか考えていた。

 

過去に2度、クリスとの戦闘経験があるミゲルだが、彼女の師匠である五条との戦闘は今回が初。相手の戦い方を慎重に見極めて行動できるように、警戒を最大限まで高めている。

 

 

(クリスヲ通ジテ俺ノ事ハ既ニ知ッテイルハズ。今持ッテル黒縄ノ事モ把握済ミダロウ。トナルト、恐ラク黒縄ヲ真先ニ潰ソウトシテクルニ違イナイ。ソノ上デ如何ニ上手ク立チ回レルカガ鍵ダナ)

 

 

お互い考えている方向性は一緒だった。

 

五条は如何に素早く黒縄を消滅させるか、ミゲルは如何に黒縄を失わずに立ち回れるか。戦う前から強者同士の読み合い・駆け引きは始まっているのだ。

 

 

 

 

 

──その後、いつまで経っても姿を見せない夏油に疑問を抱いた五条が、乙骨の件で報告しに来た伊地知から調査結果を聞いた瞬間、血相を変えて狗巻とパンダを高専に送り込んだ。

 

それを皮切りに、予定よりも早く百鬼夜行が始まり、遂に術師と呪霊の全面戦争が勃発した。

 

なお、その際……、

 

 

「もしもしクリス、急で悪いが今すぐ高専に戻って憂太達の手助けをしてほしい……クリス?おい、どうした!?……クソ、切れた。向こうで何があったんだよ」

 

 

沸き立つ苛立ちを包み隠さず、その感情をぶつける勢いで通話相手のクリスに大声で叫ぶが、クリスから返事が返ってくることは無かった。

 

 

 

 

 

 △▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

 

 

 

──10分程前、京都にて。

 

 

「いよいよ百鬼夜行が始まるわけだけど……皆、準備は良いかな?」

 

「おう!」

 

「大丈夫だよー」

 

「問題ない、マイシスター!」

 

 

京都に派遣されたクリスの質問に、秤、綺羅羅、東堂の3人がすぐに返答し、その後ろで他の京都校の生徒達が静かに頷いた。

 

京都校の生徒達も今回の戦いに全員参加しており、2年生の東堂、加茂、西宮の他に、1年生の三輪、真依、メカ丸もいる。加えて、以前から任務で京都に出張していた秤と綺羅羅もいる。とても心強いメンバーだとクリスは感じた。

 

 

「クリスさん、見えてきましたよ。呪霊の大軍です」

 

「偵察ありがとうございます、七海さん。それにしても……やっぱ1000体は多いなぁ」

 

「ええ、これは結構時間がかかりそうですね」

 

 

偵察で見回りに出掛けていた七海が戻り、その背後から夏油が寄越した呪霊の大軍が押し寄せてきた。

 

見立て通り2級以下の雑魚が大半を占めているとはいえ、1000を超えると相手をするのがかなり面倒臭い。それに1級呪霊や特級呪霊も目視でちらほら確認できる。油断はできない。

 

そしてもう1つ、懸念すべき点がある。

 

 

「うーん……」

 

「どうしました?」

 

「1人面倒臭そうな奴がいるなぁと思いまして」

 

 

呪霊の大軍に紛れて呪詛師達もちらほら見えるが、その中でも一際異彩を放つ存在がいた。

 

逆立った金髪、筋骨隆々の長身、ハートのニプレス、上半身が裸体の奇抜な恰好。そんな男が呪霊の上に乗り、仁王立ちで堂々とこちらを見下ろしている。

 

その男から立ち昇る呪力を感じ取った七海は、クリスの発言の意図をすぐに理解した。

 

 

「……なるほど、確かにアレは厄介ですね。クリスさん、お願いできますか?」

 

「任せてください。その代わり呪霊の相手は頼みます」

 

「ええ、ありがとうございます」

 

 

男を一目見て警戒を高めたクリスと七海が話し合う一方で、男の方もまた他の呪詛師と最後の確認を取っていた。

 

 

「ふぅん、先頭にいるあの子がもしかして……」

 

「ああ、あれが特級術師の星野クリスだ。ラルゥ、もう1度言うが俺達の役目は……」

 

「分かってるわ利久ちゃん、私達はあくまで囮。傑ちゃんが目的を達成するまでの時間稼ぎが仕事。呪霊達を上手く使いながら陽動に徹するの。

 でも気乗りしないわね。今からあんなに可愛い女の子のお顔に傷を付けなきゃいけないなんて。しかもあの子、傑ちゃんが初恋なんでしょ?ミゲルちゃんから聞いたわよ」

 

「その感情は今ここで捨ててくれ。夏油様ですらあの女の返り討ちに遭った。だから……ん?向こう(新宿)からの連絡だ。何事だ?」

 

 

ラルゥと呼ばれた男はクリスの容姿と事情をミゲルから聞いていたため、少し名残惜しそうな表情で眼下のクリスを見つめた。

 

隣にいる利久ちゃんこと祢木利久(ねぎとしひさ)は、ラルゥの意識を改めてもらおうと苦言を呈すが、そのタイミングで連絡がきた。

 

 

「もしもし、何だ……そうか、分かった。ラルゥ、予定を繰り上げる。たった今から戦闘開始だ」

 

「分かったわ。星野クリスの相手は任せて頂戴」

 

「付かず離れず、程々にな」

 

「ええ、じゃあまたね」

 

 

ちょうど東京の方で五条が狗巻とパンダを呪術高専に送り込んだので、それを受けて少し早めの戦闘開始となった。

 

 

「ではこれより……開戦だ!」

 

 

そして、ラルゥと別れた祢木が掲げた右手を振り下ろした瞬間、それに呼応して周囲の呪霊達が一斉に雄叫びを上げて襲い掛かってきた。

 

 

「──ッ!?クリスさん!」

 

「分かってます。あの半裸男は任せてください」

 

「健闘を祈ります!」

 

「そちらこそ!」

 

 

呪霊の動きに合わせてクリス達も一斉に動き出す。京都の方も術師と呪霊の全面戦争が幕を開けた。

 

 

「お前ら行くぞぉ!」

 

「「「「おおーっ!!」」」」

 

 

あちこちで集まった術師達が声を上げながら呪霊の軍団に突っ込んでいく中、クリスはそこから少し離れた場所への移動を開始した。

 

その後ろからはラルゥが追ってきている。ビルからビルへ軽やかに飛び移りながら、常にクリスを補足し続けている。

 

 

「……なるほど、徹底的にマークするつもりね。いいよ、受けて立ってやる」

 

 

お互いに目を離さないまま主戦場から離れ、周囲に術師も呪霊も居ない大通りの中心へ降り立つ。

 

できるだけ建物への損壊は避けるように言われているため、大技は極力使わないよう気を付けなければならない。

 

 

「ここらで良いかな、半裸男さん?そろそろ僕達も始めようと思うんだけど」

 

「ラルゥよ、お嬢ちゃん。でもそうね、私もぼちぼち仕事に取り掛かろうと思ってたわ」

 

 

そう言いながら、数十m離れた位置でお互い戦闘態勢に入る。

 

拳を固め、腰を低く落とし、全身に呪力を漲らせて相手の動きに細心の注意を払う。

 

 

油断は無い。手加減をするつもりもない。

 

互いに全身全霊を以って目の前の相手を打ち砕くという固い意思で、今、脚に力を入れて────、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんね、ちょっと失礼させてもらうよ」

 

「えっ?」

 

「はっ?」

 

 

飛び出そうとした瞬間、ラルゥの足元に突如謎の幼女が現れた。気配も何も感じられなかった。本当にいきなりその場に姿を現していた。

 

あまりに突飛な事態に2人とも戸惑っていると、その幼女はラルゥの身体に触れて言った。

 

 

「悪いけど、君はしばらく1人旅に行っておくれ」

 

「ちょ、お嬢ちゃん何を言って──」

 

 

ラルゥが何かを言い掛けたが、それは途中で遮られた。何故なら幼女の代わりにラルゥが目の前で忽然と姿を消したのだから。

 

 

「なっ……!?」

 

 

これには流石のクリスも驚きに目を見開いた。いきなり幼女が現れたと思ったら、これから戦うつもりだったラルゥを消したのだ。

 

訳が分からなすぎる。

 

 

「……君、何者?ラルゥを何処へやった?」

 

 

それでもすぐに感情を落ち着かせ、相手への警戒を高めつつ冷静に質問を飛ばした。

 

そんなクリスを前に幼女はクスクス笑って答える。

 

 

「さっきの男は高千穂旅行へ招待したよ。君達の生まれ故郷、楽しんでくれると嬉しいかな。私の正体については……まだ言わない。気が向けばそのうち教えるさ」

 

「あっそ。じゃあいい、ここで死ね」

 

 

質問の答えを聞いて、目の前の幼女を直ちに排除すべき危険因子と判断したクリスは、術式を行使しようと右手を前に出した。

 

だが、それよりも早く幼女が動いた。

 

 

「悪いが君の相手は私ではない。今から君が戦うのは彼女だよ」

 

「一体何を…………はっ?」

 

 

そう言って幼女が指を差した方向に首を傾けて──クリスは動きを止めた。

 

何故ならそこに立っていたのは……、

 

 

「もう1人の僕……?いやでも、体格も背丈も僕より一回り小さい気が……」

 

 

クリスの目に映ったのは、自分とそっくりなもう1人の自分。顔も、髪色も、瞳も、どこからどう見てもクリスと瓜二つだった。

 

だが、一回り小さい背格好ですぐに自分ではないと気付く。

 

 

──その瞬間、クリスの身体に電流が走った。

 

 

1人だけ心当たりがいた。クリスと瓜二つの容姿で、かつ、クリスよりも一回り小さい身体を持つ女性の存在を。

 

忘れもしない。忘れられるわけがない。

 

クリスは恐る恐るその女性に尋ねた。

 

 

 

 

 

「ひょっとして…………ママなの?」

 

「…………」

 

 

返事は返ってこない。

 

おまけに身体から迸る濃密でドス黒い呪力は、どう考えても呪霊の物。しかも呪力量からして間違いなく特級呪霊である。

 

それでも目の前の存在が、13年前に亡くなった実母の星野アイであると、クリスは心で理解してしまった。

 

 

「……まぁそういうわけだから、精々頑張ってくれたまえ。君の力で母親の魂が解放されることを願っているよ」

 

「あっ、ちょっと待て!まだお前には話が……!」

 

「健闘を祈る」

 

 

その場から去っていく幼女に気付いて声を上げるクリス。だが、そのタイミングでポケットに入れたスマホが鳴った。

 

その隙に幼女はフッと姿を消した。

 

 

「ああもう、こんな時に誰から……五条先生?」

 

 

苛立ちを露わにしながらも電話を掛けてきた相手にクリスは困惑する。

 

仕方が無いので通話に出ることに。

 

 

「はいもしもし、こんな時に一体何の用ですか五条先生?」

 

『もしもしクリス、急で悪いが今すぐ高専に戻って憂太達の手助けをしてほしい』

 

「えっ、高専にですか!?一体そっちで何があったんですか?というか、今こっちはそれどころじゃ──ッ!?」

 

 

それ以上の通話は続けられなかった。

 

通話中のクリスに向かって、アイがいきなり超スピードで突っ込んできたのだ。予想を遥かに超える速度に流石のクリスも驚愕した。

 

 

(速い!僕とほぼ同じスピードだ!でも、だからこそ対応できる!)

 

 

信じられない呪力強化による移動速度だが、五条と並ぶ最速の称号を持つクリスにとっては普通に視認できる程度。

 

既に目の前まで接近したアイが、握り締めた拳を真っ直ぐ突き出しているが、それでもクリスの防御の方がワンテンポ速かった。

 

 

故に、アイの打撃を見事に防いだ。

 

だが、それでもアイは一切止まることなく拳を振り抜いた。

 

 

「ぐっ……!?」

 

 

殴られた衝撃でクリスの身体は地面から離れ、凄まじい勢いで吹き飛ばされる。

 

そして、背後に聳え立つビル群を次から次へと突き破りながら、クリスは京都の街を横断した。

 

 

 




星野アイ(特級過呪怨霊)vs星野クリス(特級術師)

母娘対決スタート!


※ここでおさらい
クリスの身長は165cm、アイの身長は151cm。
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