呪術の子 作:メインクーン
クリス「サプライズ楽しみだなー」
アイ「そうだねー」
五条「アイのスキャンダルがバレてニュースになってるよ」
クリス&アイ「ふぁああああああーっ!?」
お兄ちゃんと妹
【当時16歳で三児を出産──『B小町アイ』の素顔とは?】
『いやぁ、僕もショックだったのを覚えてますよ。大好きなアイドルだったので。ライブにも何回か行ったことあります』
『これは芸能界全体の問題ですよ。未成年の管理を事務所が出来ていない!』
『アイさんは13年前ファンの男性に自宅前で殺害され、当時は日本中が悲しみに沈みました』
『容疑者の貝原亮介は原因不明の重傷で記憶喪失。数年の入院生活を経て釈放されましたが、その後は失踪して行方が明らかになっていません』
『更には心神喪失状態で容疑者に有罪判決が出なかったことに、当時は日本全国から裁判所に苦情の電話や手紙が頻繫に届くほどでした』
『結局、アイ殺害の事件の全貌は明らかにならないまま終わったんですよね。ですが今回隠し子が居たという報道により、見え方も色々変わってきますね?』
『アイの息子である星野アクアさんは"この件が表沙汰になる前に自分の口から説明させてほしかった"と週刊誌で述べています』
テレビのニュース番組で、13年前のアイ殺害の事件当時の映像が流れている。
『私も未だにB小町の曲聴いてますよ。『サインはB』はよく踊ってたなぁ』
『正直幻滅しましたよ。アイは伝説でしたからね。夢を壊された気分です』
画面が切り替わり、街の人達の声を聞いた映像が映し出される。
アイの存在を懐かしむ者、当時を思い出して悲しみに暮れる者、夢を壊されて憤りを隠さない者など、多種多様な反応を見せている。
更にネットの反応では……、
『えっ?つまりアイを殺した人ってこの事知ってたんだ』『今ガチに出てた子じゃん!?』
『道理で……遺伝子強すぎ』『確かにめっちゃ顔良いね』『売名大成功で草』
『その隠し子三つ子なんでしょ?2人は芸能人で1人はそうじゃないってことか』『父親は誰なん?気になる』
『つまりルビーって母の意志を継ぐためにB小町で活動してるって事?』『何それエモすぎ』
『3人目の子が気になり過ぎるんだが』『確かに。どうやら末っ子の妹らしいけど……ちょっと顔気になる』
『兄と姉がアレなんだし妹も絶対可愛いでしょ』『いや、だったら姉と同じアイドルになってるはず。もしくは女優とか。アイの子供なら尚更』
『どうせ妹だけブスだったんでしょ』『その可能性はあるけど、可愛いから芸能人になるとも限らないんじゃね?』『何でもいいから末っ子の顔も勢いで見せてくれ~!』
──以下、アイと隠し子に関するニュースばかりで世間は大いに盛り上がりを見せている。
そんな現状を把握したクリスとアイは、寮部屋で思わず「はぁー」と大きく息を吐いた。
「……いやぁ、何だか大事になっちゃってるねー」
「だねー。ちょっといきなり過ぎてびっくりしちゃった。にしてもそっかぁ……あちゃー、遂にバレちゃったか」
「バラしたのは兄さんだけどね。というか、兄さん急にどうしたんだろ?ママの事あれだけ慕ってたのに」
「確かに……私の中のアクアはそんな事するような子じゃないんだけどなぁ」
唐突な大暴露に驚きつつも、2人とも冷静に目の前の事実を受け入れた。
そして何故アクアがこんな事をしたのか考えていると、先程クリスの領域展延パンチを食らって吹き飛ばされた五条が話の輪に入ってきた。
「あれじゃない?普通に売名目的とか。2世タレントではよくある鉄板ネタじゃん」
「別にそれは鉄板って程でもない気が……それに、兄さんに限って売名目的で隠し子の事をバラすとは思えないんですよね」
「ほうほう……と言いますと?」
売名目的の可能性を即座に否定するクリスに、五条が興味深そうに尋ねる。それを受けてクリスは言葉を続けた。
「兄さんは昔っからママの事が大好きでしたからね。今もママの名前を懐かしそうに連呼するくらい未練たらたらですし、ママの事を第一に考えて行動する究極のマザコンなんです。
今回はバラした理由が何だか曖昧ですし、妹的にはしっくり来ないんですよ。そもそも兄さんはママの名前なんか借りなくても十分売れてるタレントだから、このタイミングでわざわざ売名するメリットがあまり無いですし」
「つまり、今回の暴露には別の理由があると?」
「ええ、これは確信です。恐らく兄さんは何らかのトラブルに巻き込まれて、その結果止むを得ずママのスキャンダルを公開する羽目になったかと」
「トラブルねぇ……女性関係とか?それでバーター記事として隠し子の事を明かした的な?」
「兄さんの事だからワンチャンありますね。でも自分の保身のために使うかなぁ……」
売名という単純な目的で明かしたわけではないと冷静に考えるクリス達だったが、それ以上の事はよく分からなかった。
どの理由でも、自己犠牲を厭わない傾向が強いアクアに限って保身に走るとは考えにくかった。
そこで行き詰ってうんうん唸る2人にアイが言う。
「じゃあ実家に戻って本人に直接話を聞けばいいじゃん。それで一発解決でしょ」
「あー……ママ、それはアリだ」
「確かにそれもそうだね。じゃあ明日のサプライズは無しにして、次の週末は実家に帰りなよ。学長には僕から言っておくからさ」
アイの提案にクリスは首肯した。言われてみれば確かにそれもそうだと。
「サプライズが無しになるって事は、つまり……」
「そう、アイのことはまだ家族達には明かさず、もうしばらく秘密のままで頼むよ。せっかく用意したサプライズは絶対に成功させたいじゃん」
「確かに」
「一理あるかも」
五条からの指示にクリスもアイも即賛成した。
アイとしては本当なら今すぐにでも抱き締めたいのだが、今それをすると途轍もない修羅場になると何となく察したため、五条の指示にもあっさり頷いた。
こうしてルビー達にサプライズする計画は泣く泣く延期され、秘密を抱えたまま急遽実家に帰ることが決まった。
△▼△▼△▼△▼△▼△▼
それからしばらく日が経って週末、クリスは緊急で実家に帰省した。
「ただまー!」
実家へ戻る電車の中や街中を歩き回ってる最中、妙に周囲の視線を集めているような感覚を覚えつつ、この日彼女は数ヵ月ぶりに実家の扉を開けた。
「兄さんはいるかぁ!さっさと出てこーい!今ならアイアンクローとバックドロップと四の字固めのスリーコンボで許してやらん事もない!」
扉を開けて中に入った瞬間、大声で怒鳴り散らすようにアクアの名を叫ぶ。
あまりの大声に事務所で働くスタッフ達がちらほら様子を見にくる中、暗い顔をしたアクアがクリスの前に出てきた。
「おかえりクリス。出来れば事務所内であまり大きな声を出すのは──」
アクアの姿を捉えた瞬間、クリスは跳んだ。
「おらぁああああああーっ!!」
「ぶごはぁああああああっ!?」
空中で身体を捻って横向きになり、飛んだ勢いを殺さず器用に両足の裏を揃えて突き出し、アクアの頬を容赦なく蹴飛ばす。
まさに完璧。クリスのドロップキックが見事に炸裂した。ちなみに呪力は一切込めてないし、その上で加減もした。
「アクア!?」
「アクたーん!?」
「「「「ア、アクアさーん!?」」」」
だが、それでも不意打ちで食らった超人ゴリラのドロップキックは存外効いたようで、蹴飛ばされたアクアは一発でノックアウトされ床に倒れた。
後ろで見ていた有馬やMEMちょ、スタッフ一同の悲鳴を背景に、クリスは仁王立ちでガッツポーズを決める。
「……ふっ、やはり暴力。暴力は全てを解決する」
勝利のゴングが鳴り響く。アクアに対するクリスのお仕置きはこれを以って終了した。
「いや、どんすんのよこれ」
「…………」
有馬のツッコみが嫌に室内に響き渡った。
──それから数十分経ってアクアは意識を取り戻した。
クリスに蹴られた足跡がくっきり残っているが後を引くレベルではなく、ガーゼを貼って1日も経てば治る程度の怪我だった。
そんなアクアがリビングのソファーに腰掛けクリスと対面する。
「……スリーコンボを食らわせるんじゃなかったのか?」
「獣が狩人の言葉を信用したら駄目でしょ」
「それもそうだな」
スリーコンボを警戒していたアクアがジト目でクリスを見るが、悪びれもせずに言い放った彼女の言葉に納得する。
「ところで姉さんは?全然見当たらないけど」
「ルビーは今出掛けてる。もうすぐしたら帰ってくるはずだ」
「そう。お母さんは仕事に戻っちゃったし、今リビングにいるのは2人だけってわけね」
ルビーは現在出掛けている。皆が忙しいこんな時に出掛けるのも変な話だが、理由はアクアと一緒に居たくないからというものである。
「あかねちゃんとは最近調子どう?一応聞くけど上手くやれてるの?」
「……その聞き方だと、もうある程度察しが付いてんだろ?あかねから定期的にお前と連絡し合ってるとは聞いたからな」
「ふーん、じゃあやっぱりあかねちゃんとは別れたんだね。それは残念」
最近、電話越しに聞こえるあかねの声に覇気が無かったので、クリスとアイはもしかして破局したんじゃないかと予想していた。
結果その予想は当たっており、近々世間に公表するとの事だった。
「一応聞くけど何で別れたの?何かあったから別れたんでしょ?」
「確かにあったが、お前に教える事でもない」
「えー、つれないなぁ。このまま教えてくれなかったら、さっきしなかったスリーコンボを実行する羽目になるかもよ?」
「理不尽すぎる」
またしても暴力で押し切ろうとするクリスに、アクアは思わず苦言を呈した。
ちなみに、あかねと破局した理由は父親のこと、つまりはカミキヒカル関連なのだが、復讐相手にどう対処するかで意見の相違が出てしまったのが原因である。
なお、目の前にいる妹が復讐相手と仲良くお酒を飲んだり寝泊まりしたりする関係になっていることをアクアは知らない。知った暁には錯乱して卒倒すること請け合いである。
「まぁ良いや、あまり聞くものでもないし。というか、今日帰って来たのは他でもないママの事で聞きたいことがあるからだし」
「……まぁ、だろうなと思ったよ。さっき俺を蹴ったのも、アイの秘密を俺が勝手に公表したからだ。で、何で俺がこんな事をしたのか知りたい……そうだろ?」
「流石兄さん、話が早くて助かるよ」
ちなみに先程アクアに暴力を振るった理由は、その場のノリと勢いが7割を占める。残りの3割は理由があって公表するにしても、家族には一言くらい断りを入れてほしかったという不満である。
そんなこんなでアイの秘密を突如公表した理由を知りたいクリス。彼女の中に住まうアイも、自身の生得領域内からクリスを通じてアクアを静かに見つめている。
「……今から2週間前のことだったんだ。きっかけはそう……有馬が週刊誌に撮られたんだ。アイドルとしては致命的なレベルのやつを。きっかけは有馬自身だが、全面的にあいつが悪いわけではない。本当に巻き込み事故みたいなもんだ」
「OK、今ので大体は理解したよ。かなちゃんがどうしてそんなことになったかは知らないけど」
アクアの説明を少しだけ聞いてクリスはすぐに一連の経緯を察した。数日前に五条と話し合って出した推察とほぼ同じだったので、話の理解がすこぶる早かった。
やはり売名目的が主ではなくバーターでアイの秘密を公表していた。その事実にクリスは溜め息を吐くと同時に苦言を呈す。
「でも、公表するならせめて家族には事前に連絡してほしかったね。流石の僕もびっくりしたんだから」
「それに関しては本当に済まなかった。だけどアイはもう死んだから、この情報は今を生きてる人のために使うべきだと思ったんだ」
「全くだよ。それにどうせ兄さんのことだから、かなちゃんを助ける以外にも何か打算があるんだろうけどさ」
「いや、そんな事はないが……」
「嘘を吐くならもっと徹底してよね。その顔だと図星ですって言ってるようなものだよ」
「…………」
ずっと言いたかった不満を伝えると、アクアが申し訳なさそうに顔を伏せて謝った。その表情は相変わらず暗かった。
「でもまぁ、そういうことならママも多少は納得してもらえるかな?」
「ああ、そうだと良いな」
独り言のようなクリスの呟きに、アクアが頷いて言葉を返す。
一見するとアクアに向けて放った、母を慮る発言に聞こえるだろう。だが、実際の言葉の向き先は目の前に座るアクアではなく……、
『今を生きてる人のために……か。息子にそう言われると弱いなぁ。私本来ならあの世に旅立ってる身だし余計にね。でもアクアなりにいっぱい悩んで決めた事なら、母から言うことは何もないよ。死人に口なしって言うし』
『ふふっ、そうかい?けどママがそう言うなら、僕からもこれ以上言うことは何もないね。本当、手の掛かる兄を持ったものだよ』
『だよねー。まぁそこを含めて可愛いんだけどさ』
『間違いないね』
アイの生得領域内で向かい合ったアイとクリスが、アクアの発言を受けてお互いの考えを述べ合っていた。
アクアのことを手の掛かる人と揶揄するが、クリス達もあまり人のことを言えた口ではない。
なお、この2人の会話は当然だが目の前に座るアクアには聞こえてない。あくまでも生得領域内、つまり精神世界の中で話し合ってるに過ぎないのだから。
「じゃあ僕はそろそろお出掛けにでも行こうかな。3日くらい実家で過ごしたらまた高専に戻るけど、それまでゆっくり寛がせてもらうよ」
「そうか、分かった……なぁクリス」
「ん、何だい兄さん?」
話は終わったので買い物にでも出掛けようと立ち上がったところ、部屋に出る直前でアクアに呼び止められた。
一体何だろうか。
「その……お前は本当にそれで大丈夫なのか?こんな形でアイの秘密を暴露して、お前にも迷惑を掛けてしまったんだ。もっと俺を責めたって……無理に許さなくたって良いのに」
「え、急にどうしたの?兄さんもしかしてマゾに目覚めた感じ?」
「違ぇよ、そういう事じゃなくて……」
曰く、アイの秘密を暴露したその日、大激怒したルビーに猛烈に責められ、蛇蝎の如く嫌われてしまったとの事。
嘘吐きとひたすらに連呼され、もう家族とは思わないとはっきり言われて突き放されてしまったとも。
だからこそ、ルビーとは対照的に淡々と事態を受け入れて環境に適応するクリスに、疑問を抱いたアクアは思わず尋ねた。なぜ自分を責めないどころかあっさり許したのかと。
「えー、それって一貫してないといけない事?僕と姉さんでは見えてる世界が違うだけじゃない?姉さんが怒って嫌うのも当然の反応だし、こればかりはねぇ」
「見えてる世界……か。確かにそうかもな」
クリスの主張を聞いて、アクアは自分の中でどこか腑に落ちたような感覚を覚えた。
ルビーは自分と同じく前世からアイの大ファンで、アイのことを信奉しているという前提があるからこそ、今回の公表にあそこまで激怒していた。
だが、クリスに前世の記憶はない。真に純粋な本物のアイの娘だからこそ、アイの娘としての視点で事態を捉えてさっぱりと割り切れている。
アクアはそのように解釈した。
「まぁ何でも良いけどさ、あんま無理して壊れないように気を付けてよね。僕にとって、兄さんも大切な家族なんだから」
「家族……か。まだ俺のことをそう思ってくれるのか」
「当然。僕は僕の尺度で物事を判断してるからね。誰が何と言おうと兄さんは家族だよ。勿論、姉さんにお母さんにママもね」
パパは正直微妙なラインだけど、と内心カミキヒカルの顔を思い浮かべつつアクアを見やる。
アクアの表情は相変わらず暗いままだったが、クリスの最後の言葉が響いたのか、先程よりは幾分か表情が柔らかくなっていた。
「じゃあ出掛けるから。お仕事頑張ってね」
「おう、行ってら…………クリス」
「えぇ、今度は何さ?」
「ありがとう」
「……ふふっ、その調子で姉さんとも早く仲直りしてよね」
「ああ、頑張るよ」
アクアにお礼を言われ、満更でもない笑顔を浮かべながらリビングを後にするクリスであった。
△▼△▼△▼△▼△▼△▼
──なお、ショッピングに出掛けて数時間後。
「なぁ、聞いてくれよ!俺さ、ずっと君のファンだったんだよ!」
「えっ、何々?そんな急に声を荒げてどうしたの?というか、おじさん誰?」
「アイ!死んだって言われてたけど俺は信じてたんだ!子供のことも嘘なんだろ!?そうだと言ってくれ!」
「…………」
都内の大通りでショッピングを楽しんでいたところ、突如知らない男に興奮気味に声を掛けられた。
誰だよお前と思っていたら、アイの名前が出てきた瞬間に全てを察した。この男、アイの厄介な古参ファンだと。
(うっわ、ざけんな最悪だよ。確かにママとは瓜二つだけどさ、こんな往来で急に叫ぶなよ気持ち悪い)
恐らく件のニュースを受けて現実を受け止めきれず、アイへの想いが暴走。そのタイミングでクリスを見かけ、アイが蘇ったと勘違いしたのだろう。
クリスはそう推測しながら、小さく舌打ちしつつも声を荒げず冷静に対処する。ここで騒げば更に余計な注目を集めてしまうから。
「何言ってるの?アイはもう13年前に亡くなったでしょ?ニュースになってたじゃん」
「その声、雰囲気、喋り方……間違いない、やっぱり君はアイだ!俺の目は誤魔化せないぞ!」
「キッショ、何でそうなるのよ。というか全然話聞いてないし」
だが不幸かな。容姿のみならず声やその他の要素など、性格以外の殆どがアイに似ているクリスの説得は、厄介な古参ファンの前では完全に逆効果だった。
それとも中にいるママの魂を感知しているのだろうか、などと疑心暗鬼になるも、流石にそれはないと即座に思考を切り替える。
『ママ、何だか面倒臭いことになっちゃった。これどうする?』
『うーん……ここは逃げの一手かな!』
『流石ママ、超適当だね!』
『逃げるは恥だが役に立つって言葉があるじゃん?面倒事は逃げれば何とかなるでしょ!』
『決まりだね!』
アイの一言で逃走を選んだクリスは、男から離れるようにその場を駆け出した。
「あ、おい!待ってくれよアイ!逃げるって事はそういう事なんだろ!?アイ!アイィィィーッ!!」
だが、素の身体能力ですらオリンピック選手を軽く凌駕するクリスに追い付けるはずもなく、男はあっという間にクリスを見失ってしまった。
こうして見事に作戦が決まったクリスは、ようやく静かになったと胸を撫で下ろす。
「はぁー、今日は厄日かな?まぁ良いや、まだまだ買いたい物は一杯あるんだよね。あんな奴らにびくついて買い物止めるとか冗談じゃない」
『ねぇクリス、次はあそこの店のケーキ食べよ。前からずっと気になってたんだ』
「そうしよっか。運動した後の甘い物は格別だし」
『私もケーキ食べたいから変わってよー』
「分かった、代わりばんこで食べよ」
先程の厄介事にぶつぶつ愚痴を溢しながらも、今度はケーキ店へと足を運ぶクリス。
なお、当然ながらこの時の騒ぎは、その場に居合わせた多くの人々の目に留まっていたことをここに明記する。
またしても何も知らないアクア。いつか彼が「どけ!俺はお兄ちゃんだぞ!」する日は来るのだろうか。
※忘れがちな設定:クリスの偏差値はアクアと同等。素の身体能力は虎杖の3分の2程度。
・星野クリス
呪術センス10・座学10・運動神経9(実質9.5)
東堂と全く同じ数値。これは東堂のシスター。