呪術の子   作:メインクーン

91 / 109
前回:
クリス「スピネルの育児と呪術師の仕事で2ヶ月寝てないよ」

ツクヨミ「ああ、そう……お疲れ様」

ルビー「私はせんせのガチ恋勢だから」

クリス「兄さんと姉さんがキスしてたんだけど。僕も五条先生としたらあんな感じに……って、何言ってんの!?」



故人との再会

アクアとルビーの情熱的なキスに当てられ、悶々とする時間を過ごしたクリス。実の兄姉がそのような深い関係になっていた衝撃は、普段はあまり動揺を見せない彼女の心を大きく揺さぶっていた。

 

それでもすぐに現状を受け入れ、そういうものだと割り切ったのは流石というべきか。とても強靭な精神力である。

 

そんな彼女を他所に、事務所に居候していたツクヨミは今日、映画の撮影現場に足を運んでいた。

 

アイが亡くなる前、幼き日のアクア達を演じる子役として抜擢された彼女は、アクア、ルビー、クリスの3役を演じる予定となっている。

 

大人でも1人3役はかなりの負担だが、ツクヨミは涼しい顔で全員の役を演じる。

 

 

「やだー!絶対絶対やらないぃぃぃぃぃい!!」

 

 

現場に少女の絶叫が広がる。

 

 

「私踊りなんてやらないから!」

 

「どうしてそんな事言うんですか?」

 

「ヤなものはヤなの!」

 

当時のマネージャー、斎藤ミヤコ役を演じる片寄ゆらが、困惑の表情を浮かべながら尋ねるも泣き声は止まらない。

 

 

「ママー!ママー!」

 

「……はいカットォ!」

 

 

スタッフの掛け声と共に、緊張感漂う現場の重苦しい空気が霧散する。それと同時に、幼き日のルビーを演じ切ったツクヨミは涙を引っ込めて、いつものポーカーフェイスに一瞬で戻った。

 

撮影中の彼女の演技を見ていたルビーは青褪めた顔で疑問を口にする。

 

 

「……えっ?私ってそんな?」

 

「こんなだよ」

 

 

嘘だよね?と言いたげな彼女の疑念を、ツクヨミはあっさりと肯定して溜め息を吐いた。

 

 

「いやいや、あの頃の私って周りより何か大人びてて……いかにも天才児って感じじゃなかった!?」

 

「自分の事そんな風に見えていたの?」

 

 

ルビーの尊大な自己評価に対し、大した自信だね、という皮肉交じりの呆れた言葉が聞こえてきそうな態度で、ツクヨミは肩を竦めた。

 

 

「本当に生まれ変わってるのか疑問に思うくらい子供だったよ。くだらない事でいちいち騒いで煩かったんだから」

 

「そんな見てきた様に言わないでよ。ツクヨミはその頃生まれてもないでしょ」

 

「ふふ……」

 

 

ルビーの言葉に肯定も否定もせず、ツクヨミは不敵に笑って背を向ける。

 

相変わらず掴みどころのないその反応と表情に、ルビーは面倒臭そうに深い溜め息を吐いた。

 

 

「それにしてもつまんないなぁ。メタメタな芝居して赤っ恥かいてくれると思ってたのに」

 

「期待に添えず申し訳ないね」

 

 

すかさず毒を吐くルビーの生意気な言動に、煽られて若干苛立ったのか、ツクヨミはこめかみに青筋を浮かべ、語気を強めて言い返す。

 

そんな彼女の反応を無視し、ルビーは目を細めて鋭く睨む。

 

 

「次の踊りのシーン、私としても思い入れのある場面なんだからちゃんとやってよね」

 

「分かってるから早く着替えに行きな」

 

 

お互いが背伸びした小さな子供のように感情をぶつけ合うも、特に大きな喧嘩に発展する事もなく順調に撮影は進んでいく。

 

 

 

 

 

──次の収録日。

 

今度は当時からやけに賢い子供だったアクアを演じる日。この日の撮影もツクヨミは卒なく熟し、似てると懐かしそうに笑う監督から一発で合格を貰った。

 

ただし、彼女の芝居を見た当事者達の反応はかなり不服のようで、あれやこれやと重箱の隅をつつくように粗を探す。

 

 

「どう思う先輩?」

 

「うーん……あーくんって、何ていうかもっとミステリアスさと可愛さが共存してるのよね。まぁ悪くはないけどちょっと幼すぎるというか?そりゃ、あの頃のあーくんは天使かって思うくらい可愛かったけど、可愛いの方向性がねぇ……」

 

「鬱陶しい見学が2人に増えた」

 

 

ルビーに加えて有馬までツクヨミの芝居に細かく指摘して、無事鬱陶しいという評価をツクヨミから貰った。

 

そしてそれは、モデルとなったアクアも同じだった。

 

 

「ツクヨミ、俺はあんなに子供っぽくないだろ。もう少し天才児っぽい雰囲気があったはずだ」

 

「いや君も鬱陶しいのかよ」

 

 

鬱陶しい見学3人目の登場に、ツクヨミはどうしようもなく呆れた目をアクア達に向ける。

 

ツクヨミ自身、多少可愛さを盛った芝居をした自覚はあるものの、それでも合格点を貰えているので別に構わないだろうという気持ちがあった。

 

 

(それに、私にとって君達はずっと、生意気で可愛い子供のままなんだから)

 

 

何よりツクヨミから見れば、アクアとルビーは本人達が思っている以上に年齢相応の子供っぽさが多々あったので、芝居の内容はそこまで乖離していないだろうという思いもあった。

 

勿論そんな事を口に出せば、間違いなく反論されてややこしい事になるのは分かっているので絶対に言わないが。

 

 

 

 

 

──更に次の収録日。

 

今度はクリスの役を演じる事になったツクヨミ。

 

だが──

 

 

「…………」

 

「……はい、カットでーす」

 

 

その日は非常に静かな撮影だった。

 

ただ黙ってその場に立ち尽くし、時々歩いたり首を動かしたりと少ない挙動を見せるだけで、全体的に演技らしい演技が殆ど見られない。

 

 

「……えっ、これで終わり?ちょっと待って、これ本当にクリスの撮影なのよね?」

 

「うん、そうだよ先輩。クリスの撮影で間違いないよ」

 

「懐かしいな。今のあいつとは大違いだ」

 

 

この有り様に、アクアとルビーはどこか遠い目で、有馬達は若干困惑した顔でツクヨミとアクア達を交互に見ていた。

 

信じられなかった。

 

普段から騒がしく、隙あらば人を煽ったり揶揄ったりして自由気ままに振る舞うクリスが、幼い頃は無口で静かで暗い雰囲気を纏った少女などと、誰が想像できようか。

 

今と昔であまりにも性格が違いすぎて、今の彼女しか知らない面々は動揺を隠せない。嘘だと思いたかったが、アクア達の反応を見て嫌でも事実だと知り、益々顔を顰める。

 

 

「えぇ、嘘でしょ……何があったら今の性格になるのよ。もう完全に別人じゃない。面影すら残ってないんだけど」

 

「それは俺も分からん。何があいつをあそこまで変えたのか……」

 

(絶対あの男のせいだ、間違いない。むしろそれ以外考えられない)

 

 

アクアと有馬の会話を耳に挟み、事情を知るルビーは忌々しげに目を細める。

 

脳裏に思い浮かぶのは、憎たらしいほど生意気でちゃらんぽらんな目隠し男、五条悟。アイが亡くなった直後からクリスとの交流がある彼の性格が、クリスに段々悪く作用してしまったであろう事は想像に難くなかった。

 

 

「酷い言い方だけど、あの頃のクリスはどこか不気味でな。本当に泣かないし喋らないしで、俺達とは逆の意味で子供らしくなかった印象がある」

 

「えぇ、何それ……怖いんだけど……」

 

「話しかけてもどこ吹く風。一応頷く程度の反応はあったけど、それ以上は何もなかった。目の焦点も微妙に合ってなかったし、何というか……こちらを見ているようで見ていない感じだった。アイもミヤコさんも苦労していたよ」

 

「話半分に聞いていた……ってわけではなさそうね。不思議なものだわ」

 

「ああ、今でもそう思ってるよ」

 

「もしかしたら見えちゃいけないモノが見えていたとか。お化けとか幽霊みたいな……なんてね」

 

「もしそうだったら俺がクリスを守る。大切な妹を悪霊如きに好き勝手されてたまるか」

 

「全く、相変わらずのシスコンっぷりね」

 

 

当時の思い出を振り返り、冗談を交えつつ会話に花を咲かせるアクアと有馬。そんな2人の会話を聞いて、ルビーはまたもや憂う。

 

 

(きっと、その頃から見えてたんだろうね……)

 

 

生まれた時から他の人には見えないモノが見える。可愛さなんてものは皆無で、問答無用で人の命を弄ぶ悍ましい異形の存在。

 

そんな奴らが徘徊する中で生きていくなんて、一体どれ程の恐怖と絶望だろうか。妹がずっと無口だったのも、ひょっとしたら彼女なりのSOSだったのかもしれない。ルビーはそんな事を思い、胸を痛めた。

 

そして──

 

 

(ごめんねお兄ちゃん(せんせ)、先輩……お兄ちゃん達までこちら側に巻き込むわけにはいかないの。これは、私とあかねちゃんとクリスだけの秘密)

 

 

出来ればこのままずっと、こんな悍ましい秘密は墓まで持っていきたいと願うのであった。

 

 

 

 

 

 △▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

 

 

 

それからも撮影は順調に進み、日が沈んで西空が茜色に染まり始めた頃。

 

 

「本日の撮影は以上です。お疲れ様でした」

 

「「「お疲れ様でしたー」」」

 

 

その日の撮影が終了し、集まった役者やスタッフ達の声が騒がしくなる。

 

これで全ての撮影が終わるまで後僅かとなり、残すところはアイの死亡シーンの撮影やその他の細かい調整が必要になる程度となった。

 

そんな中、ミヤコの役を演じた片寄は大きく身体を伸ばして凝り固まった緊張を解す。

 

 

「疲れたー。メインじゃないのにここまで疲れる役なんて久しぶりだなぁ。やっぱり脚本の内容が重いからかな、精神的な疲労が凄い」

 

 

これが全部実話だとしたら、クリスちゃんもアイも母娘揃って人生ハードモードすぎるでしょ、などと他人事の様な感想を呟きながら、片寄は帰る支度を済ませる。

 

そして、さぁ帰ろうと出口に向かって歩き始めたところで声が掛かった。

 

 

「お疲れ様です片寄さん、少々お時間よろしいでしょうか?」

 

「あれ、黒川さんじゃない。どうしたの、そんなに畏まって」

 

 

帰ろうとする片寄を呼び止めたのはあかねだった。

 

何故か異様に謙った態度で話し掛けられたものなので、不思議に思った片寄は首を傾げて対面する彼女の顔を見つめた。

 

 

「えーと、前にも言ったけど、もう少し砕けた感じで接してもいいんだよ?あなたにとってもその方がきっと楽だろうし」

 

「いえいえ、片寄さん相手にそんな失礼な態度は取れませんよ。それに、これは私の癖みたいなものですから。それでもそのお心遣いには感謝します」

 

「うーん、良い子。最近の若い子って本当に良い子ばっかり。お姉さんの立つ瀬無くなっちゃう」

 

 

とても十代の子とは思えない、丁寧で他者への敬意を感じられる対応に片寄は舌を巻いた。

 

 

「それで、結局何の用かな?」

 

「ちょっと気になる事がありまして……つかぬ事をお聞きしますが、片寄さんって先週デートに行ってました?」

 

「ふぇ?で、デート!?いや何で!?」

 

 

予想していなかった質問の内容に片寄は面食らい、すぐに頬を赤らめ動揺する。デートした覚えなど皆無なため、その感情の揺らぎは大きかった。

 

疑問に思っていると、あかねが更に続けて聞いた。

 

 

「実は先週、あなたが見知らぬ男性と2人きりでバーに入っていく姿を目撃しまして。とても若そうな方でしたし、もしかしたら片寄さんが現在お付き合いされている御相手なのかなと」

 

「えっ!?あっ、あー……」

 

 

その話を聞いて、片寄は心当たりがあるのかすぐに冷静さを取り戻した。なるほどねと呟いて納得したように数回頷くと、若干照れた様子で説明した。

 

 

「いやー、まさか黒川さんに見られていたとはね。ちゃんと変装してたはずなんだけど、やっぱ共演者にはバレちゃうかぁ……」

 

「それじゃあやっぱり……!」

 

「いや、違う。それは違うよ黒川さん。決して付き合ってるわけじゃないし、バーに入ったのもデートじゃないから」

 

「でしたら、片寄さんと一緒にいた方は一体……?」

 

 

片寄の説明に疑問符を浮かべ、一つ一つ確かめるようにあかねは質問を重ねる。

 

 

「私の友人だよ。仕事終わりとか休みの日に、よく一緒にバーに行ってお酒飲みながら愚痴を言い合うの。そういう関係」

 

「へぇぇ、そうだったんですか。ちなみに相手はどんな方なんですか?」

 

「えー、それ言っちゃうのはちょっとなぁ……向こうの事情ってものがあるし」

 

「それは確かにそうですけど……でもやっぱり気になります!」

 

「そっか、気になるかー。あかねちゃん、しっかりしてるけどちゃんと恋する乙女なんだね。若いって良いわぁ」

 

 

相手の詳細な情報を出し渋る片寄だったが、食い気味に聞いてくるあかねの可愛らしい反応を見て、柔らかい表情で微笑んだ。

 

 

「そんなに気になるならしょうがない。それじゃあ黒川さんにだけ特別に教えちゃおっかな。徒に言いふらすような子じゃないと思うし……一応言うけど、他の人には内緒だよ?」

 

「はい、勿論です!」

 

 

気が変わってこっそり教える事にした片寄は、期待の眼差しを向けるあかねにだけ見えるようにスマホの画面を傾けた。

 

 

「ほら、この人……ここに写ってる金髪のイケメンが私の友人、カミキヒカルさん。私はミキさんって呼んでるの」

 

「わぁぁ、やっぱりカッコいいですね」

 

「でしょでしょ!しかもミキさん、どんな話でもちゃんと聞いてくれるし、細かい気配りも出来る良い人なの」

 

「最高ですね!」

 

 

カミキヒカルとのツーショット写真を見せながら、若干興奮気味に話す片寄。一方、その写真を見たあかねはほんの一瞬目を細めるも、すぐ笑顔に戻って片寄との談笑に浸る。

 

そうして色々なカミキヒカルの写真を見るあかねだったが、とある写真で手が止まった。

 

 

「えっ、クリスちゃん!?」

 

 

カミキヒカルと肩を組んで写真に写るクリスの姿がそこにあった。満面の笑みを浮かべ、片寄と一緒に3人で身を寄せあっている。

 

 

「あー……もうこの際言っちゃうけど、実は私、クリスちゃんとも友人なんだ。ちょっと前に色々あって仲良くなって、それ以来ずっと交流があるの」

 

「そうだったんですか?私もアクア君を通じてクリスちゃんとよく話す仲なのでびっくりしました」

 

「あ、やっぱり?クリスちゃんが星野アイの隠し子って知ってから、何となくそうかなとは思ってたけど……」

 

 

ずっと内緒にしててごめんね、と言って手を合わせる片寄だったが、あかねの内心はそれどころではなかった。

 

それでもその動揺を表に出す事はなく、平静を装って極自然と口を開く。

 

 

「いえ、全然気にしてないので大丈夫ですよ。それにしても意外です。クリスちゃんが片寄さんと友達だったなんて」

 

「いやー、本当に色々あったからね。今では私とミキさんとクリスちゃんの3人で家に集まって、パーティー開くくらい仲良いよ。何回か3人で泊まった事もあるし」

 

「えっ!?」

 

「クリスちゃんもミキさんとすっかり意気投合しちゃって、2人きりで出掛ける事も結構あるんだって。しかも2人のやり取りが何というか、血の繋がった親子みたいで、見てて微笑ましいんだよね」

 

「あ、あはは……そうですか。それは良かったですね」

 

 

それからも片寄は笑顔で3人との仲睦まじいエピソードを語り、あかねはどこか浮かない顔でそれを聞き届けた。

 

その後、片寄と別れたあかねは帰路に就く最中で思案していた。

 

 

(やっぱり片寄さんはカミキヒカルと繋がりがあった。でも片寄さんは彼の裏の顔を知らない事も分かった。だから片寄さんが、カミキヒカルが寄越したスパイである線は薄い。でもあの感じだと、多少情報が漏れている可能性は高いかも)

 

 

先日、偶然片寄がカミキヒカルと一緒に歩く様子を目撃したあかねは、年相応の恋する女性を演じて片寄に近付いた。

 

その結果得た情報は非常に衝撃的なものだった。

 

 

(まさかクリスちゃんまでカミキヒカルと交友関係があるなんて。これから一体どうすれば……)

 

 

クリスが怨敵であるカミキヒカルと既に交流があり、かなり親睦を深めている事実には、流石のあかねも頭が真っ白になりかけた。

 

あまりにも予想外すぎる事態を前に、彼女の思考は徐々に加速する。

 

 

(どうする?思い切ってアクア君に伝える……いや、これは駄目。今のアクア君がこれを知ったら、本気でカミキヒカルを直接害しに行きかねない。それだけは絶対に止めないと)

 

 

兄妹間の問題なので、アクアに話して相談する案を一瞬思い浮かべたが、あまりにもリスクが大きいと判断して即座に却下する。

 

今の彼は本格的に復讐に奔っているため見境がない。撮影前になって何故か急に落ち着きを取り戻してはいるが、それでも行動パターンを把握しきれない以上、下手な情報開示は悪手である。

 

 

(クリスちゃんにも直接聞いてみる?彼女なら多分、正直に答えてくれそうな感じはするけど……)

 

 

想像してみる。クリス本人に、カミキヒカルとの関係を問い質した時の様子を。

 

飄々とした態度であっけらかんと答える姿は想像に難くない。何なら本当に親子関係である事を既に知っていて、それでも尚交流を続けている可能性も捨て切れない。彼女の性格ならそれくらいやってのける。そう思えるだけの確信があった。

 

それでもあかねは、クリス本人に直接尋ねる事を止めた。より正確には、保留する事にした。

 

 

(後先考えずに行動しても意味がない。今は焦らずじっくりと、チャンスを窺う時期だから。それに、カミキヒカルにどうこうされる程クリスちゃんは弱くない)

 

 

なまじクリスの桁外れな実力を知っているからこそ、すぐに下せた判断である。彼女をどうにかできるというのであれば、逆に見せてほしいくらいだった。

 

 

(とりあえず、今後暫くは情報収集と監視に徹するべきだね。少なくとも映画撮影が終わるまでは)

 

 

今後どのように行動するか、慎重に吟味するあかねであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、都内某所にて。

 

 

「あれ?こんな所で会うなんて奇遇だね、ミキさん」

 

「これはこれは……久方ぶりですね、クリスさん」

 

「言ってもそんなに経ってないでしょ。一緒にハイキングに行って以来だし」

 

 

買い物に出掛けていたクリスは、現在カミキヒカルと顔を合わせていた。人通りの少ない路地裏の曲がり角で、偶然にも出会った。

 

 

「……で、ミキさんの後ろにいる人は誰?もしかして付き合ってる彼女?何か凄く面白い顔になってるけど」

 

 

挨拶も程々に、クリスはカミキの背後にいる女性の方に視線を傾けた。

 

初対面のはずにも関わらず、先程から何故か直立不動のまま目を見開き、心の底から驚愕した様子の彼女の方を。

 

 

「いえ、彼女は僕の友人ですよ。付き合いは結構長いですが」

 

「ふーん、そう……やぁやぁ初めまして、星野クリスだよ。よろしくね!」

 

 

カミキの友人と聞いて、早速自己紹介するクリス。

 

 

「…………初めまして、新野冬子(にいのふゆこ)よ。よろしく」

 

 

満面の笑みを浮かべて手を差し出すクリスに対し、嘗て旧B小町のメンバーだったニノこと新野は、これ以上ないくらい引き攣った顔でその手を握り返した。

 

 

 




アイ「ええぇぇぇぇ────ッッ!?ニノォォォォ────ッッ!?暫く見ない内に何か雰囲気変わりすぎてない!?それはそれとしてすっごい久しぶりだね!!私が死んだ後も元気にしてた?」

クリス「ママちょっと静かにして。話聞こえない」


原作であかねがカミキをストーキングしてるって明かされたから、当然片寄ゆらがカミキヒカルと交流がある事くらいはいずれ気付くよねって話。
ちなみに、クリスとカミキとの関係は奇跡的にバレていませんでした。今までは。

星野アイ復活(受肉)バレのシチュエーション、どれが良い?

  • 故人の星野アイさんでぇーす!
  • 渋谷事変のごたごたで普通にバレる
  • 死滅回遊で実は……とカミングアウト
  • 星野アイ特別ソロライブin呪術高専
  • 高専生の誰かがうっかり口を滑らす
  • 推しの子勢の揺さぶりに引っ掛かる
  • 旧B小町メンバーと偶然再会からの修羅場
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。