side―トウヤ―
時間が午後二時をまわっていた頃…僕達はロケット団と名乗る黒ずくめの男たちに囲まれていた。
「もう…逃げ場はないぜ! おい、お前ら! ポケモンを出せ!」
銀髪の男が他の仲間達にも指示を出していくと同時に他の下っ端達もモンスターボールから次々とポケモン達を出していった。
「敵のポケモンはゴルバット1匹、ズバット4匹、ドガース4匹、アーボ5匹って所かしら…。stand up、バタフリー!」
「フリィィィ!」
冷静に分析していくリーフ。怖気づく様子もなく、最近ゲットしたバタフリーを繰り出した。
そんな平然とした態度の彼女に頼もしいとも感じてしまう。
「さぁ、僕達も反撃開始と行こうじゃないか。realize、ピカチュウ!」
「ピッカァチュ!」
モンスターボールからピカチュウが飛び出してきて両頬に溜めた電気エネルギーをバチバチとさせていた。もう臨戦態勢はバッチリと言いたげな表情でもあった。
「二人がやる気なら私も! お願い、タッツー!」
「タッツゥ!」
先程まで動揺して少し弱腰になっていたメイもまた気合入魂のつもりか小さな両頬をパンっと叩いて決意した表情を浮かべながら、タッツーを出した。
「数の差が戦いの基本なんだよ、ゴルバット! エアカッター!」
銀髪の下っ端は数の差で圧倒しているのに誇張しているのかドヤ顔で指示を飛ばしてくる。
「ピジョン、もう一回守る!そして、ゴルバットに向けて風起こし!」
「ピジョ!」
幾つもの半月の形をした刃を半透明な球状のバリアで守ると今度は風起こしで反撃する。
「ゴルゥー!?」
その小さな旋風がゴルバットの急所に命中! そして、風起こしがなくなるとそこにはグルグルと目を回したゴルバットの姿があった。
「ちっ! 一匹倒したからって調子に乗るなよ、おいお前らやっちまぇ!」
「「「「ズバット、きゅうけつ」」」」
「「「「「アーボ、どくばり」」」」」
「「「「ドガース、スモッグ」」」」
他の下っ端達も次々に技をポケモン達に指示してきた。
「ピカチュウ、なみのりでドガース四体を一気に倒すんだ! ゲンスイさんとの厳しい修行に耐えてきた僕達ならそれができる!」
「ピッカ!」
大波を形成してドガースたちを襲うピカチュウ。
するとスモッグごと飲み込んでしまい、そのまま四体とも戦闘不能の状態になっていた。
「馬鹿なこんなことで…だが、他にも「もうみんなたおしちゃったよ」――なんだと!?」
焦る銀髪の下っ端。だが、他に仲間がいると話そうとするもその言葉はメイの強気な声に驚愕するのであった。
辺りを見回してみると、五匹のアーボと四匹のズバットも目をグルグルと回して情けなく倒れていた。
「これで貴方を助ける仲間はもう居なくなったわ。観念してお縄につくことね!」
リーフが銀髪の下っ端に勇敢に叫ぶ。そして、僕達は縄で下っ端達を縛っていった。
「ふっふふふふ…あははっははは―――!」
「もしかして、追い詰められて頭がおかしくなっちゃったとか?」
縛られながらも急に笑い出す下っ端にメイが純粋な感想を相手にぶつけた。
「負けたならしょうがない…。時間稼ぎも出来た頃だし、例のものももう頂いたことだろう。ここは大人しくお縄についてやるよ」
目的は達成したと発言し、諦めたのか床の上であぐらをかき、右手で頬杖をする。
「例の物?」
僕は分からず、頭の上でクエスチョンマークを出してしまうも…。
「はっ、もしかして貴方達の目的って化石復元装置を奪うことじゃないのかしら!?」
リーフが何か気づいたような表情をして人差し指を銀髪の下っ端に向けた。
「ふふふっ、そうだ。我々はサカキ様の直々の命によりここにある化石復元装置とすべての化石を頂くためにやってきた。こう話してるうちにも別の班がうまくやってる…「ドォォォーーン!!!」…何だ!?」
不敵な笑みを浮かべながらも説明していくが突如の爆発音に驚愕する銀髪の下っ端。
「爆発音のした部屋にいってみようリーフ! メイはこいつらを見張っといてくれ」
「えぇ!」
「うん、わかった!」
爆発音のした部屋へと直ぐに走り出す僕とリーフ。メイにその場を託し、化石復元装置があるだろうその場所へと走っていった。
side―ダイル―
これは物凄い衝撃音から数十分前の出来事。
私達、化石復元装置及び多くの化石奪取の為に時間稼ぎの目的のAチームと別れたBチームは目的の物がある部屋まで来ていた。
「本当に沢山の化石がおいてあるんだな」
「本当ですね、ダイルさん。これだけの化石があればカントー地方征服も夢じゃありませんよ!」
薄暗い部屋の中に配置された幾つもの棚の中に並べられてるように置かれた多くの化石達。
その数に感心してしまい、これでカントー征服の夢も近づくと考えてしまう。
そして、歩みを進めているとスイッチなどがついた大きなカプセルを見つける。
中には復元中なのか…三体の化石ポケモンが見えた。
「これをどうやって持ち帰るんですか、ダイルさん?」
「それなら考えてある。行け、フーディン!」
「なるほど~、サイコキネシスで持ち運ぶんですね!」
「そうだ…。むっ、化石復元装置が急に光りだしたぞ!!」
首を傾げる団員にフーディンを出して見せる。
その瞬間、突如化石復元装置が眩い光を発する。
―――ドォォォ――ン。と言う強烈な音とともに三匹の化石ポケモンが目を覚ました。
「ギャォォーー!」
「オム!」
「カァァブ!」
鳴き声を轟かせ、辺りを確認する化石ポケモン達。私達は唐突の出来事に唖然としてしまう。
そして、私達の存在に気づいた彼らの中の一匹が…。
「ギャォォーー!」
直ぐに破壊光線を放ってくる。
「―――ッ! みんなかわせ!」
急な出来事に私は声を上げるも、団員達の対処が遅れてしまい、破壊光線をまともに喰らってしまうのであった…。
side―トウヤ―
「リーフ、壁に穴が空いてる! 多分、あの奥の部屋で何かあったんだ!」
「そうね。早く入りましょう、トウヤ!」
壁に穴が空き、そこから煙がモクモクと飛び出ていた。
その部屋の中に突入していくと…。
「大勢の人が倒れてる!」
「トウヤ、よく見て! こいつら、ロケット団よ!」
部屋の中に侵入すると十数人の人が倒れているのを見つけて駆け寄るも、リーフが胸のRマークに気づいて忠告してくる。
「ギャォォォ―――!」
その雄叫びに気づき、部屋の奥を見ると大きな機械…化石復元装置だと思い見つめるとその前には三匹の岩タイプのポケモンが立っていた。
「コイツラの仕業か! しかも、あっちは戦う気満々かよ! realize、フシギダネ!」
「えぇ、やるしか無さそうね…。stand up、ゼニガメ!」
やる気十分の三匹にやらないとやられると感じ、僕とリーフは其々のポケモンを出していく。
「トウヤ、あれはオムナイトにカブト、プテラって言って、化石ポケモン達になるわね。多分、あの子達は…」
ポケモンの種族名とかを説明してくれるリーフ。
思い当たる節があるのか何か言いかけてくる。
「僕達が渡した化石が復元したんだって言いたいんだよね。分かってる…。だから、僕達で止めないと!」
「そうね…」
「ギャォォォ―――!」
「オム!」
「カァブ!」
両翼のポケモン―プテラが翼を勢いよく広げるとそれを合図に両側に居た二匹のポケモン達―オムナイトとカブトが攻撃を仕掛けてくる。
オムナイトは水鉄砲を…。カブトは水のオーラを身に纏い突撃してきた。
「トウヤ! カブトが使ってきてるのはアクアジェットっていう技よ。それにオムナイトとカブトは水と岩の複合タイプだから草タイプの技が四倍よ!」
「わかった! フシギダネ、はっぱカッター!」
リーフの助言に頷き、技を指示する。
「ゼニガメ、水鉄砲よ!」
リーフもまたゼニガメに技を指示するのであった。
「ダーネ!」
「ゼーニ!」
はっぱカッターと水鉄砲が相手の攻撃とぶつかり合うも、こちらの方が威力が上だったのか相手の技を貫通してそのままその二匹にクリティカルヒット。
「オムゥ…」
「カァブ…」
はっぱカッターが効果は抜群だったのか直ぐに戦闘不能になる。
「残るは…」
僕が言いかけるとプテラが飛翔してこちらへと向かって来るのであった…。僕達も臨戦態勢を取る。
第二ラウンドの開始である。
―to be continued―