side―リーフ―
時計の針が十七時を回っていた。空には夕日が出ていた。
今、私達はタケシさんと一緒に二ビ博物館の入り口前でジュンサーさんを見送っていた。
「では、これで二ビ博物館に侵入してきたロケット団員は全員確保ですね。タケシさん、トウヤ君、リーフさん、メイちゃんご協力ありがとうございました。では、私はこれで!」
ジュンサーさんが敬礼すると同時に四匹のカイリキー達が其々ロケット団員を担ぎ、去っていく。
「これで終わったな…。君達はこれからどうする?」
「あのタケシさん、ジムバトルを早速お願いしたいんですが宜しいですか?」
タケシさんが質問してくると同時にトウヤが直ぐにジムバトルを申し込む。
「あぁ…、それは構わないが…」
タケシさんが少し言い淀むと、トウヤの腰に付けられたモンスターボールに入ったポケモン達を見てくる。
「その前にポケモンセンターで一休みですよね。トウヤは何時もの事だから仕方ないけど、ジム戦は逃げないんだし…。ねっ、リーフ?」
「そうよ、トウヤ。私もジム戦したいの我慢するんだから貴方も耐えなさい」
上目遣いにジム戦を急かすトウヤを制止させるメイ。私もそれに乗ずる。
「ちぇ…わかったよ」
「ハハ…、でもジム戦は何時でも受けて立つぞ。早速明日なんてどうだ?」
「はい、それでお願いします!」
「じゃぁ、私も…」
何時でも来いと言うスタイルのタケシさんに即申し込む私とトウヤ。
「じゃぁ、また明日。ジムの場所は分かるよな?」
「「はい!」」
side―トウヤ―
ポケモンセンターで一休みを経て、今僕達はニビジムの中にやって来ていた。
「先にトウヤで良かったの、リーフ?」
「しょうがないでしょ。本当、期待で目を輝かせてたんだから。今まで我慢してたしね」
「そっか、そうだよね。じゃぁ、メイっぱい応援しなくちゃ…。いっけぇぇ、トウヤーーー!!」
応援席で応援してくるメイと静かに眺めるリーフ。僕はそんな二人に右手を上げながら、答えた。
目前には岩のフィールドが広がっており、幾つもの巨岩が配置されていた。
「今回のバトルは二対二の交代なし。両者共に宜しいですね?」
審判の人が聞いてくる。
「あぁ…」
「はい! それで構いません」
「それではバトル開始!」
審判の人の問いに答えると同時に試合が開始された。
「行け、イシツブテ!」
「realize、オムナイト!」
「ラッシャイ!」
「オゥム!」
タケシさんがイシツブテを出し、僕はオムナイトで勝負に挑む。
「言う事を聞けるな、オムナイト!」
「オゥム!」
昨日の対立した件もあったから、心配してたけど元気よく答えてくれる。
これなら、大丈夫か…と安堵する。
「トウヤ君、勝負中に気を抜かすのは関心せんな! イシツブテ、マグニチュード!」
「ラッシャイ!」
「オゥム!?」
マグニチュードをまともに喰らうオムナイト。
「オムナイト、まだ行けるか?」
「オゥム!」
「イシツブテ、もう一度マグニチュードだ!」
「ラッシャイ!」
「オムナイト、地面に向かって水鉄砲だ! そして、そのまま回転してイシツブテに攻撃だ!」
タケシさんがまたマグニチュードを指示してくるが、僕は水鉄砲で回避するように言う。
すると、オムナイトは地面に向かって水鉄砲を放ち、その勢いで宙に舞う。そして、そのまま水鉄砲を出したまま回転し、イシツブテにクリティカルヒットした。
「ラッシャイ…」
「イシツブテまだ行けるな」
「岩地面で四倍なのにまだ耐えるのか…」
「そうだ、俺のイシツブテはこんな技で倒せるほど甘くないぜ! だが、そろそろやばいか…。仕方ない、イシツブテ自爆だ!」
「―――オゥム!?」
「オムナイト!?」
イシツブテの自爆に巻き込まれてしまうオムナイト。爆風で何も見えない。
「オムナイト、無事か!?」
「オゥムゥ…」
爆風が収まるとそこには目を回したイシツブテとオムナイトが倒れていた。
「イシツブテ、オムナイト…共に戦闘不能!」
「戻れ、オムナイト…よくやった」
「ありがとう、イシツブテ…」
其々、健闘したポケモン達にお礼を述べていく。
「さぁ、これでラストだトウヤ君! 行け、イワーク」
「やっぱり、イワークか…。なら、僕は…! 行け、フシギダネ」
「イワー!」
「ダネフッシ!」
そして、互いに二体目のポケモン達を出していく。
「草タイプか…。確かにセオリー通りでいいが、俺のイワークはそんなにヤワじゃないぞ!」
「わかってます! こっちにだって策はあるんですよ、フシギダネまずはやどりぎのタネだ!」
「ダネフシャ!」
「イワー!?」
やどりぎのタネがツタや枝を伸ばしていき、イワークに絡みついていく。
「そう来るか、ならば岩石封じ!」
「イワー!」
「その手は既に一度見せて貰いましたよ! フシギダネ、つるのムチで思いっきりジャンプだ!」
「ダネフッシ!」
「何!?」
つるのムチで思いっきりジャンプしたフシギダネが密集した巨大な岩を飛び越える。
「今だ、新技エナジーボール!」
「ダネフッシ!」
「負けるな、こっちも龍の息吹で受け止めるんだ!」
「イワー!」
技と技が激突し合う…。だが、徐々にこっちが押されてしまう。
「負けるな、フシギダネ!」
「ダネェェェ! ―――ソウソウ!」
すると、フシギダネの体が光だし、フシギソウへと進化を果たす。
「今、進化するだと!?」
「行け、フシギダネ…嫌、フシギソウ!!!」
「ソーーーーウ!」
技の押し合いも徐々に劣勢から優勢になっていき、完全にイワークに直撃する。
そして…、
「イワ…」
ドォォォーンと言う強烈な衝撃音と共にイワークがフィールドに倒れていく。
「イワーク戦闘不能! 勝者、トウヤ!!」
「……勝った。―――勝ったんだ、やったなフシギソウ!!」
「ソウソウ!」
「おめでとう、トウヤ君…」
驚きの余り、最初は呆気なく言うも徐々に勝利の喜びが増してきて、嬉しさの余りにフシギソウを持ち上げてしまう。
そんな、僕を目にタケシさんは拍手を送るのであった。
「やったね、トウヤ!」
「良くやったわ、トウヤ!」
応援席に座っていたリーフとメイもまた拍手を送ってくれた。
こうして、僕は無事に一つ目のバッジを手に入れるのであった…。
ーto be continuedー