第二十六話『VSタケシ②』
sideーリーフー
時計の針はもうすでに深夜11時を過ぎていた。
ここはポケモンバトル研究室。
何十台ものパソコンがポケモンセンターの一角に備えられており、パソコンの中にはその地域のポケモンジムリーダーやジムトレーナーの詳細なデータが蓄積されていたのであった。
カタカタカタカタ……。
薄暗い光に包まれながらただ一人…帽子を被ったブラウン色のロングヘアーの少女がパソコンに向かって座っている。
「タケシさんの初手はイシツブテ…。そう厄介な敵ではないだろうけどマグニチュードと……後はあの自爆が対策とれればなんとかなるわ…」
キーボードから手を離し、うーんっと座りながら背を伸ばす。
「でも、問題はあのイワークね。どうやって、対処するべきかしら…あの相手の行動の幅を制限してしまう岩石封じ。あれが今回のジム戦においての私への最大の試練ね…」
なにか、いい案が無いか宙を見上げていると…、
「そうだわ! その手があった!」
椅子をドタッて勢いよく立ち上がるとついつい大声を上げてしまう。
「あっ、いけない私。一瞬、トウヤみたいになっちゃったわ 」
あっ…と我に返り、反動で口元を抑えてしまう。
誰もいないのに…。
「確証はないけど当たって砕けろよ…。待ってなさい、ニビジムリーダータケシ!」
小さな声で言ったそのセリフは小さく反響するのであった。
ーsideリーフー
朝9時。
私は今、トウヤとメイと一緒にニビジムの前まで来ていた。
「今日は勝ってね、リーフ」
「俺の後に続いてくれよ!」
二人から勝て!と活を入れられる。
「えぇ、任せなさい。二人共!ジムバッチをこの手に掴んでみせるんだから」
私もまた自信ありげに答えたのだ。
そこに…。
「気合十分ってところか…、それは楽しみだな!」
「「「タケシさん、お早う御座います!」」」
細めの青年…タケシがジムからでてきたのであった。
「タケシさん、早速ですがよろしくお願いします」
「じゃぁ、ジム戦といこうか」
意気込む私に頷いてくれる。
「じゃぁ、僕達は観戦席に移動だな。行くぞ、メイ!」
「あっ!? 待ってよトウヤァー」
そう言って一番乗りしたいのか走り出すトウヤとその後を追うメイ。
私も 岩のフィールドが広がっている場所へと移動する。
「今回のバトルも二対二の交代なし。両者共に宜しいですね?」
「あぁ、それでOKだ」
「私も異論ありません!」
「それではバトル開始!」
その声と同時に私とタケシさんはそれぞれのモンスターボールを投げた。
「行け、イシツブテ!」
「stand up、ゼニガメ!」
「ラッシャイ!」
「ゼェニィー!」
元気よく二体のポケモンが繰り出された。
「よし、ゼニガメ…。作戦通りにお願いね!」
「ゼェー二!」
「なにか作戦を立ててきたな、よし、イシツブテマグニチュードだ」
マグニチュード9!
トウヤの時とは比にならない程の地震がゼニガメを襲ってきた。
「ゼニガメ、トウヤのオムナイトがやったとおりに地面に向かって水鉄砲! そのまま回転して水鉄砲で反撃よ」
「ゼェニィ!」
「ラッシャイ!?」
「うむ、やはりその戦法で来たか。だが!」
タケシさんはそう言い放つとイシツブテがイトケのみを食べて水鉄砲の威力を半減にしてしまった。
「やっぱ、イトケのみを用意してきますよね。それも読めてました!なら、ゼニガメ!あまごい!!」
「何、まさか天候でイシツブテにダメージを与えるつもりなのか…!」
ゼニガメはあまごいをするとジムの中央上から小さな雨雲が発生し、それが次第に強くなっていく。
「ラッシャイ…」
岩地面のイシツブテは雨が嫌いなのか苦しそうな表情を浮かべていた。
「こうなったら仕方ない。イシツブテ、自爆だ!」
「そう来るのを待ってました!ゼニガメ、守るよ」
「ゼニィ!」
「ラッシャィィィィ!?」
イシツブテは防がれたのにも理解できずに戦闘不能となってしまう。
「まさか、守るを使ってくるなんて」
「イシツブテ戦闘不能! ゼニガメの勝利!」
守るを予測していなかったのか唖然とするタケシ。
「やった!作戦通りね、ゼニガメ!」
「ゼェニゼェ!」
あと残りはイワーク…あれをなんとかしないといけない。
「なら、これが最後の俺の切り札だ!いけ、イワーク!」
「イワァァァァ!」
その巨体を露わにするイワークに私とゼニガメは臆してしまう。
でも…。
「まけるなぁあぁあぁリィィーフゥゥ!」
「リーフの頭脳戦なら行けるいける!」
二人の応援が勇気をくれる!
「イワーク、岩石封じ」
「イワァァー!」
岩石封じでゼニガメの周りに巨大な岩を投げてくる。
この時を待っていた。
「ゼニガメ、こうそくスピンでその巨岩をどかしなさい」
「ゼェーニ!」
ゼニガメが甲羅にこもると同時にスピンをかけていく。それと同時にゼニガメの周りにあった岩が吹き飛んでしまった。
「馬鹿な…こんなことが!?」
「ステルスロックやまきびしを取り除く方法の応用です、ゼニガメ…イワークに止めの水鉄砲よ」
「ゼェニー」
「イワー!?」
ズシンという巨体音とともに倒れるイワーク。
「完璧に負けた。まさか、最初から仕組んでいたのかいリーフちゃん」
「はい、昨日タケシさんとトウヤの戦いの後からずっと作戦を練ってましたから」
こうして、私のジム戦も初勝利に終わったのであった。
ーto be continuedー