シャングリラ・フロンティア ホラゲー好きは神ゲーでも平常運転です。   作:愛憎愛華

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友は砕けどその身は割れず

今回のクリア条件は至ってシンプルだ。

エードワードが「鍛龍」というゴルドゥニーネの眷属や分け身を引きつける。私とサンラクは分け身の足止めを担当する。サンラク君が毒を回収し、人的(兎的?)被害を出さずに撃破or撤退させれば私たちの勝利となる。

 

「これを抜く以上、貴方方には是が非でも……それもなるべく迅速に分け身を倒してもらわなければならない」

 

私達をジッと見るエードワードと身体の一部がヒビ割れた(・・・・・)ヴォーパルバニー達。

今から私達は、彼ら彼女らの命運を握ることになる。故に、見定めようとしてるのだろうね。全く、どんなAIを積めばこんなにも人間くさい行動が出来るのやら。

 

「これが最後の確認です、貴女方に出来ますか?」

 

であれば、私達が言う言葉は1つだ。

ヴァイスアッシュから預かった不滅の致命兎ともはや見慣れた刀を手に取り、白衣を正して視線から目を逸らさず言う。

 

「任せろ、ウェザエモンもリュカオーンもクターニッドも……真正面から乗り越えて今の俺らがある。俺たちを信じろ、トラストミーってやつだ」

 

「どんなピンチも、全部ひっくり返してきたからね。どれだけ暗い闇が来ようと、断ち切ってみせるよ」

 

ペンちゃんを倣ってウィンク。言葉よりも、これまでの経験の方が伝わることも多いからね。

 

「よろしい、では貴女方に我々の命を預けましょう」

 

 


 

ヴォーパルバニー達のパーティはかなり王道より。前にタンク10とかいう異端パーティ(SF-Zoo)を見たばっかりだから安心して見れる。

……旅狼(ヴォルフガング)も人のこと言えるパーティじゃないね?

 

「大将が前に出て大丈夫なのかよ?」

 

「誰よりも前に立つ事こそがヴォーパル魂、そう父に教わりましたから」

 

「その観点だと、私とサンラク君はヴォーパル魂の塊だね」

 

にしても、今まで以上にゴルドゥニーネの分け身の情報がないんよね。クターニッドだって能力くらいは途中で知れたのに、今回ノーヒントと来た。

サイズはヴォーパルバニーがさほど大きくないって言うほどらしいけど…感覚すぎてわからんよねぇ。そもそもサイズが変わる可能性もあるし。

んで、1番の懸念点は…あれよねぇ。

 

「X、なんか灯りとか出せないか?」

 

「炎なら出せるよ、酸欠の概念があったら死ぬから使わないけど」

 

「無理かぁ…」

 

そう、暗いのだ!ランプは味方も惹きつけるから使えないし、火も前述の通り酸欠が実装されてたら最悪共倒れとなる。

不意打ちされたら見えない可能性があるのは怖いところ。最悪私が受けて魔法陣で戻るのを検討しないとかなぁ。

 

「こほん……少々失礼を」

 

「「ん?」」

 

エードワードが眼鏡を外して…あ、これヤクザとかが本気を出す時の、

 

「べらんめぇぇっ!!」

 

「べっ……」

 

「らんめぇ?」

 

まさかの江戸っ子と来たかぁ。他の子を知らないからなんとも言えないけど…サンラク君の反応的に多分他の子も相当だね?

 

「おうおうおうおうテメェらぁっ! シケたツラァ晒してねぇでしゃんとしやがれぃ! あんのクソ蛇にカチコミかけんぞぉ!」

 

人…兎ってあそこまでキャラ変わりできるのかってビックリするほどの咆哮。それを受けてビビらずに立っているヴォーパルバニー達もまた、歴戦の猛者のように感じる。

 

「今回は食い止めるなんてぇなまっちょれぇこたぁ言わねえ! テメェらの鬱憤、熨斗(のし)つけてぶち込んで押し込むぞぉ!」

 

剣や斧、手鎌に槌。殺意に溢れた武器のオンパレードが次々と掲げられていく。

 

魔砲撃(・・・)隊! 並べぇ!」

 

お、魔砲撃とな。なら私も参加しようかな。

 

「いくぞテメェらぁ! 覚悟きめやがれい!」

 

エードワードが「鍛龍」を抜いたと同時に私も詠唱を開始する。

 

「正義よりも悪き者よ、愛よりも紅き者よ!・・・」

 

…待って?音が蛇が来る音じゃないんだけど?…いいや。今は詠唱に集中しなくちゃ。

 

「運命の飲み込まれしその名の下に。我、ここで光に替う!我が眼前に立ちはだかる憎悪すべき存在達に」

 

「来るぞォ!」

 

サンラク君がなんか電気を纏い始めると同時、その音の正体が現れる。

 

「我とそなたの力をもって、偉大な愛の力をみせしめん事を!」

 

あ〜、土砂崩れ(・・・・)ってあるよね。完全にあれ。土砂を蛇にした感じ。

 

「ぶちかませぇえっ!!」

 

ここで愛魔ちゃんステッキで魔法陣を固定化し、クターニッドを装備してサンラク君を目標値として反転する。

 

「アルカナ・スレイブッ!!!!」

 

「がんばってくださぁぁぁぁああああああああ!!!!」

 

茜ちゃん!流石のリュカオーンの闇に匹敵する火力だ。

さて私も移ぅ

 

「…ぇ痛?!」

 

何だこの加速度?!こんなの夢流ちゃん使っても出せないんだけど?!

 

「ぐぬぬぬ、今は使いこないせないよこれは。反転解除!」

 

サンラク君の位置はわかってる。止まった瞬間に私もそっちへ行く、今はこれしかない。

 

「ただまあ、それまで待ってるだけってのは私の矜持に反するからさ」

 

今はまだ外が近い。つまり、今だけなら使える!

 

「初戦闘と行こうか!『開花:EGO ソルオーブ』!」

 

借りるよ、シャオさん!

 

《たとえ1人でも夜はやってくる。そして、明けない夜はない。呪いを撒く蛇如きが、天へと昇る龍に勝てようか》

 

武器はシャオさんの獲物である偃月刀。そしてヴァイスアッシュから預かった不滅の致命兎。長さが同じくらいだからか、二刀流にも思える。

 

《覚悟しろ。今日、呪いの運命は絶たれることになる》

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