シャングリラ・フロンティア ホラゲー好きは神ゲーでも平常運転です。 作:愛憎愛華
その後ペンちゃんの生存確認後寝て次の日。
サンラク君からメールだぁ
えっと〜至急格納鍵インベントリアを確認せよ・・・あぁあれねぇ。私はもう見たけど・・・凄かったね。私のも含めてハイパー無敵って感じ。
あ、ペンちゃんとカッツォ君からも来たね。蛇の林檎で集合了解〜
さて、みんなで何故か満場一致で注文したバースデーケーキを食べながら話しています。
「えー……三人も見たとは思うけど……どうしようか」
「どうしよう、って言われても……ねぇ」
「それに関してなんだけど、私ここに来る前に格納空間に行っていろいろ調べて見たんだよね」
バースデーケーキを四等分にしながらペンちゃんの検証結果を聞く。
「結論から言うと、今の私達にとってはあれは観賞用以上の価値はないね」
「その心は? ほい、これペンシルゴンの分ね」
「えー私そっちの果物が多い方がいいー。簡単に言うと、動力源がない」
「動力源? オイカッツォ、フォークくれフォーク……投げるな!」
「しれっとキャッチしてるくせに……つまりただの置物?」
「ほら私のいちごあげるよ……何か足りないんじゃない?」
「うん、特に戦術機系のゴーレムやパワードスーツなんかは「規格外エーテルリアクター」ってアイテムが必要みたいなんだけど、入手方法がサッパリ分から……」
「俺それ持ってるんだけど」
「私も愛魔ちゃんの分だけど」
「ぼっふ!」
「うっわ汚ねぇ! 俺の顔に向けて吐くなよ!」
「ゲッホゴホ! ゲームなんだから実際に飛び散ってないでしょ! ってか持ってるぅ!?」
実際にとんでなくても汚いよ!
「ほら、俺ってあの戦いでほとんど騏驎と戦っていたからなのか、報酬で「規格外エーテルリアクター(破損)」ってのを貰ったんだよね」
「私は愛魔ちゃんがずっとヘイトとったりアルカナ・スレイブで壊したのが影響したのかいつのまにか持ってたね」
「でかした馬に縛り付けられてた人」
「見直したよ緊縛しながらロデオしてた人」
「場合により俺はモデルでも顔を重点的に殴るよ?というかXの方もだろ!」
「私はおまけみたいなものだから」
「あ〜そうだな・・・先に言っておく、口の中のものを飲み込め」
「オッケー」
「確証はできないが、破損した神代のアイテムを修理できるアテがあるかもしれない」
「んぐ、ゔぇ………ふぅ、私達に追い風吹き過ぎじゃない……?」
ペンちゃんゲロりそうになったね今。まあでも気持ちはわかるよ。
「と言うわけで俺にそのアイテムを預けて欲しいわけだが」
「あ、私は自分で出来るかもだからパスで」
「じゃあ俺か。なら……条件が一つある」
「条件?」
オイカッツォ君がイチゴを食べながら答える。
「お前が隠してるユニークの発生条件を教えてくれ、そしたら俺はアイテムを預ける」
「カッツォ君それは……」
「はぁー? どうせ俺はユニーク自発できないですしぃー? 他人のユニークに乗っかるしかないわけでぇー?」
「この人面倒臭いこじれ方してるよ!?」
「オイカッツォ君壊れちゃった」
「仮にもプロゲーマーとは思えない駄々のコネっぷりだ……まぁいいけど」
「えっ」
そんなにあっさり答えちゃうんだ。もっと隠しておくと思ってたのに。
「とは言ってもこれ、って確証があるわけじゃないが……俺の場合はランダムエンカしたユニークモンスター「夜襲のリュカオーン」相手にレベル20以下で五分間ノーダメかつ二百回ほど「
「はい解散!」
「持ってけバカヤロー!」
「あいたぁ! んぎゃあ!」
「うーん、レベルがどれくらいかがわからないから難しいなぁ」
「冷静に考察しないでもらえます?というかなんで俺がキレられるんだよ!」
「どうやったら空を飛べますかと聞いたら大胸筋を鍛えようって答えられた気分だよ! くたばれ曲芸お馬鹿!」
「理不尽すぎる!」
「・・・・・・」
私出来そうだけど黙っておこうっと。
「あ、そうだサンラク君」
「なんだよ?」
「預かってた例のもの、返してくれる?」
「あぁ、まだ渡してなかったか。・・・ほいよ」
あぁ、あの時使ってた天秤ね。結局何の得も得られなかったけど。
「なんだっけ? これ借り物なんだっけ?」
「そうそう、多分シャングリラ・フロンティア全アイテムの中でも最高クラスのアイテムだと思うよ。何せ金さえ積めばユニークモンスター以上の力だって手に入るからねぇ」
つまり実質この世界最強にもなれるわけね。そりゃあ簡単には渡さないよね。
「えーと……『天秤は均衡を保つ、経験を価値に、捧げし対価の返却を』…………あれっ、違うか。じゃあ……『天秤は均衡を保つ、過去を価値に、捧げし対価の返還を』……こっちか、うっかりうっかり」
何か操作をしてるとペンちゃんから何か吸い込まれていって花飾りと一冊の本が出てきた。
「極論インベントリアは取られても構わないくらいの心構えだったんだけど、呪いの装備じみた装備欄潰し効果なだけあって、PKKのペナルティでも没収されなかったんだよねぇ……とはいえ、これだけは絶対に取られたくなかったからさ、ロンダリングしちゃった」
「ロンダリングって?」
「んー? まぁ要するにPKのペナルティから自分の所有物を守る小技的なものだよ」
簡単にいうとPKしたひとをキルするPKKをした時相手のアイテムがドロップする。それを回収しない場合PKが持っているアイテム全てが自動的に売られる仕組みがある。
「プレイヤーキラーのペナルティはだいたい二つ、殆どのNPCからの好感度が最低値になるのと、罪状……要するにどんだけPKしたかによって増えていく罰金があるわけ。罰金はPKプレイヤーのカルマポイントに比例する懸賞金と同じなんだけどこれは今は関係ない」
「ん?じゃあその装備とかどうやって買ったのさ」
「セカンディルでNPC脅してモンスターのアイテムと物々交換」
「文明が滅んだ後の世紀末に生きてんなお前」
ペンちゃんだけ別ゲーしてるの?また王国作りそうで怖いよ。
「でもまぁこれがなかなか複雑でね、他者にアイテムを譲渡するだけじゃあ普通に売り払われるんだよね」
「じゃあその天秤は? なんで消えてないのさ」
「そもそもこれは私のじゃないから。所有権は「黄金の天秤商会」ってNPC組織にあるからね、仮にあの時私が持っててもオブジェクト化自体はしてもサイガ-0ちゃんのものにはならなかったんじゃないかな」
なるほどあくまでも自分の所有物ではないから取られないわけだ。
「この「遠き祈りの花飾り」は今さっきまで対価の天秤の効果で捧げられた状態……つまり私の手からは離れた状態だった。遠き祈りの花飾りを捧げた対価として適当に幸運の追加パラメータを貰っていた私は、花飾りの所有権をこの天秤に譲っていたわけ。さらに言えば天秤に捧げられたアイテムは一週間の間は対価を支払えば返却が可能とはいえ、物質としてこの世界に存在していなかった。だからアイテム差し押さえの影響を受けなかったワケ」
「……成る程ね、それを今の操作で返して貰ったわけだ」
「これと「真理の書「墓守編」」を取り返すために過去レベルを40も消費しちゃったけどね……全く、飛んだ暴利を吹っかけられたよ」
「あ、真理の書の方はぶっちゃけネタバレ攻略書だからほぼ役に立たないぞ」
「マジかよちくしょう!」
あはは、ドンマイだねペンちゃん。
「ついでに言えば、そもそも私は全財産をウェザエモン戦のために天秤こいつにぶち込んだからなくなるアイテムも殆ど無し。さらに言えばこれを借りるために担保として「黄金の天秤商会」に預けたメイン武器は天秤を返すまで所有権は完全に商会にあるわけでぇ……要するにペナルティの差し押さえって完全に市場に流しちゃうか、この世から物質的に消してしまうかすればすり抜け可能なんだよねぇ」
「うわずっりぃ」
足洗うって言っておきながら真っ黒なんだよね。
「ちなみに罰金はどれくらいあるの?」
「ざっと五億マーニかな」
「お金は貸さないぞ」
「借りない借りない、頑張れば返せない額でもないし。ウチの愚弟なんか多分兆とか行ってるよ、あいつレベルの低いプレイヤーしかいないクランとかも調子乗ってリスポンキルしまくってたし」
何でだろう、ペンちゃんなら国家予算くらいサクッと稼ぎそう。
「今回のウェザエモンとの戦いで分かったんだよね私……ユニークモンスターは金になる」
「……簡単に言ってくれるじゃねーか」
まあ確かに、レベルやアイテムだけでも相当な稼ぎにはなりそうだよね。
「それを踏まえて私から提案があるわけ」
「インベントリア内の奴の売却に関しては要相談な」
「いやいや、こいつに交渉させるとか敗北確定じゃん」
「そもそも売る前提なのね」
「いっぱいお話ししようねぇ……? じゃなくて、私からの提案ってのはさ、この四人でクランを結成しない?」
「別にいいよ、俺は特にどこかに所属するわけじゃないし」
「俺も同じく」
「右に同じく」
「ハイ決まりっ! 話が早くて本当助かるよ」
さて、と私たち四人は一旦休止符を入れて……
「クラン名を決めたいと思います。私からは「ペンシルゴンと便利なパシリ達」で」
「それでいいよ」
「クラン「ペンシルゴンちゃんと便利なパシリ達」結成だな」
「焼きそばパン買ってこないと」
「冗談として流して欲しいなぁ!!」
「そうだな〜・・・クソゲー連合とか」
「お前一人でやってろ。 俺達全員ロクでもないわけだし「
「自称PKから足洗った奴がアウトレイジなんてクランにいたら私なら絶対信用しないね」
「まぁ背中は預けたくないな」
「じゃあ
「それXちゃんのユニークでしょ?」
「俺らが関与できるのが少ない気がする」
「あ〜そっか」
その後も案は出てるけどなかなかいいのが思いつかない。
「そうだな・・・
「黒狼と被ってない?」
「ユニークモンスターを倒したこっちが先を行ってる上位互換だろ、レベルを高くするだけなら小学生でもできる。それにこっちはドイツ語だ、かっこよさが段違いよ段違い」
「成る程……いいねそれ」
「私もいいと思うな」
「俺も、これ以上は思いつかないし」
「奇しくもクラン誕生のバースデーケーキになったわけだ」
「結果オーライではあるけどなんで俺たちバースデーケーキなんて頼んだの……?」
「気の迷い以上の意味はないだろうねぇ……おっ、来た来た」
注文で来た果実酒を手に取りペンちゃんが音頭を取る。
「それじゃあクラン「
「「「乾杯」」」
木のジョッキに注がれた果実酒を一息に呷り、ここで感想を一つ。
「大雑把に甘い」
「この前もそれ言ってなかった?」
「果汁をガンガンぶち込んだ麦汁ばくじゅう?」
「麦汁って何?」
「ビールからアルコール抜いたもの」
「ところでクランを結成するにあたり、重要なことが一つ……誰がクランのリーダーになる?」
「………最初はグー、」
「じゃん」
「けん!」
私、パー
ペンちゃん、グー
オイカッツォ君、パー
サンラク君、パー
「三回勝負!」
「却下」
「畜生!」
「まぁ頑張りたまえよペンシルゴン」
「名前的に狼の呪いを受けてるサンラク君がやってよ……てかそもそも反応速度で勝てるわけないじゃん……」
実質三体一してたわけだから勝つのは不可能だったよね。
「奇しくも「ペンシルゴンちゃんと便利なパシリ達」そのまんまな形になったな」
「押忍!ペンシルゴンの姉御ォ!」
「鉛筆の姉御ァ! 焼きそばパン買ってきましょうかぁ!?」
「ペンの姉さん!相手ぶっ潰しに行きますか!」
「ちょっ、カッコつけた愚弟みたいなこと言わないでよ恥ずかしい!」
生き恥判定のオルスロ君えぇ。
「そういえばみんな、これ見て欲しいんだけど」
「なんだ?」
「じゃっじゃじゃーん」
「え、なにその武器凄い見覚えがあるんだけど」
「まさかのウェザエモンの刀がEGOとしてドロップしました〜」
「「「はあ⁉︎」」」
「これ凄いよ〜ウェザエモンが使ってた技全て使えて全て当てたら最後の晴天大征を使えるようになるんだって〜」
「マジで言ってるのかよ」
「晴天大征発動中はクールタイルが二十秒間全て無くなって最後の一撃は防御貫通の一撃になるんだって。流石に即死までは引き継がなかったけどね」
「十分すぎるだろ。実質ウェザエモンのコピーなわけだから」
「それと何故か麒麟がアブノーマリティとして収容されてるんだよね」
「まだあるの⁉︎」
「こっちも凄いよ。自力での脱走はできないけど私にくっつける形で合体できるんだよ〜」
「あぁ〜ウェザエモンと麒麟が合わさった感じね」
「多分そんな感じ。でここからが凄いところで、脱走できないアブノーマリティ含めて全てのアブノーマリティの力を取り込んで使うことができるんだって!」
「え〜とつまり?」
「合体してる状態なら三つまでアブノーマリティの力を多く使えるようになるね!」
『ついでに言いますと、今回で合計四体もアブノーマリティを収容したため一度に使用できるアブノーマリティの数が二体増えていますので合体時使用できるアブノーマリティの数は七体です』
「ははははは!ほんとXちゃんは色々やってくれるね!」
「いやこえーよ!どんだけ強くなったら気が済むんだよ」
「ウェザエモン相手にほぼタイマンで勝ったサンラク君には言われたくないです〜」
「え、俺もそっち側なん⁉︎」
「いやいや、俺の方が相応しいだろ」
「オイカッツォ君は自力でユニーク見つけてから言ってね」
「グハ!がっハ!」
「一撃KOじゃねーか」
「それでそれら使ってくの?」
「いや〜性能に甘えそうだからボス戦とかに取っておくことにするよ」
「そうなの?」
「言ってなかったけど麒麟の方多分規格外エーテルリアクター必要なんだよね。エネルギーが不足していますって書かれてたし」
「むしろノーリスクでその性能出せたら狂ってるよ」
「だからしばらくは封印かな。こっちのユニークで直せるかもしれないし」
「なあ、オイカッツォが息してないんだけど」
「ユニークの匂いがしたら起きるんじゃない?」
その後しばらく天晴を近づけていたら起きたそうです。
作者の後書きコーナー‼︎
何で麒麟がアブノーマリティ化してるんですかね?
何でウェザエモンの武器がEGO化してるんですかね?
最初は別にそんなこと思ってなかったのにTRPGでクリティカル連続で出したくらいアイデアロールが成功しまくりこうなりました。しかもこれから出てくるユニークモンスター全員分のEGO名と能力考えないといけないそうです。わぁ大変だぁ。
次の魔法少女誰にする?
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絶望ちゃん
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貪欲ちゃん
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憤怒ちゃん