ダブルチェック前に誤投稿したので上げ直しです
「…は?」
夜蛾先生に伝えられた天内の凶行。
耳から入ってきたその情報を脳が理解するのを拒絶する。
天内が集落の人間と一般人を殺したという情報。
背筋に嫌な汗が伝う。自身の知っている情報にあるのだ。
あの日見た未来、最悪なもの
「何度も言わせるな。天内が集落の人間と一般人を殺してから行方をくらませた」
「聞いてますよ…だから「は」つったんだよ」
こんなの八つ当たりだと言うのはわかってる。
でも信じたくないのだあんな未来が訪れるなんて、だから聞き間違いであってほしかった。
俺が引き継いだ傑の理想、非呪術師を守る世界。それと違えたからあの俺は天内を殺したと容易に想像できる。
「悟…俺も…何が何だかわからんのだ」
掌で顔を覆い弱音を吐くようにそう心情を吐露する。
隠しきれない口元は唇を噛み締めて何かに堪えている。
そんな先生を見て現実逃避の退路が断たれる。
わかってはいた。天内は必要があればヒトくらい平気で殺す。
傑を失った後やっと出会えた人だからあんな未来は起こさせない。
行くあてなんてない天内がどこにいるかもわからない。
それでも彼女を探すために走り始めた。
同学年の後輩。最初はツンツンしていたのにあっという間に仲良くなった少女。天内理子
いなくなってからの一週間、なんだかんだ彼女のことを考えていた。
そんな彼女が新宿にいた。二人の子供と手を繋いで。
「やっぱりここにいたんですね。硝子さん」
お久しぶりですと何事もなかったかのように彼女は近づいてくる。
手を繋いだ二人の子供は天内の後ろに隠れながらこちらを見ている。
「犯罪者じゃん…今度は子供でも誘拐してきたの?」
「えー、私そんなことしそうに思います?この子達はあの村の唯一の生き残りですよ」
彼女は何事もないことのように自分が殺した人の話をしている。
金色の髪の子供が口を開く。
「理子お姉様この人は?」
「このヒトは私の友達であり先輩である硝子さん。ほら二人とも自己紹介して」
「天内美々子…です」
「天内菜々子」
「えー自分の苗字名乗らせるの?ひくわー」
「……一旦どこかのお店に入りませんか?そこでいろいろ話します…」
ちょっと傷ついてそうで悪いことしたかなと思う。と同時にこういうかわいらしいところは変わっていなかったことに安堵する。
店の中に入って席に着く。子供達は楽しそうにメニュー表を見ている。
不満があるとすれば喫煙ができないことと席が三体一になってるくらいだ。
注文した商品が届く前にバレないように悟に通話を入れてそのままポケットの中にしまう
「一応聞くけど、冤罪だったりする?」
「ないですよ。残念ながら」
「重ねて一応、なんで」
「私の術式で過去改変して黒井と傑が幸せに生きている過去を作り出すため。そのために大量の呪力が必要なんですよ」
「は?」
思わず口からこぼれ出る。
天内の術式が時間を操れることは知っている。
だが世界全体の時間を巻き戻すなんてそんなことが術式に可能なのだろうか
悟の術式さえ世界規模に影響を及ぼすことなんてできない。
「…そのために人を殺したの?」
「そのために殺しました。そして今回の何千倍、何万倍のヒトを殺すと思います」
天内はそう語った彼女の目は真剣そのもの。冗談なんて言ってるようには思えない本心からの言葉。
「願ってしまった。欲してしまった。手の届かないただの願望だった。でもそんな願いを叶えられる力を私は手に入れた。だからただ前へと進むんです」
だから目的のために進み続けます。そう天内は語った。
「硝子さんは私と共に来ますか?」
「拒否権は?」
「ありますよ。私は関わりの深い高専のヒト達に手を出すつもりはないので」
「答えはNO。天内とは一緒にいけない」
「それは残念です」
思ったよりもあっさり引き下がってくれた。
「悟は誘うの?」
「誘いません。私がやったことを悟は看過できないと思います」
問答を続けているとふと最初に感じた疑問が浮かび上がってくる
「そういえば私に会いにきたって言ってたけど。なんかあるの?」
「あーすっかり忘れてました。もしも私に何かあったらこの子達をお願いします。それを伝えにきたんです」
「今の天内をどうにかできる方が少ないでしょう」
「今通話を聞いてる悟が新宿に向かっているはずなので、万が一があるかもしれません」
!!なぜバレた?天内が二人とメニューを見ていて視界がない時に二、三秒で通話は繋いだ。
だとすると…
「未来視で知ってたの?」
「はい。悟に会うまでの全てが予定通りです」
どこまで見えているのだろうか。
未来を見るのを嫌がっていたはずなのに知らないうちに変わってしまった。
「悟。新宿駅前の広場にいるから今から来てね」
そう声を上げると天内は席を立つ。
「お姉様どっかいくの?」
「うん。友達に会ってくるから硝子さんと少し待っててね」
「わかった。いってらっしゃい」
「いってらっしゃい」
二人の頭を撫でた後、彼女がこちらに振り向く。
「二人をお願いします」
「見ててやるから帰ってこいよ」
彼女は言葉を返さず店の外に歩みを進めて行った。
天内がいなくなった後、重い口を開き言葉を発する。
「二人はさ、天内のことどう思ってるの」
「お姉様について?」
その言葉に頷きを返す。
「お姉様は大好きです。あんな劣悪な環境に身を置いてた私たちを救ってくれたんです。初めての温かみだったんです。両親が早く死んじゃって美々子だけしか信頼できる人がいなかったから私たちを抱きしめてくれる人なんか誰一人存在しなくて」
黒髪の少女美々子が口を開く。
「お姉様は…私たちの神様。お姉様の頼みならどんなことでもやれる」
「うん。私たちは命だって賭けれるよ」
背筋に寒気が走る。
小学生にもなっていない少女達の瞳に孕んでいる狂気。
彼女達は天内のためなら命をかけられると言ったのだ。
二人に追加で注文していいからと言い残し店外の喫煙所まで歩みを進める。
タバコを吸ってなきゃやってられない。
どいつもこいつも私にいろいろ託してくだけ託しやがって。
五条も五条だ。夏油が死んだ後、世界で一人みたいな面して
「私がいたろ馬鹿野郎」
二人に置いていかれてることは理解してる。彼らの世界に私がいないことも。
それでも私はあいつらを思い続けている。
「説明しろ…天内」
指定された場所に向かえば展開された帳の中、そこに彼女はいた。
「通話で聞いてたでしょ?それ以上でも以下でもないよ」
「たった一人の願いのために多くの人間を殺すなんてあっていいわけないだろ!この力は弱え奴らを守るためにある」
そう傑が言っていた。その理想を俺が受けついたのだ。いくら天内だろうと特別視は出来ない。
「悟のいうことは正しい。でも私は夢を持っちゃったからみんなで幸せに過ごすって夢を」
「俺だってそうなればいいって何度も思った。でもそのために多くのヒトを犠牲にするのは間違っている」
「間違ってるのはわかってる。だから悟に任せる」
「は?」
天内の思考が読めない。今何かとてつもないミスをしている感覚。
「私を止めるには殺すしかない。だから悟の選択に任せる」
天内がこちらに無防備な姿を晒している。
六眼にも呪力の動きがない術式を使う様子がない。
完全に無抵抗で俺のやることに身を任せるつもりだ。
だから俺は選択する
俺は天内を………
補足説明
最後理子ちゃんがあんなこと言ったのは単純にメンタルが逝ってるからです。
どんなに犠牲を払っっても夢を叶えたい気持ちと夏油の理想を踏み躙ろうとしている自分を止めてほしい。
そんな矛盾に苛まれてます。
だから最後に夏油の理想を継いだ悟に運命を委ねました。
プロットを作った時が最新話でわかった五条悟じゃなくて五条先生をベースに作ってたので少しおかしい点があるかもしれませんが多めに見てください
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