特級呪詛師天内理子   作:宝生永夢ゥ

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お待たせしました
死んでから五条悟の掘り下げが思ったより来たことで完結まで温めてたら気づいたら長い月日が経ってました。


特級呪詛師天内理子

俺の取る選択は決まっている。

天内を救う。殺すなんて冗談じゃない。

あの未来を見た瞬間から準備してきた。

たとえ何があろうと救える力を。

失敗しない…傑と約束したのだから

 

「いくぞ天内。お前のいる場所はそっち(呪詛師)じゃない」

 

彼女の手を引き前に進もうとする。

しかし掴んだその手は天内自身に振り払われる。

 

「ありがとう、悟。でもそうじゃないんだよ」

 

彼女はそう言って笑う。本心から嬉しそうに本心から悲しそうに

 

「殺して止めるか、殺さずに見逃すかその二択でしかないんだよ」

 

「じゃあ三択目の選択肢だ。力づくで連れて帰る」

 

「今の悟じゃあそれは無理だよ。殺す気がないなら私には勝てない」

 

彼女は確信を持って言葉にする。

まるでそうなる未来が決まっているかのように

 

「いいや負けるのはお前の方だ…天内」

 

 

 

 

 

 

 

 

戦闘の開始は体術戦、お互いに手の内を晒しておらず完全に実力を把握できていない両者は互いに様子見から入っていく。

 

五条悟を超え現代最速に成り上がった天内の一撃。

音速を軽く超えマッハで放たれたその一撃は黒い火花を散らし放たれる。パンと音が遅れてやってきてソニックブームが周囲の建物を吹き飛ばす

 

その拳は五条に迫り当たる寸前でビタッと拳が停止する。

それは無下限呪術、五条悟を最強たらしめる最強の守り。

 

「厄介だね…それ!」

 

反撃に放たれた一撃を天内がスレスレで回避すると背後の触手が一瞬揺らめく。

それを打ち落とそうと構えをとる。

刹那、触手が放たれた。それは五条に直撃する。

五条は感覚的に理解する。伏黒甚爾が使用していた特級呪具『天逆鉾』のような術式の強制解除をされたわけではない。

今の一瞬で無限の距離を踏破されたことに。

その理屈は単純明快。術式により五条悟のいる場所への攻撃が届くまでの時間を0秒にする。

 

「っ!!」

 

「無限バリアにかまけてるからだよ」

 

放たれた触手が皮膚に付着し、五条の身体を蝕む。

オートで展開された無限バリアを解除し脳へと回していた反転術式を肉体へと対象を変える。

数瞬のうちに10、20と叩き込まれる打撃に対応ができない。

放たれた瞬間に攻撃が当たるなら回避のしようがない。

 

攻撃を受けあえて弾かれることで一瞬の隙を作る。結果までの時間を0秒にしているのならば射程の外に出れば当たることは無い。

距離を離し近づかれるよりも早く構えを取る。

それは御三家秘伝の落花の情。

それは御三家に伝わる秘伝の領域対策。触れたものを自動で呪力で弾く呪力プログラム。

敵の攻撃が触れた瞬間に呪力を解放し迎撃して身を守るカウンター。

あの必中攻撃が黒閃を放っていたとしたら落花の情のカウンターは無意味だった。でも

 

「この程度なら、これで弾ける」

 

豪雨の如く降り注ぐ無数の触手を全て呪力量に任せて無理やり弾いていく。

頭上から振り下ろされる黒い稲妻を纏った脚撃。

それを迎撃するために放たれた蒼い引力を纏った拳撃。

激突。爆音と衝撃がぶつかり合うその一点から放たれ新宿を駆け抜ける

 

「……ッ!!」

 

「はっ……!!」

 

お互いにその衝撃により吹き飛ばされ距離が離れる。

一息つくまもなく飛んでくる異形の猟犬達。天内の呪力によりブーストされたその威力は容易くガードを貫くだろう。

ニュートラルの無下限を展開することでその全てが無限の距離に阻まれ届くことは無い。

 

距離を一瞬で背後に周り混んだ天内の無限を抜けてくる攻撃を数発許容し、次に繋げて放たれる連撃。その全てを『蒼』による瞬間移動で空中に移動し回避する。

五条悟はギアを1段上げていく。

 

「術式順転『蒼』」

 

引力を伴い同時に放たれた10の蒼い球体が空間をエグり回り込むように放たれる。

その引力に全てのものが引き寄せられていく

 

「術式反転『赫』」

 

多量の呪力により一気に放たれたのは『赫』。

一撃は天内ではなくその背後にある出力が維持し続けている『蒼』に向かって飛んでいく。

それを止めるため天内は時間加速と『蒼』の引力を利用した高速移動。

『赫』との衝突を拒むため間に入り込み触手により『赫』と『蒼』の双方を破壊することにより『茈』の発動を回避する。

 

「術式停転『黈』」

 

その一瞬の隙を逃さず放たれた『黈』により一瞬の停止が発生する。

 

「術式順転『蒼』」

 

破壊された『蒼』の呪力をそのまま利用し術式をかけ直す。出力を取り戻した蒼い衛星は周囲へと引力を発生させる。

そして展開された『黈』と触れ合った『蒼』は混ざり合い

 

「実式『翠』」

 

使用したのは五条悟の新たな一手。

虚式『茈』に並ぶ必殺の一撃。

周囲の建物を吸い上げ圧縮し消滅していく。

その現象はブラックホールと呼ばれるものと酷使している。だがこの術式の本質は実数空間にある物質を虚数空間に引き摺り込むことにある。

どれだけの存在であろうと虚数空間に放逐されれば戻るスベなどない。

だが相手は呪術界に現れた異形。吸い込まれていく引力を力づくで突破しようとする。

 

「このくらいじゃ私は止められないよ」

 

「そんなことはわかってるさ。だけどな天内」

 

「さっき放った『赫』はまだ一発しか炸裂してねえよ」

 

「!!」

 

気づいたってもう遅い。天内に直撃したのは九発まで同時に放てるうちの一発のみだった。

一発だけ呪力が高まった『赫』を彼女は防いだに過ぎない。その陰に隠れて散らされた8発の『赫』は今『蒼』の引力によって引き寄せられる。

そして回避しようとしても『翠』を突破するには時間が足りない。

 

「九綱」

 

「偏光」 

 

「烏と声明」 

 

「表裏の間」

 

「虚式『茈・八星』」

 

同時に完成した8つの『茈』

それは互いに共振し威力が増大していく。

そして帳の内にあるあらゆるものが消失した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと危なかったかも…連れ帰ろうとしてる人間に対して過激じゃない?」

 

それでも形を残している者がいる。

身体の3割ほどが消し飛んでいるが、それも一息のうちに元に戻っていく。

 

「いや、ちゃんと死なないって信じてたぞ」

 

この惨状を起こしたものたちは気楽に言葉を交わし合う。

 

「それあれじゃん。手足をへし折ってでも連れて帰ってやると同じ心理じゃない?」

 

「似たようなものか?すぐに治るのがわかってるんだしちょっとは違うだろ」

 

「本当に?」

 

「本当にだ。なんでそんなに疑い深いんだ?」

 

「悟って執念深そうだし…置いてかれたとか思ってそう」

 

「そんなこと…ないさ」

 

そんな軽口を叩き合う穏やかな時間はすぐに終わりを迎える。

 

「そろそろ本気で行くぞ」

 

「これで終わりにするよ」

 

両者が掌印を結ぶ。これから始まるのだ。

現代の化け物達の全力のぶつかり合いが。

 

「領域展開」

 

「極の番『永永無窮』」

 

領域が展開するよりも早く天内理子の術が完成する。

世界は減速し、術式で自身は加速する。

この世界では彼我の速度差は光速の域にまで迫る。

相手が領域を展開仕切るよりも先に、領域を展開しきるまでの刹那の時間は永遠と化す。

そんな永遠な世界に声が響き渡る。

 

「『識無量界』」

 

体が弾かれ宙に浮く、一瞬で数十発の衝撃と黒い火花共に。

視界が回り、地面が遠くにあるのが微かに見える。空が墜ちているかのような錯覚を受ける。

 

「な!?」

 

五条悟が動いた。天内が微かに目で終えたのは肉体がぶれた瞬間のみ。

防御態勢の上から打撃が抜けてくる。 苦し紛れの反撃も掠ることはなく数発の黒い衝撃が身体を抉りとる。

 

領域の効果の対象を自身だけに限定する縛り、そして領域の範囲を自分の肉体にのみにする縛りにより生まれた2つ目の領域。

無下限呪術というマニュアルに縛られた術式は、現代最強による発想により無限の適応範囲をあらゆる概念にまで広げることに成功し、自身を対象にした領域は領域の押し合いが発生しなくなる。

 

それが『識無量界』。

その領域効果は概念的上限との間に無限を生み出すこと。

心が望めば五条悟は自身に関わるあらゆる事柄を無限に上げ続けることが出来る。体力も、処理能力も、呪力も、腕力も、そしてそのコントロール技術も、何もかもを。そして戦闘時間が長くなれば長くなるほど彼の能力は青天井に上昇する。

心が望む限り彼は無限であり続ける。

 

「それは私の十八番だよね!」

 

黒き触手で自身の周りを全て吹き飛ばす。掠っただけでほかの呪術師では即死しかねない一撃は何にも当たらず空を切る。

術式により擬似的な黒閃を確定させる天内理子のものとは違う。五条悟は自力で黒い火花を魅了する。

数十発の黒閃によりボルテージは上がり続ける

 

「これで終わりだ天内!!」

 

放たれた一撃が腹部を貫き余波で体の上下が分かれ飛ぶ。

それだけでは手を止めず、時間逆行が起きた際に接合されるであろう地点に『赫』『蒼』を放ちぶつけ合う。放たれるのは現代最強の本気。無限に上昇し続ける呪力量から放たれた必殺の一撃。

 

「虚式『茈』」

 

「侵食領域展開」

 

全てを消失させる仮想の質量が天内理子の肉体に触れる前に溶けて消えていく。

 

「領域を展開してすぐに殺すべきだったね」

 

苦虫を噛み潰したかのように天内はつぶやく。

突如天内理子を中心に世界が広がる。その空間には森羅万象の全てが呑まれていく。

 

五条悟の身体が弾かれるように飛び出す。神速そう形容するのがふさわしいほどに速く。

現代最強の第六感が最大の警報を鳴らしている。これはまずい。これはこの世界に存在してはいけないものだと。

彼我の距離は刹那に0と化し呪力を込める。

その領域内に踏み込んだ。踏み込んでしまった。

その瞬間、領域が解除される。喰われたのだ。

五条悟の世界が彼らの世界に。

 

五条悟は領域が展開される前に殺さなければいけなかった。

それ以外の勝ち筋は最初から残されていなかった。

 

「天内ッ!!」

 

最強としての矜恃が何も出来ずに終わることを許さない。

慣性は、残っている。ボルテージはまだ上がっている。

簡易領域でコンマの時間を生み出して、放たれた術式順転『蒼』を纏った黒い一撃。

 

「ごめんね…殺されてはあげられるけど…負けては上げられないんだ」

 

領域で強化された化け物によってあっさりと防がれてしまう。

 

「おやすみ悟」

 

脳の処理速度を加速させられ、反転の治癒速度では追いつかず脳がオーバーヒートしていく。

都市を消滅させるこの一戦は五条悟の意識消失というあっけない結末で幕を引いた。

 

 

 

その日、呪術界は震撼する。

現代最強の呪術師、五条悟の敗北。

そして最強の呪詛師の誕生に

 

 

 

 

 




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