特級呪詛師天内理子   作:宝生永夢ゥ

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理子ちゃんいじめ回


少女の正常で歪んだ心

術式順展『蒼』を利用した瞬間移動で高専まで戻ってきた。

そのまま走っている悟に物のように持ち上げられる。

文句の一言でも言おうと思ったが無駄だと思い辞める。

自身に術式を掛け、悟が前に言ってたことを思い返す。

アキレスと亀がどうたらって話を悟が話していたがこの瞬間移動もそれの応用なのだろうか?

そんなことを考えているとを考えていると悟がある教室の壁を破壊して中に入っていく

 

「…悟!?何やって…」

 

中にいた男が壁を破壊した悟を叱りつけようとして、血相を変えた彼のただならぬ様子に驚愕した。

 

「何があった?そんなに焦って」

 

「先生助けてくれ」

 

「わかった。まずは何があったかを話してくれ」

 

悟が何があったかを急いで説明している。

 

「逆行再編」

 

術式を使い壁の破壊をなかったことにする。

悟が壊したものだけど私のための行動だったしこれくらいはしなければ

 

「天内…お前も何があったか話せ」

 

「えっと傑と黒井…私の付き人が盤星教が雇ってた非呪術師に殺されちゃって」

 

「傑が殺された?非呪術師に?」

 

夏油傑の実力をきちんと認識している彼からすれば傑が負けたというのが想像できない。

それも非呪術師相手だ。

 

「今の話は本当だ…俺もそいつに殺されかけた」

 

五条は自身の髪をかき上げ額にある刺し傷を見せる。

 

 

「天内…頼む」

 

「わかった」

 

短い一言だが彼の言いたいことはすぐに理解できた。

そこに傑の遺体をのせた猟犬がやってくる。

その姿を見て彼は目元を手で覆い隠す。

 

「なぁ……これは現実か?」

 

彼らならいけると思っていた。

星漿体を護衛する任務、天元様直々の指名。

生意気にも最強に近い彼らなら問題がないと思った。

 

「俺も天内も信じたくないよ…でもこれが現実なんだよ先生」

 

「……そうか」

 

男は自身の顔をパチンと叩き意識絵を切り替える。

 

「傑の遺体はこちらで預かる…それでいいか?」

 

「うん」

 

返事を返すと彼は人形のようなものを使い傑の遺体を運び出す。

 

「話の続きを頼む」

 

その後、あったことと自身の術式について全て説明する。

 

「そうか…何があったかわかった」

 

男は少しの時間考を巡らせ口をひらく。

 

「上への報告はさせてもらう」

 

「先生!!」

 

「落ち着け悟。現場をみられる前だったら話に脚色を加えられるし悪いようにはしない」

 

そう言って夜蛾さんはパソコンの前に移動する。

 

「彼女を地下の部屋に連れっててやれ。呪骸に準備させてる」

 

「わかった。行くぞ天内」

 

「うん」

 

悟に続いて教室を後にする。

悟に案内されて地下へと続く階段を下っていく。

呪術高専という学校の性質上地下室があるのは予想できたがここまで下に行くのは想定外だった

 

「高専ってこんなとこもあったんだ」

 

「ああ…そうだ。俺もきたことは少ないけどな」

 

地下2,30メートルは下っている。足が疲れた。

 

「よしついたぞ」

 

悟が立ち止まった場所は最下層の一室。

お札がたくさん貼ってある部屋だ。

部屋は必要最低限のものが置かれてるだけだがきちんと整備されてる。

この部屋の使用用途から考えてみたらここの家具は急いで用意されてものなのだろう。

 

「ここが目的地?」

 

「そうだ。それと上層部の判断が出るまではここがお前の泊まる部屋だ」

 

「まじ?」

 

「まじまじ。この部屋は本来、死刑になったやつを収監する場所だが使い方によってシェルターみてえな使い方もできる。万が一お前を狙ってくる奴がいたとしても誰かしらが階段を見張ってればいいだけだし、異常があれば俺がすぐ飛んで来れる」

 

どうやらここは現状世界一安全な部屋かもしれない。

 

「何かあったらそこに置いてある電話を使ってくれ。この部屋からでも繋がる」

 

悟が指差した方向には携帯が置かれている。

そう言って悟は部屋の扉

 

「ごめんな…天内」

 

「悟は悪くない」

 

バツの悪そうな顔をして悟が部屋から出ていく。

部屋を一通り見て周り、自身が過ごす場所になるこの部屋の最低限の設備を把握する。

部屋の隅に移動し一息ついてから術式を解除した。瞬間…

 

突如として激しい吐き気に襲われ嘔吐する。

吐いて、吐いて、もう吐くものも無いというのに嘔吐くのが止まらない。

胃液が舌の上を通る度にひどい不快感に顔が歪む。

口の周りも胸元も吐瀉物でぐちゃぐちゃだった。

 

「ごめ……さ……ごめんなさい」

 

猟犬達を呼び出したことでできたティンダロスとの繋がりによって狂っていた価値観が戻り掛けていた。

それを術式を使い感情の変化を停滞させこの部屋で一人になるまで術式を維持し続けた。

ただでさえ傷ついている悟に追い討ちをかけたくなかった。

その結果がこれだ。

停滞されていた感情が戻り、ずれた期間をすり合わせるかのように気分が悪くなった。

 

幻聴が聞こえる

 

『お前が私たちを殺したんだ!今回の件に関与していない一般教徒も全員な』

 

『そうだ!』

 

『お前が殺したんだ』

 

あの場で皆殺しにした信者達の怨嗟の声が聞こえる。

 

「うるさい…黙って…私を殺そうとしてきてどの口が!」

 

最初に狙ったのはお前達だ。

大切な人達たちを奪ったのはお前達だ。

だから彼らを皆殺しにした事は後悔はない。

 

幻聴が聞こえる。

 

『気にしなくて良いんだよ理子ちゃん』

 

『そうですよ理子様。貴方は』

 

黒井と傑、二人の優しい言葉が聞こえる。

二人の幻聴を使って自身の生を正当化していることにさらなる嫌悪感が降り積もる。

二人が死んだのは私のせいだ…その事実は変わらない。

 

「ごめんなさい…私を許さないで」

 

 

 

 

 

 

 

天内を守るために部屋の扉の前に立ち続ける。

上層部からの連絡は明日か明後日にはやってくる。

それまで天内に危害を加えさせない。

 

今回の件を先生は、盤星教本部に誘拐された天内理子が自身の身を守るために行使した術式が暴走した結果信者が全員死ぬ結果になった。

こういうふうに上層部に報告した。

誘拐されたという部分は夏油傑の死によって信憑性が増す。

自らの意思で殺したという事実よりもこちらの方が弁解の余地がある。

 

中から何かをぶちまけたかのような音が聞こえて扉な方に振り返る。

部屋の中で天内が嘔吐いているのがわかる。

扉を開けようとしてその手が止まる。

俺に何ができるというのか。

彼女はきっと救いを求めていない。

 

何もできないことに憤りを感じる。

俺が救うことができるのは俺がその場にいて救われようとしている人間だけだ。

 

「強いだけって虚しいんだな…傑」

 

最強に至って少年が得たものは、最強の力と力だけではどうしようもない現実だった。

 

 

 

 

 

 

 

次の日、夜蛾さんと共に上層部に呼ばれることになった。

 

「行ってくるね」

 

「天内」

 

「ん?」

 

「もし何かあったら俺を呼べよ。あいつら皆殺しにするから」

 

悟が軽い感じで物騒なことを話す、

その言葉に夜蛾さんが苦言を呈す。

 

「悟…言葉には気をつけろ」

 

「そうなったら自分でやって逃げるかな」

 

「お前達…」

 

明らかにラインを超えた私たちの軽口に頭を悩ませている。

 

「朗報を持ってくるから待っててね」

 

「おう。朗報だったら夕飯おすすめの店に連れてってやるよ」

 

「楽しみにしてる」

 

私は貼り付けた笑顔で相手に手を振り、悟も同じように貼り付けた笑顔で手を振り返してくる。

お互い沖縄にいたときのような心からの笑顔を向けることができないことを理解し少し寂しい気分になる。

 

 

 

 

 

 

「俺がいられるのはここまでだ」

 

彼は最上階へと繋がる階段の前に立ち止まる。

 

「この階段を登れば上層部の人間がいる。本当」

 

「わざわざありがとうございます」

 

「気にしなくていい。生徒の頼み事なんだ教師として当たり前のことをしたまでだ」

 

悟はいいひとを先生に持ったようだ。

 

階段を一段一段上がっていく。今の気分は処刑台に向かう犯罪者だ。

部屋に入れば複数の障子のようなものがあり奥に人の気配を感じる。

なんでこんな変なことしてるのだろうか。

 

「星漿体、天内理子」

 

「夜蛾からの資料は受け取った。術式の暴走とはいえ看過できない問題である」

 

「問題があった団体だったとはいえ非呪術師を大量に殺害した。それも呪術規定による等級を与えられていないが呪術師によってな」

 

「我々に等級が与えられていない状態で呪術を使ったそれも非呪術師の前でこれだけで呪詛師認定に値する」

 

「これらの出来事から秘匿死刑が決定した」

 

「死刑ですか?」

 

「そうだ」

 

どうやら私は殺されてしまうらしい。

それと一人一人順番に話すのはやめてほしい。

聞き取りづらいしとても気が散る。

自身に未来視を付与し猟犬たちを呼ぼうとした瞬間、男が言葉を続ける。

 

「我々の条件を飲めば秘匿死刑も呪詛師認定も取り下げ等級を与えることもできる」

 

「条件は?」

 

「我々と縛りを結ぶことだ。」

 

縛り…契約みたいなものだろう。

 

「その時間操作の術式は有用だ。加速、停滞、遅延、未来視、これらを失うのは我々も惜しいと考えた」

 

「縛りの条件はこれだ」

 

目の前に紙が現れる。

縛りの内容に目を通す。

 

一つ、呪術師に手を出すことを禁ず

 

二つ、我々が与えた任務を最優先するものとする

 

三つ、我々に絶対服従である

 

これらを守る限り秘匿死刑、呪詛師認定を取り下げ、相応しい等級を与えることとする

 

要約するとこんなものだ。

これだけで済むなら安いもんだ。

 

「わかりました。縛りを結びます」

 

相手の機嫌があからさまに良くなったのを感じる。

 

「ではこれからよろしく頼むよ…天内理子」

 

よろしくするつもりはない、そんな感情を抱きながら部屋から出てく。

部屋から出て夜蛾さんの元に向かって歩みを進める

 

「逆行再編」

 

自身の状態を縛りを結ぶ前に戻す。

術式によって再編されたことにより縛りはそのままだが私には縛りがかかっていない状態になる。

これで上層部は私の処刑はできず、私はフリーになった。

あの男を除いて誰にも時間逆行のことは教えていない。

時間逆行という手札は隠しておけば大きなアドバンテージになる

 

携帯を取り出し悟に連絡を入れる

相手だけに縛りをかせたこれは朗報と言ってもいいだろう

 

「悟、ご飯行こう」

 

 

 

 

 

 

 

 

呪術師規定4条に基づき、天内理子を特殊1級呪術師に任命する

 

 




メンタルやばい人一覧

天内理子  
二人のために生き続けなきゃいけない
生きる意味ってなんだろう

五条悟
傑が守り抜いた天内だけは助けなきゃ
虚しいよ傑


理子ちゃんはまだ呪詛師堕ちしません。今のままだと五条もついてきて特級呪詛師五条悟になちゃうし
まだだ、まだその時ではない
相応しい舞台は用意します。あとは描き切るだけ


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俺が喜ぶ

理子ちゃんの戦闘スタイルどれがいい?

  • 刀剣
  • 打撃武器
  • 長柄武器
  • 連結武器
  • 射撃武器
  • 銃火器
  • ステゴロ
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