前回のあらすじ
必勝法を手に入れた×2
以上
「うーん…これはいったい…」
俺は、朝早くに目を覚まして二人の先輩から貰った必勝法である過去問を見ていた。二枚を見比べても同じ言葉、同じ問題であるためやはり4月末の小テストとこの中間テストは、過去問を使うことで誰でも満点が取れるようになっているのだろう。
学園の方針としては、こういう裏技とかを見つけることを試しているのだろう。
さて、何故俺が一番上のセリフを口にしたかというと…
「やはり…範囲が一致しているんだよなぁ…」
そう、茶柱先生から貰ったテスト範囲と一致しているからである。
この学園の最初の中間テストは、数日たった後にテスト範囲の変更と言って、本来のテスト範囲に訂正されるわけだ。その訂正後のテスト範囲が貰った過去問と同じであるならば俺も疑問や違和感なんて感じなかっただろう。
しかし、俺はまだテスト範囲の変更を聞いていない。それ故に不安を覚える。
「あの先輩たちがそんなことはしないだろうからな…」
考えられる可能性の一つは、二人の先輩が偽の過去問を用意したこと…まあこれはおおよそ違うと言ってもいいだろう。
二人ともがそういう騙し討ちのようなことをする人ではないだろうしな。シゲ崎先輩も愛に染まっているし、生徒会長も妹のいるクラスの人に嫌がらせなんてしないだろう…されるとしたら綾小路くらいか…
「となるとやはり…茶柱先生か…」
もう一つの可能性は、茶柱先生が五月一日時点で訂正版のテスト範囲を配布した可能性である。というかこれしかないような気がする。…あの人こんなミスもするのか。
「…とりあえず行くか。」
そう言って準備をする、まあこのテスト範囲が訂正版の本来の範囲なら問題ないか。とりあえずあと数日くらいたったら聞いてみるか。
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「よく来てくれましたね。同士黒凪君。」
「その話し方は…まあいいや、どうしたよ?同士櫛田。」
時間は飛んでその日の昼休み、俺は櫛田に呼ばれて屋上に来ていた。
「同士…堀北成分が足りません!」
「うん我慢してください。」
まあ、同士なんて呼ばれ方した以上、おおよそ予測はついていたが…予想通りとは。
「私はね、ホリキタウリンを摂取しないと頭がどうにかなっちゃいそうなんだよ?」
「なんだホリキタウリンって。変な栄養素を作り上げるんじゃないよ。」
「いたずらして困惑している堀北さんからしか得られない栄養があるんだよ!?」
「ねえよ!あってたまるか!というかあったとしても摂取しなくても生きてはいけるよ。」
禁断症状っぽくしたいのか櫛田手を震わせながらこちらに訴えてきたが知らないよ。ホリキタウリンって地味に語呂がいいな。
「…今は、みーちゃんや井の頭さんで癒して貰ってくれ。なんなら君の用意している首輪でもつけて貰えばいいだろう?」
「もうやったよ。頼み込んだらやってくれたんだよ。あの娘たちいい子過ぎない?」
「手がはえーよ!」
既に性癖に付き合わせていたとは恐れ入る。Dクラスは、何人櫛田の嗜好に付き合ったんだろうな…
ただそんな中でも愛里に手を出してないのだから良心が残っているというべきか…
「ねえ、どうすれば堀北さんに近づけるのかな?」
「まずは、その邪な心を捨てましょう。」
「…じゃあ無理ですね。」
「諦めがはやーい。」
「だって堀北さんだよ!?あんな極上のそざ…極上のおもt…極上のモデルだよ!?あの人に邪な心を持つななんて無理な話だよ。」
「いろいろと酷い言い回しを言いかけたな。」
素材とかおもちゃとか…もう原作とは別の形で堀北に囚われているな櫛田は。
「あっいいこと思いついた。」
「聞きたくないが一応聞いておこう。何を思いついた?」
「綾小路君をハニートラップ仕掛けたらなんとかできないかなぁって。」
「おおかた予想通りでした。」
「でもさ…いけると思わない?」
そう言いながら櫛田は自分の胸を持ち上げるように少し揺らした。
「……変態四天王のあいつなら落ちそうだな。」
「そうだよね!というわけで早速やってくる。」
「あぁ……いってらっしゃい。」
そうして櫛田は、足早に屋上から出ていった。俺はゆっくりと戻るとするか。
そして、数分後に綾小路から『櫛田の魅力に勝てなかったよ。』というメールが来た。いや知らんがな。というかボディーガードとしての仕事をしろよ。
ほんの少し生徒会長に妹の彼氏が浮気したなんて報告しようとしたがやめておいた。こういうのはここぞという時に爆発させないとな。
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時間はまたとんで放課後、今日共に勉強しているのは、三馬鹿ではない。
「ねぇ黒凪君、勉強を一旦休憩して恋バナとかしない?」
「しないのでペンを持ってください。」
「洋介がいないの不満なんだけど…」
「平田も人に教えているんだからしゃーない。」
「……もうゴールしても…」
「ダメですゴールしないでくださいね篠原さん。」
「ねぇ黒凪君、ここを教えて欲しいんだけど。」
「あんた勉強できる側やろがい。」
佐藤摩耶、軽井沢恵、篠原さつき、松下千秋の4馬鹿…4ギャルズとでもいうべきだろう。
そしてもう一人。
「絢都…デート…」
「勉強会というデートをしているだろう?」
「うぅ、絢都が鬼になったよぉ…」
彼女の愛里である。クラスメイトの勉強会であっても女性しかいないところに行くことが嫌だったみたいだが…結果としては、あまりよろしくない。
「というか松下さんもあの小テスト、85点取っていたんだから教える側に回ってくれよ。」
「まあそこはなんというか…まぐれだった?みたいな。」
「…はぁ」
「まあさ、勉強会とはいえ女の子と一緒にいれるんだから役得でしょ?」
のらりくらりとこちらの追求を避けて小悪魔な問いかけをしてくる松下。
「女なんて愛里が居れば俺はそれで充分なんだよ。」
「ホントに愛がすごいよね…あ、あたしも洋介と…洋介とおお。」
「あの、妄想の世界から戻って来てくれませんかね。」
軽井沢が俺の惚気みたいな愛の宣言で時々意識がどこかへ行く。
「ねえ、黒凪君。恋バナを…」
「しません!!」
佐藤さんは、何かと恋バナをしたがる。いや勉強をしてくれ。
「ねえ黒凪君、ここなんだけど…」
「そこはね…」
篠原さんだけは真面目に頑張ってくれている。…頑張ってくれているんだけど。
「というわけだ。…理解できたか?」
「えっ?全然。」
ズッコケそうになる。まだ三馬鹿よりはできるとはいえこちらもそこそこひどいと言わざるを得ない。頭を抱えたくなる。
「絢都…いい天気だね…」
「愛里…外じゃなくてノートを見てくれ…」
愛里ももう限界なのだろう。もう解散するか…やはり愛里には甘いな。
「今日はここまでにしておくがみんな本当に頑張らないと、明日がないからな。」
「あっじゃあ一個いい?」
今日は解散にしようとしたら佐藤が何かと尋ねてきた。
「なんぞ?佐藤さん。」
「恋バナをしない?」
どうあがいても佐藤摩耶は、恋バナをしたいらしい…
「あんたは、それしかないのか…しかし俺が話すことなんてないぞ。他人の色恋なんざ知らないし、惚気話くらいしか出ないぞ。」
「あーそっかぁ…あー……うーん………もうそれでもいいよ!」
「悩んだ上に妥協したな。」
「じゃあさ惚気話はいいから聞いてみたいことがあったんだよね。」
そう言って松下さんが話に乱入してきた。まあ他人の惚気とかいらんか。
「で?何が聞きたいんだ?」
「もしもの話だよ。もしもなんだけど佐倉さんがいなかったら黒凪君は誰と付き合う?」
「あっそれ気になるかも。」
「みんな少し気になっていたよね。」
松下さんの質問に佐藤さんも篠原さんも興味を示している。愛里よ目が笑ってないぞ。
「…いないというのはこの学校にか?」
「ううん、生まれていないってこと。この世界に存在していたら黒凪君は必ず佐倉さんを選ぶでしょ?」
「それはそうだが?」
「…即答とは恐れ入ったね。」
俺の回答にうれしかったのか「キャッ♪」なんていって自分の頬に手をあてる愛里。可愛いな。
「黒凪君ってさ真面目だしどちらかと言えばこのクラスでイケメンの部類に入るっていろんな女子から評判なんだよ。」
「そうなの?自分ではそう思ったことないけどな…俺イケメンなの?」
「うん絢都はカッコイイよ。」
「そうか。」
愛里が言うんだからそうなのだろう。
「ホントに仲いいよね…ともかくそんな黒凪君が佐倉さんがいないとき、一体誰を選ぶのだろうってなっていろんな人が話していたからね。」
「そうか…まあありもしないが一つのIFとして考えてみるか。」
そう言って俺は、顔を上に向けて少し考える。よう実の女性陣は誰もが魅力的ではある。愛里の次に好きなキャラを上げるのもよいがこの世界線基準に考えると…一人しか出てこないな。
「愛里がいない世界で選ぶとしたら…櫛田になるだろうな。」
その答えにみんなが驚きの顔になる。
「へえそうなるんだ。ねぇねぇ理由を聞いてもいい?」
「…なんというか愛里がいない場合俺は、毎度櫛田の暴走を止めることを徹底してそうだし、そんなやり取りをも楽しんでそうというかまあこんな感じだな。」
俺自身がなんとなくで感じとったIFを言葉にしてみた。もしもこの世界線で佐倉がいないまま同じ行動を取っていたら一番あり得たかも知れないという形だが、女子たちはおどろきつつも納得したという感じだろう。ただ一人を除いて…
「絢都。」
「どうしたよ愛里?」
「デート行くよ。」
「えっ…おう。」
「あとデート中は、他の人のこと考えちゃダメだよ。櫛田さんのことは一旦忘れて。」
「えっ、いやさっきのはもしものあり得ないことだからな。」
「絢都。」
「なんだよ?」
「今日も絢都の部屋で寝させてね。」
「あぁ、それはいいが…デートの後は、俺の部屋で勉強の続きをやるからな。いいな?愛里。」
「うん。じゃあデートを楽しもう。」
そうして愛里に連れられて半ば強引に解散となった。
勉強の進み具合?いいわけないでしょう。
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「今日はみんなにお知らせがある。」
数日後の朝に茶柱先生がそんな発言をした。タイミング的にテスト範囲の変更についてだろうなぁ。
「君たちにとっては残念なことかもしれないが、昨日の職員会議でテスト範囲の変更が決定された。」
茶柱先生の発言によりそこそこ阿鼻叫喚になるうちのクラス…お前ら落ち着け。須藤なんか膝から崩れ落ちたんだが。
「お前たち、落ち着け…ともかくこれは決定してしまった以上、どうしようもないことだ。これから配るプリントが変更されたものだ。」
そう言って茶柱先生は、プリントを各列に配った。前からやってきたプリントを即後ろの綾小路に渡して、後ろから聞こえてくる「食べればいいのか?」なんてボケを無視して即座に確認する。
あぁ、やっぱりそうだったか…
「あの茶柱先生。」
「どうした黒凪。」
「これ…前と何も変わってないです。」
「何!?」
そう言って先生自身が持っていた予備のプリントを二枚見比べる。少しずつ顔が青くなっているような…
「あっ。」
「あって言ったな。」
おそらく自分のミスにようやく気づいたというところだろうか。
「…少し待っていてくれ。」
そう言って茶柱先生は、廊下にでて誰かに電話をかけた。誰にかけたはわからないが、学年主任か校長か理事長と言ったところだろう。
5月1日の時に貰ったテスト範囲の違和感の正体、まだ習っていないところも含まれていたというその疑問の答えは、貰ったプリントが訂正後のやつであったということだった。
というかこんなミスもするのか茶柱先生は。
そうこうしていると明らかに元気がなくなった様子で戻ってきた。
「えー…このクラスにはすでに訂正後のプリントを配っていたことになる。急な予定変更にも対応できるかという能力を見るためにこういうことは毎年行われているが今回は私の不手際でいろいろと混乱させてしまったな…
…みんなすまない!」
茶柱先生が謝罪したぞ。原作で見れなさそうな茶柱先生の謝罪だ。
「なるほど、茶柱先生のおかげで僕たちは、他のクラスよりも先に本来のテスト範囲を勉強できていたんですね。先生、気にしなくていいんです。先生の愛により僕たちは、より多くの赤点を救えそうです。なんて愛の深い先生なんだと僕は感動しています。」
「感動しないでくれ平田…」
平田のこの発言により責める言葉はなくなった…いやまあ最初からなかったけどさ。慰めているつもりが知らんが平田よ、時としてその優しさは、心に刺さるものだし、キツイものだぞ。
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そっから時間がたち昼休み。俺は、この必勝法を他クラスに配ることにした。一月だけしか過ごしてないが、この世界線はあまりギスギスした感じがないので他クラスとの関わりもいろいろとあったりする。
そうして俺は、寮の隣人に会いに行くことにした。
「失礼します。」
「オウ。アナタハ、リムジンサン。」
「隣人だよ。車じゃねえわ。」
そう、俺が訪れたのはCクラスの教室である。Cクラスとの関わりが一番多いのはアルベルトなのでこのタイミングで教室に残っていたのは助かったな。まあ、最悪椎名か龍園でも良かったわけだが。
「よお、久しぶりじゃねえか伝説野郎。」
「なんだ苦労王もいたのか。」
「ちょっと待て、今なんつった?」
「聞こえなかったか?苦労王だよ。」
伝説野郎と声をかけてきた龍園に残念なあだ名で返すことにした。なんで苦労王か?椎名を相手に苦労していたしな。
「ソレデ、ワタシニ何カゴ用デスカ?」
「まあ、アルベルトじゃなくてもいいが…ほい、これをやるよ。」
そういって俺は、過去問のコピーをアルベルトに渡した。
「ナンデスカ?今日ノ昼飯デスカ。」
「お前は山羊か?そんなわけないだろ。過去問だよ。」
「ガーゴモン?」
「デジ〇ンとか誰がわかるんだよ…」
…俺はコントをするためにここに来たのだろうか…とりあえず目的の物を渡して帰ろう。
「ククッなるほどな、これが必勝法というわけか。」
「察しがよくて助かるよ龍園。」
アルベルトに渡したはずの過去問がすでに龍園の手に渡っていることにはツッコまないことにするが、この世界線でも流石の勘の良さというべきか。…原作では描写ないけどこいつも過去問手に入れてたのだろうか…
「しかしいいのか?ポイントとか要求しなくて。」
「いいよ別に。俺も無料で手に入れたようなものだから。」
「ククッさすがは伝説野郎てところか。」
「やめろ苦労王、用件はこれだけだし俺は帰るわ。」
そう言って俺はCクラスの教室から出ようとしたら。
「今カラ、メシ食イニ行キマセンカ?本日ハ、三色丼ヲ食ベニ行キマス。」
アルベルトが声をかけてきた。なんだろう…またボケの気配を感じる。
「…一応聞いておくが、お前の言う三色丼とはどういうやつだ?」
「白米ニチキンライスニ卵カケゴハンデスガ?」
「やっぱ米ばっかじゃねぇか!!」
相変わらずの米が好きなアルベルト君なのであった。まあ一緒に飯は食ったけどな。
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「おっいた。」
昼飯を食い終わったあとBクラスの教室に行こうとしたが、その前に一之瀬と神崎を発見した。この世界線だと二人は基本的に一緒にいるなぁ。神崎いるところに一之瀬ありといったところか。
「黒凪かどうした?」
「黒凪君、どうしたの?」
先程の俺の声に反応して前を歩いていた二人がこちらに振り返る。
「いやなんというか君ら仲いいな。」
「そりゃあご主人様いるところにメイドはいないとね♪」
「…そのせいでいろいろと気苦労しているわけだが…」
「…ドンマイ。」
うんなんというか神崎は強く生きるか考えを変えないといずれ胃に穴空きそうだな。…もう空いているのか?
「とりあえず用件は、これだ。今回のテストの必勝法という奴だ。」
そう言って先程と同じように過去問を渡す。
「……小テストの問題が一言一句同じか…なるほど確かに必勝法なわけだ。」
「これをくれるの?」
「あぁ、別にポイントはいらんぞ。俺も無料で手に入れたわけだし。」
「しかし、何も礼をしないというのはな…」
「うーん…どうしたらいいかな…」
さすがは人格者ぞろいのBクラスというべきか、龍園なんかれの字もなかったぞ。
「そうだ、何かクラスの人を派遣してその人に何かお礼をしてもらおうよ神崎君。」
発想が斜めに行くということがなければ問題ないんだがな…
「…缶コーヒー一本でいいぞ?」
「いやそういうわけにはいかないよ。うーん…網倉ちゃんとかどう?」
「いやどうってなんだよ。」
「メイドとしてどうかなって。網倉ちゃんはね、ポニーテールがすごいんだよ。」
「いや必要ないからな。あとなんだそのポニーテールがすごいってなんだそのアピールは。ポニテでものでも持てるんか?」
「いやいや流石にできないよ。アニメや漫画でもそういうキャラ、いないでしょ?」
「レトロなゲームにはいたんだよなぁ。」
なんというか一之瀬の暴走はヤバいな。これを神崎は毎日相手にしてるのか…
「なんか神崎の苦労がわかった気がする。」
「………言うな。」
結局缶コーヒー一本でということで事なきを得た。一之瀬本当に実行しそうだったな。
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「…」
「…」
時間は流れて放課後になり、Aクラスにも過去問を渡そうと思ったが、葛城も坂柳もいなかったのでこの日は、諦めてカフェに赴いていた。
今日は誰かに勉強を教えることもなく一人でゆったりとコーエーを飲んでいたが、俺の席が相席することになった。そしてその相席相手がなんとAクラスの
相席になったはいいが…Aクラスは葛城と坂柳しか面識がないのでどう会話したものか…おそらく向こうは俺を伝説云々で知っているだろうがね。
「…黒凪であっているか?」
「あ、あぁそうだが。」
「…伝説でいろいろと知っている。俺は鬼頭隼だ。」
「あぁご丁寧にどうも。」
「…」
「…」
か、会話が続かない…とりあえず過去問を渡して帰るとしよう。
「…そういやあんたらのクラスは必勝法を見つけられたか?」
「あぁ、坂柳がすぐに見抜いて他の奴らで交渉して手に入れている。」
「そうかい。一応見つかってないなら渡そうかと考えたが、不要な心配だったな。」
ほんとにこの世界線だとAクラスは内部衝突が起こってないようだ。原作以上に強いんだろうな…
「じゃあ俺はコーヒーもなくなったことだしこの辺で…」
「…あぁ。」
特に会話も続かないまま解散となった。特にイベントも起こってないがこういうこともあるだろう。
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「えーん。堀北さんに避けられているー。」
「よ、よしよし。」
数日が過ぎみんなが詰めに入っているさなか、櫛田はいつも通りだった。ちなみに今日のメンツは、俺と愛里と井の頭と櫛田とみーちゃんである。
そしていつも通り図書室で勉強をしていた。
「櫛田よ…何をやったんだ?」
「何って一緒に勉強していただけだよ。そりゃあ休憩のタイミングでちょっと髪の香りを嗅いでリラックスしたりしたけど。」
「ガッツリそれなんだよ。」
ほんとに綾小路というセコムが機能してないな、この前なんて堀北に胸倉掴まれてたしな、ハニートラップにかかったことがばれて結構キレられていたからな綾小路も「いや、ちゃうんすよ。」という言い訳にもならない言葉しか発してなかったからな。
「桔梗ちゃん!ダメだよ。人の嫌がることはしてはいけないんだから。桔梗ちゃんだって髪の香りとか嗅がれるのいやでしょ?」
「えっ?女の子になら私はウェルカムだよ?」
「えっ?えーっと…」
「無敵じゃねえか。」
みーちゃんがせっかくお叱りがあってもなんともないというか…このクラス本当に変態度が増してる奴らが多くね?
「絢都、髪の…」
「愛里は勉強を頑張ろうねぇ。」
「あうぅ。」
愛里も事あるごとに暴走しそうになるが俺が止める。もはや恒例行事である。
「いいですか山脇さん。」
「…うん?」
そうして勉強をしていると後ろの方からとある声が聞こえてきた。そちらを覗いてみるとそこには、椎名ひよりと山脇と呼ばれた男子がいた。そういえば日付的に考えたらだこの辺りで原作はテスト範囲の変更をしる一之瀬の仲裁イベントがあるんだったな。
まあここでは、須藤が人格者だし、俺らもテスト範囲の変更を聞いているわけだから起こらないのもわかるがこうなるんだな。
「山脇さん、Dクラスの方の点数をバカにするのは仕方ないかもしれません。」
「…はい。」
「20点もとれない方や、中には0点を取ったものもいると聞いてます。」
「…はい。」
「ですが山脇さん、あなたの点数は何点ですか?」
「………38点です。」
「人のことが笑えるんですか?」
「…」
いやめちゃくちゃ理詰めされてる!?椎名さんてあんな人でしたっけ?
「…いや椎名さんだって人のこと言えるんすか!?」
「私は、90点はとってましたよ?」
「いやそっちじゃなくて、クラスポイントの方ですよ。」
「…?私は特に居眠りや遅刻とかはしませんでしたよ?」
「俺知っているんですからね。椎名さんがここでやった行動でクラスポイントが減ったことを。」
「なんのことですか?」
「とぼけるんですか?知ってますよ。ここで本を嗅いだことで散々注意されて俺たちのクラスポイントが減ったんですよ。」
話を聞き続けているとCクラスのクラスポイントの増減の話題となった。やはりCクラスの端数は椎名が原因だったか。
「…確かに私は本の匂いを嗅いでました。しかしただ嗅いでたわけではありません。紙から香る木々の残り香や、染み込んだインクの香りなど多種多様な香りを堪能していたんです。」
「いやそれって普通に嗅いで楽しんでいただけじゃねえか!」
いやー本好きってこじらせるとああなるのかなぁ。
「それの注意で一回1ポイント減らされていたとしたら、椎名さん8回も注意されたんですか?」
「いえ私は28回は注意されてます。」
「自重しろよ!!」
…山脇君の言う通りではあるな。というか28回も注意されていたのかよ…これは龍園でも苦労しそうだわ。
「確かに私はポイントを減らしたのは確かでしょう。ですが山脇さん、あなたは何回居眠りをして何回雑談をして何回ケータイをいじりましたか?」
「えっ?いや、それは…その…」
「そしてテストでは、38点…あなたは今勉強を教わっている状態です。」
「いや…はい。」
「問いましょう。山脇さん、あなたは私よりも優秀ですか?」
「いえ…すみません。」
「では勉強の続きをしましょう。」
「…はい。」
黙らしちゃったよ。もはやCクラスの王は椎名なんじゃないかなぁ。
そんなやり取りを聞いたのちすぐに俺たちは解散した。俺がそのやり取りを見ていたのを愛里に見られてしまい勘違いによる嫉妬と怒りを宥めるためにデートに行ったのである。
そうして紆余曲折ありながら俺たちは最初のテストを迎えるのである。
atogaki
書きたいこと詰め込んだら長くなった作者です。
次回は短くなるかも…
そしてまたちょっとした裏話ですが、
もしも黒凪君が転生特典で誰も幼馴染を選ばなかった場合、メインヒロインになる確率が一番高いのは櫛田だったりします。
それでは次回もお楽しみに。
他ヒロインというIFルート…見たいのは?
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堀北鈴音
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櫛田桔梗
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軽井沢恵
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長谷部波瑠加
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椎名ひより
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伊吹澪
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一之瀬帆波
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坂柳有栖
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その他