今年も頑張っていきます。
前回のあらすじ
ストーカーなんておらんかった。
以上
「まずは、時間を割いてくれてすまないな。」
「まあ、昨日連絡してもらったからなんとか空けれたとも言うべきでしょうか。」
とある日の昼休み、俺は、とある人物と雑談交じりに弁当を食べていた。
「しかし…生徒会長様がなにかご用向きですかね?」
その人物とは、生徒会長である堀北学である。昨日の夜に時間を空けといて欲しいと頼まれて、昼休みならと了承し、会うことになったのである。
「うむ、早速だが…黒凪、相談所はやっているな?」
「…しばらくの間、休業してましたよ。」
「では、営業再開してもらうわけだ。」
「…さいですか。」
生徒会長が一介の生徒、それも数回会った程度の後輩に用件とは、相談であったか。というか生徒会長も俺の相談所の噂とか聞いたことがあるのだろうか。
「その前に一つ確認なんですが。」
「どうした?」
「ホントにここでいいんですか?俺らの教室で。」
別にご用向きがあるならば俺自身が生徒会室にでも赴いたのに生徒会長が選択したのが一年Dクラスの教室であった。
「構わない。俺の個人的な相談もあるからな。」
「そうですか…」
ちょっとまて、『も』ってことは、複数あるのか?これは少しばかり面倒くさそうだな。
「早速相談したいのだが…」
「何ですか?」
「…君たちはいつもそうなのか?」
生徒会長が疑問に思った状況、それは俺の右腕に愛里が抱きついているという状態である。前回のストーカー…ではなく親衛隊の一件で、俺のワガママに付き合って貰ったお礼として、ここ一週間は、好きに甘えてさせているのである。
「まあ、いつもはここまでではないですが、時にはこんな感じです。」
「そうか……そういえば、ここ最近無糖のコーヒーがよく売り切れになるみたいだな。」
「へえそうなんですね。」
「…心当たりはないか?」
「えっ?……さあ?」
言外に俺たちのせいだといっているのだろうが、スルーさせていただく。だってこのクラスのカップルは俺だけではないからね。俺ら含めて三組はいるし、もしかしたらこれからも増えていく、或いはもうカップルが何組か成立してるかもしれないかもね。
「…まあいい。とりあえず一つ目の悩みなのだが…今年の一年生が生徒会に入ってくれないんだが。」
「その原因の一つは、あなたの行動であることをご自覚してますか?」
生徒会絡みの悩みだと、踏んでいたが、その通りすぎたな。というかあの瓦割りが敬遠されてる理由であることはわかっているのかな?
「俺の行動……何かあっただろうか?」
「マジかよ、この人の思考回路が分からなくなってきたよ。」
じゃあなんのための瓦割りだったんだよ。目的がわからないよ。
「瓦割りですよ。入学二日目のあれが敬遠されてるってわかりませんか?」
「なるほどそうか……だから生徒会の面接に来た奴がこぞって瓦割りをやっていたわけか。」
「えー、理解しないまま見てたのかよ…その人たちはどうしたんです?」
「その瓦割りをみて、フォームとコツを教えて帰って貰ったが。」
「なんでアフターサービスはきっちりしてんだよ…」
この人ってこんなに天然だっただろうか…というかこれを天然というのだろうか…
とりあえず一年で広がった噂については言うべきだな。
「生徒会長があの瓦割りという行動をとったことによって一時は生徒会に入るには、瓦割りで20枚割らないと入れないなんて言われていたんですからね。」
「そうか、だからあれ程みんな必死に瓦割りをしたわけか。」
「気づくの遅くない?今さらですが、何故あの時に瓦割りをしたんです?」
「俺が新入生の声より大きな音を出せばみんなが沈黙して注目すると思って。」
「だからといってその選択は斜め上すぎるでしょう…」
生徒会長も充分にギャグ化したねぇ…いやシスコンの問いかけの時からわかっていたことか。
「ともすればこれは、俺自身の行動が蒔いた種である以上なんとかするとしよう。」
「そうしてください。」
ただ、この相談に関してはこの教室でよかったのかもしれないな。ここでのやり取りを聞いた他の人たちが掲示板や、他クラスの人に伝われば誤解もなくなるだろう。
「さて二つ目の相談なのだが…」
「やっぱりもう一つあるんですね…」
予想通りではあるが、もう一つと来ましたか…おおよそ想定はできるがはたして……
「妹についてだが…」
「予想通りか。」
「予測がついていたのか流石だな。」
「まあ、とりあえず聞きはしますのでどうぞ。」
「そうか、では相談なのだが…鈴音が付き合っている男に問題があるんだ。」
「あなたよくここで相談できましたね。」
いや言うとは思っていたよ?でもさ、場所移動とか声を小さくするとかあるじゃん。なんでこの人は先程と変わらぬ声量で相談できているのだろう。あとこれが一番のツッコミ所なんだが…
「生徒会長さん、あなたよく当人たちが後ろにいる状況でその話切り出せましたね。」
そうなのだ。綾小路も堀北も後ろで自身が作ったであろう弁当を食べているのである。というか生徒会長側だとその二人が目に映っている状態でこの相談を俺にしたわけだが、どんな精神なのそれは。鋼の心臓すぎやしませんか?
「に、兄さん…」
もう妹に関してはどう反応していいかわからないままタジタジなんだろうな…ここで後ろを振り返って顔を見るような真似はしないが。
「あれこそがモスラか…」
君は焦りなさいよ綾小路君。君のこと言われてるんだよ。お前絶対、外を見てるよな。何がモスラだよ。ただの蝶だろうが。
「それで、その人にどんな問題があるっていうんですか?」
とりあえず後ろを気にせずに相談に乗ることにした。
「ふむ、まず妹にふさわしくないという点だな。」
「それはあんたの感想でしょうが。問題点をあげてくださいよ。」
「では次に…その男は浮気をしていた。」
教室が一気に静かになった。ただ静寂になっただけでなく空気が凍ったような気もする。生徒会長さんあんた、とんでもない爆弾を投下するんじゃないよ。
「へぇー……浮気ですか?」
「ああ、ある日のことだが、そいつは鈴音とではなく別の女子と一緒にいた。」
「…あなたの妹へのサプライズプレゼントとかじゃないですかね?」
「いや、鈴音の誕生日は2月だ。いくらなんでも早すぎる。」
「それは…まあ、そうですね。」
綾小路君よ。多分フォロー無理だわ。でももう少し足掻くというか他の可能性を提示してみるよ。
「その…一緒にいた女子の方から誘って断り切れなかったとかはないですかね?もしくは…万が一ですが、その男がその女に弱みを握られていたとか…」
「そんなものはないだろうその男には。握られるような弱みなんてあるとは思えない…あるのか綾小路。」
「いやないと思いますよ。」
なんで直接聞いてるんですかね。俺は必要ですかね?それと綾小路も答えるなよ。
「綾小路君!!」
「な、なんだどうした?平田?」
話を聞いていた平田が、綾小路のもとへと近づいていった。その声には怒りの感情がのっていた。なんか流れ読めたな。
「屋上に行こうか。君のそれは愛なのか語るべきだね。」
「い、いや大丈夫だ。その行動については反省している。繰り返さないように気をつけるつもりだ。」
「なるほどね。うん、屋上へ行こうか。」
うん、予想通りですね。久しぶりの屋上行きだな。綾小路も机にしがみついて抵抗しているが、愛を語るために動く平田にはかなわなかったようだ。あれ?平田強くない?
「せ、生徒会長…オレを助けてください。」
すごいなこいつ、この状況で生徒会長に助けを求めやがったぞ。さて生徒会長さんは、どうするつもりなのか。
「平田といったな。君はどのような愛の語りをするつもりだ?」
「そうですね…自身の欲望を満たすためだけに人を悲しませることは愛とは呼ばない…そういう感じでしょうか。」
「よし、連れてけ。」
「生徒会長おおおおおお。」
「よし、許可も出たしさあ、青空の下で愛を語ろうか。」
そうして綾小路と平田は、教室からでていった。この光景にこのクラスの人らは、何も騒がないあたり、だいぶ愛の理論に染まっているなと思ってします。
「…さて、どうしたものか…」
「どうしようもないでしょうよ。」
二人が出ていく様子を見ていた生徒会長がこちらに向き直り呟いたが、綾小路はどうこう出来るようなものじゃないだろうよ。
「鈴音、あいつとは別れたほうがいい。」
「兄さん、私は彼を真人間にすると決めたの。だからもう少し待っていてください。」
「ダメだ。鈴音の見ていないところで奴は、遊び呆けるだろう。兄として見過ごす訳にはいかない。」
「兄さんが心配してくれているのは嬉しいです。けれど、これは私と彼の問題です。」
「…まさか!鈴音脅されているのか!?」
「そ、そんなことありません。」
「…あのー、俺いる?」
俺と愛里を挟んで会話するの止めて貰っていいですかね?直接話をするようなら俺の必要性がないと思うんだけどね。ただ二人が付き合うきっかけを作ったというか提案した愛里は、どこか気まずそうにしている。とりあえず空いてる左手で撫でておいた。
しかし、この状況はどうしようか。
生徒会長としては、綾小路と別れて欲しいんだろうが、妹はとしてはそうなると櫛田から守ってくれるボディーガードがいなくなるから嫌なのだろうし、まあ櫛田としてはそのほうがいいのかもしれないが…
うーん、こうなってくると綾小路も堀北妹も生徒会長の目が届くところにいた方がいいんじゃないかなあ。でも、生徒会長は生徒会の仕事があるだろうし……
「あっ。」
思考の果てに辿り着いた解答に思わず声がでた。もうこれが正解なんじゃないかな。
「どうした?黒凪。なにか思いついたのか?」
「まあ、一つ提案なのですが…」
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「ここが生徒会室だ。」
「失礼します。」
「お邪魔する。」
「し、失礼します。」
時は流れて、放課後となり、俺と綾小路と堀北は、生徒会室に来ていた。あれ?俺必要ですかね?確かに提案しましたよ。『綾小路と自身の妹を生徒会に入れたらどうだ?』と。ただ俺は入るとも言ってないんだけどなぁ。
…どうしてこうなった?
「オレは、生徒会に入るつもりはないんだが…」
「お前にはしっかりと働いてもらう。拒否権はないと思え。」
「これがパワハラか…」
「そう言えるかもしれんが、元をたどれば君の行動が原因だからな。」
櫛田のハニートラップに堂々と引っかかりボディーガードとしての役割を一時的とはいえ放棄したわけだし、そしてそれは傍から見たら浮気に見えなくもないわけだ。ただ…櫛田の行動を放っておいた俺にも責任があるかもしれない。まあ、言うつもりはないけど。
「生徒会…私に務まるかしら?」
「まあ、大丈夫じゃない?根拠はないけど。」
「大丈夫だとも鈴音。俺も他の者もサポートするし、なにより…俺の妹だから問題ない。」
少々不安げな堀北妹に緊張をほぐす俺と堀北兄。うーんシスコンここに極まれりって感じだな。
「失礼します…堀北君この人たちは?」
扉が開き入ってきたのは、
「橘か。今日から生徒会に所属する新メンバーを紹介しておく。綾小路清隆と俺の妹の鈴音だ。」
「堀北鈴音です。よろしくお願いします。」
「はいよろしくお願いしますね。わからないことがあったらなんでも聞いてください。」
「綾小路清隆です。橘先輩ちっちゃくてかわいいですね。撫でていいですか?」
「えっ?」
「アホ」
「くたばれ」
「グフッ。」
堀北妹は真面目に挨拶したのに君は何をやっているのかな綾小路君。俺が叩いて生徒会長が腹パンして…発想は一緒だったぽいな。
「橘、こいつのことは気にするな。馬車馬のように働かせたらいい。」
「えっ?あっはい。」
橘先輩も困惑してますね。まあ、綾小路はそのうち元気なるだろうし、放置安定ですね。
「あの、堀北君。こちらの人は?」
「相談所だ。生徒会に誰も入らないことを相談したら人材を斡旋してくれた。」
なんか俺自身が動く相談所みたいだな…まあいいか一応自己紹介はしておきますか・。
「あっどうも、黒凪相談所の黒凪です。」
「あっどうも…あなたは生徒会には入らないのですか?」
「まあ、入らないですね。」
入るつもりもないからな。綾小路と堀北を斡旋しただけだし、入ると愛里と一緒に遊べる時間もなくなるし。
「そうだな。生徒会が相談所の人間を独占するのはよくないからな。」
「まあ、何も相談されないのが平和でいいんですけどねぇ。」
生徒会長さんも俺を入れるつもりはなかったようだ。それはよかった。
「失礼します。会長おはようございます。」
「桐山か。」
「…会長、こちらの人たちは?」
「あぁ、新たに生徒会に入る二人と斡旋してくれた相談所だ。」
次にやってきたのは
「綾小路だ。」
「堀北鈴音です。よろしくお願いします。」
「桐山だ。綾小路に生徒会長の妹さん、よろしく頼む。」
綾小路は、先程の橘先輩とは違って淡々とした挨拶で済ませている。桐山先輩は、気にしないようにしているのか、生徒会長の妹の方にしか目がいってないのか…
「失礼します。お疲れ様です。生徒会長。」
「南雲…」
「お前…今週もか…」
次に入ってきたのは
「その花束は、どうした?」
「どうって一人の女性へのプレゼントですよ…尤も受け取りは、断られましたけど。」
「それで、何故持ってきた?」
「捨てるのもあれなのでここに置いたらどうかなと。」
「そうか…」
生徒会長の疑問にしっかりと答えているところみると、原作よりかは仲は良好なのだろうか…というかさっき桐山先輩が今週もと言っていたよな…
「今週もとはどういう意味なのですか?」
「ああ、それは…」
「それは俺自ら答えてやるさ。愛の理解者よ。」
俺の疑問に桐山先輩が答えようとしたが南雲先輩が割り込んできた。というかなぜ俺を愛の理解者と…そういえば…
「初めましてだな。平田からいろいろと聞いてるぜ。」
「やはりそうでしたか。黒凪です。よろしくお願いします。」
「俺は南雲雅だ。生徒会の副会長やってるし、時折サッカー部にも顔をだしている。」
そうだよこの人も一応サッカー部所属でもあるんだよな。となるとこの人も平田の愛に染まった側の人間なんだな。
「それでその花束を使って告白でもしたんですか?」
「告白みたいなものだな。なずなって女に週一のペースで俺の情熱の愛を伝えているぜ。」
「そ、そうなんですね…なぜ週一のペースでやっているんですかね?」
「よく言うじゃねえか。愛は熱いうちに放てと。」
「鉄は熱いうちに打てですよそれ。」
「似たようなものだろう?」
「似て非なるものかと。」
話してみるとなんというかこの世界線の南雲雅は、一途という感じだな。女癖が悪いよりはマシかもな。ただこの人に週一で愛を伝えられている朝比奈なずな先輩は、何を思っているのだろうな…
「俺が生徒会長になったなら。なずなのための学校づくりでもしてやるさ。」
「それは、俺が止めさせてもらうぞ南雲。」
「へえ、出来ますかね。生徒会長。」
「例え俺が引退してもお前の野望は、止めてやる。そして鈴音のための学校づくりをする。」
「あんたら似た者同士だな。」
うん、君ら仲いいだろ。どっちも困るような権利の使い方をするんじゃないよ。
「そもそも、鈴音が入学するとわかっていたなら、鈴音のための学校づくりをやっていたさ。」
「ダメだこのシスコン早く何とかしないと。」
ホントにシスコンが極まっているなあ。あんたが暴走したら誰も止められないでしょうが。
「桐山先輩、なんとか止めれないのですか?」
「黒凪だったか。……止めれると思うか。」
「………堀北。君が最後の砦だ。」
「私にも期待しないでほしいのだけど…」
「…黒凪、オレには…」
「お前が一番期待できない。」
「ヌーン。」
この実態を見て思う。この生徒会大丈夫か?いや大丈夫とは言い難いな。なんだか綾小路と堀北をやべえところに放り込んだような気がするが強く生きてくれ。
頃合いを見て俺は帰ることにした。その前に生徒会長にもう二、三人人手が欲しいと頼まれたが自分でなんとかスカウトしてくれと言い断った。
南雲副会長には、愛の講義をきかせてくれと頼まれたが、そもそもそんなことはやってないと言った。やった覚えもねえんだよ。
俺は帰る道すがら頭を抱え空に呟いた。
「どうしてこうなった…」
あとがきは営業(閉店)してます。
またまたアンケート結果に驚いている作者です。
なんで龍園が一位なんだよ!?一之瀬か坂柳が一位じゃないのかよ!?
まだもう少しアンケートはやってます。
原作2巻がおおよそ終わったのでこの作品を裏話を一つ。
構想の初期段階と執筆した時に性格が変わったキャラと変わらなかったキャラを一部紹介します。
変わったキャラ
・佐倉愛里
言わずと知れたこの作品のメインヒロイン。初期段階ではストーカーに絡まれてたところを黒凪に助けられて、そこから黒凪に執着するようになり、自身の量の壁に黒凪の写真を大量に貼るレベルのヤンデレストーカーにしようかと考えていたが、そんな愛里はなんか違うなと思い没に。
・坂柳有栖
Aクラスのリーダー、初期段階では、綾小路を恐怖に陥れるレベルのストーカーにしようとしてました。しかし、構想初期の佐倉愛里と被るなと思い没に。
・佐倉愛里のストーカー
初期段階だと、原作とそう変わらないようなもので考えていたが、こいつもネタキャラにできんじゃね?と考えた結果、親衛隊の隊長になりました。
変わらなかったキャラ
平田洋介
櫛田桔梗
軽井沢恵
茶柱佐枝
主にDクラスのメンツは初期段階からこういこうと決めてました。
あと二話くらい投稿したら、3巻にいく予定です。
次回もお楽しみに。
他ヒロインというIFルート…見たいのは?
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堀北鈴音
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櫛田桔梗
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軽井沢恵
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長谷部波瑠加
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椎名ひより
-
伊吹澪
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一之瀬帆波
-
坂柳有栖
-
その他