デートを楽しんだだけ。
以上
「朝か…」
いつも通り夏の暑さと寝心地の悪さで一番に起き、顔を洗うために川に向かう。
「なんの戦果もなしだな…」
今回の無人島をすこしばかり振り返る、俺は探るためにいろいろと動いていたとはいえ結局のところリーダーが誰かわからなかった。原作の綾小路の能力のすごさを改めて知った気がする。
とはいえまだ四日目、まだ時間はある。Aクラスは、洞窟に籠っている以上、不可能だがBクラスとCクラスは当ててみたいところだ。
「よし。」
顔を洗い気合を入れる、今日の方針は決まった。
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「ごめん…なさい。」
「いや、気にすることはないぞ堀北。」
朝の支度を済ませ、探索に行こうとしていたタイミングで櫛田に呼ばれた。話を聞くと、堀北の夏風邪が悪化したとのこと。昨日は体調が回復して拠点の近くで食料調達できたらしいが、今日になってまた逆戻りいやそれ以上に悪化したらしい。
「もう船の方に戻った方がいいだろう。」
「そうだね…櫛田さんの愛が届いてなかったわけではないと思うんだけどね。」
「まあ、まだ愛は万病に効かないからな。」
「そうだといいな。毎日堀北さんを愛を持って看病していたんだから。」
「じゃあ過剰摂取な可能性がありますね。」
平田と櫛田で愛理論が出たので流しておく。
「とりあえず、堀北を運ぶのは…」
「私がやりたい!!」
「…櫛田、抱っこできるか?」
「できるよ!!」
「そうか…」
まあ、なんかあった時のために綾小路を付き添いさせておけばいいか。
「黒凪君。次のリーダーはどうするつもりだい?」
「そうだな…」
さてどうするか…他クラスに名前が知れている奴は却下と言いたいがこの世界線はある意味、変な目立ち方をしているやつが多いからな。どうしたものかね…
「……そうだ平田、軽井沢たちのギャルグループを呼んできてくれ。」
「エアグ〇ーヴ」
「言ってねえ。」
「…黒凪君。」
「なんだよ?」
「ギャルを信じてやってください。」
「信じているから呼んで作戦の概要を説明しようとしたんだよ。」
というか平田古いネタを知っているんだな。ウ〇娘で発掘されたやつではあるが…俺は何を考えているんだ。
「恵たちを呼ぶということは、その中の誰かをリーダーにするということかい?」
「ああ、堀北を運ぶのに櫛田と綾小路、次のリーダーとしてカモフラージュも兼ねてギャルグループに向かってもらう。」
「なるほど、じゃあその中の誰かをリーダーにするか決めてあるんだね?」
「いや決めてない。これは俺たちがあれこれ決めるよりかは、当人たちだけで決めてもらって秘密を漏らさないように立ち回ってもらうつもりだ。」
俺の提案に平田は驚きを見せつつも納得したようだ。
「わかった。じゃあ恵たちには僕から話しておく。」
「ああ、頼んだ。」
平田に作戦の伝達を頼んで行動をしてもらう。
さて、俺も動き出しますか。
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「動きはなし…もう拠点の方は更新が終わったのだろうか…」
Bクラスの拠点の近くから息を殺して観測している。今回は愛里はお留守番である。
「このまま動きがないようであればここにいても仕方ない…か。」
次の更新までこのまま観測し続けるのは流石に俺が疲れるのでもう少ししたら別のところにでも行くとするか。
「じゃあご主人様行ってくるね。」
「ああ。」
そんな声が聞こえ、よく観察すると、一之瀬を中心とした女子たちが森に入っていった。もしかしてBクラスは、ここ以外にも占有してるスポットがあるのだろうか。もしそうならばチャンスでもある。
俺はなるべく気配を殺し、足音を立てずについていくことにした。
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「メイドは男の夢じゃないのかなって私は思うんだけど。」
「そういう夢を持っている人はいるだろうけど神崎がそういう夢を持っているかはわからないけどな。」
はい、即刻バレました。気配を消せていると思ったんだけどなあ。占有スポットについたタイミングで回り込まれて逃げ場がなくなり、出てくるしかなかった。
そして、一之瀬とメイドについて議談している。なんだこの状況は。
「メイドな女の子がいれば気分も上がると思うんだけどな…どうして神崎君は、喜んでくれないのかな?」
「……扱いに困るからじゃないか?」
メイドとして振る舞ったら男は喜ぶと思っている一之瀬。確かにそういう願望を持った奴もいるのは事実だろう。だが、神崎の視点で考えるならば同じクラスの一番の美少女がメイドになった。唐突なことに喜びよりも困惑が勝ったのではないだろうか。
しかも卒業までクラス替えがない以上、そんないきなりメイドになった女の子と三年間過ごすことになるんだから一種の恐怖を感じたはずだ。
「うーん、とりあえずこの試験でメイドになっていい子たちメイドのように振る舞っているんだけど…」
「マイナス方面に突っ切ったな。」
神崎の胃に激しいダメージが入っているだろうな。神崎にとって一番の敵は一之瀬なのかもしれないな。
「うーん…あっ執事のほうがよかったのかな。」
「うん、そういう問題じゃないと思う。」
一之瀬はてんで的外れな思考に至る。神崎…強く生きろ。
「うーん…どうすれば神崎は普通に笑えるのかな?」
「メイドをやめればいいと思う。」
「それをやめるなんてとんでもない!!」
「じゃあ無理だよ。」
神崎の苦労の原因第一位を止める気がないなら、もう改善の余地がねえよ。
「ねえ黒凪君、なにかいい案ないかな?」
「ないです。」
「なにか思いついたらお礼にリーダーが誰か教えてあげるよ?」
「なに?」
随分な無茶ぶりと報酬の提案に思考が止まる。だがここでなにか閃いてリーダーを教えてもらってもあとでリタイア戦法を使われたら結局意味がないなと思い至る。というか一之瀬を納得させられる案なんか思いつかねえよ。
「悪いが何も思いつかないな。」
「そっかー…残念だにゃー。」
「そもそも、リーダーを教えてもらっても後でリーダーをリタイアして変更されたら意味がないからな。」
「えっ……そっかぁ、そんなやり方があったんだね。」
「あっやべ。」
どうやら思いついてなかったようだ。敵に塩を送っちゃったよ。これはもうBクラスもリーダー当ては諦めたほうが良さそうだ。
「まあ、なにかあれば相談というか話は聞いてやるから。」
「うん、ありがとう黒凪君。」
これにてお役御免と俺は、その場から去る。背中から『よーし、ご主人様の胃痛も治せるメイドになるぞー。』という一之瀬の宣誓みたいな言葉が聞こえてきたが、メイドである限りどうあがいても神崎の胃に負担は掛かり続けるし、治ってすぐ胃痛になるだろうな。
……ホントに強く生きろ神崎。
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「で、ここに今私の妹の坂柳いるわけじゃない。」
「うん、いないよ?」
あれから時間は流れあてもなく探索していたら、やべえ女に出会った。Aクラスの
原作では、坂柳に弱みを握られていやいやながらに配下として立ち回っていたわけだが、この世界線ではなにがどうしてこうなったのか、坂柳を溺愛しているみたいだ。妹というマスコットブランドすごいな。
ただ、ここに坂柳がいないという事実に耐えられなかったのかイマジナリー坂柳を作り上げ、あまつさえそれを他クラスである俺に紹介をするという凶行にはしっている。
本当にどうしてこうなった。
「ねえ、あなたが何と言おうと私の妹の坂柳はここにいるのよ。」
「ST〇P細胞はありますみたいにいうんじゃねえよ。」
坂柳の可愛らしさを紹介だけなら俺もまだまともに耳を傾けていたであろう。ただ話を聞いているうちにイマジナリー坂柳を現実として受け入れろと言わんばかりの脅迫になっている。そのやり取りだけでもう三十分ほど時間は経っている気がする。
「なんであなたには私の妹の坂柳が見えないのよ。」
「それがイマジナリーだからだよ。」
「イマジナリーなんかじゃないわよ。ちゃんと坂柳はいるのよ。」
「いるにはいるよ。ここじゃなく学校にだけど。」
「あなたには目の前の天使が見えないの?」
「あなたは現実が見えてないようで。」
「……ねえ、学校に戻ったら眼科に行って来たらどう?」
「あんたは、脳外科に行くべきだがな。」
ああ言えばこう言うやり取りがずっと続いているわけだが、この子無敵すぎやしませんかね?だれかこの重症患者を引き取って欲しいんだが…
「もうこうなったら、ほら、ここに坂柳がいるから抱きしめてみなさい。」
「いやだからいないって。」
「いるって言ってんでしょ!!あなたも抱きしめて坂柳のいい匂いを嗅いだらきっとお兄ちゃんになりたくなるわよ。」
「発言も言動もただ怖えよ!!」
「大丈夫、例え他クラスだとしてもお兄ちゃんにはなれるから!!」
「別になりたいと思ったこともねえよ!!」
「ふざけんな!お兄ちゃんになると言え!!!」
「誰かこいつの暴走を止めてくれえ!!」
このやり取りの果てに願いが届いたのか他のAクラスの人たちが神室を回収に来てくれた。俺はその人らにお礼を言いすぐさまその場から逃げ出した。
Aクラスのほうが魔境じゃね?
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なんの戦果もなく5日目になりました。焦っているわけではないにしても、リーダーの一人くらいは当てたいななんて思っている今日この頃。
そんななか俺は、寂れた浜辺にいた。かつてCクラスの連中がバカンスをしていたところだが、今はもう誰もいない。みんなリタイアしたのだろうか。
否、全員がリタイアしたわけではないだろう。彼だけはまだ潜伏しているはずだ。愉快なリベリオンに囲まれて勝手に圧政者という烙印を押されて今まさに反逆の刃に切り裂かれようとしている奴が。
「ひでえ語りを聞いたな。」
「俺まだ何も言ってねえよ。」
アホみたいな思考をしていると龍園が後ろからやってきた。というか俺は先程の考えていたことを口に出してしまっていたんだろうか。
「お前はまだいたんだな。てっきりCクラスはみんなリタイアしたものかと思ったぞ。」
「確かに他の連中は今頃船の中で夏休みを満喫しているだろうな。」
「なら、あんたも船に戻って満喫したらどうなんだ?」
「クククッ、そういうわけにもいかねえさ。ここにいることで出来ることもあるからな。」
「そうかい。」
会話をしながら情報を集める。恐らく龍園は、原作同様一人残ってスポットの占有に勤しんでいたのだろう。ここでふと思った疑問を聞くことにした。
「そういやなんで初日の夜にあんな馬鹿げたことをやったんだ?」
「ククッ、お前はあの行動の真意にたどり着けてないようだな。」
「真意…まさかああいうふざけた行動で油断させて、リーダーが誰か見破ろうとしてたということか?」
「…こういうの俺に語らせるもんだろう。」
「サーセン。」
何となく推測していたことが当たっていたか。ただ原作と違い俺たちのところに来たのが伊吹じゃなかった理由はおそらく、意思疎通が不可能に近いと判断したからだろう。
「黒凪。」
「なんだよ?」
「まあ、これを飲みながら話そうか。」
「お前そのジュースどっから出した?」
龍園の手には二本のペットボトルが手に握られていた。そして龍園の近くには先程までなかった穴があった。いや埋めてたの?
「いざという時の貯蔵を隠していたわけだ。」
「よく隠していたな。というかこれ一歩間違えれば環境汚染のペナルティにでもなったんじゃないか?」
「バレなきゃ問題ねえんだよ。」
「あーさいですか…」
「くそっぬるいな。」
「そりゃあ先程まで砂に埋まっていたんだからな。」
そんなやり取りをしながら、俺はジュースを受け取り飲み始めた。これで俺も共犯者というわけか。
「…黒凪。」
「なんだよ?」
「俺はいい作戦を思いついてのさ。」
「そうかい…でその作戦というのは?」
「ああ、リーダーの交代だ。」
「……ほう。」
この世界線では、こいつも思いついていたんだな……ん?いや待てよ。この島にいるCクラスは龍園一人のはずだよな?
「リーダーを交代させれば、スポットで稼いだポイントも無駄にならないし、何より外させて他クラスのポイントを一気に減らせるのが利点だ。」
「そりゃ画期的なアイデアだな。」
「ああ、俺もいいものを思いついたとその時は思っていた。ただ…」
流れが変わったな。
「ただ?」
「これを思いついた頃には、俺以外がリタイアして、交代先がいなくなったということだ。」
「そうか…」
まあなんというかタイミングが遅かったというべきだな。しかし、なんでこんなことに話すんだ?話さなければシュレーディンガーの猫が如く、龍園以外にも残っている可能性を考慮してリーダー当てを疎遠にできたはずなんだがな。
「黒凪……俺の言いたいことがわかるよな?」
龍園がこちらに睨みを利かしている。
あーなるほどな。これフリか。
「任せとけって、Cクラスのところはリーダーが龍園だって申告しておくさ。」
「ちげえよ!!書くなっつってんだろうが!!さっき口止め料を渡しただろうが!!」
「あの温いジュースが口止め料かよ!!あれが口止めになるわけねえだろ!!」
「じゃあ、俺たちのバカンスに誘ってやっただろうが!!」
「あんなの初日の蛇肉でトントンだろうが!!」
「なるかそんなもん!!!」
ああ言えばこう言うしょうもない口喧嘩は夕方ごろまで続いた。結局龍園は占有で稼いだポイントは諦めて宝箱頼みにシフトチェンジした。それでいいかはわからんがまあ頑張れ。
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「えへへー絢都。今日は一緒にいてもらうからね♪」
「ああわかっているとも。」
迎えた六日目、俺は愛里と共に過ごすことになった。まあ昨日も一昨日も留守番をさせてしまったのだからしょうがないか。
「なんだか雨が降りそうだね。」
「おそらく降るだろうな。昨日のうちに食料を確保しておいてよかったよ。」
「絢都…ずっとそれだよね。」
愛里は俺の目の前にある解剖された爬虫類に指を指して言う。そう俺は基本的にみんなが食べれそうな木の実、果実を調達しながら自分自身が食べるための蛇を確保していたのである。
「まあな、なんというか味に慣れてきたからな。」
「ふーん…これでお腹を壊したりしないでね。」
「ああ、まあ体調を崩したら愛里が看病してくれるだろう?」
「えー、どうしようかなあ。」
愛里の小悪魔チックなところが発動する。相変わらずこういう普段と違う可愛らしところを見るのは癒されるな。
「…いやなら船に乗っている医者か星之宮先生に…」
「私が看病するからね。絢都はなんの心配もせずに崩してくれていいからね♪」
「お、おう。」
星之宮先生の名前をだした瞬間にこれだ。まあ、俺もあの人に看病されるのは勘弁して欲しいと思っている。隙あらば爆ぜろと言ってきそうだからな。というか俺が体調を崩す前提なのな。
「明日で終わりだね。」
「そうだな。」
「どのクラスが勝つのかな?」
「…それは、予想がつけられないな。」
そんなやり取りをしながら俺はこのクラスの最終結果だけでも考えてみる。
まず最初に貰った300ポイントだが、今現在の残りは113ポイントである。高円寺がリタイアしてないからポイントが浮くかもと考えていたが、みんなの快適な生活のためだったり堀北の看病のためであったりで結局ここまで減った。まあ三桁はあるので問題ないものとする。
次に占有スポットでの稼ぎはここしかやってない以上微々たるものだが、明日のギリギリまでやれば20ポイントはいくであろう。
次にリーダー当てだ。Aクラスはわからずじまいだし、Bクラスはリーダー変更をしている可能性があるのでしないほうが賢明であるだろう。Cクラスは龍園しか残ってないなら龍園で確定だろう。ならば稼げて50ポイントが限界であろう。
最後に宝箱に関しては……これは一旦考えるのはやめよう。これがどのような恩恵があるのかわからないので下手にプラスで考えたら泣きを見るかもしれない。
というわけで俺らのクラスのポイントは、183+αってところだろう。原作で考えたらこれでも一位の範囲だが、さてはてここではどうなることやら…
というか宝箱開けられるのは一つだけだからあの葛篭か秘密箱のどちらかを選ばないといけないのだな…どちらでもいい気がするが明日までには答えをだそう。
「ねえ絢都。」
「どうした愛里?」
「無人島デート…もうすぐ終わるけどまたあるといいね。」
愛里は屈託のない笑顔でそう言った。俺もまた微笑みながら告げる。
「だからこれは特別試験だって。」
そうして日が暮れ夜を迎え、一日が終わり無人島試験も終わりを告げる。
あとがきが…
書くことねえ。
次回が結果発表だけなので特に書く内容を思いつかなければ直ぐに出来ると思います。
まあそう言いながら眠気に負けるのが私なのですが…
次回もお楽しみに
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