前回のあらすじ
無人島試験終了
以上
第29話 次なる試験が始まるわけですが…
無人島試験が終わり、はや三日俺たちは船の上で極楽な生活を過ごしていた。いや俺の場合少し違うな。
「絢都…もう大丈夫そう?」
「ああ…なんとか元気を取り戻したよ愛里。」
俺は愛里に少しばかりもたれている状態で椅子に座っている。俺は無人島試験が終わってすぐに体調を崩した。やはり毎日蛇肉食っていたのがダメだったのだろうか…
そんなことで俺は三日間、今日に至るまで遊ぶことなく過ごしてしまったわけだ。愛里も遊びに行くことなく看病とかしてくれたり、感謝と申し訳なさで頭が上がらないな。
「でもこれでデートできるね。どこから行こうか…」
今日という日を楽しみにしてたのがわかるくらいに浮足立っている。俺自身も今日一日、愛里のワガママに付き合いたいがそういうわけにもいかない。もうすぐ連絡が…
甲高い音が端末から聞こえてくるそしてすぐに船内アナウンスが流れ始めた。
『生徒の皆様にご連絡いたします。先程、皆様の端末に連絡事項を載せたメール送りました。書かれた内容に従い行動をお願い致します。もし、メールが届いてない生徒がいらっしゃいましたら。船のあちらこちらにいる先生の誰かにご確認ください。』
ついに始まるのだなと心構えをする。というかメールが届いてないなんてのはそうあることではないと思うが、そういう生徒がいた時どこに向かえばいいんだよ。あちらこちらにいるのはまあいいがどこにいるかくらい確認できる術を用意しておくべきだろうが。
とりあえずメールを確認する。
『間もなく特別試験の説明会を行います。20時40分まで204号室に集合してください。10分以上の遅刻はペナルティの対象になりますのでお気をつけてお越しくださいませ。説明時間はおよそ20分程度となります。』
とまあこんなことが書いてあったわけだが。この時間帯って確か原作だと堀北がこの時間であって…もしかして辰グループ、いわば各クラスのリーダー格の集まりのところじゃないか。そんなところに俺が入るのか…いやまあクラスリーダーやっているから妥当ではあるか…
ふと端末から顔を上げて愛里を見る。目に見えて落ち込んでいる。それはまあそうか、俺の体調が戻りようやく二人で遊びに行けると思った矢先にこれなのだから…
「絢都…」
沈んだ声で俺を呼びながらこちらに振り返る。泣きそうな表情をしている。どう声をかけたらいいかわからないがとりあえず抱きしめる。
「うぅぅぅぅ。」
「大丈夫だ愛里。前の試験みたいに合間を縫って遊ぶことくらいはできるだろう。」
「でも…うん、そうだね……」
「…この試験次第ではあるが、すぐに終われるならそうできるように立ち回ろうと思う。」
「うん…協力する。それで試験が終わったらめいいっぱい遊ぼう…ね。」
「ああ。」
愛里を元気付けるために約束を取りつけた。なんとか元気が戻ったようで安心した。
…ところで俺はいつまでハグしていたらいいんだろうか……
「ねえ絢都。」
「なんだ?」
「絢都の集合時間は何時だった?」
「俺の方は20時40分だな。」
「じゃあ20時くらいまでならこのままでいいよね♪」
「あと数時間はあるんだが!?」
俺はなんとか説得して、ハグは一時間くらいとなり、残りの時間は集合時間まで船でいろいろと楽しんだ。なおハグの時間にいろんな奴に見られていた気がするが…特に気にしない。
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時が流れて夜になり端末を見ると20時35分。俺は目的の場所である204号室に向かっていた。ギリギリの時間には理由が二つある。
一つ目は、愛里とのデートを時間いっぱいまで楽しんだということ。もう一つは…もう少ししたらわかるかもな。
「失礼します。」
「あら、黒凪君もここなのね。」
「ああどうやらそうみたいだな。」
部屋に入ると堀北がいて。
「やあ黒凪君、愛の補充は充分かい?」
「できることなら、俺が寝込んでいた分まで補充したかったがな。」
平田がいて。
「黒凪君、体調の方は大丈夫なの?」
「なんとかな…今日ようやく元気を取り戻したといったところだな。」
櫛田がいて。
「あれあれー黒凪君ようやく来たねぇ。重役出勤ってやつかな?もうちょっと早めに行動できないと女の子に嫌われちゃうぞ♪」
「アーハイソウデスネー。」
説明役の教師として星之宮先生がいた。マジかよ嫌な予感的中したわけだ。四分の一を引いてしまうとはなんて運がないのだと落ち込んでしまうよ。
これがギリギリまで来たくなかった理由である。
「ところで黒凪君、体調不良って何があったの?」
「慣れない環境での生活に蛇というゲテモノに近いもの食っていたからじゃないですかね。」
「そうなんだあ。私の送ったのろ…じゃなかった念が原因じゃなかったんだね。」
「いろいろと言いたいことはありますが関わりあうことがない道を模索しようと思います。」
今呪いと言おうとしたのかこの人は、もうなんて言うかこんなんだから恋人出来ないんじゃないかなと思うわけですよ。
「ところでさ黒凪君…爆ぜない?」
「今度あなたを合法的にしばき倒す権利を購入したくなるので特別試験の説明してくれませんかね?」
なんというかこの世界線の星之宮先生とは合わないといった感じである。こんなやり取りで集合時間の
20時40分を迎えているわけだし、早く説明してもらってさっさと帰ろう。
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「さてと…ではこれから特別試験の説明に入らせてもらうね。」
各自席について話を聞く態勢になる。
「今回の試験はね、干支になぞらえた12のグループに分かれて、その分かれたグループで試験を行ってもらいます。今回の試験のテーマは『シンキング』となってます。ここまでで何か質問ある?ついていけてる?」
各自声は出さず首を振る。説明は淡々と行われている様を見ると、なんだちゃんと仕事できるじゃないかなんて考えてしまう。
「じゃあ次へ進むけど、今回のグループというのは各クラスから3~4人を集めた混合のグループとなり今別の部屋で説明を受けている人たちが同じグループとなります。ちなみにこちらが辰グループのメンバーとなります。」
そういって星之宮先生は机にメンバー表を置いた。
Aクラス・
Bクラス・
Cクラス・
Dクラス・
となっている。まあ予想通りというべきかリーダー格が揃っているね。原作だと星之宮先生の采配により一之瀬が別のグループだったがこの世界線、俺の知る限りの行動を思い出しても神崎をリーダー据えて補佐という形での行動ばかりである以上このグループにいないというのは妥当なのかもしれない。
「このグループでいったい何をシンキングするのかしら?」
未だにこの試験の目的を明かされてない以上、堀北が発した疑問が出てくるのは当然のことである。
「各グループにはね、優待者が必ず一人いるの。それをグループで話し合ってもらうの。優待者についてのメールは明日の8時頃に一斉送信されるからちゃんと確認してね。
そして明日からの4日間で一時間の話し合いを計六回行ってもらいます。そして最後の話し合いを終わったのちに、回答時間が設けられますので優待者が誰か当ててもらいます。
ざっくりとした内容はこんな感じかな。」
ほんとにざっくりとした説明な気がする。
とりあえずルールをまとめてみるとこうだろう。
船上試験ルール
・この試験は干支になぞらえた12のグループで構成される。
・グループは各クラス3~4人の混合である。
・グループには必ず優待者が一人いる。誰が優待者になるのかは明日のメールにより判明する。
・試験期間は四日間であり、一日昼と夜の一時間の話し合いが設けられる。なお三日目は話し合いがなく休日となる。
・四日目の夜の話し合い終了後、一時間の回答時間が設けられ、優待者が誰なのかをメールで投票をする。
・この試験の結果は全4パターン存在する。
こんなところだろうか。さてここから説明の後半戦、四パターンある結果の説明となりますね。
「で、ここからがとても大切なことだけどこの試験の結果についてだけどまず二つ見てもらうね。」
そう言って星之宮先生は一枚の紙を机に置いた。
結果表
結果1・回答時間の投票で全員が優待者の指名に成功すること(優待者のいるクラスは除く)
報酬 ・各生徒に50万ppt(優待者は倍の100万pptである)
結果2・回答時間の投票で一名でも優待者を指名に失敗すること
報酬 ・優待者のみに50万ppt
「こ、これは。」
「なんというか額が破格だね。」
「50万…ジュルリ。」
「…」
三者三様な反応だが、やはり額の大きさに面は食らっているようだ。まあ学生という身分で50万とか100万なんて普通持つことなんてないからな。ところで櫛田、何を考えた?とりあえずよだれを拭け。
「あれあれー黒凪君は何も言わないの?」
「とりあえず続きいいですか?」
俺のリアクションを楽しみにしていたか知らんが、とにかくはやく説明が終わって欲しいので、促すことにした。
「ちぇー…じゃあその裏にもう二つの結果が書いてあるから見てね。」
「はい。」
そう言って紙を裏返す。
結果3・グループの誰かが密告で優待者の指名し成功する。
報酬 ・指名したクラスに+50cpt。指名者に+50万ppt。優待者のクラスは-50cpt
結果4・グループの誰かが密告で優待者の指名に失敗する。
報酬 ・優待者のクラスに+50cpt。優待者に+50万ppt。指名したクラスは-50cpt
なお密告は、明日の8時からいつでも可能である。
「クラスポイントが変動するのね。」
「うーん難しいね。」
「なる…ほど…黒凪君はわかったかい?」
「まあな平田はどうだ?」
「まだ理解が完ぺきではないかな…簡単そうに聞こえるけど、優待者の存在がいるいないで出来る行動とか変わりそうだからね。」
「そうだな…」
まあ優待者も明かされてない以上、ここでどんな戦略を練っても机上の空論になりそうなものもありそうだからな。三人ともが考えてはいるけど考えがまとまらないといったところかな。
「黒凪君、この試験ってどういうものだと思う?」
「そうだな……愛を語ってみんなに分け与えるか愛を騙って独り占めするかそういう試験だ。」
「なるほど!!とても分かりやすい解説をありがとう。これで理解できたよ!!」
「おう…そうか…」
なんでこんな説明で理解できたのか…いやもしくは理解できてないという可能性も……ねえな。
「というわけで特別試験の内容はこんな感じかな。みんな頑張ってね。」
説明が終わりこれでようやく解散となる。早く帰ろう。
「先生少しばかりお時間よろしいですか?」
「平田君だっけ?どうしたの?」
帰れると思ったんだがな。平田は何をする気なのだろうか…
「星之宮先生の先程からの言動を聞いていて思ったのですが…」
「えっなになにーどうしたの?」
平田は先生に近づきながら言葉を並べ、星之宮先生は何か嬉しそうな雰囲気をだしている。ほめられると思っているのだろうか。こういう時の平田ってあまり褒める印象とかないんだよな。
「あなたには『愛』が足りません。」
「へっ?」
わお予想通り。
「無人島の時からそうでしたが人に爆ぜろと言ったり…あなたは人の幸福を愛せないようですね。」
「えーと…平田君?あのね…」
「いえ責めているわけではありません。先生にもいろいろな過去があってこうなってしまったのでしょう。」
「いやあのその……」
「これから時間があるのでしたら愛を語り合いましょう。僕にとって星之宮先生のそれは愛が捻じ曲がってしまっただけです。元に戻す…なんて言いませんが、誰かの幸福を祝福できる愛を新たに持つことはできると思います。」
「あ、えーっと…ひ、平田君あのね。」
「お時間、ありますよね?」
「…はい。」
平田君お強い。これは長くなりそうだ。
「あっ三人は帰っても大丈夫だよ。もし僕と愛を語りたいのならいいよ。」
「あー…愛里と会ってから眠りにつきたいから帰るわ。」
「うん、わかった黒凪君お疲れ。」
「おう、明日から頑張ろうな。」
そう言って俺は204号室から出て行った。堀北や櫛田はどういう理由で出て来るかは気になるがとりあえず愛里に連絡して会うことにした。
はてさてこの試験はどうなるかな。
あとがきの正体って…
試験の説明になるとギャグがなくなってますね…というか今回ギャグいれれるかな…
それと番外編についてですが…どうしようかと思案中です。原作キャラをこっちに連れてくる一人目は綾小路に決定ですが、連れてくる時系列をどうしようかと…最初は三学期の合同合宿の終了のタイミングでつれてこようとも思ったのですが、そうすると番外編とおいなと思いながらもじゃあどこのタイミングにするか…とぐるぐると思案中です。
次回もお楽しみに。
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