どうしてこうなった!?よう実!!   作:田舎狩人

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前回のあらすじ

作業着のオッサンと話していた…よな?
以上



第33話 生徒会役員面接!! ……あの、俺いる?

夏休みであったとしても、学校に通うものはいる。

あるものは部活動、大会に向けての練習だったり、大会後の反省兼次に向けての活動だったり。またあるものは補習だったり。

 

そして、生徒会もまた夏休みであっても、仕事があり定期的に活動しているらしいのだが……

 

 

 

「それでは、生徒会役員の面接を開始いたします。」

 

「どうしてこうなった。」

 

 

 

なぜ俺がここにいるのだろうか……そしてなぜ誰もツッコまないのか…

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

まだまだ続く夏休み、そんな中俺の端末に一本の連絡が入った。生徒会長だった。

 

 

 

「もしもし、おはようございます。」

 

「おはよう、起きていたか黒凪。」

 

「はい。ご用向きは何でしょう?」

 

 

 

朝からの電話に辟易しているわけではないが、少しばかりトラブルに巻き込まれたような気がする。なのでさっさと用件を聞いて早めに解決するとしよう。

 

 

 

「そうだな…綾小路は使えないぞ。」

 

「そんなクレームみたいなことは本人に言ってください。」

 

 

こんなことを言うために朝から電話かけたのか…いや本題はこれからのはずだ。

 

 

「そして生徒会に人が集まらないぞ。」

 

「また俺が紹介するんですか?」

 

 

これが本題か…というか原作をみて思っていたんだが堀北学が生徒会だった頃って何人体制で頑張っていたんだろうな…南雲に変わってからは南雲派の人が入ったみたいだから人は足りているだろうが…まあいいか。

 

 

「いや、今回は先生からの紹介になる。何人か生徒会に入る意志を持つものを集めてもらった。」

 

「そうですか……俺に電話した理由は!?」

 

 

えっただの報告!?紹介なら手伝う気でいたけど目的がわからなくなったんだが。

 

 

 

「黒凪には生徒会室に来てもらいたい。」

 

「何故です?」

 

「黒凪ならその人たちがどういう人間なのか知っているだろうと思ってな。黒凪は魔境のヌシであり、人脈マンだと聞いている。」

 

「前半はともかく、後半はなんだ?というか魔境のヌシもやめろ!!」

 

 

 

とうとう生徒会長にさえ魔境のヌシ呼ばわりされるとはな……あの人は自分の妹のクラスが魔境と呼ばれていることには抵抗ないのか…

というか人脈マンはどっからきたんだよ。確かに各クラスのリーダー格とは面識もあるし、仲は良い方だと思うよ。でもそれ以外はさして関わりがねえな。

 

人脈マンをさすなら、櫛田や一之瀬くらいの人の輪をもつ人を指すんじゃないかな。でもその場合は人脈ウーマンか…いやどうでもいいな。

 

 

「ともかく、俺は生徒会室に行けばいいんですね?」

 

「ああ、頼む。」

 

「…報酬は?」

 

「缶コーヒーを一つ。」

 

「了解。」

 

 

 

俺は制服に着替えて学校に向かう。まあすぐに終わるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思っていたんだけどな…

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

「それでは、生徒会役員の面接を開始いたします。」

 

「どうしてこうなった。」

 

 

 

生徒会に呼ばれて赴いたらこうなった。いやほんとに何故だろうな…

 

 

 

「生徒会長。」

 

「どうした黒凪?」

 

「何故俺がいるんです?」

 

「呼んだからここにいる。」

 

「そういうことじゃねえよ。」

 

 

 

俺がここにいる必要性を聞いているんだよこっちは。なんで面接官の如く長机に横並び座っている状況なのかを聞いてんだよ。

ちなみに長机に座っているのは俺を含めて五人。

左から…南雲雅、橘茜、堀北学、俺、桐山生叶となっている。

 

 

 

「俺いります?」

 

「いる。」

 

「……いやーいらな「いる。」…わかりましたよ。」

 

 

 

もうこうなったらどうしようもないな。さっさと終わらせて愛里とデートでもしよう。

 

 

 

「堀北先輩。今日来るのは使えるんですか?」

 

「それを見極めるための面接だ南雲。」

 

「そうですか…さっさと終わらせてなずなとデートしたいんですよ。」

 

 

 

なんと南雲雅と同じ発想だと…なんか嫌だな…まあこの世界の南雲は、朝比奈なずなに一途だから問題ないか。

 

 

 

「なあ黒凪。お前ならわかるだろ?これが愛ってやつだよな?」

 

「あーはいはいソウデスネー。」

 

 

 

そうだった南雲先輩も平田の影響を滅茶苦茶受けるんだったわ。二年の愛の教祖はこの人になるだろうし、二年も愛に染まるのだろうか…

 

 

 

「そういえば綾小路と堀北は面接してなかったはずですが、あれはよかったのですか?」

 

 

ふと疑問が湧いたので聞いてみる。いやあの後に面接でもやっているのなら問題ないとは思うけどね…いやそもそも生徒会に入るために面接って必要なものなのか?

 

 

「鈴音は問題ない…問題なのはあの男だ。黒凪、何故あの男を生徒会に推薦した?」

 

「あんたが妹の恋人をどうするか相談した結果でしょうが!忘れたのか!?」

 

「そう…だったな……面接を始めるとするか。」

 

「この男何もなかったように切り替えやがった。」

 

 

もういいやとりあえずこの面倒事を早く終わらせよう。

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

「では一人目の人を呼んできます。」

 

 

橘先輩が一言放ったのち一度を部屋を出ていく。少しばかり空気が入れ替わり、マトモな空気になったような気がする。

 

 

 

「最初の人は誰なんです?」

 

 

 

何も知らないよりは知っているべきだなと思い、聞いてみる。知っている人ならいいんだが。

 

 

 

「最初はBクラスの神崎隆二というやつだ。」

 

「あー、彼ですか。」

 

「知っている奴か。どんな奴だ?」

 

「そうですねぇ…いろいろと気苦労がたえない男ですかね。」

 

「そうか。」

 

 

知っている奴だったわ。というかどうした神崎、もしかして一之瀬から逃れるためにここに来るというわけか?

 

三回ノックが聞こえる。どうやら来たようだ。

 

 

「失礼します。」

 

ガチャっとドアが開き橘先輩と神崎が入ってきた。神崎は俺がいることに少し驚いていたが、声に出すことはなく冷静さを取り戻して、席についた。さて面接については生徒会長に任せておけばいいでしょう。

 

 

 

「ふむ…採用だな。」

 

「まだ何も聞いてなーい」

 

 

面接とはなんだったのか…こんな物々しい舞台を作る必要もないでしょ。

 

 

「えっ!」

 

「落ち着け神崎、まだ喜ぶな。」

 

「すまない冗談だ。これからいろいろと質問する。」

 

「えっ?」

 

「露骨に落ち込むなー。」

 

 

 

もう一之瀬から逃げたいの確定じゃないか。ここに来ることもバレて無ければいいんですがね。

 

 

 

「神崎隆二といったな。何故生徒会に入ろうとする?」

 

「何事も経験は大切だと考え、そして学校の様々なことを理解するには生徒会に入るのがいいと考え、立候補しました。」

 

「なるほどな、採用だ。」

 

「まだ質問あるでしょうが。」

 

 

この生徒会長口癖のように採用って言うじゃねえか。というか誰か止めろよ。お前らのリーダーでしょうが。

 

 

 

「そうだな…神崎。堀北鈴音を知っているか?」

 

「えっと…そちらにいる黒凪…さんのクラスメイトですよね?」

 

「ああそうだ。そして鈴音は俺の妹だ。」

 

「そう…なんですね。」

 

「ああ…何かコメントはあるか?」

 

「もう生徒会関係なくなったじゃねえか。」

 

 

 

何聞いてんだよ…終始困惑しかしてなかったじゃないか。もうこんな状況で何も言ってこない生徒会が恐ろしいよ。それと神崎、こういう場だからといって俺にさん付けとかいらないと思うぞ。

 

 

 

「そう…ですね……あまり関わりがなかったですが…今日生徒会と話してみて、こう…クールな雰囲気は似ているなと感じました。」

 

「ふっそうか…採用。」

 

「関係ねえ質問で満足しているんじゃねえよ!」

 

 

何が「ふっ」だよ。あんた納得のいく回答を得られなかったら絶対不採用にしてたやつだろこれ。

 

 

「あの…他のお三方はなにかないんですか?」

 

 

あまりにも沈黙を貫いているので、俺から投げかけることになった。

 

 

 

「いえ、私からは特に。」

 

「そうですか。」

 

「俺は…」

 

「桐山、わかっているな?」

 

「…」

 

「桐山君、ここはボケの流れですよ。」

 

「なんですか橘先輩ボケの流れって。」

 

 

つい『ボケの流れ』という言葉にツッコミをいれてしまった。桐山先輩よ、あなたのこの世界線でもマトモそうなのはもうあなただけなんですから先輩の圧に屈したらダメですよ。

 

 

「それで、桐山先輩はなんかあります?」

 

「…何も……ありません。」

 

「それでいい。」

 

「そうです。これでいいんです。」

 

「いや何が。」

 

 

 

何故だか満足している生徒会長と橘先輩、少しばかり疲弊したように見える桐山先輩。なにこの生徒会。桐山先輩も苦労しているんだな。

 

 

「そうだな…俺はあるんだが…」

 

「あんたもあるんかい。じゃあなんで黙ってたんだよ。」

 

「……なあ黒凪、俺だけ当たりが強くないか?」

 

「いや…気のせいじゃないですかね。」

 

「なるほど…これが平田の言っていた愛の試練というやつか!?」

 

「アーソンナ感ジデスネ。」

 

なんだろう南雲先輩は原作で好きじゃなかったから当たりが強くなっているのかもしれないな。せめてうまく取り繕う必要があるな。ただ平田よお前は何を言ったのだ…

 

 

 

「それで南雲先輩、質問はどのようなものですかね?」

 

「あぁ…神崎つったな。お前のクラスには補佐をするのに最適な女がいるみたいじゃないか。一之瀬っていったか?そいつを連れて来なかったのは何故だ?」

 

「そ、それは…」

 

 

 

あーあ、聞いちゃったよこの人。まあ確かに一之瀬がいた方が生徒会の仕事は分担も増えるし、堀北妹も同じ学年の女子が入り、精神的な窮屈さもなくなるかもしれないけどな…問題は神崎の胃が壊れる可能性しかないということだろう。

 

ずっとなんと答えるべきかと悩んでいるよ神崎。もう本音で答えていいんじゃないかな。多分生徒会長は採用してくれるよ。

 

 

「なあ神崎。」

 

「どうした黒凪。」

 

「もうぶちまけたら?」

 

「っ!あぁ…俺が生徒会に入るのは自身の安寧を得るためです。確かに一之瀬は俺より優秀です。メイドらしく振る舞っているので補佐としては十二分に活躍してくれるでしょう。

しかし、一之瀬はクラスではプライベートも捨てて俺に尽くそうとします。俺はそれがしんどく感じています。それから逃げるためにこの生徒会に入ろうと考えています。もし採用するなら俺か一之瀬のどちらかでお願いします。」

 

 

俺の発言をきっかけに神崎は心情を吐露し、深々と頭を下げた。ちらっと横を見たが会長の表情は動いていないがどうなる?

 

 

 

「神崎。」

 

「はい。」

 

「……………」

 

「あ、あの…」

 

「……………なあ黒凪。」

 

「なんですか?生徒会長さん。」

 

「普通に採用したい時はなんと言えばいい?」

 

「スッと採用って言えばいいじゃねえか!口癖で言い過ぎなんすよ!!」

 

「俺は先程から採用と言っていた。それを止めていたのは黒凪、お前だ。」

 

「えぇ、俺のせい!?」

 

 

 

今までのアレ冗談じゃなかったのかよ…だとしたらこの面接にもはや意味ないだろうが。

 

 

「黒凪君、おふざけがすぎますよ。」

 

「黒凪といったか少し落ち着け。」

 

「あんたら一発ずつシバいてやろうか…」

 

「黒凪、苦労をかけるな。」

 

「あっはい。」

 

 

横並びになっている生徒会にある種の不安を感じる。この生徒会長にしてこの生徒会役員ある。てか俺もう帰っていいかな?

 

 

 

「黒凪も苦労しているんだな…」

 

「わかるか?神崎。」

 

 

 

一之瀬の相手に苦労している神崎。周りのボケに苦労?している俺。うん似た者同士だな。彼とはいい飲み友達にでもなれそうだ。未成年だが…

 

 

 

「今日は他にも面接者がいるから生徒会のことは明日からとなる。もし予定が入ったのなら早めに連絡しろ。」

 

「はい。」

 

 

 

そうして連絡の交換等のやりとりをした後、神崎は一足先に帰るのであった。

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

「あと何人の面接があるのです?」

 

「あと一人だ。安心しろちゃんと採用する。」

 

「もう面接がなんのためにあるのかわからないなぁ。」

 

 

 

神崎が帰ってからひと段落している、橘先輩は次の人を呼びに行っている。俺はこのイベントがいつ終わるのかを遠回しに聞いた。そうかあと一人かというかもう採用するならもはや茶番であるような気がする。

 

 

「せめていくつか質問をしませんか?」

 

「ふむ…そうだな採用だ。」

 

「俺に言うんじゃねえよ。」

 

 

その採用は、次の面接の最後まで取っておけよ。知れば知るほどこの世界線の堀北学がポンコツに感じる。このポンコツの感じで今まで生徒会長をやっていたのならいろいろとこの学校が不安で仕方ねえよ。

 

 

 

「で、次は誰なんです?」

 

「Cクラスの椎名ひよりという女子だ。」

 

「へえあの子が…そうですか。」

 

「やはり知っているみたいだな。さすが人脈マンだ。」

 

 

なぜこの人は俺を人脈マンと呼ぶのだろうか…それならまだ魔境のヌシと呼ばれている方がマシだな。

 

 

「それやめてくれませんか?」

 

「では………」

 

 

そう言って考え始めたのだが…なんか嫌な予感がするな。

 

 

「他にないなら黒凪でいいでしょ。」

 

「ふむ…『ゲロしゃぶ』か『クー君』でどうだ?」

 

「どうだじゃねえよ!!ネーミングセンス皆無か!!」

 

「気に入らないか…」

 

「当たり前でしょうが!!百歩譲ってクー君はまだしも。ゲロしゃぶなんてどっから出てくるんだよ!却下ですよ却下。」

 

「そうか…ふむ…そうか……」

 

「あからさまに落ち込まないでもらえますかね。」

 

「黒凪君、うるさいですよ。外まで聞こえているので静かにしてください。」

 

「えー俺のせい…」

 

 

橘先輩がかえってきたことにより、次の面接が始まる。これを乗り切れば終わる。俺はそう自分に言い聞かせて姿勢を正した。

 

 

 

「失礼します。」

 

小さいノックの後に入ってくる。そして俺に気づいたのか笑顔で手を振って来たので軽く会釈しておいた。しかし椎名ひよりが生徒会に立候補するとは意外だな。原作以上に本好きをこじらせていたから常に図書室にいるものだと勝手に思っていたんだがな。

 

 

 

「1-Cの椎名ひよりです。よろしくお願いします。」

 

「ふむ、採用。」

 

「ダカラ何も聞いてない!!」

 

 

さっきもやったじゃんこのやり取り…何故二回もやる必要あったのか、これがわからない。

 

 

 

「えー椎名ひよりさん。何故生徒会に入ろうと思ったのですか?あるいは生徒会に入ってやりたいことはありますか?もう面接なんて形だけだからぶっちゃけても問題ないと思いますよ。」

 

 

 

生徒会長がふざけるので俺が質問をすることにした。といっても俺自身も聞き方が投げやりな感じだがもう会長がふざけているのだからいいかなと思っている。

 

 

 

「そうですね…この生徒会にはいろいろと権力があると聞きましたので」

 

「おっととんでもない答えが出たな。」

 

 

俺は確かにぶっちゃけろとは言ったよ。だけど権力が目的なんて言葉が出て来るとは思わないじゃない。

どうしようかこの状況……生徒会長はただ黙って椎名ひよりを見ているし、南雲副会長は面白れぇ女だなみたいな表情をしているし、橘先輩と桐山先輩は俺が質問したんだからなんとかしろ的な視線を送ってくるし…俺が相手をするしかないんだな。

 

 

 

「なあ椎名さん。その生徒会の権力を手に入れて何をするつもりなんだ?」

 

「それは、図書室の本を好きなだけ堪能します。」

 

「うん?今までも……その…読む以外にも堪能していたじゃないか?」

 

「はい、ですが生徒会の権力を得ることによってペナルティを受けないようにするためです。」

 

「あーなるほどそっかそっかー。」

 

 

 

なんというかただひたすらに自分の欲に忠実だったな。そんな権限があるかなんてわからないけどこんなことを聞いても生徒会は採用するのだろうか…

俺はチラッと生徒会長を横目で見た。

 

 

流石にどうする…いや採用するといった以上な…いやしかし……

 

 

悩んでらっしゃるううううう。どうするのよ生徒会長さん、あんたの言葉を俺は待っているんだけど!?

すると俺の左隣から小さなメモが届いた。中身を確認すると…

 

『いろいろと質問してくれ。その間に採用するかを決める。』

 

 

結構ガチ目に悩んでるじゃねえか!!仕方ない、とりあえず一問一答をして生徒会長に早く決めてもらおう。

 

 

「生徒会の仕事はいろいろとあります。例えば書類や荷物の運搬とか、椎名さんは大丈夫ですか。」

 

「はい問題ありません。毎日広辞苑を持っていますので。」

 

「そう言えばそうでしたね…生徒会に入ることによって趣味の時間が少なくなりますが大丈夫ですか?」

 

「はい、最近速読が出来るようになりましたので。」

 

「それはすごいな……椎名さんの特技は何ですか?」

 

「広辞苑を振り上げることですね。」

 

「それって特技と言えるのか…どこに振り上げるかは……まあ聞かないでおきましょう。」

 

 

 

いろいろと聞いたわけだがそろそろ判断してくれましたかね?

 

 

 

「椎名ひより。本を堪能するのにペナルティが発生するとは思えない。いったいどんな堪能の仕方を行ったんだ?」

 

「それは本を嗅ぐんですよ。」

 

「本を………嗅ぐ」

 

 

問いかけた生徒会長の目が点になった。読みはしても嗅ぐ人間なんて遭遇したことがなかったんだろうな……いや俺もねえよ!!

 

 

 

「それをやると司書の人に注意されるのはわかっているのですが、つい毎月やってしまって…」

 

「毎月やっているのかよ。自重しなさいよ。」

 

「黒凪君、それができれば苦労なんてしていません!」

 

「…そんな自信満々で言わないでください。」

 

 

胸を張って言う事でもないんですよそれ。偉くないからなそれ。

 

 

「椎名ひよりと言ったな?」

 

「はい。」

 

 

生徒会長は未だに思考停止しているのか南雲先輩が動いた。さて何を聞く。

 

 

「本を読んだり嗅いだり……そこに愛はあるのか?」

 

「いや何聞いてんだよ。」

 

「はい、これが私の愛です。」

 

「椎名さんもなに普通に受け答えしてるんですか。」

 

「ならよし!」

 

「いいのか!?」

 

 

 

よくわからないが南雲先輩的には合格判定だったのだろう…というかいつまで惚けているんですかね生徒会長さん、そろそろ答えを出してくださいよ。

 

 

 

「椎名ひより。」

 

「はい。」

 

「君は採用だ。」

 

「はい♪」

 

「ただ、君の権限についてだがすぐにあげることができない。生徒会で十分に職務を全うしたら司書に話を通すようにするので、ちゃんと励んでくれ。」

 

「はい♪」

 

 

まあ結局採用されたわけだ。よかったんじゃないかなと思うよ。ようやく終わりを迎えたか…

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

「待て黒凪。」

 

 

 

椎名ひよりの面接も終わり、俺も帰ろうとしていたところに生徒会長に呼び出された。まだ何かあるのか

 

 

 

「何です?」

 

「…合格だ。」

 

「………えっ?何が?」

 

 

 

いきなり合格と言われてもわけがわからないんだが…俺と生徒会長は同じ時間軸を生きているのだろうか……

 

 

 

「黒凪。この生徒会に足りないものは何だと思う?」

 

「いきなりですね…真面目さとかですか?」

 

「それは問題ないだろう。」

 

「本気で言っているのかあんた。」

 

 

ひょっとしてこれは高度なギャグか…いや彼は本当に真面目だと思っているのだろうな。真面目な奴は新入生を黙らすという理由で瓦割りなんてしないんだよな。

 

 

 

「この生徒会に足りなかったもの…それはツッコミだ!!」

 

「他から探してきてくれませんかね?」

 

「他にはいない。俺は黒凪がいい。」

 

「ワー嬉しくもないセリフをどうも。」

 

 

 

目的がツッコミで入れようとする生徒会って大丈夫なのだろうか。そして「黒凪がいい」とかそれは愛里に言われたいですね。

 

 

 

「黒凪!!頼む!!生徒会に入ってくれ!!」

 

「えー…桐山先輩がツッコミ役になればいいんじゃないですか?」

 

「俺には出来なかった…不甲斐ない先輩で許してくれ…頼む…生徒会に……」

 

「えぇ……」

 

 

俺があれこれ考えていると桐山先輩が俺の肩を掴み必死に懇願してきたが…なんだかあまりにも切実すぎて心配になるわ。この人なんだか原作でもこっちでも苦労してそうだな。

 

 

「わかりましたよ。末席に加わらせてもらいます。」

 

 

俺は小さく息を吐きそう告げた。なんだかんだ俺もいろんなことに巻き込まれているな。桐山先輩はすごくうれしそうだし、他三名も歓迎しているみたいだ。

 

 

「黒凪これを渡そう。」

 

「なんですかこれ?」

 

 

 

生徒会長から何やらプレゼントをもらった。包装紙を破くと出てきたのは…

 

 

「ぴ、ピコピコハンマー…」

 

「うむ、ツッコミには必須の武器だ。歴代の生徒会長はこれを使いこなしていたと聞いている。」

 

「あんた使いこなせなかったのかよ。」

 

「ああ、だがこの伝説を次に受け継ぐことができた…感慨深いものだな。」

 

「しょうもない伝説だな!!」

 

 

目頭を押さえる生徒会長に俺はピコピコハンマーで叩いた。

 

 

「堀北君、これで伝説は続くのですね。」

 

「流石ですね会長。これもまた愛なのかもしれませんね。」

 

「ああそうだな。」

 

 

「えぇ……」

 

 

 

橘先輩も南雲先輩もなんだか感動してる雰囲気が出ている。なんというか蚊帳の外な感じだ。

 

 

 

「黒凪。お前も難儀な道を歩いているんだな。」

 

「……かもしれませんね。」

 

 

 

唯一の味方は桐山先輩と言ったところか。いや神崎もこちら側だろうな。こんなメンツに加えて綾小路と堀北もいるとなるとますます混沌をきわめているな。

 

 

俺は窓から見える遠くの景色を見ながら一人呟いた。

 

 

 

 

「どうしてこうなった?」




あとがき「ソロモンよ!私は帰ってきたっぽい」


どうも作者です。今回の話を作るのにじかんがかかり過ぎたような気がします。
みなさん大丈夫です、私は生きてますので

次回もお楽しみに。

他ヒロインというIFルート…見たいのは?

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