前回のあらすじ
プールは平和だなぁ(遠い目)
以上
・龍園翔の憂鬱
俺の名前は龍園翔だ。少し俺の話を聞いてくれ。
国が運営する学校に入学してどんな学校かと思ったらクラス間の競争ときた、そしてここが謳っている進学と就職の恩恵が限られたものだと…
これは面白そうだと感じ、俺は自分のクラスを支配し王として勝利をつかみ取ろうとした…けどその野望は4月の時点で潰えてしまった。椎名ひよりという一人の文学少女によってな…
俺は何度かひよりと話して勧誘をしたが、奴は俺の提案に乗ることはなかった。しびれを切らした俺は少しばかり暴力をちらつかせたが、これが間違いだった…
ひよりのやってきたことは広辞苑を手に取り、俺の股間に目掛けて振り上げてきやがった。頭や胴体、四肢を狙うこともなくただ股間に向かって…俺は初めて恐怖というものを感じたよ。
手で防いだとはいえ何度も何度もただ股間目掛けてくるあの女は人間かと疑ったな…股間は防げたが手が凄く痛かった…俺は椎名ひよりというか弱い女に敗北した…
それからの俺は王になれず、ただの生徒として過ごすことになった。そしてCクラスは誰かが上に立つやつもいなく、それによってクラスリーダーのいないCクラスが出来上がった。椎名ひよりは王になることはなく、ただ図書室にいっては本を読み、時に本を吸って自分の時間を大切にしていた。本を吸うってなんだよ…
そして一月過ごしてわかったことだが…このクラスはやべえ。
本吸いの椎名ひよりを筆頭に、とにかくバカな石崎、脳内ピンクすぎる伊吹、ギャップしかないアルベルト…なんなんだこいつらは!?
一つ物事が起これば石崎が的外れな発言をして、それに伊吹がピンクな聞き間違えをして、アルベルトが意味が違うことわざや慣用句を言って、ひよりただ本を吸う。そして俺が全てにツッコミをする…こんなクラスで三年間やっていけるのか…
・
・・
・・・
「フゥーパーリィナイピーポーデスヨ、龍園サン」
「あぁ…」
夏休みに入ってからアルベルトの奴は俺の部屋に突撃してきて俺の部屋でパーティーをやってやがる。毎度毎度元気過ぎる。
定期的に俺の部屋に来て、パーティーをしているわけだが前に管理人から騒音の注意を受けた。その時にした行動がアルベルトは防音マットを買いに行って。俺は管理人から説教を受けていた…ふざけるなよこいつ…
それでもアルベルトはパーティーを続けやがったその結果、俺の部屋はCクラスのパーティー会場みたいになった。なんでだよ…
「龍園サン、楽シムベキデスヨ。」
「あぁ。」
「龍園さん。もうすぐピザが届きますよ。」
「あぁ…」
夏休みになってもこのパーティーは行われていた。今日は石崎もいるみたいだ。
「龍園氏、我もおりますぞよ。」
「うおっ!?」
後ろの声につい驚いてしまった。そこにいたのは同じクラスの金田悟という野郎だ。影が薄く、そして廚二病な奴だ。
「ふふふ、いいですね。さあ今日も
「あぁ…」
こいつの言っていることはよくわからない…石崎の方がわかるまであるぞ。そういや石崎ピザを頼んだと言ったな…
「おい、石崎。ピザのサイズはどうした?」
「ピザっすか?それはもちろん一番大きいMサイズですよ。」
「…一番デカいのはLだぞ。」
「あれそうですか…だってMサイズのMは『マジでデカい』って意味じゃないんですか?」
「……Mはミディアムという意味だぞ。」
やっぱりバカな勘違いをしていたな。だが石崎は何か笑いをこらえている。
「龍園さんwwww…ミディアムは焼き加減ですよwwww」
「サイズでもあるんだよ!!」
こいつ…外につまみ出してやろうか…
「ウオー、コレガワタシノ『バジリスク〇イム』ダアアアアア。」
「アルベルト、てめえはいつまで踊っているんだ!!!」
アルベルトはよく一人で踊っている。踊るなその図体で。部屋が狭くなる。
「楽しそうっすね。俺も踊るぜ。俺なりの『バジリスク〇イム』を見せてやるぜ。」
「のるな石崎。」
「ふふふまさに
「お前は黙っていろ金田。」
こんなのが定期的に俺の部屋で行われている。そしてピザは俺が支払った。
王になるつもりでいたのに気がつけばただ同級生とバカやってることに巻き込まれる日々…
どうしてこうなった。
───────────────────────
・神崎隆二の受難
俺の名前は神崎隆二という。少しばかり俺の話を聞いてほしい。
俺は中学の時にこの高度育成高等学校の推薦を貰いこの学校にやってきた。俺の所属することになったクラスはなんというか平和なクラスであった。輪を乱そうとするやつもいないから俺はこのクラスでよかったと喜んでいた。一週間くらいは……
そんななか変化が訪れた。俺のクラスで一番の美少女である一之瀬帆波が俺にこんなことを提案してきた。
「神崎君、あなたは今日から私のご主人様になりました。」
……理解が出来なかった。よくインターネットで宇宙ネコという画像を見かけるが、あの時の俺は宇宙ネコと同じような顔をしていたであろうと思う。それからの生活は一変した。
基本的に俺の後についてし、何かあれば俺の行動の補佐をしてくる。ある時は俺の部屋に気がついたら一之瀬が侵入して朝ごはんを作っていることもあった。鍵はどうしたのか聞いたら合鍵を作ったと……俺はひとつの恐ろしさを感じた。
周りの男たちは羨ましいだの、ふざけて俺をご主人様とか言ってくるが少し考えて欲しい。
過去に接点があったわけでもないクラスの美少女が唐突に自分をご主人様と呼び、ゆく先々についてきて、何か頼みごとをしてもしなくてもいろいろとやってくれるし甲斐甲斐しく世話をしてくれる…しんどいぞ。
それ以来俺には一人の時間というものがほぼなくなってしまった。確かに人付き合いは大切であることは理解しているつもりだが…朝昼夜と恋人でもないクラスメイトがいるのは俺には耐えられない。
だが過去を振り返って思うのはまだ四月はマシだったということだ。問題は五月となりこの学校の本性がわかり、より奉仕が増えたということだ。勝ちを目指すために一之瀬は俺をリーダーに据えあらゆる補佐をすることとになっていた。
一度だけこんな質問をした。
「なぜ、俺をご主人様に任命した?そしてそれをなぜ四月からやっていた?」
例え俺がリーダーをやることになったとしても補佐というか奉仕は五月からでもよかったはずだし、そもそもこういう学校であることに気がついていたのだろうかと。その返答が。
「一日でも早くご主人様という認識を持ってほしくてね♪」
というものだった。そのあともいろいろと聞いたが、この学校については胡散臭いとは考えていたとのことだった。俺がそんな深く考えていなかったのにリーダーなんて務まるのかと考えてしまった。
なおそのことを吐露したらさらに奉仕が増えたので無理やり自分を奮起させて奉仕の数をへらした。
そんなこんなで無人島試験となり、俺たちは一位を取ることが出来た。俺の指揮というよりか一之瀬のおかげであると思うが…
その後の船上での試験はまさかの黒凪というDクラスの友人(俺は友人だと思っている)が初日の話し合いで優待者の法則を見破り、勝者のいない結末を迎えた。
この試験から少し考えるようになった。俺は一之瀬ほどのカリスマ性はないし、黒凪ほどの頭の柔らかさもない。そんな俺がリーダーとしてやっていっても大丈夫なのかと…
しかしもはや担がれている神輿から降りることは出来ない以上やるしかない状況である。
だから少しばかり覚悟を決めた。試験のことで補佐をし、共に行動することも奉仕されることも甘んじて受け入れよう。だけど私生活はもう少し自由が欲しい。
そんななか生徒会役員の面接が行われることになった。これだと思った俺は行動が早かった。一之瀬に生徒会に入ることの利点を言い、もし生徒会に入れた時に俺が不在の時はクラスを頼むと任せ、先生に面接を受けること報告して俺は面接を受けにいった。
結果はとして俺は生徒会に入ることが出来た。そして一之瀬は俺の言った通りBクラスの為に生徒会に入ることはなかった。つまり俺が生徒会にいる間は実質自由時間なのだ。
俺はその事実に歓喜し、嬉しさのあまり俺は一人でパーティーのクラッカーを買って自分の部屋で何発も鳴らしていた…今思うと近所迷惑だし、テンションがおかしすぎたな…
そんな中俺はある日同じクラスの女子である。白波千尋に呼び出されていた…
「…」
「…」
「……」
「……」
カフェに呼ばれ、向かい合って座っているが数分が経過したまま沈黙が続いていた…なんだか気まずい。
「神崎さん。」
「はい。」
沈黙はいきなり破られ、俺の体が少し強張る。俺はどうなるのだろうか…
俺は目の前にいる女子について考える。白波千尋…一之瀬帆波を神格化して崇拝をしているような言動がいろいろとあった女の子だ。クラスリーダーが俺じゃなくて一之瀬の方がいいと言い続けていたし、俺がリーダーになってからは俺の粗探しをしていたり、俺に『もっと一之瀬様に感謝しろ』と詰められることもあり俺の胃痛の原因ベスト2だ。
最近は一之瀬と何かあったのか、俺に強く当たることはなくなったとはいえ今日みたいな呼び出しがあれば俺が休まらない。
あぁ、お腹痛い……
「聞いてますか?神崎さん?」
「あぁすまない。少しばかりボーっとしていたようだ。」
俺があれこれ考えている間に何か話していたらしい。まずい、何も聞いていなかった。
「生徒会の仕事がきついかもしれませんが、しっかりとしてくださいね。」
「あぁ、気を付けるよ。」
もしや今日はこんな小言のお叱りなのか…さよなら俺の休日。
「では先ほども言いましたが…私は決めたことがあるんです。」
「そうか…何を決めたんだ?」
「私は一之瀬帆波様のメイドになることです。」
「そうか…うん?」
どういうことだ?俺のメイドが一之瀬帆波で、一之瀬帆波のメイドが白波千尋で……補佐の補佐をやるということなのか?
「私は先の特別試験で気付いたことがあります。」
「気づいたこと…それは?」
「私がBクラス最弱ということです。」
「そ、それは…」
どう反論していいかわからない…無人島試験に関して言えばサバイバル、キャンプのことを知らない人にとっては厳しいものであるし、やれることが限られる以上仕方ないと思う。
船上試験に関していえば、黒凪の一人舞台であったためこれもしょうがないことだと思う。
「慰めはいりません。これは私が受け止めるべき事実なのですから。」
「そ、そうか。」
俺の行動を察したのか、止められてしまった。ただ最弱だったことからどうやったら一之瀬のメイドになることにつながるのだろうか…
「私はいろいろと考えました、今の私に何が出来るのかと…勉強も運動も好きではないので無理にやっても結果につながらない可能性があります…
そこで考えたのが私の好きな物で頑張れるものを探そうと、そして私の好きな物こそ…」
「一之瀬帆波というわけだな?」
「そうです。帆波様のためなら頑張れる、そして帆波様は神崎さんの補佐をしっかりとこなしている。ならば私は帆波様の補佐になればすべて解決すると気づいたのです。」
「…そうか。」
理由としては、俺の予想通りであったわけだが…なぜ俺にこの決意表明をしたのか…
「私が補佐をすれば、ある程度帆波様の負担を減らすことが出来るでしょう…ですがその状況に甘えて帆波様にさらなる奉仕を求めないでくださいね。」
「安心してくれ俺はそこまで極上な奉仕を求めるつもりはない。」
「言葉ではどうとでも言えますのでこれからの行動で判断させてもらいます。」
「そうか…」
「神崎さん…これからも頂上を目指して邁進してくださいね。」
「はい…」
どうやら俺の元に厄介なこと柄が追加されたようだ。俺の安寧は訪れるのだろうか…
あぁ、どうしてこうなった…
───────────────────────
坂柳有栖の困りごと
みなさんこんにちは
私、Aクラスの天才で病弱な妹、坂柳有栖です。
少し私の話を聞いてくださいませんか…
私は父が理事を勤めているこの高度育成高等学校に入学してすぐにこの学校のシステムに気がつきました。気づいてからは私は自身の立ち位置について考えました。
私は天才です。これは紛れもない事実です。これを使えばどのような謎解きであってもすぐに解いてしまえるでしょう。
ですが頭脳を使う事だけが試験ではありません。運動、身体能力の試験だってあり得るでしょう。
そうなったとき私では誰にも太刀打ちできません。なので誰かに守ってもらう必要があります。
いろいろと考えました。私のいるべき位置は後方での指揮官といったところ。そこにいることを受け入れてもらえ、かつ私を守ってもらえるようにするためにどうすればいいか…
そこで私は気づきました。私…美少女であることに。
美少女であり、ちっちゃくて庇護欲を駆り立てられる容姿であることに。これは武器だと確信しました。この体の小ささに悩んでいたころもあったのにまさかそれを利用する機会があるとは思いもしませんでした。
ここまで考えてもうひと押し考えることにしました…そして天啓が降りました。私が皆さんの可愛い妹になればよいということに。
可愛い妹に守ってと頼まれたらどんな兄、姉でも断ることはないでしょう。例え私がピンチになっても「どけ俺たち(私たち)はお兄(姉)ちゃんだぞ!!」なんて風に助けに来てくれること間違いなしです。これはとある漫画で読みました。
結果的に言えば私の作戦は上手く行きました。実際に妹がいる葛城君も第二の妹としてみてくれてますし、みんなが私を中心に一致団結してくれてますので、これからは勝利に向かって走り続ければよいだけです。
そんななか最近少しばかり困ったことが発生していますこれはある夏休みの出来事です…
・
・・
・・・
「う、ん。」
「あっ有栖起きたのね。」
「え、えぇおはようございます真澄お姉ちゃん。」
とある日、目を覚ますと同じクラスの神室真澄さんが朝食を作っていました。
病弱な妹を甲斐甲斐しくお世話をしてくれるしっかりとした姉。この文面を見れば微笑ましい光景だと思う人がいるでしょう。
問題があるとするのならば、なぜ真澄さんは渡したことのないこの部屋の合鍵を持っているのかという事でしょうか。
「有栖、お着換えできる?」
「大丈夫ですよ真澄お姉ちゃん。それくらい自分で出来ますよ。」
「そう…体調がすぐれなかったらちゃんと言ってね。」
「はい、ありがとうございます。」
ここ最近真澄さんは過保護になってきました。どうやら豪華客船での夏休みで私がいない喪失感、通称『有栖ショック』なるものが皆さんの間で発症した方々が大勢いたとのこと、あっ『有栖ショック』は私が勝手に名付けました。
他の皆さんは定期的な電話で治って行ったのですが、どうも真澄さんは深刻なものだったらしく、他の方々から聞いた話によれば、私の幻を作り上げていたとか…それを聞いた時は驚愕致しました。
そして真澄さんは豪華客船から帰って来られると真っ先に私のところに来て抱擁を要求されました。それは別に構わなかったのですが…3時間ずっとはなかなかにキツイものでした…
「今日は味噌汁が上手く出来たと思うわ。」
「ありがとうございます。お姉ちゃん。」
「ふぅーふぅー、はい有栖あーん。」
「あの…真澄お姉ちゃん、自分で食べれますので…」
そして今日のようなことが度々起こっているわけですが…あまりにも過保護なので少々突き放した言い方をすることもあるのですが…
「有栖…お姉ちゃんのこと嫌いになっちゃった?」
「いやそういうわけではありませんが…」
「ごめんね…妹に無理強いするなんてお姉ちゃん失格よね。」
「あう……あーん。」
「っ!!有栖。」
「美味しいですよ。真澄お姉ちゃんの料理は。」
「っ~~~~有栖大好き。」
なんというか真澄さんの涙に負けてしまい、結局お世話されることに…このままで大丈夫なのでしょうか……
この妹というマスコット化は成功したようにも感じますが、もしこれから先の未来で真澄さんレベルの方が増えるのであれば、少し失敗したと言っても過言ではないでしょう。
「有栖、今日は一緒にショッピングに行って夏服を買いましょう。それでお昼はどこかで食事をして…安心して時々あーんはするから、それから…」
「…はい。」
どうしてこうなってしまったのでしょう…
あとがきのこのここしたんたん
というわけで夏休み編最後のお話です。各クラスで苦労している人はいるんですね…
そして久しぶりにアンケートを設けました。内容は前回のあらすじとあとがきの題目についてです。
内容がわかるようであまりわからない前回のあらすじと誰か注目しているのかわからないあとがきの題目。
みなさんは見ていただいてるのかわかりませんが、いるいらないのアンケートですのでいらないとか否定しかいないようならやめます…多分……おそらく………きっと…………
次回もお楽しみに。
他ヒロインというIFルート…見たいのは?
-
堀北鈴音
-
櫛田桔梗
-
軽井沢恵
-
長谷部波瑠加
-
椎名ひより
-
伊吹澪
-
一之瀬帆波
-
坂柳有栖
-
その他