どうしてこうなった!?よう実!!   作:田舎狩人

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前回のあらすじ

赤組も白組も不安だわ…
以上。


第39話 体育祭まで張り切って参りましょう。

一ヶ月後に控えた体育祭に向けて、俺たちDクラスは各々の実力を数値化することにした。今日は須藤が借りてきた握力測定器を使うことになる。

 

 

 

「よっしゃあ、俺から行くぜぇ。」

 

 

 

測定器を持ってきた須藤は見るからにテンションが上がっている。まあ自分の強みを生かせる行事なのだから。ただ張り切すぎて壊すなよ…

 

 

 

「うおおおおおおおおおおお」

 

 

 

 

気合十分の雄叫びながら握力を測定する。みるみるうちに測定の数値が伸びていき、82キロという高い数値が出た。一年男子高校生の平均が確かおよそ37キロだったから倍以上の数値が出ているわけである。須藤って改めて考えるとやべえパワーの持ち主だよな……

 

 

 

「すごいね須藤君!!」

 

「おうよ!普段から鍛えているからな!!」

 

「これも愛の力だね。」

 

「いや平田…これは情熱の力だぜ?」

 

「いや愛だよ。」

 

「いや情熱だ。」

 

「いらんところで争うな。」

 

 

 

記録に驚愕していた平田と須藤が気がついたら言い争いに…どうしてこうなった。

 

 

 

「こうなったら…」

 

「あぁ…」

 

「「愛か情熱、どっちなんだ!?黒凪(絢都君)!!!」」

 

「俺にゆだねるなよ…」

 

 

 

なんでこうなる……

 

 

 

「まあ、今回関しては情熱だろうよ。」

 

「ほらな平田!!」

 

「威張らなくていいんだよ須藤…」

 

「なるほど…じゃあ次は愛の力を試してみようか?」

 

「何を言っているの洋介?」

 

 

結果が大きく変わるのだろうか…平田なら変わりそうな気がするが……

 

 

 

「あぁー…具体的になにすりゃいいんだ?」

 

「そうだね……恋人の名前を叫んでみるのはどうだろうか?」

 

「どうだろうかじゃねんだよ。」

 

「よし、それに賛成だ。」

 

「賛成するのかい!!」

 

 

 

変な流れが出来てしまったような気がする。というかこれ須藤が小野寺さんの名前を叫んだとして、それを聞いた小野寺さんは握力をちゃんと測定できるのだろうか……動揺してマトモに測定できないような気がする…

 

 

 

「よし……緊張してきたな。」

 

「さあ二回目の測定をしようか♪」

 

「元気だな洋介…」

 

「愛あるところに新たな愛が生まれることもあるんだ。僕はそれを祝福したいんだ!!」

 

「おー…なるほど…そっかぁ…」

 

 

 

なるほどさっぱりわからん。理解できて来たかなと思ったらこれだよ。平田の世界はどこまでも広く深くなっていっているような気がする。

一方で須藤は左手で胸を優しくたたき深呼吸をしてコンディションを整えている。あれ?よく考えたら今が右手の握力の測定で左手はまだ…一応両手を測定すると考えて……二回愛を叫ぶことになるくね?

 

 

 

「よし、いくぜぇ……」

 

 

 

須藤も準備が出来たようだ…このやり取りは少し離れた女子の方には聞こえてないみたいだな…小野寺さんの心に愛の不意打ちが刺さるだろうな…

 

 

 

「ふぅ……かや乃おおおおおおおおおおおおおおお、好きだあああああああああああああ!!!」

 

「あぁあ、告白までやっちゃうのか」

 

 

 

須藤の叫びに小野寺さんがぎょっとした顔でこちらをみていた。そしてみるみるうちに顔が赤くなっていってる。

そして周りの女子たちは囃し立てたり、拍手なんかを送っていた。いやなんの拍手なのか……

 

 

 

「ど、どうだ平田。」

 

「記録…78キロ。」

 

「下がってんじゃねえか。」

 

 

ほんのちょっとの羞恥心があったのか全力は出し切れなかったのだろうな…まあそれでも高いんだけどな。

 

 

 

「よし、次は左手だね」

 

「な、なあ平田…まさかとは思うが……」

 

「もちろん、愛を叫んでくれるよね?」

 

「お、おう…」

 

「もっと抵抗しろ須藤。」

 

 

結局須藤は平田に抵抗することなく小野寺さんの名前を叫びながら左手の握力測定を行った。お疲れ様です。

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

須藤と平田のせいで男子の握力測定に変な流れが出来てしまった……

 

 

 

 

「さつきいいいいいいいいい、かわいいいいいいいいいいいいいいい。」

 

「池君、右は29キロだね。」

 

「よく平然と記録できるなぁ。」

 

 

 

こうやって恋人がいる人はその名前を叫ぶことが通例となってしまったわけだ。ちなみに俺の測定は最後になった。何故こういう事になると俺が大トリになるのだろうか…

 

ちなみに恋人がいない奴もいるがそれでも愛を叫ぶのは必須条件らしい。いやどうするのよそれ…

 

 

 

「うおおおおおおお、時雨たあああああああああん」

 

「外村君27キロだね。今のは君がよく読んでいる〇□△という作品のヒロインだね。」

 

「なんで洋介は知っているんだよ……」

 

「みんなの愛の向かう先はすべてお見通しだよ。」

 

「そっかぁ……」

 

 

 

なんかこわいなぁ平田がどんどんとおかしく…いや最初からおかしいようなものか。というか二次元でも愛があれば平田的にはオッケーなんだな……愛ってなんなんだろうなぁ…

 

 

 

「よし次は俺だな。」

 

「うん山内君も張り切っていこうか。」

 

 

 

次の番は山内である。こいつなんというか最近影薄かったな…さて山内は何を叫ぶのだろうか…

 

 

 

「よし、行くぞ。」

 

「いつでもいいよ山内。」

 

「ふぅ……俺はハーレムを作りたあああああああああああああい。」

 

「山内君、28キロだね…あと愛を拡散するのではなくまずは一本筋の通ったやつにするべきだし、あとで屋上だね。」

 

「ちくしょおおおおおおおおお。」

 

 

 

相変わらずの辛辣である……一本筋の通った愛って何なんだろう……

 

 

 

「…なあどうしてもやらなきゃだめか?」

 

「もちろんだよ三宅君。みんなで愛を叫べば新しい愛に出会えるさ。」

 

「…三宅、もうあきらめろ。この流れはもう俺でも止められん。」

 

「そうかぁ…」

 

 

 

三宅はこの流れを何とか止めたかったようだがその発言は遅すぎたというやつだ。いや三宅が須藤の次だったとしても平田は止められなかっただろう。

 

 

 

 

「さあ測定の準備は出来ているよ。さあ思いっきり叫ぼう。」

 

「ちゃんと計測…してるよな?」

 

 

 

なんだか他の奴らの愛の叫びを聞いて満足しているような気がするが平田の手にある紙にはちゃんと数値が書かれていたので仕事はしているようだ。

 

 

 

「はぁ…波瑠加あああああああああああああ、好きだあああああああああああああ。」

 

「うん、記録は52キロ。なかなかの熱い愛だったね。」

 

「平田…愛の評価はやめてくれ…ハズイ。」

 

「何を恥ずかしがる必要があるんだい?君の愛は負けず劣らず素晴らしい愛だよ。よし君の愛について一時間程語ると…」

 

「洋介、次行くぞ。」

 

「うんわかったよ。」

 

 

 

隙あらば自分語りならぬ愛語り。油断ならないな。

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

「次は私のようだね。」

 

「高円寺君も張り切っていこう。」

 

 

 

次は高円寺かぁ…こいつは何を叫ぶのだろうか…いつも「私は美しい」なんて言っていたからビューティフルくらい言うのだろうか。

 

 

 

「ふむ……Perfect!!!」

 

 

 

そうきたか…それは予想外だったな。愛なのかどうかわからないが…まあ平田を見ても何も言ってないから問題ないのかもな。

 

 

 

「すごいよ高円寺君!!101キロだよ!!あとは自分だけの愛を探していけば完璧だよ。」

 

「ふむ、私の愛は気ままに探すとしよう。そんな私も美しい。」

 

 

 

結局小言みたいなことを言うのかい。それでも平常運転な高円寺であるな。

 

 

 

「ほう、101ですか…昔のニン〇ンドーの作品を思い出しますぞ。」

 

「初代スーパー〇ンキーコングだな。あれシリーズが進むたびに1%追加されていたな……って誰がわかるねん!!」

 

 

 

外村の発言に懐かしさを覚えながらツッコんだが…本当にわかる奴はいるのか…

 

 

 

「うわ、なんかヤバ。」

 

 

 

いきなりそんな声が女子の方面から聞こえてきた。女子は今、軽井沢が計測していたようだ。トラブルか?

 

 

 

「何回やっても表示されないし、壊れちゃったのかな。」

 

「先生から他の借りれるか聞きに行こう。」

 

「うん行こうか。」

 

 

 

そう言って何名かの女子が体育館を後にした。しかし表示されないなんてことあるのだろうか…

 

握力の測定器はものによるが60~120キロは測定できると言われている。高円寺が101キロを出して表示できたということは学校で使っている測定器がすべて同じなら120キロまでは表示できるのだろう。そして表示されないということは120をこえt…えっ?

 

 

 

 

…………えっ?????

 

 

 

軽井沢さん…そんなにアマゾネス系だっただろうか……軽井沢さん……どこを目指しているの……

 

 

 

「ふむぅ…」

 

「どうした高円寺?」

 

「ふむ……君もう一度貸したまえ。」

 

「えっあっ。」

 

 

 

何を思ったのか今測定していた人から測定器を取り上げもう一度握り始めた。もしかして軽井沢に負けたのが悔しかったのか。

 

 

 

「ふむ…ぱああああああああふぇくとおおおおおおおおおおおお。」

 

 

 

なんというか必死だな。なんかパーフェクトの言い方もちゃんとした英語から日本語になってるようなきがする。

 

 

 

「ふむ…表示不能だ。」

 

「すごいよ高円寺君一気に更新したね。」

 

「あぁ…これでこそ真のPerfectというやつだよ……」

 

「高円寺君?」

 

 

 

測定を終えるや否や、高円寺は壁にもたれて座った。

 

 

 

「少々…休まさせてもらうよ……言うなれば……ホワイトに……燃え尽きたというやつだよ……」

 

「高円寺君?」

 

 

その言葉を最後に高円寺は動かなくなった。平田が体を揺らしても目覚めることはない。

 

 

 

「高円寺君?高円寺君!?……高円寺くーーーーーーーーーーーーーん!!!」

 

 

いや流石に眠っただけだろと思い確認したがちゃんと脈はあったし、呼吸もしていた…平田の奴焦らすような演技しやがって…

 

 

 

「さて次の測定は…」

 

「えっ嘘だろ?」

 

 

 

切り替え早すぎない?さっきまで悲しみに暮れていたような奴の態度ではないぞ。

 

 

 

「何を言っているんだい絢都君。この測定器は今日返すのだから早く計測しないと。」

 

「おっおうそうだな…」

 

「高円寺君ならもうすぐ目を覚ますよ。」

 

「そんなバカな…」

 

「ハロー今日もいい朝だね。」

 

「はえーな!!そして昼だよ!!!」

 

 

 

そういや高円寺は超人だったな……というかなんなんだこれ…

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

「さて次は…」

 

「オレだ。」

 

 

あれから少しばかり時は流れて残りの測定は俺と平田と綾小路となった。

 

 

 

「さて準備はいいよ綾小路君。」

 

「あぁ……」

 

「どうした綾小路?」

 

 

 

何かを思案中のようだ。やはり本気を出すか迷っているのか…

 

 

 

「何を迷っているんだい?」

 

「いや何を叫べばいいのかと思って。」

 

「そっちかい。」

 

 

 

今までの流れや例があるんだから好きとか愛してるとかでいいだろうがよ。

 

 

 

「綾小路君。自分の中にある愛を心の向くままに叫べばいいんだよ。」

 

「そうか……よし。」

 

 

決まったようだが…どうも嫌な予感がするんだが…とりあえず何か変なのを叫んだ時の為にこいつの近くに立っておこう。

 

 

「じゃあ綾小路君、心の限り叫ぶんだ。」

 

「あぁ……鈴音ええええええええ。お前の胸は程よい大きさで好きだぞおおおおおおお。」

 

 

 

 

ビシッ!!バシッ!!ゴスッ!!!!!

 

 

 

 

誰が欲望を叫べと言ったよ。思わず無言でシバいたわ。俺が無言で頭をシバき、平田が笑顔で腹パンをしてすっ飛んできた堀北が首に手刀をしたわけだが…手刀の音ヤバくないか?それはともかく俺らの3コンボで見事に綾小路は気絶したわけだが、残された堀北は叫ばれた言葉を思い出し顔が赤くなりつつある。

 

 

 

「そ、その…彼氏が失礼したわ…その私が連れて帰るから。」

 

「あっはいお疲れさんです。」

 

 

 

そう言って堀北は、綾小路の頭を片手で掴み体育館を後にした。あの子も意外とパワーあるよなぁ……Dクラスはそんなにパワー特化だったろうか…

 

 

 

「洋介。」

 

「なんだい絢都君。」

 

「計測結果は?」

 

「上々だね。」

 

「ならば推薦競技には?」

 

「全て出てもらおう。」

 

「よろしい。とりあえず今後の動きは?」

 

「朝に屋上、昼に屋上、夜は寮の屋上で愛を語るとするよ。」

 

「任せたぞ。」

 

「任されたよ。」

 

 

 

平田と指揮官とエージェントのような短い言葉でのやりとりをする。なんだかんだで平田もこういうノリに乗ってくれる普通の男子高校生だなと少し安心した。

 

普通の高校生ってここにいるのか…なんて考えてはいけない。

 

 

 

・・

・・・

 

 

 

「さて次は僕だね。絢都君記録を頼むよ。」

 

「あぁ、まあ頑張れよ。」

 

 

 

特に平田を気にする必要はないだろうが応援はしておく。さて平田の握力はどんなものかな…すると平田は握力測定器を床に置いた。いや何してんの?

 

 

 

「恵いいいいいいいいい。大好きいいいいいいいいいいい。」

 

「あたしもおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。」

 

 

 

平田の叫びに軽井沢も叫び返す。シンプルな叫びだが互いの思いを伝えるものは飾らない言葉でいいんだろうな。二人の愛もまた大きくなっているのであろう…いや違う違う。

 

 

 

「よし!」

 

「よしじゃねえよ!!」

 

 

 

なに満足しているんだよ。測定しろよ。

 

 

 

「どうしたんだい絢都君?」

 

「いや……握れよ。」

 

「握る……寿司をかい?」

 

「お前はいつから職人になったんだよ。」

 

 

 

今までの流れ忘れたか?愛の叫びのせいですべてを忘れたのか?

 

 

 

「いや握力だよ。」

 

「…絢都君。僕の置いた測定器を見てごらん。」

 

「えっ……52キロか…」

 

 

 

床に置かれていた握力測定器はすでに数値を表示してあったのだ。えっ?平田はいつ計測したよ。俺はそんな疑問を浮かべながら平田を見ると。

 

 

 

「…初めて君を出し抜けたような気がするよ。」

 

「あぁあー……おめでとうございます?」

 

 

 

どやっているんだろうかぁ…いつも解明できていない愛の理論に出し抜かれているというか度肝ぬかれている俺だけど…とりあえず祝福しておくことにした。

 

 

 

・・

・・・

 

 

 

 

「さて最後は君の番だよ絢都君♪」

 

「テンション高いなぁ…」

 

 

 

いったい俺の何に期待しているというのだろうか…握力を意識して鍛えてはいないから平均値を超えれたら良いほうではあるがはたして……

 

 

 

「あぁここにカメラがないことが悔やまれるよ。君の大きな愛を収めることが出来たのに…」

 

「ただの握力測定だぞ?」

 

 

収めてどうするというのだ…早く終わらせるとしよう。

 

 

 

「絢都ぉ、頑張ってぇ。」

 

 

 

遠くから愛里が応援している。応援してくれるのはうれしいがやりづらいことこの上ないな。

 

 

 

 

「さぁ絢都君、痛恨の一撃を。」

 

「そこはせめて渾身であれ。」

 

 

 

なんでエネミーサイドの表現なんだよ。まあいい呼吸を整えるとしよう。

 

 

 

「ふぅ…愛里いいいいいいいいいい、愛してるううううううううううう。」

 

「私もおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。」

 

 

 

多少の恥ずかしさはあったが計測は出来た。さてどれくらいだっただろうか。

 

 

「記録は……42キロか…」

 

「そうだね…」

 

 

なんというか可もなく不可もなくといったところか…男子高校生の平均は超えているから別に問題はないが……大トリにしてはなんともコメントしづらい記録だな…平田も明らかに口数が減っているし。

 

 

 

「ま、まあ愛とパワーは比例しないと分かっただけでも愛の理解がまた一歩進んだということだね。」

 

「うるせぇよ。」

 

 

何故か慰められたのだが…

 

 

どうしてこうなった?




あとがき「あらすじいいいいいいい」


というわけで握力測定だけで一話使いました。
どうも執筆しようとすると眠くなってきます。みなさんはちゃんと睡眠できているのでしょうか…



次回もお楽しみに。

他ヒロインというIFルート…見たいのは?

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